悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア)・第28話 ~新たなる未来に向けて~




ゼフィール・シティから、離れたところにある一軒屋。
地下付き四階建てプラス、屋根裏部屋付き。
白いその外観が、辺りの景色にマッチしている。
「ふぅ・・・・。」
大きなお腹を抱え。
たなびく、白いシーツと。
二人分の洗濯物。
そして、小さな小さな洗濯物。
空を見上げると。
世界が、今、ちょっと、不安定な状況なのが嘘のような真っ青な空。
数ヶ月前の一件の後に。
各大陸との交流も盛んになった。
「さて・・と。次は家の中の掃除っ・・と♪」
とことん、主婦に染まりきっているリナ。
「・・・とりあえず、寝室の片付けが・・先・・よね////」
シーツははっきりいって。
毎日洗い。
布団も毎日。
・・・・・なぜとはいわないが。
「まったく・・・あいつは・・・何でああ・・////なのかしら・・//」
暇があれば。
すぐにベットに連れ込まれているリナ。
まあ、それも、外とかでも関係ないのであるから。
リナにとってはたまったものではない。
でも。
「・・・ま、あの無人島にいたときよりは・・まし・・・よね//」
ふと思いだし、全身真っ赤になって。
キビスを返し、家の中にと進んでゆく。



「リナぁ!戻ったぞぉ!」
そんなことを思いつつ。
部屋の片付けが終わり、読書にふけっていると。
優しい声が玄関から聞こえてくる。
「あ、戻ってきた。」
ぱたぱたぱた。
「お帰り、ガウリイ。」
「只今、リナ♪」
もういつものことであるから・・リナはいうのを諦めている。
昼近くになると。
休憩時間と称して。
度々に戻ってきているガウリイ。

ゼフィーリア王国、お勧めの肩書きをもらい剣術道場を開いているガウリイ。
剣と、気合、そして、魔術。
それらを組み入れた道場をつくっており。 
ゼフィーリアの剣士たちにも教えていたりする。
リナも一緒に働いているのだが。
そろそろ臨月なので。
無理はするな。
というので、こうして家にといるのである。
というか。
結婚している。
と知っていても、リナ目当てで、入ってくる男達は後を絶たず。
リナはまったくといっていいほどに気づいてないが。
ガウリイが裏で暗躍していたりすることを。




「お帰り、もうちょっとでご飯できるから、まってね。」
今、オーブンで、最後の一品を作っている最中。
もっとも、その元は、火精霊の力と、光精霊の力を借りて。
その両方の力によって、精製されているオーブン。
今だに、これを作れるのはインバース商会だけなのだが。
「それじゃvその前に、先に前菜というか、メインデッシュを♡」
リナの耳元でささやき、首筋にキス。
「・・・馬鹿////」
そのまま、抱きかかえるように寝室にと入ってゆくガウリイ。
いつもの光景。




「あ・・・いた・・いたた・・・・・・・。」
「リナ!?」
「が・・・ガウリイ・・・助産婦さん・・・呼んできてぇ・・!い・・いたたたたた!」
ガウリイの下に組み敷かれているリナが苦痛を訴えだす。
「わ・・わかった!」
陣痛が始まったとこに気付き。
あわてて、服を着て飛び出してゆくガウリイ。
「あ・・・先に、シャワーを浴びて・・・。服も着替えて・・・。」
陣痛が始まっているというのに何とも冷静なリナ。




うろうろうろうろ・・・・・。
うろうろうろうろ・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 
・・・・・・・・・・・。
「だぁ!邪魔!って・・・いたぁぁぁぁぃぃぃぃぃい!」
目の前でうろうろされては気が散る。
「だってなぁ・・・。」
心配そうなガウリイ。
「ほらほら、旦那さんは、邪魔になりますから。部屋から出ておいてくださいね。」
助産婦の言葉に。
「いやだ!」
頑固として、出て行かないガウリイ。
「はぁはぁ・・・ガウリっ・・・・。」
「ほらほら、頑張って。あと少しよ。」
はぁはぁはぁ・・・・。
ベットの上で、汗をびっしょりとかき。
気張っているリナ。
小刻みに痛みは激しくなり。
そんなリナの手をしっかりと握り締めているガウリイ。


