悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア)第23話 ~ゲーム再開~
ゴォォォウ・・・・。
「いたぞ!こっちだ!」
「くっ!?」
「ルナ姉さん!こっちに!!」
「レイ!」
ふわり。
「飛んだぞ!やっぱり魔女か!?」
口々にいっている人々。
中には。
「違います!天子だから飛べるんです!」
いっている人々の意見もあるが。
「それこそが、人心を惑わしている証拠!
現に、あんなにてこずっていた、我らの敵もすんなりと排除したではないか!あいつらは!」
困ったときは、さんざん持ち上げ。利用して。
事が解決したら、悪扱い。
いずこの世界も同じことの繰り返し。
ここの世界でも例外ではなく。
とりあえず、困っていたときに、出現した、ルナとレイを頼って解決に結びつけたはいいものの。
問題が解決したとたん。
悪者扱い。
何かしら、理由をつけて、犯罪者として今、このとき。
世界は、ルナとレイを指名手配とかしていた。
上にたつものは、二人の力を恐れ。
駆除しよとうとしているのである。
人間、そういうことはよくやること。
ルナとレイを救世主とあがめる声が高まるとともに。
各国々の国王などは。
レイとルナの暗殺を実行に移すべく、行動を開始していた。
普通の人間に、ルナとレイ。
竜神と魔王が殺せるわけなどはないというのにもかかわらず。
異界からの侵略者。
その対応に何もできずに、ただただ、なぶり殺しにされていた最中。
そんなときにいきなり出現したルナとレイ。
あっさりと一日もしないうちに、一つの国を解放し。
一年経過するろには、すでにほとんどの国々を取り戻していた。
別に依頼をしたとかではなく。
自主的に自分達を助けてくれるルナとレイに。
人々は、救世主だの、天使だのともてはやし。
そのまま、この銀河の争いの鎮圧までも、彼らにまかせ。
そして。
先日、ようやくすべてが収まり。
平和が戻ってきたとたん。
各指導者たちは。
ルナとレイを、邪魔者とみなし。
排除することを決定していた。
表向きは、
『ルナ=スィーフィードとレイ=シャブラニグドゥは敵の回し者。
自分達を安心させたところで、一気に本体が攻めてくる手はずとなっている。
そのことが判明したため、人民を惑わした罪、極刑に値する』
とお触れをだし。
救世主たるルナとレイを追い立てている人々。
それを信じない人々も少数ながらいもするが。
それらは、逆賊として処刑されてゆく。
さすがに、自分達のせいで、人が殺されるのを好まない、ルナ達は。
二人して、逃げ回っているのだが。
どこの星に逃げても。
すべて、追われる状態と成り果てていた。
実際のところは。
彼らは怖かったのだ。
強大なまでの力をもっている、ルナとレイが。
そして、そんな二人に国民たちが、好意をもっているのももわかっているから。
―いつか、自分達が追いやられるのではないか―と。
そんな思いに駆られた指導者たちが出した結論は。
―罪人として処刑すること。―
であった。
「まったく・・・人間って・・。」
「まあ、いつものことだろ?」
「まあね・・。」
つくづく、人間の愚行にはあきれることがおおい。
それで、自ら滅んでいった世界をいくつもレイとルナは知っている。
だが、決して、すべてがそうというわけではない。
大概、まっとうな人間は、そんな人々にはめられ、だまされ。
闇から闇へ。
そういう歴史を。
いやというほどに、見ているのである。
レイとルナは。
宇宙空間にと避難し。
銀河を見つめるレイとルナ。
―どうやら、ここは自分達の世界の中に位置している、あの星系。
しばらく見聞して、そのことに気付いたルナとレイ。
ここは、あまり積極的には干渉を施してない土地柄か。
神や魔の姿が。
偶像化とされて、でっち上げられている世界。
もう一つ。
干渉してなかった理由の一つ。
―ここは、あまり進化が望めない。
そう判断したがために。
力のみを重視して、進化していった。
その結果。
星そのものや、太陽などの力をも吸い尽くし。
聖エネルギーという名目で。
すでに、ここのエリアの命の輝きは尽きている。
だから。
このまま、ここは虚無にと変換し、新たな世界の材料となすために。
そうしよう。
とこの前、あの星に移動する前に、話し合っている場所でもあった。
グゥゥ・・・・。
辺りの闇の組織が、分かってはいないのだろう。
ブラックホールにでも吸い込まれるがごとくに。
吸い尽くして、自らの欲望のために、費やしているというのを。
ここのエリアに住んでいる存在達は。
急激な変化は、歪みをもたらし。
そしてまた。
歪みを訂正すべく新たな生命も進化の過程で誕生する。
だが。
