悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア)第26話 ~フィスフレィン~
船は、世界の中心たる、
巨大なクレーターに向けて進行してゆく―。
「しっかし、ここも、よく被害にあう場所よねぇ・・。」
もはや、完全に観念して。
ガウリイに抱きしめられたままになっているリナ。
目の前の場所をみつつ。
あきれたような声をだす。
本来、この場所は。
光の柱はないものの。
空間が不安定になっているというのもあり。
まず、普通ならば近づけられない。
何しろ、普段でも、禁域として、神族も魔族も近づかない場所。
「俺はリナと一緒なら、どこまでもいくぞv」
「・・・・・/////馬鹿//」
そんなリナの頭上で、ささやいているガウリイ。
そんな後ろから抱きしめているガウリイの手をつかみながら。
「さて・・・。どうする?いっそ、このまま、ここから、重破斬(ギガスレイブ)。完全版。ぶちかましておわりっていうのは?」
リナにとっては、ナイスな提案をしたつもりなのだが。
「・・・・リナ、それは却下だ!もし、またリナがいなくなったら。どうする気だ!?」
そんなリナをガウリイが止めている。
「大丈夫よ。伊達に、あのゲームの時間率の中で。二十年も過ごしていたわけじゃないんだから。」
完全にその仕組みと、あの存在のことを理解し。
今や、完全版でも、暴走することなく、制御できる自身があるリナ。
というのも。
―なんだ、あたしの中に、あれの彼らの残留し念があるんだしvそれ、利用して使えばいいじゃないvv
という、何ともおきらくなリナである。
何しろ、ラグナブレードくらいなら。
様々な形式に、バージョンアップまでも、その応用で出来るようになっているリナ。
まあ、記憶にあるし、今は試してないけどできるでしょv
絶対に、ガウリイを傷つけるような、暴走だけは二度としたくないし。
意思の強さが、あれを制御する源だと。
リナは今完全に理解している。
「リナさん、リナさん、それやったら。
また、金色の王(ロードオブナイトメア)がリナさんの体。乗っ取って、具現化したらどうするんですかぁ!?」
アメリアの言葉に。
「大丈夫だって。それもコントロールできるからv」
何しろ、一種の、召喚魔法。
はっきりいって。
召喚しようと思えば、簡単にできる。
逆に、力だけを使うことも、今のリナには簡単にできるのである。
・・?そーいや、何か条件・・つけられたような気もするけど・・。
まあ、そんな忘れるような条件だから。
たいしたことでもいなだろうし。
以前、試して、召喚したところ。
何か条件をあれからつけられたのよね?
すぐに、彼女、還っていったけど?
などとふと、思い出しているリナ。
「おいおい。」
そんなリナをあきれてみているゼルガディス。
「あ゛あ゛!リナさん、それだけは止めてくださいぃぃ!僕達が、あの御方からお仕置きうけますぅぅぅぅ!!!」
必死に、本気で涙を流して、懇願しているゼロス。
「そうですわ。リナさん。・・・お腹の子供に、万が一のことがあったら、どうする気なんですか?」
にこにこといっているシルフィール。
・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・へ?」
思わず目が点になっているリナ。
「まだ、どうやら、約一ヶ月といった辺りのようですけど。」
さらりといっているシルフィールに。
「シルフィール、まだ、半月と二十日だぞ?」
きっちしと訂正しているガウリイ。
「な゛・・・・な゛な゛な゛な゛///」
真っ赤になるリナに。
「だからいったろ?出来るまでやり続けるってvv」
にっと笑うガウリイに。
「あ・・あんたはぁぁぁあ!!!せ・・せめて、結婚してから妊娠・・って手順を踏みなさいよねぇ!//」
真っ赤になって、抗議しているリナ。
「なんだよ?リナだって、あんなに俺に甘えまくって。あんなに色っぽく、啼いて・・・。」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!いうなぁぁぁぁあ!!////」
ガウリイの言葉をあわてて、真っ赤になってさえぎっているリナ。
・・・とまてよ?
