降魔への旅立ち
「いったい全体どうしたのよ?」
怪訝そうな声を出している、ルナのその声に。
「・・・・・あれ?この人?」
「・・・・何か神気を感じるんだが・・。」
などといいつつ。
何やら意味不明なことを叫んでいるアクアに向かっていっている、白い巫女風の服を着ている女性に。
白いマントとローブを羽織っている黒い髪の男性。
「あ・・・わ・・・私・・・・恐ろしいことをしていますわ・・・。」
あのとき。
どうやら、あっちの自分は呆然としていたこともあり。
無意識のうちに、奥底で。
言い寄られる身にもなってほしい。
そう常日頃から思っていたこともあり。
無意識下とは恐ろしいもので・・・・。
「だから、アクア?どうしたっていうのよ?」
怪訝な顔をするルナに。
『リィナv』
『でぇぇぇぃ!いい加減にしろぉぉぉ!!』
未だにいちゃついている、魂だけとなっている二人の男女。
「・・・・ねえ?カイお兄ちゃん?パパとママ・・ずっと、この調子だったの?」
すでに、魂のない、屍の腰に挿されていた剣に話しかけている小さな男の子。
「・・・・ま・・・まあね・・・。」
そういうと同時に。
金色の髪に黒い瞳をしている男性が、ふわりとその場にと出現する。
「・・・・それはそうと、カイ?あんた、どうする?・・・・ルシファー・・・リナ追っ手あーやって死んじゃったけど・・・。」
そういいつつ。
魂となってリスティナといちゃついているルシファーを指差すルナに。
「・・うーん。あ、スィーフィードさん、この子、二人の子供なんですよねv僕、この子と共に行動しますよv」
「あら?そーしてくれる?」
何ともあっさりと。
こちらはこちらできまっていたりするが。
「・・・・あの?一体、何が大変なんですの?」
そういいつつ。
未だに混乱しているアクアに、筒に入った水を差し出して。
聞いているのは、黒い髪をストレートに伸ばしている一人の女性。
「・・・・・え・・ええ。実は、私、ガーヴを封印するときに。
ついつい、何勘違いしたのか、ルナ様と同じように。人の心に・・のつもりが。
人とその精神・・混じってやってしまったんですの・・。それだけなら・・まだしも・・・・。
・・・・・・・恐ろしいことに、どうやら、魔の・・・いえ、あの姿の、イメージが強すぎて・・・・思わず。
わたくしの奥底の感情・・つまりは。言い寄られるものの気持ち・・少しは理解してほしい。
というようなことか・・・とんでもない・・ことに・・・。」
『?????』
アクアの説明は。
そこにいる、二人の女性に一人の男性。
アメリア、シルフィール、ゼルガディスといった人間達には分からない。
分からない・・・が。
「・・・・え゛・・・まさか・・・あくあ・・それって・・・。」
ルナが思わず。
その言葉に、ぎぎぃ。
とアクアの方向に視線を向けると。
「・・・・ええ。私・・・・。」
『・・・・・・・ぶわはははっっっっっ!!』
『あらあらvまあまあ♡』
『ぶ・・・・・ぷくくくくくっ!』
『・・・・・・・・・誰か記憶に残しといてよvぷくくくっ!』
大声でおなかを抱えてわらっている、銀色の髪の男性に。
にこにこしつつ。
何やら、メモを取っていたりする青い髪の女性に。
そして。
おなかを思わず抱えつつ。
笑いをこらえている目つきの鋭い淡い金髪の女性。
そして。
その目にどうやら、本気でおかしいらしくて。
涙を・・・丁寧にも浮かべている、一人の少年。
おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!
