降魔への旅立ち
「・・・・・さて。」
眼下を見下ろせば。
そこは自然の要塞。
「ガーヴ様?どうされるのですか?」
隣で聞いてくる武人姿の男性のその言葉に。
「けっ、とりあえず、この山なんかは・・・邪魔だな。」
それだけつぶやき。
手をかざす。
刹那。
ザァ・・・・・・・・・・・・・・。
固いはずの岩山が。
一瞬のうちに砂と化し。
そのまま、完全にと崩れおちてゆき。
後にのこるは。
ただただ。
その中にいた人々のみの姿だけ・・・。
ふと。
何かの気配を感じて目を覚ますと。
まるで夢でもみているかのように。
一瞬のうちに、壁が、砂と化して崩れ落ちた。
肌に感じる砂粒と。
そして、外の冷たい空気。
ふと見上げれば。
見えるはずのない星空が。
そして。
月明かりの中に。
その月の中に浮かぶように。
人影が二つ。
その姿を見定めるや否や。
その人影が揺らめいたかと思うと。
ドン!!!
すざましい衝撃派とともに。
そこに。
要塞が砂と化して。
呆然としてた人々の目に最後に映ったのは。
上空より降りてくる。
ただ一条の一筋の光。
であった・・・・。
「た・・・大変です!」
息を切らせて入ってくる兵士の言葉に。
「何事だ!?」
こんな朝早くから。
などとおもいつつ、起き上がる。
「よ・・・要塞が!」
はっきりいって、支離滅裂。
何を言いたいのか分からない。
そんな彼の元に。
「よう、おっさん。とりあえずあそこは壊滅させといたぜ。というわけで、俺はもうお役ゴメンでいいな?」
などといいつつ。
またまた何処から出てきたのやら。
ふと気がつくと。
テントの奥の人隅にいる一人の男性。
「・・・・・あ、おい!」
「ちょっとまて。ガーヴ殿?」
将軍にむかって何という口を。
といいかける兵士に。
眉をひそめるサラス。
そんな彼らを尻目に。
「じゃあな。」
それだけいって。
まるで空気に溶け消えるように。
その場から掻き消えてゆく男性・・ガーヴを認め。
「・・・・・・あいかわらず動きが早くて見えませんねぇ。」
・・・・・あ・・・あの?将軍?(汗)
そんな様子をみて。
そんことをつぶやくサラス将軍のその言葉に。
自分には、今のは。
姿が消えたようにしか見えませんでしたが・・。
などと、こちらが最もな反応なのであるが。
そんな反応をしている兵士その一であった。
一体、何をどうやったら出来るものなのか。
そこにあったはずの岩山が、綺麗さっぱりと一夜のうちに掻き消えて。
しかも。
そこにあるのは。
巨大なクレーター。
そして。
かなりの衝撃だったのか。
割れ目のクレーターからは地下からマグマが見え隠れ、多少大地に噴出していたりする。
そこには。
昨日まではなかったはずなのに。
マグマの海が出来上がっていたりするのである。
― あそこは壊滅させといたぜ? ―
朝方のガーヴの言葉が思い出される。
「・・・・・一体・・どういうことをしたら・・。」
ただの人がここまでできるはずはない。
そしてまた。
ここにいたはずの。
大量の人々は、どこにいったものなのか。
突如として走った。
空に伸びる紅い稲妻。
それが何事かと精神を向ければ。
強い力あるものが。
人の地にむかって何らかの干渉をしているところ。
そして。
その力を放っているのは・・・。
『・・・・・・魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴ・・・・・。』
異なる三つの地点で。
その光景を覗き見ていた彼らは。
今、地上で行われている戦いに。
魔族が絡んでいることを。
この一件で確実に。
確信を持ってゆく・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・何やっているんだ・・あの馬鹿は・・・。」
「・・・・フィブ?あなた確か、ガーヴに連絡とったのですよね?」
空に伸びる一筋の稲妻。
それをみつつ。
思わず苦笑交じりの溜息一つ。
「ええ。ルビーアイ様。確かに伝えましたけど・・。でもまさか、ここまで考えなしだとは・・。」
そういいつつ、思わずこめかみを押さえているのは仕方のないこと。
何しろ。
ではなぜ今まで。
竜王・・つまり、神族などに知られずに行動してきていたのか。
すべて水の泡。
この戦いに。
自分達・・魔族が関っているなどと。
今ので完全に神族側にも知られたはず。
眉を吊り上げてぴくぴくさせている銀色の髪の男性に。
おもわずこめかみを押さえてつぶやいている、淡い金髪に目つきの鋭い女性。
「まったく。今度、ガヴちゃんに。頭のよくなる薬でもつくりましょうか♡」
それをみて。
にこにこと笑って。
何か紙を創りだし。
書き始めている長く青い髪をしている女性。
その言葉に。
『それはやめとけ(いてよ)。』
同時に突っ込みを入れている黒い髪の少年に淡い金髪の女性。
そして。
「いやまて。確かに手かもしれん。あいつにはそれくらいしないと。馬鹿が直らないかもしれないぞ?」
