こんにちわ♪
ついに、元の時代(!?)に戻ったリナ達。さて・・・・これからどうなるの?
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悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア)第25話
ざわざわざわざわ・・・・・・・・・・・・。
しばらくすると。
耳に、何か人のざわめきを。
リナとアメリアは捕らえていた。
「ん・・・・。」
リナが目をあけると。
ぎゅっと、ガウリイに抱きしめられるような形になっていた。
「!!!」
ふと、周りをみれば。
今までの雰囲気とまったく違う部屋の姿。
扉の外からは、ざわめきが聞こえている。
「エリー!?ユーリ!?皆!?」
リナがあわてて、自分の子供達の名前を呼ぶと。
ふと。
体が今までと違うことに気付く。
今まで、重かった、お腹が、軽く感じられる。
「―え?」
ふと、お腹に手をあてると。
ぺたんこ。
そして・・服装も。
今まで着ていた服とは違い。
そして・・・・。
何というか・・胸の大きさなども小さくなっていたりする。
―…元の大きさといえばそれまでなのだが。
「アリア!」
アメリアもまた、ゼルガディスに抱きしめられるような格好をしていたのだが。
風が収まったのに気付き、娘の名前を呼ぶ。
「・・・あいつらもいないぞ?」
ふとみれば。
アリス、ホープ、クリスの姿も見当たらない。
ゼルガディスのつぶやきに。
―カタン。
「無駄よ。まだ、あの子達生まれていないから。」
いって、かがみこみ。
今まで、彼らが使っていた駒を手にしているルナ。
「・・・どうやら、無事にクリアできたようだな・・・。」
ほっと安堵の息をもらしているレイ。
バタァン!
「アメリア!?何か今、すごい音がしたけど、何かあったのか!?」
ルナが駒をつかんでいるとき。
扉が勢いよく開かれる。
「父さん!」
アメリアが目を見開く。
そこにいたのは、アメリアの父、フィリオネル。
「??貴殿は?」
ふと、ルナの横にいるレイに気付きフィルが話しかける。
「ああ。始めまして。レイ=マグナスと申します。」
ぺこり。
頭を下げているレイ。
そんな中。
ふと。
自分の手をみれば。
肌色の手に戻っていたはずなのに・・・・・。
見慣れた肌。
何となく髪を触ると、それは針金の硬い髪。
「・・・・人に戻る前に・・もどってる?」
ゼルガディスが、自分の姿が。
人のそれでなく、合成獣の姿にと戻り行いているのに気付きぽつりと言葉を発する。
「・・・どういうこと?」
窓の外をみれば。
チチチ・・・・。
見覚えのある風景。
青い空に、どことなく緊張感が漂う空。
リナがぽつりともらすと。
「つまり、リナ、あんた達がゲームを始めたあのしばらく後に、時間が戻ったのよ。
―はいこれ。マリアたちが使っていた駒。
まだあの子達も生まれてないから。今は。これがあの子達が存在した証。」
いって、マリア、ホープ、クリスが使っていた駒をリナに手渡している。
「何かありましたの!?」
扉の向こうから。
凛とした女性の声が響き行く。
「あら、これはこれは、レイ殿。ようやく重い腰をお上げですか?ようやく氷から出てこられましたか?」
にこにこといっている金の髪の女性。
金色の髪に、暁色の目をし、ストレートの長い髪の女性。
ひょこりと顔を覗かせたのは。
滅多と国から出ることがない。
といわれているはずの。
ゼフィーリアの永遠の女王(エターナルクイーン)。
「ヴィーナス姉ちゃん!?」
リナがその姿に気付き声をかける。
「あら、ヴィーナス。」
ルナが声をかけると。
「ルナ様、いきなり姿が掻き消えるから、心配いたしましたわ。」
にっこりと。
ゼフィーリア女王。
ヴィーナス=ミッド=ウェイズタリズム=ダヴィン=ゼフィーリアは。
ルナに対して微笑んでいた。
「・・・ここは・・・・。」
窓の外に見える風景。
ゼルガディスが窓の外をみつつ、ぽつりと洩らす。
「どうやら、セイルーンに戻ったみたいだな。」
のほほんというガウリイ。
ふと。
会議の最中に。
全員がはっと我に戻った。
―何か今まで、かなり長い夢をみていたような。
全員が全員、その場にいた存在達は互いに顔を見合わせる。
「い・・いやぁ、今、居眠りして、変わった夢をみていましたよ。」
一人が罰の悪そうにいうと。
「う・・いや、実は私も。」
ざわ。
私も、我も、我らも。
ざわざわとざわめきが大きくなってゆく。
話を総合してみれば。
全員同じ夢。
・・・いや、夢なのか?