互いに異なる地上と、精神世界とで。
そんな光景が見受けられているころ。
ここ。
すでに結界に閉ざされかけた、一つの場所。
つまりは。
結界の一つの拠点となっている、砂漠地帯のその一角で。
今。
新たな命が産声をあげてゆく。
「まあ、この子、お父さんによくにてて♡」
「あと、お爺さんにもにてますねぇ。」
などといいつつ。
今生まれたばかりの赤ん坊を産湯につけている女性達。
「・・・・ねえ?でも・・・この子・・女の子・・・・だけど?」
「まあ、女の子は父親に似たら、幸せになれるって。よくいうし。」
「そうね。このまま大きくなるわけでもないわよね。」
生まれたばかりの赤ん坊は女の子。
・・・・ではあるのだが。
その、体格は骨組みがしっかりしているのか。
かなりごつく。
そしてまた。
その顔は・・。
真紅の紅い髪。
・・・・・しかも、かなり剛毛。
これは、父親譲りであるらしいが。
そしてまた。
父親譲りのよく言えば深い堀立ちの顔。
悪く言えばごっつい顔。
・・・・そんな姿で、今まさに。
一人の女の子の赤ん坊が。
この世に生を受けているのであった・・・・・。
「も・・・もう、最高だよ!ガーヴ!ぷくくっ!」
しばらく凍りついた後に。
同僚全員で思わず笑いこけているのは・・・仕方のないことであろう。
何しろ。
彼がよくとっていた容姿のまま。
・・しかも、人間に転生し。
しかも・・・・女性。
生まれたばかりでその容姿で生を受けているのを見つければ・・・。
「・・・・で?どうする?魔族に復活させるの?フィブ?」
くすくすと笑いつつ。
何かにその姿をうきうきしつつ記録している、同僚でもある、ダルフィンのそんな姿をみつつ。
「・・・面白いからこのまましばらくみてない?あのまま、成長して、ガーヴがどうなるのか?退屈しのぎにはなるよ?」
「うーん、さすがは私の子供ですねぇ。ガーヴ。女の子でもかわいいですよ♡」
などといいつつ。
机に座っている彼ら四人に。
なぜかお菓子などを持ってきている一人の男性。
その言葉に。
思わず顔を見合わせて。
『お父(赤瞳の魔王)(ルビーアイ)様、本気でいっているんですかぁぁ!?』
みごとに。
フィブリゾ、ゼラス、グラウシェラーの声が重なり。
まあ、いくら、一応は。
物質世界面においては。
水竜王の力と、そして、自らの力・・・。
すなわち、神魔融合術の氷により、その肉体は閉ざされはしたものの。
精神世界では、多少の力を失っているものの。
・・・といっても。
かなりの力を持っているのではあるが。
「え?かわいいじゃないですか♡あの、さらさらのストレートの紅い髪。」
・・・・・あれは、ごつい剛毛というものです・・・お父さま・・・。
「それに、くりっとしたあの瞳。」
・・・・あれは、どーみても、目つきはするどいが・・・。
「それに、何より、あの健康そうなあの体つきv」
・・・・あれは、どうみても。ごつい体としかいいようがないが?
「それに、見た人を絶対に忘れられなくする、キュートな顔立ち♡」
・・・あれは、絶対に。
見た目、どうみてもキュートとはい(えないとおもうが)(えないぞ)(えませんことよ♡)?
うっとりとして。
誕生したばかりの、そんなガーヴの転生体でもある、人間の赤ん坊の映像をみていっている、そんなレイ。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
しばらく、そんな映像をみて。
うっとりしている魔王をみて。
しばらく言葉を失っている腹心たちであった・・・・。
「説明するより、見てもらったほうが分かりやすいですわ・・。」
どこか顔色もわるく。
そのまま。
どこからか。
トライデントを取り出して。
とんと。
空中を叩くアクア。
刹那。
その空中の空間が揺らめき。
そこに。
どうやら、どこかの村であるらしいが。
その中に。
出産のお祝いで、にぎわっている人々が映し出され・・・。
そして。
その姿が映し出されたその刹那。
―ぴしり。
完全にその場の人々・・。
ルナ、シルフィール、アメリア、ゼルガディスは硬直し。
『え・・・ええとぉ、あ、カウリイ、あたしたち、そろそろいかない?』
『リナと一緒ならどこにでもv』
あれを直視するのはさすがに気がひける。
というか実際には会いたくない。
そして。
『あ、カイとかいったわね?そのこのこと、よろしくv』
・・・・母親がそれでいいのであろうか?
