降魔への旅立ち
魔道士レイ=マグナス。
その名前はすでに知らないものはいない。
それほどまでに。
今、この世界では。
十賢者。
そう呼ばれている者達がいる。
いや、賢者というよりは英雄といったほうがいいのやら。
一人は。
その剣の腕は誰にも負けない。金の死神。
そういわれている旅の剣士。
そして、その彼と共にいるという、栗色の髪の女性。
まあ、彼らに関しては。
ちょっかいをかけないほうが間違いなく無難であることを。
レイはよくわかっている。
まあ、少し前に。
その『力』の波動が一瞬高まり。
そして。
今では、その・・・【黄竜】の気配は。
すでになくなっている今の現状。
気配も二つとも。
完全なる人のそれにと変化を遂げて。
今では意識しないと分からないが。
まあ、脅威が去ったのであるからして。
さしたる問題ではない。
それより。
新たに彼女が作っている王国の方が気にはなる。
各自、他の竜王などの同行を探るようにと命令を出し。
少しでも、自らの欠片を宿している人間達を見つけ出しつつ。
自らは人として、あくまで敵対しているようにと振舞っているレイ。
「・・・・・ずいぶん思い切りましたねぇ・・・・。」
思わず感心の声が漏れる。
「・・・・なぁに?何かよう?レイ?」
とある場所に作られている新たな国。
その町並みをみてつぶやくレイにそういっているのは、紫がかった青い髪をしている女性。
「いや、お久しぶりです。お姉さんv」
そういってにっこり微笑むレイに。
「・・・・・確かに久しぶりよね・・・レイ・・・・。」
その言葉にキョトンとして。
「・・・・・・え・・・・え・・・・え!?あの?お兄ちゃんと、スィーフィード様って?姉弟だったの!?」
驚愕の声を上げているサファイア。
あまりというかまったく知られていない事実。
実は。
彼らは姉弟として創られている。
というその事実を。
「そうですよ?まあ、あまり知られてない事実ではありますけどね・・。」
そういうレイのその言葉に。
「まあ、確かに。でも、この事実は殆ど知られてないから・・・・」
昔は知っていた人間達ですら。
今では、神と魔を切り離して考えている。
本来。
神も魔も。
互いに信仰されていた存在であった。
だが。
いつのころからか。
魔を恐怖の対象と成し始め。
そして今にと至っている。
かつては。
互いに互いを高めあいつつ。
それなりにバランスよく互いに発展を遂げていた。
だが、今は・・・・。
そんな二人の会話を聞きつつ。
首をきょとんとかしげるサファイア。
「私、よくわかんない。」
首をかしげているサファイアをみつつ。
「ところで?レイ?いつこんなかわいい子供をこしらえたの?」
「〜〜〜な゛!?ルナ・・姉さぁぁぁぁん!」
涙ながらに抗議の声を上げているレイ。
新しい国であるにも関らずに。
混乱の中に負けずに。
国が成り立ち始めている場所。
そこの活気の原因を調査して。
少しでも、この争いを早くに収めようとする人々の希望に沿う形で調査に出向いているレイ。
そこで出会ったのは。
彼の実の姉であり・・といっても。
彼らにとっては、産み出したのは一人の母。
全ては金色の母の腕によって生み出されているのであるから。
全てが家族といっても過言ではないのであるが。
光と闇。
いや、一つの力を二つに分けて作られた存在。
それが彼ら。
互いが互いに。
同じ本質から存在しているということもあり。
互いが滅べば片方も滅びる。
そういうつながりをもっている、この二人。
この世界の光と闇を治める、竜神と魔王。
その事実は。
今存在している生き物などは。
はっきりいってそのことすら覚えてもいなく。
かつては。
神も魔も、全ての生きている者達全て平和に暮らしていた時期があった。
それがいつのころか。
それぞれの部下達が。
その本質を踏み外して。
争いを求めてゆくのようになったのは。
それは、人の心の影響か。
はたまた。
理に背くものがいらぬ知識を与えたのが原因か。
今では、互いを高めあいつつ、向上してゆく。
その本質が守れてないような気がする今日この頃・・・。
「・・・・とりあえず、ルナ姉さんが国を創るのであれば。私も創りますか・・・。」
そう言ってぽつりとつぶやくレイのその言葉に。
「あら、だったら、あそこをそのまま利用したら?
