降魔への旅立ち
この世界。
伊達に、少しの間何もしなかったわけではない。
ここの惑星上では。
行動が制限されてしまったがゆえに。
それ以外の場所では。
すでに、そその世界そのものを、死滅に追いやった場所も多々とあり。
または。
その惑星そのものを無にと還したりもしていたりする。
かつて、この惑星上で。
光と闇を統べる存在同士が。
互いに力の限りぶつかり合い。
今、この惑星上では。
光に属するものと、闇に属する者達との間で。
暗黙の停戦状態がなされている、この現状。
だがしかし。
彼らを生み出した、彼らの王の中の王。
そう、一部では認識していたりするのだが。
その、光と闇を司りし王達を創り出せし存在。
そしてまた。
この世界そのものすら。
その本質的な存在からかなり異なるのは必死だが。
そんな、『絶対主』たる、彼らが母のその命令。
それは。
数年以内に結果を出せ!
というもの。
その数年が、実質上。
この、惑星上での、物質世界面上での時間の流れなのか。
はたまた。
この世界そのものを包み込んでいる、曰く、混沌そのもののの時間率によるものなのか。
または。
それは、丹なる言葉のあやで。
彼らを叱咤激励するための、『あの御方』の手段だったのか。
そんなことは。
彼ら―単なる、そんな、直接的に関りがあるわけでもない、存在などにその真意が分かるはずもない。
「・・・うーん。数年以内って・・。以前の戦争の時には・・少しの間というのが・・。・・・・二千年間だったし・・一体・・・。」
などと首をかしげつつ。
その、シンプルながらも、整ったその中央に一つ、大きな不釣合いな、その細工が細かくとても見事な銀色の椅子を据え置き。
その壁などには、何かの絵画のようなものや。
鎧のような品物や、見たことのないような、お面や、何かの数々が整頓されて、綺麗に並べられていたりする。
そんなシンプルながらも、ふかふかの絨毯が敷き詰められているその部屋の中を。
ぐるぐると回っているのは。
見た目、まだ十になるか為らないかという。
少しウェーブの入った、多きな瞳がくるくるとしている、黒い髪の少年が一人。
「・・・とりあえず、この世界を中心的に。攻めないと・・ね。」
そういいつつ、世界を覗く。
すでに。
この世界上、この惑星上で。
七つの気配は解き放たれ。
彼ですら、その気配をつかめない。
かつて、人の心にて、物質世界上にて封印されてしまった、彼らの主。
「・・・・どうせだったら。竜王に気付かれないように、やるべきだよね♡」
この世界。
大きな大陸や、国などで。
少しではあるが、やはり、どの時代でもあることで。
人同士の対立は、些細ながらもどこかにて起こっている。
それを利用しよう。
そう思い立ち、クスリと笑う。
「人の世界にまでは、いくら竜王達でも干渉しないだろうしね。」
くすくすくす。
彼らの目的は世界の平穏。
だがしかし。
逆に、いえば。
あまり特別な理由がないかぎり人の世界には干渉不能。
という、彼らの中で規則がある。
そのために。
この惑星に住まう人間などは。
竜王などという、神に属する存在は伝説とすらさえ思っていたりする。
干渉しない理由は至って簡単。
何しろ、下手に以前干渉したときには。
その国の人々が。
自分達こそ選ばれた存在なのだ。
と思いあがり。
挙句は、大量虐殺にまで各世界にて及んだ。
そういう事実もまたあったりするがために。
そのようなことが二度と起こらないように赤の竜神が定めた規則。
逆に。
彼ら・・・魔族はというと。
別に干渉してはいけない。
というような規則はない。
たまぁに、ちょっかいかけて、その負の感情をご飯に食べている程度。
何しろ、人というものは面白い。
少し、何か、楔を打ち込むだけで。
信頼していたもの同士ですら疑心暗鬼になってすぐに裏切り、そしてまた戦いにと発展することは多いこと。
時間は・・まだある。
