まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ。
ふふ・・。
この話。
白銀の瞳の番外編の、セリナ主人公。
。あの短編小説『欲しいもの』の『間』にあたるエピソードv
というわけで(何が?)いくのですv

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白銀の継承者    ~プロローグ~

……ここ何処?
視界に入るのは、泣いているリナママ。
セリナ・・ここにいるよ?
だけど、手は届かない。
本当のママでなかったけど。
でも、セリナ、リナママとガウリイパパに出会えて、よかった。
セリナね。
分かってたの。
……ガウリイパパも分かってたみたい。
セリナが、あそこから出て…一年も生きていられない。
という体だってことに。
セリナの本当のママが。
セリナをあの水晶にと閉じ込めた。
セリナだって……
生きている生き物を食べるのは好きじゃない。
だけど。
生きるためだから。
そういって、セリナの周りには、いつもその生きている生き物を溶かした液体。
新鮮な血と肉をセリナにと食べさせるためにと、カプセルにいれられていた。
セリナ、途中から、それがいやで、嫌で。
だって、セリナ、知ってしまったんだもん。
セリナをこの姿にするために、お爺ちゃんがその命を投げ出したってことを。
そして……
セリナを完全に生きながらえさせるために。
ママが赤ん坊をことごとく誘拐して殺している…ってことを。
あと、一つ。
ママがいうには、後一つで。
セリナの体は、カプセルから出ても崩れないほどに完全にとなったらしいけど。
だけど。
それは、出来なかった。
戻ってきたママは…肉体を持ってない精神のみで。
その精神と魂のみで、セリナを生かすために。
全ての力と魔力を、セリナを取り囲む液体にと注ぎ込んで、消滅したセリナの本当のママ。
ずっと、一人でカプセルの中にいたの。
セリナが生きていたときには。
水竜王様が、生きていたから。
あれから、千年が経過してるって。
リナママ達と出会って、いろいろと教えてもらって、セリナ、初めてしったんだよ?
そして……大切な温もりも。
だから……リナママ、泣かないで?
……セリナ…幸せだったから……

まどろむ視界の先で。
泣いているリナママの姿。
思い出すのは、リナママと、ガウリイパパと、楽しい旅の一時。
本当のママとなんて、こんな記憶はもってない。
セリナにとっては……
リナママ達が本当のママとパパ。
温もりや愛情といったものを教えてくれたのは・・。
だって、リナママ達だから。
……誰か、お願い。
リナママに泣かないようにいって?
ねえ?
セリナの全てをあげるから?
ママに泣かれると、セリナも悲しくなる。
自分は死んでいるとわかっても。
なおさらに。
―― ならば、自らの手でそれを成し遂げるか?
何処からか声がする。
……だぁれ?
―― 汝の願いは純粋そのもの。……汝は我を受け入れるか?
周りにあるのは、ただ、淡い淡い金色の空間。
さっきまで、暗い空間だったような気がするんだけど?
でも…何かこの声の人って……
暖かい。
うん。
何が何だかわからないけど。
受け入れるよ。
……リナママ達を泣かさないためだったら……
―― ならば……汝は次回、生まれ変わるとき、
    あの者たちの真実の子供として転生を許そう。

凛とした声が何処からともなく聞こえてくる。
……え?
本当の子供に?
―― その代わり、汝には新たな使命が課せられる。…それでもいいか?
うん!
リナママたちの子供になれるんだったら!
セリナ、どんなことでも受け入れるよ!
―― ならば……その、純粋なる願いにより、汝を新たな存在にと転換させよう。
    あの者たちが結びつくまで…眠るがよい……
確かに……
リナママとガウリイパパ。
なかなか結婚しそ~にないもんね。
あのね?
リナママ?
セリナでも、こんなまだ幼いセリナでも分かったんだよ?
ガウリイパパがリナママをどう想っているかって?
……ねえ?
リナママ、ガウリイパパ?
……セリナ、今度こそ、本当の子供として二人の元に戻るから……
だから。
早く、リナママ。
ガウリイパパの気持ちに気付いてあげてねv
でないと、セリナ、うまれられないもん!

―― 汝に課せられるは……新たな使命……

…………?
なぁに?
その白銀の王って?
…………?????????

その言葉を聞きながら。
気付いたら、もう、自分の体は。
白銀の光と、金色の光に包まれていた。

……まっててね。
……絶対に……リナママとガウリイパパの元に…戻るから……セリナ……



『純粋なる願い。我は最もそれを好む。……このものの母親もそうであった。
  だからこそ、我は、わが元に戻ることなく、
  娘に全てを託そうとしたあのものの願いを聞き届けたのだから……』
我の中で眠る、幼い魂。
あの者たちが、結びつくまでは。
あの世界の時間率ではまだかなりかかる。
ならば。
このものは。
我の力を受けしもの。
……丁度いい。
この純粋なる魂は。
新たな世界と連動させるには十分過ぎるほど。
我が内にて眠る、魂。
・・・・さて、この魂に。
我が部下としての心得と、その力を受け継がせるとするか……


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「おめでとう!リナ!女の子よ!」
「おめでとうございます。リナさん。」
横にいる二人の女性が話しかけてくる。
一人は助産婦、一人は……
はぁはぁはぁ……
だるい体をどうにか起こす栗色の髪の女性。
「……抱かせて?」
「はい。どうぞ。」
まだ生まれたばかりの我が子。
その自分と同じ栗色の髪。
「……お帰り、セリナ。」
ぎゅ。
今度こそ、この子は幸せになる権利がある。
今度こそ……絶対に守り抜いてみせる。
……ガウリイと共に。
そう、固く生まれたばかりの我が子を抱きしめて、
強く純粋に強く願い誓う若い、初めての母親になったばかりの女性。

ばったぁぁぁん!
「リナ!よくやった!」
顔を満面にほころばして。
扉を一気に瓦解させて入ってくる、金髪碧眼の美男子に。
「・・・ガウリイさん、気持ちは分かりますけど……」
くすくすと
娘が生まれたので有頂天になっている、栗色の髪の女性。
リナの夫であるガウリイの様子をみて。
くすくす笑っているのは。
出産に立ち会っていた、この国の王女。
ここ、セイルーン王国。
その、セイルーン王室の一室で。
今、新たに新しい命が産声を上げていた。


                -第1話へv-

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あとがきもどき:
薫:・・・・はいv
   ちなみに。思いっきり、このプロローグは。
   白銀の瞳のその後でした(こらまて!)
   次回からは。一気に年代飛びますv
   つまりは、ゼフィーリアにての。日常(なのか?)
   ・・・次回で出発まで・・・・・こぎつけたらいいなぁ・・・(だからまて!)


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