約一日にわたる攻防の末に。
 


「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
「えあぁぁぁぁえぁぁぁぁぁぁぁ・・・・。」


「よっし!よくやったぞ!!リナ!!!!」
飛び上がり喜ぶガウリイ。
「おめでとうございますね。元気な女の赤ちゃんが二人。まあまあ、お母さんに二人ともよく似て。」
産湯に浸され。
綺麗になった、赤ん坊二人。
その両方とも栗色の髪。
ぱっちりと開いたその瞳から。
その顔には一人は覚えがあった。
「・・お帰り・・・・エリー・・・。」
リナがそっと、手を伸ばし。
栗色の髪に、碧い瞳の女の子に触れる。
「お、こっちは、リナそっくりだなv」
ガウリイが。
もう一人を抱きかかえる。
そちらは。
リナ譲りの栗色の髪に、紅の瞳。
「始めまして・・でいいのよね?エリー。エリアンヌ=ドナ=ガブリエフ。それが貴女の名前よ。」
この子を産むの・・二度目ね。
ふと、苦笑するリナ。
一度目は、狂った時間率の中であったから。
肉体的にはなかったも同じなのであるが。
その記憶は残っている。
「なあ、リナ、このエルの名前はどうする?」
「???エル?」
ふと、何気なくいったガウリイの言葉に首をかしげつつ。
「あ、それいい名前ね。じゃあ、エルスィ。エルスィ=クライス=ガフリエフ。そうする?」
ガウリイが抱いているもう一人の娘に手を伸ばし。
「もっとよく顔をみせて。」
そのまま、起き上がるリナ。
「だぁ!」
キャッキャと手を上げて喜んでいる赤ん坊。
『―これからよろしくvv―』
ふと、リナの脳裏に言葉が伝わる。
「あら、さすが、あたしの娘ねvこんな小さなころから、精神感応ができるみたいv」
「リナぁ、俺とリナの娘!だろ?」
「そうね。」
くすくすと互いをみて、笑う二人。
「それでは、親子水入らず。邪魔しては何ですから。あとは、ごゆっくり。」
仕事も終わり。
リナ達の家から戻ってゆく助産婦さん。
「さて・・・と。」
そのまま、作っておいた、ベビーベットに二人を寝かせ。
今だにベットの上にいるままのリナに軽くキスをするガウリイ。
「??ガウリイ?」
「ご褒美v」
「ちょ・・・まちなさ・・・・やぁぁ・・・・。」


「あんたわぁ・・・今出産したばかりなのに・・・。ちょっとは考えなさいよぉ・・・・。」

数時間後。
ガウリイの胸の中で。
はあはあと息を切らしているリナの姿が見受けられていた。




『やっぱり、面白いわvvこの二人v』
『・・・・・というか、どうして、あの・・貴女様が?』
『・・面白そうだったからv』
『・・・・・・・・・・・・・・・・。』
ベットの中で。
精神だけで、会話をしている赤ん坊二人の姿。
『まあいいじゃないのよ。あのガウリイ。『あたし』のことに気付いてるしvリナに器を宿した時点でv
  さすが、あたしが気に入った人間だけのことはあるわよねぇ♡リナとガウリイ、本当に飽きないわv』
『・・あ・・あの・・・父さん・・気付いてるって・・・・。母さんは?』
『リナはまったく気づいてないわよ。まあ、ガウリイは、聞かれない限り、いわないでしょうけどねv』
『何て呼べばいいんです?』
『敬語は要らないわよvvエリーvv『エル』でいいってvv形式上は、双子の姉妹なんだからv』
『わかりました。じゃ、これからよろしくおねがいします。エルさん。』
『呼び捨てv』
『わかったわ。エル』