「・・・ガウリイ・・・なんで、妊娠したのがわかっても・・。その・・・止めなかったのよ?/////」
「そりゃvvリナが気付いてなかったしvあんな気持ちいいこと、止められるわけな・・・。」
「だぁぁぁぁ!!このぼけぇぇぇ!!!/////」
スッパァァァン!
リナのスリッパ攻撃が炸裂する。
「ま・・まあ、数ヶ月もリナさんが部屋から出てこなかったので。想像はついてましたけど・・。」
あきれつつ、そんなリナとガウリイをみているアメリア。
「リナ、肯定している。というのに、あれ、まったく気づいてないな。」
リナの様子に突っ込みを入れているゼルガディス。
「ええと・・。ということは、エリーさんですね?」
なぜか、懐からメモを取り出して、メモしているゼロス。
「うーん?というか、もう一人、いるんだよな♪」
「・・・・・・・はひ?」
さらりというガウリイの言葉に。
思わず目が点になるリナ。
「どうやら、ちょっと、俺達の知らない子供も出来たみたいだぞvvよかったなvリナvv
ちなみに、リナが妊娠しているのvエリーともう一人の女の子だからv」
「???リリーとか、ルル・・とか?」
首をかしげるリナに。
「いや、違う。」
「??」
「ま、いいじゃないかvvとにかく、リナvこれが終わったら、結婚なv」
「・・・・けっ!!!///////」
瞬くまに真っ赤になっているリナ。
「おや、リナさん、茹でた蛸の状態になってますねぇ。」
そんなリナをゼロスが的確に表現する。
「ちょっと、俺、リナ、気付けてくるなv」
にっこりと笑い。
そんなリナを抱いてつれて。
部屋にと引っ込んでゆくガウリイ。
「と・・・ともかく。リナさんの意見は却下するとして。
そんなことしたら、あいつをズタボロにできないじゃないよ・・。ふふふふふふ♪」
完全に目が据わっているシーメイ。
「そうですよね!やはり、ここは!正義の仲良六人組で!鉄槌を下さないと、意味がないですよね!」
いつのまにか。
シーメイとシルフィールまで仲間に組み入れているアメリア。
「シーメイさん・・・・。」
完全にいっているシーメイを諭しているシルフィール。
「はぁ・・もう、好きにしてくれ・・・・。」
ゼルガディスが深い溜息をついていた。
「これはまた・・・。」
ゼロスが感心の声を上げる。
「というか、よくまあ、ここまでやってて。だぁれも気付かなかったわよね・・。」
あきれているシーメイ。
「まあ、ここ。普通の存在くらいでは。入れるような場所でもないですし。」
クレーターと化してしますし。
空間も不安定ですからねぇ。
そんなことを思っている、エルク。
「神聖なるこの場所を悪の拠点にするなんて!言語道断!手加減無用ですね!」
一人、盛り上がっているアメリア。
「ここが、以前、ダークスターを召喚する、ゲートがあったという・・・・。」
シルフィールはそこを初めてみて、しばらくその場を見つめる。
「ええ。以前、スィーフィードさんと、ルビーアイ様が。ぶつかり合った、最終決戦の場です。-神魔戦争どきの。」
紫の目を見開き。
その場をひたりと見据えて説明しているゼロス。
彼らの目の前には。
巨大なクレーターと共に。
空間が不安定になっている証拠に。
その辺りの、海の水なども見えずに、ゆらゆらと景色までもが揺らいでいる。
暁の光と、黄昏の光と。
不可解な光が交錯しているその空間に、蜃気楼のように佇んでいる一つの建物。
次元の狭間を利用している建物だけあって。
時とともに、その姿が様々にと変化してゆく。
あるときは、ちょっとした、西洋風のお城のように。
あるときは、搭のように。
そして、あるときは・・。
・・・・・・ほう。
ゆら・・・・。
その建物の姿が一瞬、揺らめき。
声とともに。
辺りの空間が揺らぎ。
そこに、一人の人物が出現する。
その髪と、瞳は、炎のように赤く。
歳のころならば、二十代前半の男性の姿。
幻影らしく、後ろの景色が透けて見えているのだが。
『よく、ここがわかったな。俗物の人間などが。おや、出来損ないの魔族もいるようだがな。
それと、我が娘ながら、我の意思を継がぬ、愚かものもいるようだがな。』
上空から見下ろすように、声が響く。
「五月蝿いわね!誰もあんたを父親だなんて!一度たりとて思ったことなんかないわよ!