まったく、互いの視点が違うだけで。
同じ夢をみることなんて、ありえるのか?
新年を祝う公式行事。
そして、それを兼ねて、新年の今後の対策の話し合い。
それを、ここ、ゼフィーリアで行っていた。
各国の指導者達。
そして。
ふと。
「あれ?ルナ殿は?」
今まで、その席にいたはずの。
ゼフィーリアの、赤の竜神の騎士(スィーフィートナイト)ルナ=インバースの姿が見えないことに気付く存在達。
彼らは、しばらく、呆然としていた。
そして、理解可能になるまで。
しばしの沈黙。
こういう経験は。
かつてもあった。
というか・・・忘れられようもなく・・・・・・。
『だぁぁぁ!?あれは、ちゃんと保管されているはずなのにぃぃ!?』
パニックになっている腹心達。
そして、あわてて。
次元調整を行っていた冥姫フィーラにとコンタクトを取る。
かさ。
保管されている場所のその宝物管理倉庫には・・・・。
フィーラが、レベル∞の場所の厳重保管場所を調べたときには。
そこにあったはずの、箱のような物体は、こつぜんと姿をかき消していた。
「あああああ!!!!!?あれがないぃぃぃぃ!!!」
フィーラの絶叫が精神世界に響き渡り。
そして。
彼らは瞬時に理解した。
今、自分達の記憶に残っている出来事は―。
現実に起りえたことなのだ・・・と。
・・・・・・・とすれば・・・・。
一番近くにいる、覇王が、確認のために。
カタート山脈の、氷の間にと出向くと。
そこには。
氷の中に入る筈の、男性の姿が。
分身の器としては残ってはいるものの。
・・肝心の精神というか、本人は、忽然と姿をかき消していた。
さざわざわざわ・・・・・。
ヴィジョンルームに寄せられてくる、今回は参加してなかった。
各国の代表者からの意見。
何しろ、星全体で、同じ夢を一瞬見ていたらしく。
どちらが現実か、分からなくなっている存在達も多々といる。
「・・・・私・・いきてる?」
ふと。
シルフィールが我に戻り。
自分の姿をまじまじとみつめる。
-あれは・・夢?
いや、違う。
自分の中には、確かに。
二つの力が感じられる。
―そう、神と魔の力とが。
「・・・・夢・・・にしては、生々しいですわ。」
いって。
「ね?ヴァル?」
今回。
やってきたヴィーナスの力によって。
孵化したというか、卵から復帰しているヴァルに向かってフィリアが問いかける。
「あ・・ああ・・・。」
確か、こういうのは。
昔、聞いたことがあるような・・・。
必死に、記憶の糸をたどりよせ。
あの夢というか、記憶にある先ほどまで見ていた現実(?)の水竜王達の言葉を思い出す。
―ドリーム・ナイトメア。
万物の王たるかの御方と、その友人が創ったゲームで、それはゲームといえども現実となりえる。
そして。
クリアすれば、記憶は残したままに。
元に戻るが。
クリアできずに、そのままゲームにと飲み込まれ。
消息を絶った、世界も少なくない―というその言葉。
「・・・どうやら、やはり、これが原因ですか。」
ふと。
床の上に置かれているゲームの基盤をみつつ。
ヴィーナスが多少汗をながしつつ、ぽつりという。
クリアしたことで。
駒は辺りに散乱しているものの。
それは。
開いた状態ではなく。
元の形。
すなわち、ちょっとした、長方形の、箱のようなトランクの形。
今は完全に閉じている。
「・・・・姉ちゃん?一体???」
リナが恐る恐る問いかけると。
「つまり、あんた達が、ゲームを始めたあの直後。そうねぇ。時間率からすると、数時間後ね。
あの時間にもどったってことなのよ。だから、あんたも妊娠してないし。ゼルガディスの姿も元に戻ってない。
言い換えれば、まだ、あんた達の子供達も誕生しているわけもなく。
当然、シルフィールの子供達と、フィリアの子供も。 まだ生まれてない時間率・・というか、時代・・にね。」
ん??
