降魔への旅立ち
さすがにエルフという属性のためか。
はたまた。
彼等が異常に詳しいのか。
それは彼でもわからない。
ただ、一ついえることは。
「ルビーアイ・ブレード!」
ヴン!
紅い刃が何もなかった空間から出現する。
特訓の成果もあり。
彼は今や・・。
伝説と言われている『赤の瞳の魔王(ルビーアイ)』その力を。
使えるまでにその魔力と知識は成長を遂げていたりする。
あとは・・・きっかけ。
ぴたり。
ぴたりと、その辺り一角において。
全ての被害が無くなった。
見た目にもはっきりと分かるように。
「・・・・一体・・・・・何ごとだ?」
何処にいっても、戦いの気配に満ち溢れていた。
地上を探索していたとある調査隊の彼等。
とある一角だけ。
周りの様子からも何からもまるで違う場所を見つけ出す。
そして。
「・・・・・・これは・・・・結界!?」
触れただけで感じる嫌な波動。
自分達とは異なる性質をもった。
弱く、うまくごまかされているが。
「・・・・・・もしかして、この中で・・。何か奴等がたくらんでいるのでは?」
そこにあるのは。
確か、少しばかり大きな町と。
そして。
森。
その半径二キロ四方のみ。
張り巡らされている・・・・『魔の結界』
いくら誰か人間が契約している可能性があるとはいえ。
魔族が絡んでいるとなると。
放っておくことはあまりしたくない。
あくまで人間に干渉はしないものの。
世界を守るという役目が彼等にはおおせつかわされているのだからして。
数日前に立ち寄った。
とある町外の森の中で。
「こまったわ。あの町になぜか入れなくなったんですもの。」
そういいつつ、なぜか森の中。
そこには不似合いな青いどうみても、
高級そうな服を纏っている女性が一人。
短い青い色の髪が印象深い。
そして、みれば瞳の色は水色。
その眉毛の色もまた・・水色。
「ですねぇ。アフロディーデさん。そういえば気付きました?
あの辺り・・なぜか。今旅人なんかも通れなくなっているらしいですよ?噂では?」んな女性の横では。
なぜかにこにこしながら。
薪をくべつつ、今日はそこでしばらく休むのであろう。
焚き火をしている黒い神官の服を纏った男性の姿が。
「でも間違いないはずですわ。のお告げは・・・。あのお告げが示しているのは・・・。闇の王の復活・・・。」
「ああ、あの、闇の紅い灯火 囲われつつ保護されし 今まさに復活せん。」
あのお告げですか。
そういいつつ、未だににこにことその目をさせたまま。
ばきん。
薪をくべつつ。
「確かに、あの村には、紅い瞳をしている男の子と、その子の母親がいますけど。あの村とは限らないのでは?」
にこにこにこ。
「いいえ!わたくしの勘があそこだといってます!早くいかないと!ほら、ゼロス、薪がたりませんわよ?」
そういいつつ、自分というか女性の方は。
なぜか、ごそごそと袋から地図のようなものを取り出して。
しきりに空と地図を見比べていたりする。
「・・・・・アフローデさんもやってくださいよぉ・・・。」
完全にシリに引かれている様子のその神官の姿をしている男性。
おかっぱの頭にニコニコとした笑顔。
「わたくしはいそがしいんですの。」
そういってにっこり微笑み。
しきりに何か地図に書き込んでいる女性の姿が。
そしてそのまま。
彼等にとって。
かなり放っておけないような会話をし始めている。
人間の男女の姿が。
確かに言われてみれば。
ここ、数年。
魔の・・・召喚されているはずのデーモンなどが、力をつけているのは・・・・目に見えて分かっている。
今ではそんな召喚された魔などが。
野良と化して闊歩までしていたりするのであるからして。
だが、あくまで人間の話しをかいつまんで聞いただけ。
その会話が指し示していたとある町に近づいたとき・・・・。
パチリ。
彼等を阻む、結界の存在が。
・・・・・間違いなく、自然界にはないそれは。
・・・・・・・・・・・・・・・魔による結界・・そのものであった。
「レイぃい!早くねなさい!!」
怒号が飛び交う。
「はぁい。」
「ほら、寝ようよ?早く。」
今日は、明日のバーティの準備というので。