母さんや、お婆様!あげくは、一族すべてを皆殺しにして!私をずっと監禁していたやつなんか!」
キッと睨みつけているシーメイ。
その髪と瞳が。
橙色にと燃え上がるように、怒りに震えている。
『我の正義に従わぬやつは、すなわち。世界に害をなすもの。災いを除いて何がわるい。
―どうやら、母親同様に、やはり貴様も殺すべきのようだな・・。』
「五月蝿い!望むところよ!ふふふふふふふふふ・・・・。積年の恨み・・晴らしてやる・・・ふふふ・・・・。」
「・・・かなり親子の確執、深いようですね。まあ、あんなのが父親だというの、認めたくないでしょうけどね。」
冷ややかな目でみてさらりとひどいことをいっているシルフィール。
「・・・とにかく・・だ。無意味な攻撃、止めてもらおう。貴様のやっていることは、他でもない、魔族よりたちが悪いぞ?」
一応、忠告しているゼルガディス。
その言葉に。
『笑止!我が脅威と感じたのが、それ、即ち。すべてが悪!災いの芽は早く摘むに限る!
我が正義なり!我に従わぬものは、すべて悪!
我が、新たな秩序を作り、我の示す正義のもと、新たなる世界を創建するのだ!』
そう。
金色の王とて、例外ではない。
我が、あのものに成り代わるのだ!
一人、ほくそえんでいるフィス。
「ふふふ・・・・。こいつには、何をいっても・・無駄よ・・・。」
シーメイが睨むと。
『ふん。俗物が。いいだろう。我は、最上階にいる。―たどり着けるかな?
そこで、貴様らは、正義が何か。どちらが正しいかを知るであろう!ふはははははは!』
ゆら・・・。
いいたいことだけいって。
姿が揺らめき、掻き消えてゆく。
ユラ・・・・。
その言葉と同時に。
「おや、入り口ができましたね。」
ゼロスが錫杖で示す先に、建物の入り口が出現していた。
「う・・・そんな・・・・。」
「貴殿は、まだ若い。いくらでもやり直しはきく。」
フィス配下の存在達を。
介護している、その部屋の中で、彼らは真実を知る。
今まで、彼らは。
―スィーフィードに逆らうものを排除するのは、正義である。
と、上から命じられて。
その通り。
と行動をしていたに過ぎない。
そして。
スィーフィード・ナイトの名前を語り。
この世に、災いをもたらすものもいる。
といって。
さらにあおりたて。
さらには。
冥王、そして、魔王の欠片二つも滅ぼせし、あの人間。
リナ=インバースに関りがある存在すべて世界に害をなすもの。
よって、排除するのが正しい。
といって、命令を下していたフィス。
それを鵜呑みにして、突き進んでいた結果。
彼らにとって、敵と認識している者達と対峙して。
挙句は傷ついたのに、助けられ。
そこで知りえた事実という驚愕の事柄。
天竜王の言葉であることが。
よりいっそうに、心に染み入る。
「私たちは・・取り返しのつかないことを・・・。」
我に戻り、冷静に考えてみれば。
抵抗もしない、無害な町や村を焼き払っていた自分達は・・・。
あれほど、忌み嫌っていた魔族より、性質が悪い。
そのことにようやく思い当たる。
離れて冷静に考えてみれば。
おかしいことだらけ。
それでも、それを疑問に思わずに、付き従っていた自分達が、恥ずかしい。
「なら、これから復興に力を貸しなさい!」
― ピシャリ。
ルナにいわれて。
その持っている雰囲気から。
彼女が一体、『何』なのか理解できた彼らは。
― 自分達が、信じていた、赤の竜神に刃向かっていたことを。
ようやく、ここにいたり、気付いて、自らを恥じていた。
「ううううううううううううう!!!!カオススピリッツゥゥゥゥゥ!!!!」
ドドドドォォォォン!!!!