くすくすくす。
やっぱり、リナとガウリイの子供だけあって。
順応性が早いわvv
さて・・。
しばらく楽しみますか・・・ねvv

今だに横のベットにて。
夫婦の愛の営みをやっているリナとガウリイをみつつ。
そんな会話を交している生まれたばかりの赤ん坊二人。


結局のところ。
赤ん坊の世話に追われつつ。
時間があれば、ガウリイに・・・。
という現状が。
数週間に及んでいたリナであった。



「ええと・・・ここがこうで・・・。」
過去の地図と、今の地図を見比べて。
その違いを書き込んでいる地図をみつつ、アメリアが場所を確認している。
「というか、よくアメリア、過去の地図、譲ってもらえたな?」
あきれつつ、ゼルガディスが問いかけると。
「誠心誠意、話せば、魔族といえども、生きている存在です!分かってくれます!」
誠心誠意という言い方は違っているんじゃ・・。
心で突っ込んでいるゼルガディス。

あのとき。
ゼフィーリアに魔族達が滞在している最中。
アメリアは。
『こんな時こそ、全員をまっとうな道に戻して見せます!』
とかいって。
各、彼らの部屋に。
エンドレスに、生の賛歌を流していたりしたりしたのである。
部屋に入るなり、ずっと、部屋から出てゆくまで。
それが、魔法道具によって、流れ出るのである。
さすがに、それには堪えるらしく。
腹心達も、率先して。
先等にたって、全戦にと赴いていたのであるが・・・。


彼らの居城にも、同じようなシステムをお礼につけるから。
過去の地図をもらえませんか?
とアメリアが交渉したところ。
すんなりと過去のこの星の地図を手に入れているアメリア。
「それに、何も見返りほしくなくて!ただ、本当にくれたんですよ!」
なぜか、そのとき。
覇王は疲れたような顔をして。
全員顔色がわるかったですけど。
そんなことを思いつつも、にこにこというアメリアに。
「・・・そりゃ・・。」
あれは、魔族でなくてもきついものがあるぞ・・・・(汗)
思ってはいても、口には出さないゼルガディス。
「まあ・・・それはおいといて。」
いって。
ゼルガディスも地図を覗き込む。
「今が、ここだろ?そして・・・。」
何と、くれるとき。
アメリア達の滞在場所と。
アメリアの魔力が感じられるその場所を。
示すようにと作って律儀にも渡している魔族達。
それを目指して、アメリアとゼルガディスは進んでいるのである。

何もしないで貰うのは悪いから。
というので、ミルガズィアに相談したところ。
何かこれでもあげればいいんでないか?
という、記憶球(メモリーオーブ)を手渡され。
何でも、エルフや竜族の中では。
喉から手が出るほどに欲しがる品物だとか。
それをお礼にと送り届けているアメリア。
その中身を確認しなかったのは・・・・懸命な判断である・・・・。
 


「では、いくか。」
「はい!!!」
二人、仲良く並んで。
目指す遺跡にと進んでゆく。

― 希望はすぐそこ。



「あ・・あの・・・シルフィール・・・・。よかったら・・その///」
真っ赤になって、小さな箱を取り出しているエルク。
「まぁ!////」
そして、それを受け取り。 
小さくうなづくシルフィール。


ようやく、復興の兆しをみせ。
かつての賑わいをも取り戻しかけているサイラーグ。
神木フラグーンの苗も。
ルナにいい、貰い。
シンボルは整っている。
以前よりも、湖の中に浮かぶ神木。
というので。
かなり神秘性が増しているという現実もあるのであるが。
その湖を取り囲むようにして。
復興を遂げているここ、サイラーグ。
その功労者でもある。
シルフィールとこのエルク。
二人は、その中で。
静かに、想いを通じさせ。
そして・・・・。



「おめでとう!!!シルフィール!エルク!」
祝福の嵐が吹き荒れる中。
その手には、リナがエル。
ガウリイがエリーを抱きかかえ。
生まれて数ヶ月。
そんな二人をつれて、結婚式にと参加しているリナとガウリイ。
そこには。
「おめでとうございます!シルフィールさん!」
瞳をうるうるとさせているアメリアと。
「よかったな。」
人の姿に戻ったゼルガディスの姿。