いつもは母とそして、ダイアナ、そして自分・・・レイだけなのだ。
この家にいるのは。
だが明日のバーティのために。
準備に手伝いに来てくれた、幼馴染みの友達とそしてまた。
多分その母親・・・レイは詳しく聞いたことがない。
何となく聞くのが悪いような気がして。
少しばかり耳が尖っていることと、そして歳を取らないその姿。
そしてその気配とまとうオーラ。
それらを見極めて、彼等がハーフエルフであるからだと。
レイはそうなっとくしている。
今日は、いつもは三人しかいないその家に。
レイ、シルナ、ダイアナ、そして、フィブリゾとゼラス。
この二人が加わり。
少しばかりにぎやかになっているのである。
― 明日は、レイ=マグナス少年の十歳の誕生日。
ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
「レイ!起きて!」
「起きて!レイ!」
体をゆすぶられ・・・そして、感じるのは・・きな臭い匂い。
「・・・ん・・・・。」
身じろぎする体になぜか暖かい風が当たる。
いや、熱気といったほうがいいのであろうか。
「起きなさい!!!」
パチィィィィン!
何かが、強く叩かれる音。
眠っているレイの頬を。
力一杯叩いているシルナ。
「・・・・いたぁぃ!何するの!?」
その痛みにようやく目が覚める。
だが。
その次の抗議の声を上げようとして。
「・・・・・・・・・・・・何?」
思わずそのまま、固まってしまう。
『うわぁぁぁぁ!』
『いやぁぁぁぁ!』
窓の外に広がる・・・・赤い光。
それが。
村の家、殆どが燃えているから。
そう判断するのに多少時間がかかる。
外から聞こえてくる悲鳴の数々。
「何!?」
思わずベットから窓を覗き込むようにして外をみる。
「タスケ・・・テ・・・。」
どろりと。
体を溶解させて。
ピシャリと崩れ落ちる・・・・確かに昨日までは。
レイに笑って話しかけていてくれていた・・隣の家の主人。
みれば。
辺りにいるのは・・・・見た事もない・・・異形の姿をしている何か。
そして。
「・・・・上!」
隣に寝ていたフィブリゾの声に。
窓から空を見上げると。
そこに飛び交う、金と黒と青色の何かの生物。
魔が関っているとなると、話しは別である。
その旨を・・・・この国の国王に進言し。
協力を求めた・・人に干渉しないことを基本としていたはずなのに。
・・・・とある竜王が一人。
その村をみたとき。
彼にはわかった。
その村人が・・・・全て、生きていない。
ということが。
・・・ならば。
ここで、何か魔族はたくらんでいる。
そう、想像するのは難くない。
見たところ・・・・この村で普通に生きているのは・・たったの数名。
とある家に集まっている人間達のみ。
人目があるので。
夜をまっていただけのこと。
深夜。
完全に寝静まり。
そのころを見計らい。
彼・・・・・ヴラバザードは。
衝撃をこの村にとかけたのである。
紅い鬣に紅い瞳。
「火竜王ヴラバザード・・・・・・・」
竜王の中で一番好戦的である竜王・・・・。
小さく隣でフィブリゾがつぶやいたその言葉を。
レイはしっかりと耳に捕らえているのであった。
−第19話へv−
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まえがき:
・・・・この旅立ちもすでに18話ですねぇ・・・。
あと一日で4月も終わり・・・。
ああ・・・・また一つ歳を取るのね・・・(汗)
何か一日があっという間だなぁ・・・(しみじみ・・)
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・あわわわ・・・・。
火竜王・・村を焼き討ちしてますよ・・・(まて!)
次回・・・・レイが放つ呪文の威力。
そして・・・・・・レイを殺したと思い込んだ火竜王は?
・・・・・・だけど実際に死んだ(?)のは?
・・・ま、もともと心臓とかないし。彼等には。
んではでは・・・・。
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