そう自分に言い聞かせつつ。
少年は、目を閉じる。
そして、精神にとある指示を飛ばし。
彼に仕えている者達を呼び寄せる。
「お呼びですか?ヘルマスターさま?」
「お父さま?お呼びですの?」
「冥王様、何か御用ですか?」
「お呼びにより参上いたしました。」
「ああん、今髪の毛をカットしにいってたのにぃ。冥王様のいじわるぅ。」
目を開くと。
誰もいなかったはずの、その部屋に。
ゆらりと何かが揺らめき。
そして。
そこに。
五人の少女の姿が出現する。
さすがに。
最後の台詞をいった彼女に向けて。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
その場の全員が、一瞬白い目でそんな彼女を見ていたりするが。
「え・・・ええと。ヘラ・・・もしかして、また、人間界に髪の毛を切りに行ってたの?」
さすがにどう対応していいのやら。
その、艶やかな黒い髪に、ウェーブの入った、黒い瞳の少女。
歳のころは、十何歳程度くらいか。
この場にいる、五人が五人とも。
まだ大人になりきっていない少女たち。
だがしかし。
どうみても、彼よりは、年上であるのは間違いない。
・・・外見上は。
「ふふ。みてみて!冥王様!これ、今流行りのパーマなんだって!」
そういいつつ、くるりと一回り。
「・・・・ヘラ、今はそれより、呼ばれた理由が先でしょう?」
「もう!いつも、アルテミス姉様は融通が利かないんだから!」
そういいつつ、むくれるヘラと呼ばれている少女に。
そんな彼女に言ってのけているのは、橙色の髪に翡翠色の瞳をした少女。
「いや・・その。とりあえず、姉妹喧嘩は後にしてよね?
そろそろ、本格的に、魔王様の復活にそなて。君たちには、少しばかり活躍してもらおうと思ってね?」
そんな彼女達の会話を軽く制して。
にっこりと笑う彼。
「すると、お父さま?本格的に、竜神がかけた、魔王様の封印解除に、乗り出すんですの?」
そう言ってくるのは。
紺色の髪に琥珀色の瞳をしている少女。
「そうだよ?ダイアナ、君たち・・僕直属の部下である君たちの力が。必用なんだよ?ね?やってくれるよね?」
そういって、にっこり微笑む少年の言葉に。
「分かりました。それで?その作戦とは?」
膝をついて、上目遣いに主を見上げているのは。
黒く長いストレートの髪に紺色の瞳をしている少女。
「うーん、さすが、このメンバーのリーダだけのことはあるよね?ふふ。冥神官(プリースト)ノルン♡」
いつも理解が早い、自分の部下をほめる彼。
彼の前に現われたのは。
彼―冥王(ヘルマスター)フィブリゾの直属の部下であり。
彼が創り出した部下達五人。
この他にも、彼の子供というか、直属の部下達は他にもいるのであるが。
とりあえず。
一番、戦力になりそうな彼女達を呼び寄せた冥王。
黒く長いストレートの髪に紺色の瞳をしている少女。
冥神官(ブリースト)ノルン。
彼女が、大概、彼・・フィブリゾの部下達をまとめる役目を果たしている。
紺色の髪に琥珀色の瞳をしている、ショートカットの少女。
冥将軍(ジェネラル)ダイアナ。
冥王の参謀としても、その信頼が高い。
艶やかな少し肩より長い髪にウェーブの入った黒い瞳の少女。
冥将軍(ジェネラル)ヘラ。
彼女の性格は・・。
面白ければそれでいい。
という、少し困った性格ではあるが。
その実力はかなり高い。
橙色の髪を肩の辺りで切りそろえ、翡翠色をしている少女。
冥神官(ブリースト)アルテミス。
彼女・・アルテミスは、このメンバーの世話焼き人も兼ねている。
そして、最後の一人は。
彼・・・冥王とまったく同じ容姿である、艶やかな少しウェーブの入ったその黒い髪。
だがしかし、異なるのは。
その髪の長さ。
外見上もまったく主とまったく同じである。
彼女の名前をヘル。
冥将軍(ジェネラル)ヘル。
彼女は、主の影武者をも兼ねるために。