リナが出産してしばらく後に。
遺跡にとたどり着き。
ゼルガディスは、人の姿にと戻りゆくことができているのである。



復活している神木、フラグーン。
そして。
人々の中に、実は、赤の竜神は滅んでなかったという事実。
多少、北の魔王が氷の結界から束縛を逃れてしまった。
という現実があるのは。
一部のものには知られているが。
それでも、希望は、人々の中に、確実に芽生えてゆく。



「次はアメリアの番ね。」
「やだぁ!リナさんったら!!」
真っ赤になって、照れているアメリア。
「ゼル、がんばれよ。」
励ましているガウリイ。
「まあ・・な。幸せにするさ。アメリアは・・な。」



ゼルガディスとアメリアの婚約。
それは、喜ばしいこととして人々に祝福されてゆく。



 多少。
どこの馬の骨とも分からない。
ゼルガディスとの結婚に、反対する存在もいたりはしたのであるが。
身元が身元。
エルメキア出身の、かなり有名な家柄。
しかも、その祖父が、あの赤法師レゾ。
ゼルガディスの両親にも確認をとり。
そして。
二人の婚約が正式に認められたのは。
フィルの誠意ある説得の賜物。
といっても過言ではない。



「さて・・・と。」
使えるものは何でも使う。
それが、リナ流。
張りすぎる乳なども、搾り出しておいて。
それを冷凍保存して。
食事などのミルク代わり。
結局、子育てに追われて仕事する間もなく忙しく。
結局のところ、家にずっと滞在するような状況。
まあ、理由はそれだけではないのであるが。
何しろ・・・。
夜ははっきりいって。
ガウイリが寝かせてくれないのである。
いつも、リナが子供にばかりかまっているからといって。
「でも、二度目だけあって、子育て・・楽よねv」
それに、どうやら。
エリー。
なぜか、かつての記憶というか。
あの時間率が狂った中の記憶、もったまま、生まれているようだし。
それもあるのか。
あまり夜鳴きなどはせず。
お腹が空いたら、エルスィが、自分の力で冷蔵庫から、ミルクの保存を取り出して。
自分達のもとにと手繰り寄せていたりする。
「うーんvvさすが、あたしの娘よねvv将来が楽しみだわv」
それで済ませているリナ。
普通、物心つかない赤ん坊が、そんな力をもっていたり。
精神感応で話せたりするのを。疑問に思うところであろうが。
何しろ、エリーも精神感応で話せることができるし。
それで、あの当時・・ゲームの中とはいえ。
生まれでて、十四年間の記憶を、赤ん坊ながらに持っているのであるからして。
全然、まったく気にも留めていないリナ。
―まあ、あれが創ったというゲームなんだから。それくらいはあるでしょうし。
それで済ませているのである。
夜鳴きも二人ともしないので。
そのまま、ガウリイのいいようにされている原因。
ということにすら。
リナはいまだに気づいてない。
「さて・・と。あいつが戻ってくるまでに。さっさと、洗濯物を仕上げておきますか!」
パン!
シーツを広げ干しているリナ。
どこから見ても。
新婚の新妻。
その薄いピンクのエプロンが、リナによく似合っている。
リナはまったく気づいてないが。
そんな毎日洗濯物を干すリナの姿を目当てに。
結構遠巻きに男達がよってきていたりするということに。
そんな輩は、ガウリイが、徹底して、排除しているということも。
「あ、そろそろ二人にミルクの時間だし!」
ぱたぱたぱた・・。
シーツを干し終えて。
家の中にと入ってゆくリナ。


