まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ。
・・・・・・しくしくしく。
とうとう戻ってこないうちのルナ・・・・・。
とゆーか・・・ハナァぁぁ!・・・網戸・・・・破るなよ・・・・(涙)
などとまあぼやきはとりあえずおいておくとして。
この旅立ち。
いろいろとネタはあるもののかなり省きました。
いや・・・・連載ものにするのはどうかな?と思ったのもあるので・・・。
・・・なので(多分)気が向いたら番外編で。
・・・短編に打ち込みするかと思われますのであしからず(こらこら)
まあ何はともあれ。
エビローグ、いくのですv

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白銀の旅立ち    ~エピローグ~

「何だかなぁ。」
テーブルにつきつつため息ひとつ。
「まあまあ、セリナ、人というのはそんなものよ。」
そういいつつ娘にジュースを手渡しくすりと笑う。
「でも……私にはわかんないよ……」
セリナ、ただいま十六歳。
かつての母親と同じように常に旅の中に身をおいているものの。
母と違うのは旅に同行しているのは弟であるユーリとそしてまた、
セリナがもっている剣の正体でもあるゴルンノヴァ。
「……でも私には理解できない……」
そういいつつ涙を浮かべるのはそれはしかたのないこと。
先日セリナが知り合ったとある人間が。
ある人を助けるために自らの身を投げ出した。
どちらかにひとつ……の状況だったらしい。
何でも燃え盛る家の中に飛び込んで恋人を窓から脱出させたまではいいものの。
そのまま家と一緒に燃えてしまったらしい。
火の勢いがつよくて消火活動も間に合わず。
家に取り残された恋人を助けるために制止を振り切り。
その男性は家にと入ってゆき。
結果。
男性によって恋人でもありセリナの知り合いでもあるその女性は助かり。
だがしかし結果として男性のほうは命を落とした。
「……力がない人はそうするしかないのよ。セリナ。
  それにね。人間…誰でも何かを選ばないといけないことはあるしね……」
そういいつつどこか遠くを見つめるリナ。
そんなリナのその言葉に。
「お母さんもあったの?何かを選んだこと?」
どこか憂いをこめたその言葉にセリナが問いかける。
「……まあ…ね。あたしは……世界とガウリイだったけどね。」
子供たちに囲まれ、大切な人と幸せを感じるたびに思い出す自分の罪。
世界と大切な人を天秤にかけ、ガウリイを選んでしまったあのときの自分。
後悔はしていないが。
「?お父さんと世界?」
その言葉に首をかしげるセリナ。
セリナはあのときのリナは知らない。
もしセリナに前世の記憶があってもそれはまだ出会っていないときなのだから、
仕方のないことにしろ。
「あたしはあのとき、確かに世界よりもガウリイを選んだ。
  それはどう考えても許されることじゃない。けどね?セリナ?
  人にはどうしても譲れないものがあるのよ。だからきっとそのセリナの友達の恋人も……」
好きだから愛しているから生きてほしい。
そう願って焼け落ちる家の中からどうにか倒れていた女性を助け出し。
家の窓の外にいた人たちに彼女を託したその男性の心は。
大切な人がいるからこそ理解ができる。
それとセリナが頭を抱えている問題にはもうひとつ。
「それにね?セリナ?非情にならないと……守るものも守れない。そんなこともあるのよ……」
セリナが旅先から戻ってきて珍しくふさぎこみつつ考え込んでいるその理由は。
理由のひとつに、セリナが旅先で知り合った女性が。
その恋人に炎の中から助けられ……その恋人は逆に命を落とした。
という話を聞いたことと。
そしてまた。
旅先である出来事を目にしたからに他ならない。
それは。
とある病気に侵された村と……そしてまた。
まだ息があるのにそんな彼らを隔離し。
火を放ち焼き討ちしたとある領主。
確かにそれは達の悪い病原菌。
しかも感染率の高い。
でもだからといってまだもしかすると助かる見込みのあるものまで。
あまりの出来事にセリナはその光景に思わず気絶してしまったほど。
だがしかし、
はっきりいって医術もそしてまた魔術ももたないその村を抱擁していた町にとっては。
それは当然の逆をいえば哀れみであったのだと。
目覚めたときにゴルンノヴァから説明されても納得がいかない。

「生きたままで体に血がたまって苦痛に耐えつつ死亡するのと、
  非情かもしれないけど病気が最終にたどり着くまえに眠ったままで殺されるのと。
  その人にとって、どっちが救いとおもう?」
そう問いかけられたその質問に。
セリナは答えられなかった。

