降魔への旅立ち


世の中に満ちている負の感情。
それが彼らの力となる。
ただ。
少しばかり手を差し伸べただけ。
転がるように争いの道にと入っていったのは。
他ならない人間達そのもの。
ただ。
彼らは少しばかりアドバイスをしただけ。



かつての戦いにおいて。
その力が分断された。
それは竜神とて同じこと。
互いに表と裏のかがみ合わせ。
どちらが滅んでもどちらが復活しても。
それはまるで対を成すようにことが起こるように。
また、そうでなければバランスが崩れるようにとなっている。


空間から完全に一部切り離されたその場所で。
一人の青年の前に膝まづいている五人の姿。
子供から大人まで。
様々に。
青年・・・・レイの前にて膝をついている。


「ふう。まさか人の心が。これほど厄介だとも思いませんでしたよ・・。」
そういいつつも苦笑する。
人とは、弱いようで強い。
それは十分に分かっていたはずであるのに。
その思いに捉われて。
今の今まで復活が遅れたことに。
くすりと笑うその笑顔は。
さきほどのレイそのものの表情。
だがしかし。
雰囲気等が威圧されるような雰囲気にと変化を遂げている。


そして。
「ふむ・・・・。これはまた・・・。」
ふと、世界を・・・・この惑星を見渡せば。
光に続する神族側にも。
多少の変化の兆しが見え隠れしているのが見てとれる。
光に続するものの闇の感情は。
彼らにとっては逆にそれが力となりえる。
それが強い力をもつものの負の力であればなおさらに。

殺伐とした混乱の世界を理由に。
意味もなく大量虐殺を繰り返していたとある竜王。
それが、今は。
謹慎処分となっているのも見てとれる。
・・・・かつて。
レイの住む村を襲ったそれ。



ゆっくりと視線をめぐらせて。
「それはそうと、久しぶりですね?フィブ?グラウ?ダル?ガーヴ?ゼラス?お元気そうで何よりですよ。」
にっこりと。
部下でもあり、彼の子供といっても過言でない。
彼ら五人にと話しかけているレイ。

「まったくだ。復活が遅いんだよ。」
悪態をつきつつも、顔が綻んでいる赤い髪の野性味を帯びた男性に。
「しかし、復活そうそう、力をある程度取り戻されたのは。誉れですな。」
そういいつつ、うんうんうんとうなづいている銀色の髪の男性。
そしてまた。
「ふふ。ルビーアイ様?いつ行動を起こしますの?起こしますの?ふふふふ♡」
・・・・・何やら。
手にもっている小さな鞄を見て笑いつつ。
そんなことを言っている漆黒の長い髪をしている女性。
「・・・・・・・ダル・・お願いだから。復活されたばかりの魔王様で新薬の実験はやめておけよ・・。」
そんな彼女の様子をみて。
あきれるようにつぶやいている淡い金色の髪の女性。
「あ・・あら。おほほほ。そんなことはしませんわよ。ほほほほほ。」
そういいつつ、なぜかセンスを口に当てて微笑む彼女の姿に。
その場の全員。
―やる気だったな・・・・・・・。
同じ思いにと駆られてゆく。
「それはそうと?ルビーアイ様?これからどう成されますか?」
そういって、大きな瞳をさらに大きくしていってくる少年のその言葉に。
「そうですねぇ。とりあえず・・。スィーフィードがあそこまでの力を保持していますから。
  こちらもそれに似合ったまでの力を復活させなければ。今までどおり、このまま。争いを止めるでもなくあおりつつ。
  他の欠片が封じられている人間を見つけるとしましょう。
  完全なる欠片でなくても、このサファイアのように。本当の残留に近い欠片でもいいですしね。」
分断されたときに。
周りに飛び散ったその力というか精神の一部。
それを受け継いでいる生き物がいる。
それは、たとえば人であったり、物質であったり。
様々ではあるものの。
それは、竜神であるスィーフィードとて同じこと。
その言葉に。
「ちっ。まだしばらくこのままかよ・・。」
折角復活されたんだから。
このまま。
どれかの竜王にでも戦いを挑んで。
復活の祝いをしてもいいであろうに。
などと思っている赤い髪の男性。
彼はどちらかというと戦いに喜びを感じるタイブ。
より強いものを求める傾向がある。
そんな彼に向かって。
にっこりと。
「まあまあ、ガーヴ?そのときになったら。あなたにも協力してもらいますよ。そのときには・・・ね。」
連れていかなかった昔の戦い。
そのときに、しばらく口を聞いてもらえなかったのが。
彼としてはかなり堪えているらしい。
「とりあえず・・・。今後のことを話し合いましょうかね?子供達?」
そういって。
にっこりと。
魔王として覚醒を果たしたレイは。
その場にいる、彼の部下でもある直接の腹心たち。
獣王、冥王、魔竜王、覇王、海王に向かって。
にっこりと微笑みかけるのであった。