「リナさん・・・・いきなりそれは・・・。」
「何かいったかなぁ?ゼロスちゃん♡」
いきなり、大技というか。
ゼロスも知らない。
しかも、金色の王の力を使っている呪文の攻撃。
それを。
入り口を入るなり。
わらわらと出現した、敵たちにぶちかましているリナ。
漆黒の闇に金色の光が混じった、光球が。
辺りかまわずにその場を凪ぎ狂う。
「う・・・何でもないです・・・。(汗)」
リナの目が据わっているのに気付き。
汗をながしつつ、後ろに下がり、引いているゼロス。
その一方で。
にこにこしながら。
剣を一閃させ。
その攻撃の余波だけで、敵をなぎ倒していっているガウリイ。
「おーい。リナぁ。あんまり暴れると、響くぞぉ?(はあと)」
か・・・かぁぁぁぁあ/////
その言葉に、真っ赤になるリナ。
「う・・ウルサイぃぃ!あんたが手加減してくんないのが、そもそもの原因でしょうがぁぁ!!//」
ドドガァァン!
「・・・・どうやら、私達の出番。ないようですわね。あ、エルク殿、お茶でもいかがですか?」
「すまないな。シルフィール殿。」
何処にむけていいのか、分からない、ストレス発散とばかりに暴れまくっているリナ。
そんなときのリナには。
巻き込まれるので、関りにならないのが、一番いい方法だとシルフィール達は理解している。
「あ、僕も参加していいですか?」
いつのまにか。
ゼロスもそれに加わり。
「あ、私も。」
「俺ももらおう。」
シルフィール、エルク、アメリア、ゼルガディス、ゼロス。
計、五人で。
どこから取り出したのか、敷物をひき。
その上で、優雅にお茶タイム。
「ふふ・・・・ふふふふふ・・・・。」
怖いまでに笑いつつ。
剣を振るい。
そこから、紅蓮の炎が、出現し。
敵をなぎ倒しているシーメイ。
ものの、十分もしないうちに。
その場に、現れていた。
フィスの手下たちは、全員滅び去っていた。
そんなこんなで。
あっさりと。
リナはストレス発散とばかりに。
呪文を炸裂させながら。
彼らは、最上階にと向かってゆく。
「さて・・・・。覚悟はいいわね?フィス?」
にっこりと。
フィスに語りかけるルナ。
「ちょっとまってよ!姉ちゃん!先に、私だって、こいつに、お仕置きしたいのよ!」
「それは、私もですわ。・・スィーフィード様・・。」
最上階にたどり着き。
シルフィールが、ルナにとコンタクトを取り。
フィスの居場所を指し示す。
その結果。
その場に出現してくる、ルナとレイ。
「あ、魔王様?僕もいいですか?ちょっと、ストレスが・・。」
胸を押さえているゼロス。
さすがに、まあ、多少の生なる感情は、耐性はつきますが。
・・・・ガウリイさんのはしゃれになりませんし・・(汗)
などと思いつつ。
このストレス発散には。
ちょっと、フィスフレインに協力してもらいましょう。
そもそも、今回の原因。
すべて、この元竜王が悪いんですし。
そう思い、レイに許しを請うているゼロス。
『許可する(わ)。』
「サンキュー!姉ちゃん!」
リナの目が嬉々として輝き。
「ふふふ・・・・。リナを殺せって、命令だしてたそうだな?ふふふ・・・・殺す!限りない苦痛を与えて!」
ガウリイ、目が完全に据わっている。
「ふふふ・・・・。覚悟はいいわよね・・・・。」
シーメイは。
いいつつも、すでに剣を構えている。
「まったく・・あなたが余計なことをしてくれたから・・・。僕達まで面倒なことになったじゃないですか♡」
にっこりと。
錫杖を構えているゼロス。
「元、火竜王!なぜ、あなたは、そう、神の地位という立場にありながら!