・・・・・ごめんなさいね。うちの馬鹿ヴラバザードがちょっかいかけた。あの場所に。」
そういってとある場所を指し示しながら。
虚空を指差す。
そこに映し出されるのはちょっとした湖の姿。
「・・・・それもそーですね。」
光の属性をもつ土地があるのであれば。
近くに闇の属性を持つ場所もなければバランスがとれない。
光と闇は互いに必要。
どちらがかけてもそれは成り立たない。
だが。
それを理解している存在は、あまりに少なくて・・・・。
調査隊のメンバーに含まれて護衛として、
この地にとやってきていたレイは。
他の人々に聞かれないように。
そんな会話を。
この地に国を創っているその一人。
ルナ=インバースと共に。
そんな話しを繰り広げてゆく・・・・・・。
「カウリイ?どうかした?」
何か考え込んでいる様子の彼の顔をみて。
戸惑うようにと声をかける。
そして。
顔を伏せ。
「・・・やっぱ、あたしとだった・・・カウリイ・・・迷惑だったんじゃ・・。」
子供のころからそばにいた。
そして。
助けてくれたのも・・彼。
本来ならば死んでいたはずの自分を、その力でいきながらさせ。
そして今。
彼女と・・・そして、彼女の中にいる新たな命を守るために。
その力の全てを自分にと捧げてくれた彼女にとっては賭けがえのない人。
「あのな?リナだからいいんだよ。・・側にいてくれ・・・な?」
「・・・うん。カウリイこそ側にいて・・・。」
誰も信じられなかった。
そんな闇の中に差し込んだ一筋の光。
その光が失われそうになったとき・・。
彼はその魂を何とか留め。
その力にて肉体にと留めおいて。
自分の力だけで彼女をこの世界につなぎとめていた。
だが。
側にいればいるほど、思いは募るばかりで・・・。
・・・・・・あるとき。
彼女を抱いた。
一度枷が外れてしまっては。
もうどうにもならなくて・・・・。
そして。
彼女が彼の前から消えてゆこうとしたのはついこの前のこと。
それは。
彼の重しになりたくないという彼女・・栗色の髪にくれないの瞳の少女の思いであったのだが。
いろいろあって。
今では彼・・ルシフェル=カウチェリィ=デ=コルセプトス。
その彼の力を全て生命力にと転換し。
今では普通の完全なる人となったこの二人。
ルシフェル=カウチェリィ=デ=コルセプトス。
リスティナ=ウル=セレニティア。
互いに互いをカウリイとリナと呼び合うこの二人は。
いろいろとあったが。
先日。
ひそやかに、結婚式を挙げたばかり・・・・。
ルシフェルは、その身に。
黄竜族とそして異界の魔族の血と力を受け継いでおり。
そしてまた。
リスティナは誕生するときにこの世界の光の竜神の力を受けている。
普通の人間と赤の竜神の手によって転換した彼らは。
この殺伐とした世の中で。
今、そのおなかの中に。
リナのおなかに新たな命が宿っているのは。
これは偶然か、はたまた運命か・・・。
今。
確実に運命の輪は回り始めてゆく・・・・。
−第31話へv−
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まえがき:
・・・・うーん。
お話しつつの打ち込みは・・・・。
なかなか時間がかかりますねぇ?(まて!)←(笑)
というわけで打ち込み始めたのは2003年の5月16日なのに。
アッブできるのは17日という・・・私なのです(爆!)
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・・・みじかいけど・・。
いっか(よくないです!)
区切りがかなり悪いので。
出す予定ではなかった裏設定のリナガウをもってきましたv
いやぁ。
だって。
次からレイのレグニア湖のことに触れるんだもん(まてまて!)
(スレイヤーズロイヤル2のRPGを参考くださいv)
んでは。またv
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