ひょっとすると・・それって・・。
ガウイリの目が一瞬光ったのは。
リナはまったくといっていいほどに、気付かなかったが。
ルナの説明に。
「つまり・・・ゲームを始めたあの直後に戻ったということなのか?」
ゼルガディスの問いかけに。
「そうよ。あのゲームの特徴。現実ではあるんだけど。
クリアさえすれば、記憶をのこしたまま。すべて初期化されるのよ。
だから、いったでしょ?クリアすれば、すべて円く収まるって。」
ルナの言葉に。
「まあ、私は、ルナと共に、参加していたから。
本来は、カタートにまだ氷に閉ざされているままであるのだが。
参加していたから、ここにいる・・というだけだし・・な。」
のほほんといっているレイ。
ザワザワザワ・・・・・。
やがて。
全員が、全員。
同じ、一瞬のうちに、夢をみていた。
というのは、ただ事ではないと、判断されてか。
続々と、ここ、ゼフィーリアに。
今回は参加を見送っていた、代表者達も続々と集い始めてゆく。
しばらく、会議の連続。
やっと開放されたのは。
その二日後。
「あー・・疲れた。」
とすん。
リナがネグリジェに着替えて、ベットに腰をかける。
「・・で?何でガウリイがここにいるのよ?」
いつのまにか。
自分の部屋にとやってきているガウリイにリナが質問する。
「ん?いやぁvvまだ、あのときの約束vv果たしてもらってないしv」
にこにこというガウリイの言葉は。
リナには意味が分からない。
「リナ・・・・」
じっと見つめられて。
近づいてくるガウリイの顔。
「・・・あ・・・・」
軽く触れる唇と唇。
・・・・・/////
真っ赤になって。
「・・・・・何するのよ///」
真っ赤になりつつ、ガウリイを見つめるリナ。
「何って・・・決まってるだろ?リナだって、エリー達にはまた会いたいだろ♡」
にっこりというガウリイ。
リナは気づいてない。
ガウリイが何を考えているのか・・ということに。
「そ・・そりゃ・・まあ・・。」
リナがいうと。
「なら、手伝ってやるよvv」
「・・・・へ?」
―どさ。
そのまま、ベットにと押し倒されてゆく。
「ちょ!?何考えてるのよ!?」
「そりゃ、リナのことv」
「や・・・やめぃ!」
必死に抵抗するが。
「やめ・・・て・・お願い・・・・・。」
涙を流し懇願するリナ。
「こっちも元に戻ってるかなぁ♡」
「やだぁぁぁぁ/////」
抵抗もむなしく。
服をはだけられてゆく。
乱れたシーツに横たわる一糸纏っていない二人の姿。
シーツに滴る鮮血。
ぐったりとしているリナの姿。
「・・やっぱり、元に戻ってたな。肉体の時間率もv」
満足そうに気絶しているリナの髪をなでつつ言っているガウリイ。
はっきりいって、確信犯。
時間が戻っている。
と聞いたとき。
ガウイリの脳裏に浮かんだのは。
―リナの初めてをまた奪える!
