降魔への旅立ち


旅の吟遊詩人。
そして、旅芸人。
それらが、口をついて同時にいう言葉は。
―どこそこの国の情勢がおかしい・・とか。
―どこの国が、どこの国を侵略するために、軍備を拡大しているとか・・。
そんな噂が。
ここ、数年の間に。
世間に満ち溢れ始めている今日この頃。

疑心暗鬼になった、上の人々が取った行動は・・。
―やられる前にやる!
という、何とも人間的な、完結な方法。
そのために。
今までは、平穏であった、この地上にて。
小さな小競り合いなどが勃発し始める。

そんな殺伐とした世の中で。
身を守るために、今まで使われていた精霊呪文や、神聖魔法のほかに。
より威力の高い、魔法が開発されたのは。
仕方のないことなのか否か。
時代の流れに沿っているというべきなのか。
その、破壊力に関しては。
他のものとは比べ物にならないその力は。
すぐにものの数ヶ月もしないうちに。
あっという間に、世間に広まってゆく。
それも。
何しろ、こういった、殺伐とした世の中だからといって。
旅の剣士や、僧侶。はては巫女や、吟遊詩人。
そして・・旅芸人たちなどが。
各地で、その力を披露したがために。
その力は、あっという間に、世間一般に浸透してゆくのは。
そんなに時間のかかることではなかった。

今まで名君として名高かった国王が。
いきなり、侵略戦争を仕掛ける。
そういった風景もまた。
ものの十年もたたないうちに各地で見受けられ。
海を挟んで、海上で、そんな人々の小競り合いなども続いてゆき。
今や、この世界・・いや、惑星上。
大地の何処にいても、その戦争の影は、ちらつき始めている今日このごろ・・。



「・・・・・何やってるのかしら・・人間は・・。」
そう水鏡を通じて、下界の様子を見るものの。
下手に手出しは出来ない。
そんなことをしたら。
まず間違いなく。
かつての、人間・・あの当時。
約5千年前と同じく。
自分達は、神に選ばれた崇高なる存在なんだ!
といって、さらに被害が悪化するのは・・目に見えている。
出来るのは・・ただ、椅子もね余話ほぜ傍観しているのみ。
それがとてつもなく歯がゆい。
助けたいのに助けられない。
・・・・ただ、黙って静かに見守るのみ。

彼女・・・・水色の瞳を湛えた女性は。
ただただ。
静かに、目の前にある、水面に浮かぶ、下界・・つまりは、人間界の様子を。
静かに眺めて、人知れず、涙を流しているのであった。


何かがおかしい。
そう感じるものの、それが何かがわからない。
「・・・・とりあえず、情勢を探りなさい。」
「はっ!」
空の彼方にて。
そんな、大地で起こっている様子を眺めていた一人の女性。
その、透き通るまでに、真っ青な青。
瞳のその長いストレートの髪までもが青い色のその女性は。
傍らに呼んだ、彼女の親衛隊でもある彼らにそう命令をくだし・・・。
あくまでも調査のために。
干渉はしないように。
と釘をさし。
下界に、彼らを解き放ったつ。



人は、よい意味でも、悪い意味でも進化を遂げる。
その典型的な例。
すでに、忘れ去られていたはずの召喚術。
かつての、過去の文献や、資料・・どこに残っていたのか。
彼らでもわからないが。
ともかく、見つけた様々な資料。
あとは、伝承を元にして。
少しでも、身を守るために・・力を付けてゆく人間達。
そんな中に。
闇に生息すると言われている、『魔族』に関する記述なども多々と含まれ。
その威力と使いやすさ。
まずそれに目を奪われてゆく。
今まで、彼らが主に・・といっても。
一般に使っていたのは、限られた人々のみ。
誰でも使えるその術は。
その仕組みなどを理解したり、そしてまた。
カオスワーズと呼ばれる、呼びかけの言葉を丸暗記するだけで使える、精霊魔法の攻撃呪文など。
それに目をつけない人間達ではない。

かつて。
その力を求めすぎ。
滅び去ったといわれる古の文明のことなど。
彼らはすっかりと記憶の彼方へと追いやり。
今目の前の力にのみ目を向けて。
それをより完成させてゆくために。
力をそれぞれの場所にて注いでゆく。



別に何かが干渉してねこういうようになったわけではない。
そんな気配は微塵も感じられないから。
感じられるのは・・・欲の深い人間が禁じられたはずの術を用いて。
闇からある生き物を召喚し。
契約を交していたり・・という事柄のみ。
それも、だからといって。
いくら、彼らと本質的には、敵対している魔が絡んでいるとはいうものの。
基本的に、呼び出したのは・・・人間。
人の世界には極力干渉しない。
というのが暗黙の掟。
目の前にいる、助けられる存在などは助けることはできても。
それはただ・・・・手を少しばかり差し伸べるだけ。
それが、無償に歯がゆくもあり。
そしてまた。
そんな『力』に目を向ける人間の浅ましさに吐き気さえ伴う気がする。
人間全てがそんなではないと。
分かっているものの。
だがしかし。
何かを守るため、もしくは、欲にかられたため。
突拍子もないことをしでかす人間達。