などと、思わずカイですら思うが。
・・・まあ、さすがにリナではある。
すでに。
必要なことは、魂となっていた最中。
ルナの元にカウリイのことを息子に報告しがてら。
一応もう、親子の会話などは一通りすませている。
ただ。
いつもは、ルナの力で魂が触れるように、実体化していたので。
そのまま。
じゃれあいながら・・といっても過言でないのであろうが。
そこから掻き消えてゆく二人の姿。
後には、ただしばらく。
さすがに、その光景・・赤ん坊の姿はインパクトが強く。
完全に失神してるいシルフィールと。
茫然自失となっているアメリア。
そして・・・。
「アクアぁあ!?あんた、何て恐ろしいことをぉぉぉ!!?」
絶叫を上げるルナの姿が。
ここ。
この地にて、唯一のこった王国、ゼフィーリアにて見受けられてゆくのであった・・・。
― この子の名前はカルナねv
人々は、何もなくなっても、結構しぶとい。
何もない廃墟の中からも、這い上がろうとする。
戦いが終り・・・。
一番の理由は。
すでに国という国が、たった一つを覗いて存在しない。
ということもあるのだが。
残った、王家の人々は国を復興するために。
そして。
生き残った人々や、生きとしいける者達は。
日々、復興と生きることに生活を追われてゆく・・・・。
十数年後。
「まったく。このわたくしのどこが。男にみえるのですの?」
そういいつつ、その野太い声でそういわれても・・・。
しかも、片手に大きな剣を振りつつ・・である。
どうみても、男性。
いや、それ以外の何ものでもないではないか。
長い剛毛ではあるが真紅の髪。
そして、堀立ちの深い顔立ちに、太い眉毛。
・・・・不釣合いなまでに、かなり大きな彼・・いや、彼女の胸。
彼女の名前は、カルナ。
旅を続ける砂漠の民である。
この十数年の間に。
さすがに、砂漠の中に魔物が住み着きだし。
砂漠から出て、他の地にいこうか。
という話しがでていたりする。
そんな両親や一族達を助けるために。
剣の腕を磨き・・・今ではかなりの腕前になっているが。
・・・・彼・・・いや、もとい。
彼女の禁句は。
【男女】
それ以外の何者でもないのである。
砂漠から出て。
彼・・・でなく彼女があうのは。
これからが運命・・・なのかもしれない・・・・。
-第40話へv-
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まえがき:
はいv
やってきましたv
今回ははっきりいって、ギャグ!(爆!)
今までのシリアスは・・一体・・どこに?あははは(核爆!)
何はともあれvいくのですv
・・ある意味、セーラー服ガーヴより、あの容姿のままフィル赤ん坊より・・。
インパクト・・ありますけどね(だからまてぃ!)
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あとがきもどき:
薫:・・・救い・・・・いや、男言葉のほうが・・救いだよな・・。
ガーヴが女言葉で。
「このわたくしのどこが男にみえるのですの?」
・・・・とかいってたら・・・・・・・・・・(うぞぞぞ・・・・←鳥肌)
・・・・・・私は死にました・・・。
いや、実は、男言葉と女言葉。二種類考えてたんですよ・・。
で、メッセにとあるお二人の意見で、どっちがいいかとお聞きしてv
んで、ガーヴの言葉は女言葉に決定しました(かなりまて!爆!)
・・・・次回で、ガーヴの結婚式(こらまてぃぃぃぃぃ!)
んでもって・・・・覚醒・・・かな?ええ、魔族の(こらこらこら!)
ちなみに。
ギャグに一時はいりましたけど・・。
エンシェントドラゴンの虐殺・・・あります・・・はい・・・・・。
んではでは・・・・・。
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