道理を外れた道にと足を踏み入れたのです!それは、正義の心が足りないからに他なりません!そして・・・。」
フィスの横で。
正義に関する、口上をつらつらと述べているアメリア。
「ゼルガディス殿、手伝ってくれないか?」
「何をだ?」
いって、手渡されたのは、ちょっとした球。
「・・・記憶球(メモリー・オーブ)?」
手渡されたその球はメモリーオーブ。
ちょっとした事柄などを記憶することのできる魔法道具。
エルクから手渡された、それをみつつ。
「これをどうするんだ?」
「いやなに。これを記憶して。売りさばいて、サイラーグの復興の資金の足しに・・と。思ってな。」
にっこりといっているエルク。
「まあ!エルク殿!そこまで、サイラーグのことを、考えてくださっているのですね!ありがとうございます!」
そんなエルクの手を握って、感謝の言葉を述べているシルフィール。
「い・・いや・・何・・。その・・・・。当然のことまでです//」
「あ・・・//」
思わず、手を握っていたのに気付き。
はた。
と手を離しているシルフィール。
エルクとシルフィール。
互いに、少し顔が赤くなっていたりするが。
「・・・・なるほど。」
どうやら、この二人。
恋愛感情に発展途上・・のようだな。
そんな二人をみつつ。
・・・そういえば。
あの、マリアとホープ。
・・・シルフィールの子供っていっていたが・・・・。
確か・・父親の名前は・・・・・。
―エルク―
「・・・・なるほど・・な。」
ふっ。
時間率が変化しようとも。
その本質は変わらない、ということか。
かるく笑いつつ。
目の前で、蛸殴り大会と発展している光景を、記憶球にと収めてゆく・・・・。
蛸殴り。
というか、半殺し。
痛点を的確に狙い。
そして、絶対に簡単には死なないように、いたぶっている・・もとい攻撃しているリナ達。
シーメイなどは、笑いながら、ぐさぐさと剣を突き刺し。
ガウリイなどは。
目が笑ってないが。
手足の一本、一本、指の一本と細々と切り刻んでいたりする。
ある程度、原型がなくなったところで回復の力をかけ。
復活させたところに、また繰り返し。
半殺しにしては、復活させ。
そして、また半殺し・・・・。
その状態が、しばらく続いてゆく。
「気がすんだ?」
「・・・ちょっとは・・。」
数億回、それを繰り返していたリナたち。
すでに、なぜか、布切れとかしている、フィスを囲み息を切らしていたりする。
「では、連れて行くとしよう。」
「そーね。」
??
レイとルナの言葉に。
首をかしげるリナたち。
「ルナ様?どちらに連れて行かれるのですか?」
シルフィールの質問に。
「こういうとき。反旗を翻したものにはね。それなりの、場所があるのよ。」
「・・・・別名、お仕置きルーム・・ともいうがな・・。」
ルナの言葉にレイが続ける。
「確か、そこに入ったが最後。まともに出所してきた人達はいないそうですけどね・・・。」
「人という言い方はちがうんじゃ・・・。」
ゼロスの言葉にリナが突っ込む。
「ちっちっち。リナさん、細かいことを気にしてはだめです♡」
指をふりつつ、にっこりと言い放つゼロス。
「お仕置きって・・誰のお仕置きがあるんですか?」
アメリアの問いかけに。
『・・あの御方、金色の王(ロードオブナイトメア)様の。』
きっちしと。
ものの見事に、ルナとレイの言葉が一致して。
・・・びし。
しばし、アメリア、シルフィール、ゼルガディス、エルクは凍り付いていた。
「・・・・なるほど。まあ、自業自得よねv」
一人関心しているリナ。
・・・・まあ、できるんだろうな・・。
そんなことを思っているガウリイ。
ちらりとリナをみているのは。
誰もそのことには気付いてもいないのだが。
数日後。
フィスに使えていた存在達は。
全員、改心し。
一部、シーメイやリナ、ルナ達に脅されたともいう意見もあるようだが。
フィスが、壊滅させた、町や村、様々な復興をすることで。
今までの、お詫びをかねて。
再出発の運びとなりえることが。
最後の、会議の中で。
世界中にと伝えられていた。
「うふうふうふふふふふふ♡」
にこにこにこ。
滅びの砂漠にて。
にこにこと笑っている、黒くウェーブのかかっている女の子。
最後の会議の中で。
時々は、今回の一件の後始末が終わるまでは。
魔族側も、神族側も、人間側も、竜、エルク側も互いに不干渉。
ということで話しがついた。
そして。
「フィスフレィン=フレイン=ヴラバザード。彼が殺した存在の後始末vv私に任せてもらえませんか?