セリナくらいの実力があればその病原菌を死滅させ、全快させることくらいは可能。
逆にいえばその菌の抗体はいわゆる魔力そのもの。
それゆえに大小なりとも魔力をもっているセリナたちのところでは。
その菌の横行は今まではなく。
よもやひとつの国が病気によって滅び行く、という寸前までには至らない。
それはだがしかし目にしたのが……未来の光景。
旅をしつつ、昔の経験を糧にして、
今では自在に時間旅行ができるように、その力のコントロールができるようになっているセリナ。
そんな時間旅行の未来の時間で見た光景。
過去の存在が未来に干渉することはできない。
それは理に触れる。
まあリナは未来にいってそんなものを見た。
という話は聞いていないのだが。
ただ、何かを守るために犠牲にするという考えにはついていけない。
そう愚痴をもらしているだけのセリナのその言葉に。
やさしくやさしく語りかけているリナ。
ガウリイは今は王宮に仕事に出かけている。
ユーリもまたガウリイについていっている。
ちなみにセリナ、ユリウスの次に生まれた子供たちは。
ガウリイ譲りの金色の髪に紅い瞳の持ち主。
そんな二人の男女であった。
名前をレナとルイ。
彼らは外にと遊びにいっている。
まだまだ遊びたいさかりの幼子であるがゆえに。


「そうはいうけど。でも犠牲がなければ守れない立場なんて。
  そんなのはじめっからその立場捨てればいいじゃない?
  私ならすべてを助ける方法を何としてでも探すけどなぁ。」
自己犠牲の精神もそしてまた何かを犠牲にしてほかを守る。
というその意味も頭と理性では理解はできる。
できるが理解できるのと納得できるのとではわけが違う。
そんなセリナの頭をくしゃりとなでて。
「……う~ん。内緒よ?私の時の場合は……
  ……ガウリイが今にも殺されそうで。あのとき……」
あのとき。
ガウリイは水晶にと閉じ込められていた。
そして、彼はいったのだ。
あれを唱えないと……ガウリイのそれを壊す……と。
水晶が壊れること、それすなわちガウリイの死を意味した。
そして躊躇するリナの前で。
彼は迷うことなくガウリイの閉じ込められた水晶に力を放ち。
……水晶にヒビがはいったとき。
リナはもう躊躇も何も関係なく。
ただガウリイを助けたい一身で。
絶対に制御などできるはずもないそれを唱えた。
「……あたしは絶対に使ってはいけない呪文を唱えた。ガウリイを助けるためだけに。
  それは間違いなく世界を無に還してしまう、ギガスレイブの完全版を。」
あのとき。
彼女がポカミスをしなかったら。
冥王が彼女に気づいていたら……あのような結果にならなかったのは。
考えるまでもないこと。
あの罪はどう償っても消えるものではない。
あのとき確かにリナは世界そのものとそしてガウリイ。
ただすべての世界の命よりもガウリイひとつの命を選んだのだから。
「……完全版……って……」
私……使えるけど……
あ、そういえば母さん……使えないんだっけ?
というか使えるけど、母さんは気づいてないんだっけ。
そんなリナの告白にふとそんなことを思っているセリナ。
そういえば……エルお姉さんがそんなこといってたっけ……
などとふとリナのしらないところで出会ったことのある金色の母の言葉を思い出し。
母であるリナを見つめるセリナ。
「人は大切なもののためなら命すら問わない。
  むしろすべてを投げ出してでもその大切なものを守ろうとする。
  それはどうにもできない心の動きなのよ。……セリナにもきっとわかるときがくるわ。」
そういいつつ娘の髪をくしゃりとなでる。
「さ。セリナ、そろそろ準備しないといけないんじゃない?」
そういって席を立ち上がるリナに。
「あ!そうだった!今日は王宮にお呼ばれなんだった!」
その魔道の力を認められ。
そしてまたいまだに長き途絶状態であった元結界外との世界。
そんな世界へ魔力が発達した世界は自分たちが培ってきた術を伝授し、
そしてまた外の世界からは様々な文明技術の力を伝授し。
そんなこんなではや十数年。
とりあえずは力ある魔道士達が様々な会議の場などに呼ばれるのは。
さして珍しいことではない。
それがましてやすでにこの星では知らないものがいないとまでにされている。
伝説の魔を滅するもの達デモンスレイヤーズの子供というのであればなおさらのこと。
リナとしてはあまり人前にでるのが気が乗らないので。
大体娘などに依頼などがあっても押し付けているのである。
……まあこの夫婦を知っているものがみればその理由は。
面倒くさいということと。
そしてもうひとつ。
リナの夫のガウリイがリナをほかの男性にあまり見せるのを好ましく思わない。
というその二点から。
何しろ完全に子持ち人妻といえどもリナはまだまだどう見ても二十代前半の若々しい姿。
しかもかなり綺麗でありそしてまたスタイルもまたいうことなし。
言い寄ろうとするやからははっきり言って少なくない。
しかもやっかいなことに、リナ自身がそのことにまったく気づかずに無防備なのである。
それはセリナにもいえることなのであるが。
ゆえにこの家では男性陣、夫であるガウリイとそして長男であるユーリ。
そしてほとんど家政夫&護衛係と化しているゴルンノヴァ。
この三人が常に苦労をしているのであるが。
そのことにも気づいていないこの家の女性陣。
ちなみに。
幸か不幸か双子の子供たちの性格は。
どちらかというとルナに近い。
いわく隔世遺伝てきなものではあるので。
そのあたりでは少しは助かっているのかもしれないが。
まあそんな理由からガウリイやユーリは、
あまりリナやセリナが人前・・・特に、異性の前にでるのをはっきりいって望んでいない。
リナとしてはああいうお役所関係の仕事はあまりお金が動かないし、
いろいろと何かあったら面倒なので気乗りがしないのだが。
母親であるリナの言葉に促され。
ぱたぱたとあわてて自分の部屋である小屋にと移動するセリナ。
いや、小屋というより別棟といったほうがいいかもしれない。
そんな娘の姿をみつつ。