ということであったのだ。
「うんうんv俺って、運がいいよなぁ♡好きな女の初めての男に二度もなれるなんて♡」
にこにこといいつつ。
ぐったりとしているリナを抱きしめる。
「・・・さて。好きにしていいって約束vvまだ好きにしてないんだからvv―覚悟しろよなvvリナvv」
リナの耳元でささやき。
今だ気絶しているリナにも関らずに。
行動を再開してゆくガウリイの姿が。
リナにあてがわれた部屋の寝室のベットの上で。
見受けられていた。
「や・・やぁ///////」
「・・・はぁんっ……」
肉体的には、覚えがなくとも。
その、感覚は、今だに、記憶には残っているリナ。
そのまま、ガウリイにいいようにされてゆく。
「あ、ガウリイ様?昨夜、部屋にお伺いしましたけど。いらっしゃいませんでしたが?どうかしましたか?」
気絶しているリナをおいて。
とりあえず、何か食べるものをリナにもっていこうと。
部屋を出ているガウリイにシルフィールが問いかける。
「ん?いや、リナの部屋vvあ、俺の部屋、もう使わないからv」
にっこりといいつつ。
トレーに食事をもって。
にこにことしつつ、リナの部屋にと戻ってゆくガウリイ。
「・・使わないって・・・・あ////」
そういえば・・・。
昨晩・・リナさんの部屋の中から・・・・///
かすかに、聞こえた喘ぎ声。
一瞬、寝言かとも思ったのだが。
よくよく考えてみると・・・・。
思い当たり、真っ赤になるシルフィール。
「ふぅ・・・・。やっぱり、リナさんには勝ち目はありませんね。 さぁて、私は新しい恋でもみつけますか。」
どこか吹っ切れたように。
すがすがしい表情のシルフィール。
「シルフィール殿?どうかされましたか?」
物陰からでてくる一人の男性。
「あ、エルク殿。いえね。友人たちがようやく、三年の年月を得て、結ばれたようなので♡」
にっこりと。
暗闇から出てきた男性に話しかけるシルフィール。
サイラーグを復興させるのに。
何かと手伝ってくれているこのエルク。
まず、その名前が、父親と同じであることがシルフィールには。
印象ぶかかった。
そして、何よりも。
どこか、父親やガウリイと似たような雰囲気をもっているこの男性。
セイルーンにてあのとき。
サイラーグが消滅し。
気落ちしたときに、力になってくれていた、この男性。
あれからずっと、シルフィールのよき理解者となり、親身になって相談してくれているよき理解者となっている。
シルフィールと同じ、黒い髪。
「・・・まあ、性格にいうと。ガウリイ様からすれば。二十数年ぶりの思いがかなった・・というところなんでしょうけどね。」
シルフィールは、ガウリイの初恋の相手がリナということを知っている。
告白したときに。
はっきりと断られているのだから。
そして、
『・・・相手はリナさん・・ですか?』
問いかけるシルフィールに。
『ああ。あいつは、俺の全てだからな。・・今の俺があるのも、あいつのおかげだし。
・・・あいつがいないと、俺は生きている意味はない。』
そうきっばりいわれては。
諦めるほかにはない。
それは、あの、冥王の一件で、リナの気持ちも確かめられた。
だからこそ。
二人をからかいはするものの。
影ながら応援していたのだ。
シルフィールは。
「ひょっとして、シルフィール殿の初恋の相手ですか?」
エルクの言葉に。
「さぁ、どうなんですかね?ふふ♪そういうエルク殿はどうなさったんですか?」
にっこりと笑うシルフィールに。
「いや、ちょっと、今のままでは、その・・・・。貴女にもご迷惑かけそうですので・・その・・・。」
口ごもっているエルク。
「まあ、とりあえず、剣の腕と、魔術の腕。磨くに越したことはない。と思いましてね。」
「こんな夜にですか?」
「備えあれば憂いなしですよ。」
シルフィールの言葉に答えているエルク。
くす。
「それで、今まで?」
「ええ。」
かなり無茶をしたのであろう。
魔力がかなり減っていたりする。
「では、お疲れ様ということで。夜のお茶でもいかがです?」
にっこりというシルフィールに。
「では、お言葉に甘えることにしましょう。」
いって。
『ふふ。』
互いに顔を見合わせて、笑うシルフィールとエルク。
・・・・私、このエルクさんと、あの夢の中で結婚しかけていたのよね・・。
・・・確かに、私はシルフィール・・好きだが・・・。
うーん・・・。
しかし、愛するものを不幸にしてしまったあの夢はどうもなぁ・・。
あんなのは二度とゴメンだからな・・。
二者さまざま。
互いの思惑が交差する中。
二人、並んで、部屋にと移動してゆく。
ぱたん。
かちゃり。
厳重にかぎをかけなおし。
部屋にと入ってゆくガウリイ。
カーテンが締め切られているその部屋は。
今は、昼か夜かも区別不能。
「リィナvvご飯もってきたぞvv」
いって、寝室にと入ってゆくガウリイ。
「・・・いつまでやる気?」
潤んだ瞳でシーツを胸に押し当てて。
それでも、動けないくらいに疲れ果てているリナ。
辺りに、今だにネグリジェと下着が散乱しているが。
潤んだ瞳で真っ赤になって、ガウリイを睨みつける。
「そりゃvv出来るまでにきまってるだろv」
「・・・・は?」
意味が分からずに問いかけるリナ。
「リナだって、あいたいんだろう?エリー達にはv」
ぎしっ。