リナは気づいてない。
彼女達を出産した後。
・・・・いまだに、『あの日』が来ていない。
ということに。


平和に時間が過ぎてゆく―。 



数年後。



「ガウリイ!いくわよ!」
「まってくれよ!リナ!」
「ほらほら、ガウリイ、遅い!」
「父さん!はやく!」
リナと娘たちにせかされあわてて、準備をしているガウリイ。
「ほら!早く!」
「でも、ようやく、アメリアとゼルガディスが結婚かぁ。・・・長かったわね。」
しみじみといっているエルスィ。
「まあ、いろいろとあったみたいだし?」
家の外で、父親を待ちつつ、言っているエリー。
「確かにね。結婚まで、六年もかかったしね。」
ニコニコといっているのはエリーの弟。
リナとガウリイの二番目の子供の、ユーリ。
ユリウス=ド=ガブリエフ。
只今、五歳。
エリーとエルスィは、今六歳。
年子で生まれたこの男の子。
こちらは、ガウリイ譲りの金色の髪に碧い瞳。
あと少しで、彼らは一つ歳をとるが。
そして。
只今、リナはまた妊娠中―。
といっても、前回から、約六年も経過しての妊娠であるのだが。
それは一重に。
ガウリイが、子供に焼もちを焼きまくり。
子種を入れるときに、ちょっと、工夫していたからに他ならない。

約七年という年月が経過し。
ようやく、世界は復興の兆しをみせている。
ある程度は落ち着き。
神と魔との間で取り決められていた停戦状態も。
今は、すでに、解除され。
以前のように。
ちまちまと、魔族などによる被害もでていたりするが。
さほど。
そんなに人々は困っていない。
まあ、普通に生活していれば。
まず、魔族などにお目にかかるのは。
せいぜい、レッサーデーモンくらいである。
・・それもかなり低い確率で。
今、世の中は。
交流を記念とし。
新たな時代にと向けて、存在達は奔走している。
 
「でも、リナ?歩いていったら。遅くならない?ガウリイのせいで、遅れたんだし♪」
にこにこといっているエルスィの言葉に。
「・・・・そーよね・・・////」
「いやぁ、あまりにリナがかわいくてついvv」
「つい!じゃなぁぃ!!!!十日はやめろ!十日も!!////」
言い争っているリナとガウリイをみつつ。
「あいかわらずだよね・・・。父さんも、母さんも・・。」
「仲がよくていいじゃないv」
よく理解してないエリー。
エリーは、両親が部屋に閉じこもるのは。
子供を作るため。
と聞かされていたりする。
―ガウリイは、それだけではないのだが。
「じゃvv手っ取り早く、瞬間移動で移動しましょv」
にっこりいって。
エルスィが、虚空に陣を描くと。
ゆらり。
そこにゲートが出現する。
「さっすが、あたしの娘vv」
そういって、エルスィを抱きしめているリナ。
何の疑問ももっていないのが、さすがリナというところであろうが。
「・・ま、エルだし。」
「だよね。・・エルだし・・・。」
というか。
・・・・母さん・・・・少しはおかしい。とか思わないのかな?
・・・思わないんだろうな・・・・。リナ母さんだし・・。
そんなことをエリーとユーリ。
思っていたりするが。 
「戸締りオッケー!じゃあ、セイルーンに出発!!」
リナの声とともに。
全員。
セイルーンにと、
今、エルスィが作ったゲートから、瞬間移動で移動してゆく。



政界のごたごたや。
国情、外交。
さまざまな要因があり。
それらをすべて、解決させて。
うやく、フィスの一件から、六年後。
アメリアとゼルガディスの結婚式が。
セイルーンにて執り行われるのである。
リナ達は、それに当然のことながら招待され。
家族全員で、セイルーンにと向かっていった。