彼が自分自身に似せて創った部下である。
フィブリゾの前にいるのは。
ノルン、ダイアナ、ヘラ、アルテミス・・そして、ヘル。
この五人。
「ふふ。とりあえず・・作戦をいうね♡」
そういって。
にっこりと、彼―冥王(ヘルマスター)フィブリゾは。
そんな自らの部下達に向かってにっこりと微笑むのであった。
「助かりましたわ。」
いくら、竜王の加護があるとはいえ。
魔族などの脅威がないにしろ。
一番怖いのは、やはり人間に他ならない。
いつの世も。
悪事を働く人間という存在はいるわけで。
たまたま、村にやってきていた、旅の女性が。
そんな村にやってきていた盗賊達をたった一人で排除したのである。
そのために。
彼女に感謝の言葉が村人達から投げかけられる。
「最近、多いようですね。こういった盗賊の輩は。そういえば・・いえ、何でもないです。」
そういいつつ、少し何かを思い出したように。
そして、すぐさま口を紡ぐ、
そんな少女・・歳のころは、二十歳より少し前くらいであろうか。
そんな少女の様子に首をかしげ。
「あ・・あの?何か?」
不安な表情を浮かべる、村の人々。
「い・・いえ、別にたいしたことじゃ。単なる噂ですし。」
そういって、ぱたぱたと手を振るが。
その表情がたいしたことではないというようには物語ってはいない。
「あ・・あの?ここは、見たとおり。最近は、この盗賊などの影響で情報が入ってこないんです。よければ・・・話してくださいませんか?」
そういいつつ。
少ないばかりの些細な御礼を込めた金額を渡しつつ。
彼女に問いかけているのは。
この村の村長。
「・・・そうですか?いや、私も性格には知りませんけど。
実は、クンツァイト王国で、何かお家騒動が起こってて。
噂では、その王子たちが、自分達を優位に保つために。盗賊などと裏で手を結んでいる・・・っあ!あくまで噂ですよ!?
私がいったなんていわないでくださいね?何でも、間者などの耳に入ったら、殺されかねませんから。この私が。」
そういいつつ、うつむく少女。
そのうつむいた表情からは、憂いの雰囲気が待ち散らされていたりするが。
ザワ・・。
その言葉に。
村人達の間に動揺が走る。
こんな、旅の僧侶の耳に入る噂は。
まずそれには真実が多々と含まれる。
この、村は。
クンツァイト王国とは国境が近い町。
・・・だからなのか?
最近、上に盗賊をどうにかしてくれ。
と懇願を出しても。
いつも、なしのつぶてで。
ずっと、ここ一年は。
いくら、国王や、兵士に懇願しても。
まったく、その解決は見出せなかった。
だがしかし。
・・・・もし。
自分達の王である、ベリル国王が。
もし・・その誰か一人の王子と手を結んでいたら?
そう考えると全てが納得する。
「・・・・すいません。その話・・・もう少し詳しく教えてくださいませんか?ノルンさん?」
そういいつつ。
その場にいる、村人全員、顔を見合わせて。
彼らを盗賊の脅威から救ってくれた旅の僧侶。
いや、巫女というべきか。
黒く長いストレートの髪に紺色の瞳をしている少女にと。
顔を見合わせて。
詳しく話しを聞きだそうと、さらに話しかけていた。
ふふ。かかったわね。
内心。
彼女・・・・ノルンが微笑んでいたのを。
その場にいる、誰もが。
知るはずなどなかったのである。
「きゃぁぁぁ!」
「どうした?!ダイアナ!?」
最近、情勢が、危ういということもあり。
一般から、募集して、その中で、かなり腕のたつ女性をみつけ。
歳がその国の王子と近いということもあり。
王子直属の剣士としている少女。
話しがよく会い、すぐに。
王子は、その女性に夢中になり。
今では、裏の本当の主はその女性ではないか?
と、王宮中でささやかれるほどに。
王子・・シディアンのその執心ぶりは。
もはや、誰の目にも明らかであった。
悲鳴を聞きつけて。
あわてて、外に飛び出ると。
―ドン!