そのまま。
ふいと。

その場から姿を消してゆく彼らの姿・・・。

後には。
ただ。
ただ、血などの匂いが立ち込めて。
そしてまた。
荒野とかした大地が広がるのみ・・。

そこには、死体の一つすら。
残ってはいないのであった・・・・・・。



数年後。

ぱたぱたぱた・・・。
「お兄ちゃぁぁぁぁん!」
「こら、サファイア、はしたない。」
走ってくる、長い黒い髪の女性に向かって。
微笑ながら注意を促している一人の青年。
歳のころは、二十歳少し過ぎくらいであろうか。
対して。
今走ってきた少女は。
歳のころならば、二十歳前。
十七か十八程度。
その容姿は道行く人などを止めるほどに。
そのかつての面影をそのままに、美しく成長を遂げている。
そんな兄妹のやり取りをほほえましく見つめつつ。
「ふふ。レイ殿は妹思いですね。」
そんなことを言っている周りの人間達。

人の間の争いは激化をきわめて。
そして。
ほとんどおもだった国といった国が壊滅した今でもまた。
未だに争いが耐えないこの時代。

力あるものを求めるのは、戦いをしている人間達とって。
当然といえば当然のこと。
さすがに。
人同士の争いと鷹をくくり。
傍観していた竜族たちやエルフ、ドワーフ。
この惑星に生きている全ての生命は、何かおかしいと感じ取り。
各自に調査したところ。
いつのまにか、力あるめぼしい人間などはすでになく。
そして。
気がつけば。
世界には負の感情が満ち溢れ。
世界の今まで光に満ち溢れていたバランスが崩れているのに気がついて。
ようやく思い腰を上げたのは・・・つい先日のこと。
激化してくる争いの中に。
間違いなく、魔の気配を感じ始めたのも。
つい最近。
数年前より。
なぜか、人が召喚した魔族なども力をどんどんとつけている。
それの原因を調査しているものの。
その原因は不明。
ともかく、今は。
自分達に火の粉が降り注ぎかねない勢いであるということと。
残っている軍隊などを率いている元王国の部隊などの上層部に。
間違いなく、魔の気配を感じ取り。
何をたくらんでいるのか分からないが。
ともかく。
人に協力を申し出ているエルフや竜達。

このまま、共に滅びるか。
争いが続けば。
争いに巻き込まれて滅びるのは明白であるがゆえに。
この大地に生きるものは、すべて運命共同体。
それゆえに。

今までは裏に隠れていた魔族の動向。
それが彼らの介入によって浮き彫りにされ。
人は協力して。
魔との戦いに供えている今の状況。

だからといって。
長く続いた戦乱の時代の中。
勇者や英雄と誉れの高かった人間達などは、人の争いの中ですでに生きたえている。
そんな中で。
まだ若い将来性のある。
実力のある人間やエルフ、竜族などが。
主要部隊に抜粋されるのはしごく当然のこと。

彼の指示とそしてまた。
その知識と経験、それらを兵士達に教えた結果。
多少の攻撃呪文などは扱えるようになっている人々。

美男美女といっても過言でない。
レイとサファイアの兄妹は。
今では、彼ら人間部隊の人々の、心の安らぎにとなってる今の現状。

レイの実力は計り知れないが。
だが。
彼の力は彼らにとってはうれしい力。


彼らは知らない。
彼がどうして・・・自分達に協力しているのか・・を。


確実に。
力を完全にと復活させるために。
人の振りをして。
人の中に溶け込んでいる・・・・魔王がいるなど。

今この時点で。
だれも。
気付いていない・・・・・・・・・・・。




                             -第30話へv-


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まえがき:

こんにちわ。
数日振りの打ち込みです。
え?最近更新が遅いって?
んっふふv
夜しかやるときがないからさvティルズvティルズv
昨日も二時までやってましたよ(こらまて!)
きゃぁ!エミリオォ!(つまりはリオンねv)
ちっ・・・。
名前・・・・変えられるけど。カイルたちが呼ぶ名前はそのままジューダスなのね・・・。
くすん。
せっかく本名に名前かえたのにぃぃぃ!!(笑)
んではではv

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あとがきもどき:

薫:・・・・・・短いかなぁ?
  ・・・・・・何のキーボードを押したのだろ?
  ・・・・・・ページ編集、打ち込みする時に。
  ページ数が表示されなくなっている・・・・。
  ・・・・・・・・・・・なぜに?(笑)
  ・・・・ま、区切りがいい辺りでのんびりとくぎってゆこう。
  ・・・・それはそーと・・・・。
  モモ(猫)・・・・膝の上に乗ってきて・・。爆睡するのは・・・もしもぉし?
  私はもう少ししたら仕事にでるよぉ?(笑)
  さって。そろそろ、本格的などうして。水竜王と戦うことになったのか。
  そこですね。んではまたv

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