真面目な顔をしてその言葉に同意をしている、銀色の髪に銀の瞳をしている男性。
「あらvさすがに話しが分かりますわねvグラウvあなたにも是非にv」
そうにっこりと微笑んでくる同僚のその言葉に。
「・・・遠慮しておく・・。」
器用にも汗を大量に具現化させて。
顔色をなくして断りを入れているのは、覇王(ダイナスト)グラウシェラー。
この世界の魔王、それの五人の腹心のうちの一人。
今この場にいるのは。
その魔王・・・赤の瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ。
そして。
冥王(ヘルマスター)フィブリゾ。
獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオム。
海王(ディプシー)ダルフィン。
覇王(ダイナスト)グラウシェラー。
この五人。
「ま・・まあ、とりあえず。あまりまだ派手には動いては欲しく・・ないですねぇ。」
ようやく形が出来上がってきたころ。
それにまだ。
完全に分たれた欠片の一つも見つけていない。
とびちった余波的な力の欠片は集めているものの。
まだ肝心な部分の大部分に分たれた力がまだ戻ってない今の現状。
そのことに思いをめぐらせて。
つぶやく魔王・・・いや、レイ=マグナスのその言葉に。
「・・・・あいつは昔から考えがないから・・。」
おそらく。
ダルフィンの実験体にされるのが嫌で。
そんな的確であるが素早い行動をとったのであろうが。
彼ら魔族は精神生命体。
それゆえに、契約などといったことにひどくこだわる傾向がある。
確かに、実力は伴っているが。
戦いに楽しみを見出すなどといった傾向があり。
まずそこにオモシロそうな戦いなどがあると。
それまでの作戦などを無視・・というか。
彼はよく忘れてしまう。
そのことは長い付き合いであるこそよくわかっている。
溜息をつくフィブリゾのその言葉に。
「まあまあ、そこがまたかわいいじゃないですか♡」
にこにこと言い切るその言葉に。
思わず。
全員が顔を見合わせ。
・・・・・・・・・あいかわらず魔王様・・親ばか?(汗)
などと思っているのは。
当の本人・・・レイ=マグナス=シャブラニグドゥは知らない事実。
そんな会話が繰り広げられているその最中。
「・・・・どうやら、今回の地上での争いには。魔族が介入しているらしい。
・・・・我々も傍観しているわけにはいかなくなった・・。」
「・・・確かに。とりあえず、互いの部隊を差し向けよう。
状況次第で、人間達やエルフ達と共同戦線を張り。何としてでも魔族のたくらみを防がねば。」
「・・・・私は気になる人間がいるから・・・。彼・・・・大丈夫かしら?」
そんなことをその直後。
集まって話している女性二人に男性一人。
人の目からも。
そしてまた。
空を飛ぶ生物の目からも見えないほどの上空に。
その上空に浮かぶ雲の上に位置しているとある宮殿。
そこが、彼らのうちの一人。
天竜王の宮殿。
この世界の光を治めている赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィードの直属の四人の部下であり、
そしてまた、竜王という地位にある彼ら。
今。
地上で、どこかしこともなく。
争いが絶えないのは。
魔の介入があっただめだと。
今更ながらに。
ようやく今。
神族である彼らは気付くのであった・・・・。
「・・・・・・どうして俺が実験体なんだぁぁあ!!!?」
しばらく後。
とある場所に。
ガーヴの叫びがこだましたのは。
当然といえば当然のこと・・・・・。
-第33話へv-
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まえがき:
・・・・何か。ガーヴが主人公?(爆!)
・・・いえいえ、一応、多分、おそらく。レイが主人公・・・のはず・・・なんですけど・・。
・・・・・・・・ガーヴの暴走(というか考えなし)がないと。この話しは成り立たない。
という事実がある・・・(笑)
何はともあれv
いっきますv
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・さて・・・・と。
・・・・・・・ルナ姉ちゃん・・・・だそうか出さざるべきか・・。
いや、そーしたら。 とてつもないガウリナサイドをするはめに・・。
・・・あれはやっぱりチャレンジ部屋にそのうちに打ち込むとして。
(こらまて!そーいっているエデンシリーズの話しがいくらある!?汗)
とっとと。
人間、エルフ、竜族、ドワーフ。生きているもの全てとの戦いにもってゆくか・・・。
んではでは・・・。そろそろ、戦いの開始?
・・・ですね・・・・はい・・・・。
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