そんなリナの横に座っているガウリイ。
「そりゃ・・会いたいけど・・・。」
「だからvv協力してやってるんだよvvリナが妊娠するまでやり続けるv」
「・・・・ちょいまてぃ!////」
「だぁめvvリナが俺の好きにしていいvvっていった約束、まだ有効なんだからなv」
「あれは、あわてて!」
「問答無用♡・・・そんな元気があるんなら。・・まだ食べなくても、できるなvvリナ♡」
「―へ?」
・・・どさ。
「ちょ・・・・やだぁぁ・・・・・・・・。」
「つまり、全員の、その意見と、様々な要因を照らし合わせると・・・。」
夜も遅いというのに。
今だに会議をしているルナ達。
「どうぞー。お茶がはいりましたぁ。」
完全につかいっパシリになっているゼロス。
会議をしている全員にとお茶を配ってゆく。
「あらvvこれ、魔の花(デモンフラワー)の葉の紅茶じゃないv」
「あら、本当♡」
ダルフィンの言葉に、ゼラスがコップに口を運ぶ。
「へぇ、獣神官、気が効くな。我らには、あれの根っこの紅茶か。」
いって、スカラがコップに口をあてて、満足げにいう。
「一応、ここにいらっしゃる皆様は、偉い人達ばかりなので♡」
魔族、神族、この世界においては。
最高級品とされている、魔の花の紅茶。
その葉は、魔族好みの闇の属性の集体制であり。
その根は、神族好みの光の属性の集体制でもある。
その根は、あまり知られていないが。
万病の特効薬ともなっているのだが。
何しろ、花が花だけに。
まず、近づいたら、命がない。
近づく存在は、その甘い香りで、自らの養分にするという、性質の花であるからして。
一般の存在達との会議が終わり。
今。
この夜中に。
神族、魔族。
最高幹部が集まっての会議を開いているのである。
何しろ、今回の、火竜王ヴラバザードの一件では。
魔族、神族、共同作戦。
とは納得しているものの。
やはり、『魔』と聞くだけで、畏怖する存在も少なくなく。
中には、意気投合して、人の世界に溶け込んでいる魔族なんかもいたりするが。
そして。
あまり、表に出してはいえない、あのゲームの製作者のこと。
それらは、まだまだ理解するには一般の存在達には、早すぎる。
下手な知識は、自らを滅ぼす原因となりえる。
というのを彼らはよぉく知っているからして。
そんなこんなで。
今、ここ。
フィリオネルに許可を貰い。
セイルーン王宮の中にある、とある一室の会議の間で。
関係者。
赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥを始めとし。
冥姫(ヘルシスト)フィーラ=ラブラドライト。
海王(ディプシー)ダルフィン。
獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオム。
覇王(ダイナスト)グラウシェラー。
赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。
只今、人に転生を果たしているがために。
人の名前をルナ=スィーフィードとなっている人物を始めとし。
天竜王(エアロード)バールウィン。
スカルテラ=サファイア=エマ=バールウィン。
地竜王(アースロード)ランゴード。
アシュィア=ラズリピス=アース=ランゴード。
水竜王(アクアロード)ラグラディア。
アクア=マリーナ=パール=ラグラディア。
神族を代表する、竜王、三人と。
そして、魔族を代表する、腹心、四人。
彼らのみで会議を行っているのである。
「・・すると、やはり、そう思うか?」
レイの言葉に。
「まあ、フィスの性格からして・・・。まず、あちらと、あそこの空間、利用して。
・・戻りきらない、力、利用するのは目に見えてるわね・・。」
ルナが溜息を深くつく。
自分達が、あのとき。
ゲームの中にいってからの出来事を。
部下達の話と、精神感応で、それを知りえることができている、レイとルナ。
そして。
フィスが、あのゲームの中にいた、捕らわれている存在の力を我が物として攻撃をしかけていた。
ということも。
ゲームの中に捕らわれている精神ではないが。
似たようなものならば。
時空の狭間と、次元の狭間に、よく漂っていたりする。
そして。
今、フィスが隠れているのも。
また、次元の狭間。
それを利用するというか、取り込もうとするのは、明白な事実。
混沌に、すんなりと還り行く、魂や精神ならば問題はないが。
その、残留意識や、還りつけない、存在などは。
多々と、狭間に漂っていたりする。
人の世界でいうところの。
―成仏していない。
というのに近いかもしれないのだが。
それとはちょっと異なっている存在もあったりする。
「私が感じたところでは。」
いって。
ゼフィーリア女王、ヴィーナスが言葉を発する。
「あのとき。私達は、肉体を離れ。結界の維持に努めましたが。それで分かった事実もあります。」
ゲームの時間率の中で。
フィスに対抗するために、肉体を離れ。
精神のみの存在になり、ゼフィーリアの土地と同化して。
聖なる結界を張っていた、ヴィーナスと、その弟のアルテミス。
地脈エネルギーを通して。
分かっている事実もある。
「まず、始めに攻撃を仕掛けてきたとき・・・。・・・隠れていた場所。そして、行動パターンからして・・。」
トン!