「月日がたつのは早いわよね。」
少し寂しそうに微笑むリナの姿が。
ここゼフィール・シティの郊外にある一軒屋にて。
見受けられてゆく。
おそらく。
その疑問を乗り越えたとき間違いなく。
セリナは親の元から巣立っていけるまでに成長するであろう。
精神的に。
かつて自分がガウリイと一緒にいろいろな事件を経過して。
いつのまにか一緒になったときのように。
「……親がなくても子は育つ……か。」
どことなく寂しそうな表情をし。
「さって!お仕事、お仕事!」
気を取り直し。
そのままセリナを見送り。
家事にと専念してゆくリナ。

かわいい子供には旅をさせろ。
格言にはそうある。
それは、親の元ではぜったいにわからない様々なことを。
自分自身の身で感じ、経験することによって様々な面にて成長する。
自分が子供をもち初めて。
かつて姉がいった。
世界を見てきなさい。
この一言の意味がわかったような気がするリナ。

今日も今日とてここゼフィール・シティは平和である。


                        -終わり-


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おまけ:

「……秩序や理。それに……これは……」
あのとき、理解できなかったことであるが。
今なら理解はできる。
このままこの生き物を生かしておけば。
間違いなくこの星……いや銀河そのものは消滅するであろう。
「終わらせなさい。この戦いを。人の中に紛れ込んで。」
『御衣』
創り出した神と魔のそれぞれの王。
彼らに命じてこの文明を一度滅ぼさせることを決定する。
もうかつての人であったセリナではない。
今の彼女はこの真新しい世界の主でありそして王。
この世界をよりよく発展させてゆくのが彼女の使命。
それなのに。
進化した生命体がよりによって星間戦争を始め。
はじめは様子をみていたセリナはついに自らの手を下すことを決定する。
―守るためには犠牲も必要。
今ではそのことは十分に理解はできる。
「まあまあ、セリナお姉ちゃん、落ち込まないで。ね?」
かつての弟であったユーリは今ではセリナの側近として、常にそばで支える存在となっている。

ときどきかつて、互いに人であったときのことを思い出しながら。


セリナの世界は。
まだまだこれから発展という名前の旅立ちの中にある。
歩みを止めることなど・・・できはしない。

                        ――終わり♪――

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あとがきもどき:
薫:ちなみに。この考え。
  確かに『犠牲がなければ守れない。』
  その考えは・・・・私もあまりついていけないところがあります。
  でも。どうにもならない・・・・というのはあるわけで。
  たとえば。
  ここに武器をもった人間がたくさんの人間を人質に何やらどんどん人殺しをしているとします。
  彼にはどんな説得も効かず。
  そして特異体質のため、マスイなども聞きません。
  しかも彼の手にはミサイルのはっしゃぼたんすら・・・・。
  そのとき。あなたはどうしますか?
  あなたの手には彼を止める手段・・・・鉄砲があります。
  腕にはそこそこ自身はあります。
  誰も彼にはむかおうとするものはおらず。
  目の前でどんどん人が殺されています。
  全員が殺されて彼が最後に人類消滅のボタンを押すのを待つか。
  それとも。今この場で生きているものたちが協力して、彼を殺すか。
  二つに一つの場合は?
  そんなどうしようもない選択のときだって(たとえが極端ですけど)
  例えですけどあると思うのです。
  だから一概に『犠牲がなければ守れない。』それは悪いとはいいません。私は。
  この旅立ち。
  そういった意味での心の成長の旅立ちという面も含んでいるつもり・・・・。
  ・・・・だったのですけど。
  はっきりいって表現できてませんでしたねぇ・・・あ・・・あはは(汗)
  まあ、何はともあれ。
  意味不明、駄文にお付き合いくださいましてまことにありがとうございます。
  よければおそらくまた気分的にまるでスペシャルののりのごとくに。
  打ち込みするであろう番外編でまたいつかお会いしましょう。
  それでは、またv
  2003年8月6日某日

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