あ、死体をいただけると、ありがたいのですけど♡」
にっこりと。
提案したフィーラの言葉に。
「・・・デーモンの媒介にするのなら、許可できませんが?」
ぴしゃりと言い放つアルテミス。
姉のヴィーナスと違い、こちらは、銀の髪。
姉であるヴィーナスは。
ゼフィーリアにと戻っているので、その代わりの参加。
「あら、誰もそんな悪趣味なことはいたしませんわvただ、墓標を作って差し上げようかと♡」
にっこりというフィーラ。
『・・魔族の貴女が?』
思わずつっこむ、参加している人々。
「ええ♡だめですの?」
にっこりと。
その天使の微笑みでいわれては。
結局のところ。
代表者達からは。
引き取り先などのあてのない死体などは自由にしていい。
と、許可を取り付けたフィーラ。
「ふふふふ♡わたくし、嘘はもうしておりませんわ♡」
ずら・・・・。
見渡す限りの、死体の山。
滅びの砂漠に。
死体の道が出来上がっている。
上空から見れば、その死体の束が。
一つの模様となっているのに気付くであろうが。
砂漠の色が、かつがつ具間見えるほどに、滅びの砂漠を埋め尽くす死体の数。
もはや、簡単に数えても、軽く万以上は超えている。
「こんな素敵な墓標。差し上げるわたくしって♡何て親切なんでしょう♡」
いって。
ふわっ。
手を開いて、空に掲げる。
そして、軽く風を起こしてゆく。
・・・・サァァァァ・・・・・・・・。
手の平の上にあった、種は風にのり。
無限ではないであろうか。
というほどに敷き詰められている死体にと、その根を降ろしてゆく・・・・。
ザァァァァァァ・・・・・・・・・。
瞬く間に。
その死体を養分として。
死体のあった場所は。
緑にて埋め尽くされてゆく。
「ふふ・・・・。魔の花の墓標。素敵ですわ♡」
ザァ・・・・・・。
滅びの砂漠は。
魔の花の群生地にとなってゆく。
「あんvvガウリイ、だめだったらぁ//」
「よくいうよ。ほぉら、ここはもう、こんなになってるぞ♡」
「いやぁぁぁぁん///」
リナとガウリイ。
同じ部屋にとなっているがために。
いつものごとくにじゃれあう二人の姿。
「父さん!私、ゼルガディスさんと旅にでます!正義のために!」
「おう!いってこい!アメリア!」
「というか、アメリア。あんたは、あのゼルガディスと一緒にいたいんでしょ?」
的確にずばりといっているナーガの言葉に。
「えへへへへへ♡私にとっての、平和は。ゼルガディスさんが元の体に戻ることです!」
「そうか。ゼルガディス殿。アメリアを幸せにな!」
「ぶほっ!!!!」
思わずむせこんでいるゼルガディス。
「はい!」
にっこりと微笑むアメリア。
「ちょ・・ちょっとまってくれ・・・フィルさん・・(汗)」
すんなりと許可していいのか!?
心では突っ込んでいるゼルガディス。
「何だ?おお、そうだな。
ゼルガディス殿が元の体に戻ったら。すぐにアメリアとの結婚式の用意をしておかないとな!がはははははは!!」
「ありがとう!父さん!」
「ちょっとまてぃ!」
俺はまだそんなこと一言もいっていなぃ!!!