白いボードに。
余すところなく、文字と、そして。
場所、作戦。その他もろもろ。
などといった情報が。
びっしりと書き込まれてゆく―。
「ゼルガディスさん!あの当時の遺跡、探しに行くの!絶対に私もついていきますからね!」
ぴしっ!
会議の後で。
いきなり部屋に尋ねてきて、アメリアが放った一言。
「お・・おいおい、アメリア?」
意味を取りかねて、キョトンとするゼルガディス。
「アリアがいってた意味。わかったんです。あれは、この本来の過去の時間率のまま。
とすれば!今、この現在も!あの遺跡はあるはずです!私、あそこに、星の護符を、残してきていますから!
残留魔力でもたどればきっと何処に埋もれていても!たどり着けます!」
しばらく。
アリアがこの世界には、まだいない。
というのに気付き。
落ち込んでいたアメリアの姿はどこにやら。
「・・・・ふっ。」
そんなアメリアの姿に少しほっとし、苦笑しつつ。
「とりあえず、今は、あのヴラバザードの一件が先だろ?」
ぽんぽんぽん。
アメリアの頭を軽く叩くゼルガディス。
「わかってます!今度こそ、この私が、正義の裁きを下して見せます!」
一人盛り上がるアメリアに。
しばし、落ち着くように。
と、無駄な説得を続けるゼルガディスの姿が見受けられていた。
三ヵ月後。
さすがに、いきなり、現れては、攻撃を繰り返す、火竜王ヴラバザードに。
あきれ返り、神族から、追放命令が正式に世界に発布させられ。
その後任に。
かつて、火竜王に意見して、束縛されていた、シーメイを据えることを。
神族上層部にても正式に認められ。
その旨…すなわち、ヴラバザード、竜王、首。
というのは、世界各国にと伝えられてゆく。
・・・竜王にも首ってあるのか?
などと、数名の存在が首をかしげていたりもするが。
所詮、竜王、竜神、魔王などといえども。
いわゆる、お役所機関。
そのことをただ、存在達は知らないだけで。
五ヵ月後。
正式に就任した、新火竜王シーメイ。
ファン=シーメイ=ファシュメイ=ウラバザード。
彼女とともに。
フィスの隠れている場所の特定が、確定し。
先制攻撃をすることが、会議の中で、決定されていた。
「・・・・///」
真っ赤になって、部屋からガウリイに手を引かれ。
出てきているリナ。
部屋には、さすがに、来賓用ということもあり。
パス、トイレ、など。
完全完備であったがゆえに。
この五ヶ月。
ほぼ一歩もといっていいほどに、リナは部屋から出ていない。
まあ、ガウリイが出してくれなかったという事実があるのだが。
「リナさん?大丈ですか?」
「・・・ガウリイ、手加減くらいしてやれ・・・。」
真っ赤になって、疲れているリナを心配しているアメリアに。
ガウリイを諭しているゼルガディス。
「向かうは、世界の中心!目指すは、かつての眠れる竜の大陸!」
港にて。
先制攻撃を仕掛けるために。
船が、数船
出発してゆく。
その他は、急襲攻撃に備えてと。
攻撃を受けた国々などの復旧にと当たっている。
なぜか、うきうきと舵をとっているシーメイ。
「シーメイさん?何がそんなにうれしいんですの?」
同行しているシルフィールが問いかける。
主力メンバー。
リナ、ガウリイ、ゼルガディス、アメリア、シルフィール。
そして、エルク。
フィリアとヴァルは。
サイラーグにその分身を置いている、フィスの分身を撃退すべく。
サイラーグの中心にある、次元の歪みの攻撃を担当している。
精神の一部をあちらにおいて。
その、本体を、ここ、世界の中心たる。
神族、魔族にとっての『禁断の地』にと。
その本体を隠していたフィス。
それが確定したがゆえに。
これ以上、馬鹿なことはさせないがために。
先制攻撃を仕掛ける。
という作戦。
この作戦の醍醐味は。
ともかく、本人をひっぱりだせばいいだけ。
あとは、何でも、竜神と、魔王がどうにかするらしい。
リナ達にとっては、不満が残る作戦なのだが。
姉たるルナの命令に、リナが逆らえるはずもなく。
港より。
朝もやの中。