「結局、ゼルは、養子に入ることになったの?」
「まあ・・な。というか、ここで勤めることになった。」
セレモニーが終わり。
ひと段落したときの会話。
「よかったわね。アメリア、あと、約二年後には。アリアに会えるわよv」
にっこりというエルスィの言葉に。
「はい!!!!♡」
あのとき。
手を伸ばしても、助けられなかった、自分の娘。
それでも。
リナとガウリイの子供が。
そのときの記憶を持っている。
ということがわかったから―。
―アリアも・・きっと・・。
母なればこそのアメリアの願い。
あの、三年間が、なかったことになるのは悲しい。
そして。
また、新たな、思い出を作っていけばいい。
そのためには。
アリアが、安心して育つ環境が必要でもあった。
「そうはいうが、エルスィ?お前は、あのとき、生まれてなかったはずだが?」  
ふと、疑問に思っているゼルガディス。
当然の反応であるのだが。
「だって、いろいろと聞いているものv」
にっこりと笑うエルスィ。
(・・確かに、間違ってはいないよな・・・・・・。)
(間違ってはいないわよね・・・・覗いてたらしいし・・。)
そんなことを思っているエリーとユーリ。
「ま、エルだしな。」
いって、ぽんぽんと頭をなでているガウリイ。
「・・・・ちょっとガウリイ・・・何でエルスィにでなくて。・・あたしの頭をなでてるのよ・・。」
「なんとなくv」
「だぁ!髪が乱れるでしょうがぁぁぁ!」
抗議するリナ。
ガウリイが頭をなでているのは、エルスィの頭でなくてリナの頭。
「本当に、飽きないわよね。この夫婦みてるとv」
『確かに。』
きっちりとリナとガウリイ以外の全員の声がハモル。
「というか、エルスィちゃん。両親をみて飽きないって・・・。」
「だって、事実だもんv」
「それもそうですね。」
それで済ませているアメリア。


アメリアとゼルガディス。
二人の結婚式は盛大にと執り行われた。


参加したもの、竜王達全員に。
ルナに。
そして、一応、魔王とその腹心達。
いちおうの、けじめというか、区切りとして。
全員、参加と相成っていた。



しばし、平和に時間は過ぎてゆく―・・・・・・・・。


                                        -続くー
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あとがき:


  薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ・・・・・・・・・・・・・・・・
      いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
    姫:五月蝿いわよv
    薫:なななななななななぜ、エル様がぁぁぁぁ!!!!!?
    姫:いいじゃないのよv
    薫:よくないですぅぅ!
      ルナ達知っているんですか!?
    姫:知らないわよv
      エル、教えてないしvv
    薫:あ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!(涙)
    姫:まあ、ガウリイは。
      リナが妊娠してた時点で。
      『あれ?エリーのほかに、混沌の人もいる。』って気付いていたけどねvv
    薫:あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・。
    姫:ちなみに。エル。
     『しばらく留守にするから、留守番よろしくv』
      って、メイドたちには言い含めているけどねv
      当然、どこにいくかは、誰もにもいってないvv
    薫:だぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!
    姫:そーいうわけでvv
      私も、幼馴染として、時々遊びにいってるしvv
    薫:あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛(滝涙)
    姫:さっきから五月蝿いわよ!!
    薫:しくしくしく・・・・。
      リナ・・・気付いて・・・・お願い・・プリーズ・・(涙)
    姫:気付くわけないじゃないvv
      エル、完全に人間の気配になってるしvv
      それに、あの器。
      ちゃんと、リナとガウリイの遺伝子から出来てるしv
    薫:・・・・なぜ?(汗)
    姫:何でも、『人間の体で、どこまで限度が試せるか、その実験』
      らしいけどvv
      確かに、器を人間のままにしたこと、なかったからねぇ♡
      エルはvv
    薫:しくしくしくしくしくしく・・・・。
      ・・・・気の毒に・・・この世界・・・(ぽそり・・)
      ・・・・悪夢・・・といえるのかも・・・(さらにぽつりと・・)
    姫:あらvvそんなことないわよvv
      エルに気にかけてもらっているんだからvv
      すばらしい世界じゃないv
    薫:・・・・・・(ノーコメント・・・)
      と・・とりあえず。(とりあえず、話題を換える)
      次回。
      時の狭間に・・・。
      をお送りします。
      というわけで、次回、多分最後ですぅぅぅぅぅぅ!!
 

    姫:といいつつ、三十話がエピローグであるでしょvv
    薫:・・・・・・多分・・(こら!)
    姫:それでは、何か、今だにうめいている薫はほっといてvv
      次回出会いましょうvv
      それでは♪

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