勝手に、話が進んでいるのに今さら気付き。
抗議の声を上げているゼルガディス。
「リナ殿とガウリイ殿が結婚することになったか。いや、めでたいな。アメリア、グレイシア、お前たちにはいい人はいないのか?」
「います!ゼルガディスさんです!」
「私はまだいないわね。」
「おお、そうか!ゼルガディス殿なら、申し分はないな!」
それで納得し、許していたフィリオネル。
本人、ゼルガディスの知らぬ間に。
今回のごたごたに付け込んで。
いつのまにやら。
アメリアとゼルガディスの婚約は成立させられていたりするのは。
ゼルガディスにはまったくの寝耳に水の出来事―。
「後は、国同士でなにとかするでしょ。」
さらに一ヵ月後。
いろいろと、事後報告などもすみ。
会議なども済み。
国も落ち着き。
ようやく、今回の一件から開放された、リナ達。
「それでは、リナさん、私達は、これで。」
いって、フィリアがヴァルとともに。
店と古代竜の神殿を復活させるためにと。
いるべき場所にと戻ってゆく。
「会いにいきますね!」
「というか、アメリア、先に、リナ達の結婚式が先だろうが。」
「てへvvそうですね♡」
「//////」
アメリアとゼルガディスの言葉に真っ赤になっているリナ。
結局。
お腹が目立つ前に式を。
ということで。
ゼフィーリアに戻り次第。
式を挙げることが。
ルナの決定と、インバース家承諾のもとに、いつのまにやら決定させられていたリナ。
結局のところ。
今回で、殺伐とした感じとなった世界に笑顔を。
ということで。
ちょうどいいイベントとして。
リナとガウリイの結婚式は。
ゼフィーリア国、介入のもと。
かなり国を挙げてのものに、本人の意思とは関係なしに組まれていたりする。
「うう・・・・。」
「ほらほら、とっとと働いてくださいましねv」
ぴしっ。
ムチで叩いている漆黒の髪をしている女性。
その先にいるのは・・・。
フィスフレィン=フレイン=ヴラバザード
その第一の側近でもあった。
フレイ=ウルド=バルバード。
フィスが荒野と化した、大地の復興を彼一人で、再生をさせていたりする。
これくらいは、当然のこと。
というので。
魔族、神族ともにこきつかっている状況。
「エルクさま?こんな具合でどうでしょうか?」
「いいね。シルフィールさん。」
地下水があふれ出て、それでも。
サイラーグのあった場所に町を再建させようと努力しているシルフィール。
そして、それを支えているエルク。
今回の一件で。
二人の仲は。
友達以上、恋人未満。
まで、発展していた。
「どうして、我が正しいのに!こんな扱いをされなければならないのだ!?
我は、金色の王に成り代わり、世界を制するものなれぞ!」
とある一室で。
わめき散らしている男性の姿。
その威勢のよさも。
すぐに掻き消えて・・・・・。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
絶え間なく、悲鳴が、響き行いていた。
「まったく・・・・。我に刃向かうとは・・いい度胸だ・・・。」
「そうよね・・・・・。ちょうど、実験するのにいい材料きたわね♡」
にっこりと。
返り血などを一つも浴びずに。
鋭く光る、大鎌と。
その身長よりも大きなロッド。
それを構えている二人の、女性の姿。
一人は、金色の髪に、金の瞳。
凄烈までの金色の光を纏っている絶世の美女。
そして、もう一人は。
その漆黒の黒い髪を後ろで紅いレースのようなリボンでポニーテールにしている少女。
こちらもかなりの美少女である。
悲鳴を上げているフィスの横に。
そんな二人の姿がみうけられているのは。
ルナとレイのみは。
何となく予想はついていたが。
その他には知りえないこと―。
-続くー
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こんにちわ♪
またまた起きたら、十時を過ぎていた私です・・・(あはは・汗)
うーん・・・。やっぱり、一時過ぎまで小説・・かかっているからかなぁ(こら!)
あと、最近・・・・寒いし・・・(布団に起きてももぐりこんだまま・・爆!)
とりあえず、悪夢の夢♪あと少しで終わりです♪
ここまでお付き合いいただきありがとうなのです♪
それでは♪
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あとがき:
・・・あっけなく、殺されてしまったフィス・・・・。
あれだけ前ぶりしておいて・・・あっけなさすぎ!!!
と、自分でツッコンでいる私です・・(自覚はあります!←よけいに達が悪いぞ!?)
さて・・・・。
次回。
アメリアとゼルの二人の旅立ちと♪
遺跡発見♪
そして・・・・・♪
リナの出産と、そして♪♪
時間がたち・・・・
アリア達との再会です♪
ではでは♪
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