出発してゆく、戦艦。
「んっふふふ♪あのばかたれに、一撃オミマイさせないと。私は気がすまないからね・・・ふふふ・・・・・。」
完全に目が据わっているシーメイ。
一応、フィスの身内ではあるのだが。
何しろ、フィスが、とある竜を手篭めにして産ませているという、この娘たるシーメイ。
はっきりいって。
父親には、ことごとく反感をもっている。
何しろ、母親の実家である、古代竜をも父親は絶滅させているのだからして。
古代竜を滅ぼしたのも。
彼女は、実は、フィスの逆恨み。
ということを知っている。
何しろ、自分になびかなかった、シーメイの母親を、誘拐&監禁し。
そして、生まれたのが、このシーメイ。
自分を好きになるのが辺り前だ。
などと抜かす男性に。
誰が女性が心を動かすものか。
そして。
食事もとらせずに、餓死させたというフィスの真実。
気の毒なのは、シーメイの母親。
別の男性と結婚が決まっていたといのに。
その結末。
娘には罪がない・・という、慈愛の心で。
彼女がシーメイという名前をつけた。
そして、そのまま。
シーメイが物心ついたときに。
シーメイの目の前で、死亡していたりする。
かなり波乱な人生(?)を送っているこのシーメイ。
母親が命がけで、シーメイを逃がして。
そして、身を寄せていた、母親の実家でもある、古代竜の神殿。
しかし、罪を何くせつけて。
そこを急襲したフィス。
連れ戻され、このシーメイは助け出されるまで監禁&拘束されていたのである。
余談だが。
ヴァルの母親と、シーメイの母親は、姉妹だったりするのだが。
シーメイにとって、フィスは、父親というよりは。
敵にしか他ならない。
何しろ、母を殺し。
祖父母を殺し。
親戚を皆殺しにし・・・・。
それ、すべて、正義。
といっているから、余計に反感をもっている。
古代竜の神殿の中では。
将軍を務めていたこのシーメイ。
かなり、腕のほうは、覚えがあるからして。
自分の手で、母親の仇と、仲間の仇を取りたい。
と、常々思っていたりする。
その辺りは、ヴァルと意気投合しているのであるが。
ヴァルもまた。
一部でも血の繋がった存在が生き残っていた。
というので、フィリア同様に。
少しは安息が得られたのであるが。
「さぁ!!馬鹿なやつには、それなりのお仕置きを開始するわよ!」
「当然です!正義という名を悪に悪用するなんて!そんなの、正義の風上にもおけませんから!」
シーメイの言葉に、賛同しているアメリア。
「シルフィール?大丈分か?」
「ええ。大丈夫です。」
船酔いしそうになっているシルフィールを開放しているエルク。
この五ヶ月で。
この二人。
かなりいい雰囲気にとなっている。
「はぁ・・おい、ガウリイ、リナ・・・。」
アメリア、どうにかする方法ないか?
といおうとして。
リナがガウリイに掴まって。
人目があるにも関らずに。
キスされているのを目撃し。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
しばらく、他人の振りをしているゼルガディス。
そんなこんなで、船は、世界の中心たる、
巨大なクレーターに向けて進行してゆく―。
-続くー
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あとがき:
薫:・・・・よーやく、次回。
フィス、馬鹿な行動の、結末を向かえますv
そーしてvv
それぞれの道にと進んでゆく、リナ達。
時が流れて。
とある時期。
・・・・・・原作映画を知っていれば。
大抵、予感はつくでしょう(爆!)
しかし・・・・・。
ヴラバザード(元火竜王)・・・・・・(汗)
あーた、本当に竜王????(滝汗)
まあ、いい子に育ってよかったね・・・シーメイ・・・・。
では♪
・・・多分、30話までには終われます♪
・・・・だといいな・・・・(おーい!!!)
ではでは♪
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