その今までは表にすら出てこなかった浅ましさが。
今ここに、一気に吹き出ている、今のこの世界の状況であった。



今まで、王をいさめる立場にいた大臣などといった、王国の主要たる、人物たちまでもが。
気がついたら、次の日には。
逆に、戦いをほのめかすことばを言っている。
というのは、ザラに起こり。
そのために。
枷がなくなった、権力と、富と名誉、そして・・力に取り付かれた。
様々な場所の権力者たちや、その候補者たちは。
こぞって、自らの権力を広げるために。
いろいろな手段をもちいて。
その駒を広げ始めるのは。
そう遠くないことであった。


まず始めに。
暗澹たる気配をみせた、クンツァイト国。
そこをまるで中心として。
生間もなく、まるで、水に波紋が広がるように、その暗澹たる気配は瞬く間に周りにひろがってゆき。

今では。
どこにいっても、かならず。
何かしらの戦いの噂や、その焦げ臭い匂いなどが。
この世界のいたるところにて。
見受けられているのであった。



少し兵士などに逆らって。
完全に壊滅させられたという小さな村の話しはザラに聞く。
そして。
夜盗や、盗賊に襲われるそんな村や町の数なども格段に多くなり。
中には、そんな夜盗達と手を結び。
自分の配下に入らない村や町などを襲わせて、利益を得る権力者などの姿も見受けられ。


今、この地に住まう人々は。
毎日、何かしらに怯える状況が続いていた。
その身を守るために。
簡単な魔術を教える場所が出来るのは。
ごく自然の成り行きでもあった。


橙色の髪を肩の辺りで切りそろえ、翡翠色をしている少女。
そんな彼女が、目の前にある、白い板に、何かを書き連ね。
「はい。何か質問のある人?」
そういって、にっこりと。
席に座っている人々に語りかける。
「はぁぃ!質問です!アルテミス先生!先生は、どうしてそんなに詳しいのですか?伝説上の魔族や、竜王などに関して?」
そういって、手を挙げてくるまだ子供の意見に。
「それは、いろいろと勉強をしましたから。先生は。じゃ、今日は、ここまで。
   今日の宿題は。このどれかの応用を生かして。自分達で術を一つ、くみ上げてくださいね?」
そういって、手にした羊用紙の本をばたんと閉じる。
服装は、巫女の服装。
その、紺色の上下に別れて、体にフィットしているその服装が。
彼女が、ただ、温室育ちの巫女でないことを指し示すかのように。
その腰にすえられている小さな短剣が一つ。

彼女。
魔力向上委員会。
その講師。
アルテミス=アポロミスト。
その橙色の髪に、翡翠色。
まず、彼女の正体を。

・・・・誰もが知るはずなどないのであった。


彼女・・アルテミス。
冥神官(ブリースト)アルテミス。
彼女は、伝説と完全に思われている、この世界の魔王の腹心の中で。
一番の実力の持ち主であり、その五人の中のリーダーでもある。
冥王(ヘルマスター)フィブリゾに、直属に仕えている神官であった・・・・・。


                                     −第3話へv−


HOME     TOP      BACK     NEXT


#####################################
 
まえがき:

   サボらない限り。
   人間・・やろうと思えば出来るもの・・。
   でも、ついつい、他の人様のサイトなどによって・・。
   小説を読み漁っているこのごろ・・ま、前からだけど(かなりまて!)
   ちょっと、某所に投稿されていた、小説で。
   心で突っ込み。
   ―せめて最後までやってから別れろ!―
   と(爆!)
   一人突っ込みを入れていた私です・・。
   ・・いかんなぁ・・。
   どうも、暗ハッピーは・・基本的に受け付けない・・・・(汗)
   いや、読むのはいいんですよ?読むのは・・。
   でも、勝手に頭の中でその続きを連想していたりとかして。
   ・・ちなみに。
   あれの続きも考えた私です・・・。
   ・・・ガウリイ・・リナを逃がすなよ!(まてぃ!)
   そんなことを思いつつの、今日。
   2003年の4月7日・・・・。
   ・・・そーいや。
   ・・・・・・リレー・・・・あ・・・あははは(汗)

    とりあえず、只今、この話!
    気付いた人は三名です!
    ふふふふふv
    ちなみに。
    これ・・・・リナ達・・出てきませんので・・(お゛び!)
    ま、先祖は出てきます・・・けどねぇ(ふふふ・・←かなりまて・・)
    んではではv

#####################################


   あとがきもどき:
         薫:・・・・んっふふふ。
           フィブの部下達・・暗躍してますねぇ(まて!)
           ちなみに。
           他でも、動いてますよ?(だからまて!)
           ・・・・まだまだ、レイの誕生はもう少し後v
           ま、こんなのですがお付き合いくださいなvv


HOME     TOP      BACK     NEXT