「・・・・な゛!?ダイアナ!?」
見れば、その瞳に涙をためて。
胸元がかなり乱れ。
その胸元を手であわせて。
ぱたぱたと走ってゆく、
紺色の髪に琥珀色の瞳をしている、ショートカットの少女が一人。
そして。
ふと、その走ってきた方向をみれば。
丁度、部屋から出てきたのであろう。
こちらも同じく、胸元を乱れさせて、服装がかなり乱れている彼の兄。
オブジェの姿が、丁度廊下に出てきたところであった。
がしっ。
走ってゆこうとする、ダイアナの手をとり。
「ダイアナ!?一体!?」
「放してください!いゃぁぁぁ!」
髪を振り乱して叫ぶ愛しい女性に。
「・・・まさか・・兄が!?」
「・・・・私の口からは・・・いえません・・・・うっ。」
そういいつつ、目頭を押さえる少女・・ダイアナ。
・・・・・ユルサナイ。
いくら・・・兄上でも・・・。
そう、彼が心で思いっきり怒りの感情を振り向くのを確認し。
・・・ふふ。
第一段階・・・終了。
王宮に入って間もない彼女が。
弟のお気に入りとなったのを少しばかり不審かり。
彼女の身辺を探っていたオブジェ。
この国・・クンツァイト王国の双子の王子のその兄。
彼女の事を調べるに辺り。
彼女のその誕生の地や、そのことごとくが皆目不明であることを知り。
弟のことを思いやりつつ、彼女にそれを問いただすために部屋に呼んだ。
そこまではいいのだが。
ふと。
何か、飲み物をのみつつ。
それとなく、話しを切り出して・・・というつもりであった。
だがしかし。
ふと気付けば。
ベットに横たわる、肌をあらわにしているその彼女・・ダイアナに。
服を一糸纏わずに、そんな彼女の横に寝ている自分。
そして。
いきなり、悲鳴を上げられて部屋から飛び出されたのである。
まったく身に覚えのないこと。
だが。
そのベットのシーツに、紅い染み・・・・。
彼は知らない。
彼女・・ダイアナの盛った薬に酔い。
そのまま、自ら服を脱ぎ去りベットに横になったところに。
彼女もまた、ある程度服をはだけさせて。
そして。
シーツに紅いしみを創りだした・・という事実に。
ここ、クンツァイト王国。
仲がよく、将来は安泰だ・・と言われていた、その兄弟の間に。
・・・ここに、女性絡みで亀裂が生じたのであった。
「ふふ・・・・。どっちにも都合よく、操って見せますわ♡」
すでに、その記憶を操作して。
自分を抱いたように思わせているオブジェ王子に。
そしてまた、自分に好意を寄せているシディアン王子には。
泣きながら、何があったのかを告白し。
―もう、穢れた体で王子様の側にはいられません・・。―
そう、泣きはらした表情をもって。
そう潤んだ瞳で見上げていってみた。
それだけで。
面白いほどに。
彼女・・冥将軍(ジェネラル)ダイアナ。
彼女の思惑通りに。
ことは・・進んでゆく・・・・。
-第2話へv-
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まえがき:
んっふふふv
只今、今日、この時点v
気付いている人は、MAYAさん、ただ一人のみ!
ふふふv
只今、2003年4月5日・・・。
ああ・・・来月で・・・。
また一つ歳をとるぅ・・・・(汗)
一年というか、今の所に勤め初めて・・アットいう間に・・歳・・とってるなぁ・・。
私は・・・・(ふっ・・・)
ああ、
でもでもしかし。
お金があったら、まともな誕生石のエメラルドの指輪とネックレスが欲しいよぉ。
(友人や母曰く、彼氏を見つけて買って貰えといっているが・・爆!)
・・・エメラルド・・・高いんですよねぇ・・(ふっ。)
ちなみに。
私、肌が金属負けするので(笑)
十八金や、二十四金、プラチナ、などは大丈夫ですけど(笑)
でも、9金や、シルバー、メッキ・・・などは・・・駄目です(汗)
・・・かぶれます・・すぐに・・(涙)
友人&母曰く。
私はカラスだそーです(笑)
光ものがすきだからv(爆!)
ま、関係ないことはおいといてv
いくのですv
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あとがき:
何気に。
冥王の部下・・主だったメンバーはこの五人です。
他にもいますが。
他は、少しばかり、仕事に追われてます(まて!)
ちなみに。
設定的には、冥王は。
部下を12人創っている予定としております・・はい(まてぃ!)
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