ここはすでにその力もない。
「・・・もう、駄目ね。ここも。」
「だな。我らが保っていたのにも、存在達は気付いてなかったからな・・。」
その歪みに気付き。
ルナとレイ。
二人の力をもってして、押し止めていたのだ。
だが―。
「まあ、仕方ないけど・・ね。ともかく、私達は、世界の存続。それが第一。」
「滅びゆく、世界を助けるギリもないしな。」
冷たいようかもしれないが。
それも、定め。
自分達は、世界の存続、そして、滅び。
それを司る存在として。
なるべく寿命は延ばしてみるものの。
・・・そこに存在する生命の行動しだい。
滅びるも、進化するも。
まあ、彼らが直接にいる世界では。
面だって両方ともに活動をしていたりもするが。
そんなことをおもいつつ。
闇が収縮し、星が崩壊してゆくのをみつつ。
二人が溜息をついていると。
ユラ・・・・・。
― 彼らの後ろの空間が揺らいでいた ―
―――疎は、雲泥のごとし。希望は絶望のごとし。 遥かな彼方より来たりし暁と黄昏。
反動によりて、戻りゆかせん――――
「これ、どういう意味でしょうか?」
アメリアが首をかしげると。
「暁というのは、赤の竜神さまのことで。黄昏というのが、赤瞳の魔王のことではないですか?」
ゼルガディスが振ったサイコロのコマの数だけ進んだ基盤上の、駒をみつつ。
クリスがつぶやく。
耳を澄ませば。
・・あ・・や・・はぁん・・・
リナ・・・・♡)
んっんっ・・ひぁ!//
隣の部屋から喘ぎ声が始終聞こえていたりするが。
ふと、後ろを振り向けば。
時空ゲートが開いていた。
このゲームの特徴。
すでに、何度となく経験しているので。
よくわかっている。
これをくぐれば・・。
始まりの場所にもどれるということは。
「ラッキィ♪これで元の世界に戻れるじゃないvv」
ルナがその扉をみつけ。
かなり飛び跳ねつつ喜び勇む。
「よかったですぅ。このまま、ここと一緒に消滅するんじゃないかと、私は思いましたよ・・ルナ姉さん・・・。」
涙ながらに感激しているレイ。
ゲームの一貫として飛ばされた彼らは。
ここの、空間から、出ることは不可能となっていたがために。
ちらりと。
終わりが見えている世界をみつつ。
「せめて、来世には、幸があらんことを。」
ルナは祈りを捧げ。
竜神に祈ってもらえるとは、かなり幸運であるのだが。
そんなことは、ここの人々には、分かるはずもなく。
「姉さん!早くしないと!扉が閉じますよ!」
「そうね!」
いって。
あわてて、ルナとレイは扉をくぐってゆく。
「・・・何が起こったんだ!?」
空にオーロラが出現し。
ばたばたと小鳥などが死に絶え始めるのに。
そう数日もかからなかった。
そして。
通信していた最中に。
悲鳴とともに。
途絶えるほかの星との連絡。
そして・・・・。
事態を、理解するには・・・・・・・・遅すぎた。
「・・・・・・神よ・・・・。」
祈りを捧げる相手のその竜神を殺そうとしていたのはどこへやら。
ルナとレイが、そこからいなくなり。
数日後。
名実ともに。
そこの空間のエリアは。
完全に虚無にと還っていっていた・・・・。
潤いをもとめ、未知なる力にてをだして。
それを吸い尽くした結果の結末―。
バタン!
「きゃぁ!」
「うわっと!!」
どだ!
倒れこむように入ってくる、二人の人物。
「あれ!?ルナさん!?」
アメリアがその人物に心当たりがあり声をかける。
「・・もう一人は・・・って!!!!?」
ゼルガディスが顔をしかめる。
今まで、この約二十年間。
よく見知っている顔立ち。
「赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ!?」
「もしかして、レイさん!?」
アメリアとゼルガディスの声が重なる。
・・・ぴし。
その言葉に凍り付いている、クリス、ホープ、アリスの三人。
― すべての駒は再びそろいし。運命の輪を切開かん ―
ルナとレイが戻ってきた直後に。
ゲームの水晶に文字が浮かび上がってゆく。
「ああああ!!魔王様!ご無事でしたか!」
「ゼロスか?あれからどうなった?」
動揺しているものの。
何とか威厳を保っているレイ。
「ええとですね。」
とりあえず、お役所仕事の性というか。
今までの経緯を説明しているゼロス。
「ええええ!?あれから約二十年もたってるのぉ!?」
「・・・・そして・・・何か・・(汗)フィスが、あいつらの力を取り込んでいる・・だと?(汗)」
絶叫を上げているルナに。
汗を流しているレイ。
「ん・・今、声が・・。」
「こらリナ、まだだ♡」
「ん・・やぁん//も・・・簡便してぇ////」
「駄目だ♡」
ぐい。
「ひぁ!//馬鹿ぁ//アメリア達がいるのにぃ///」
「だから♡俺のこと以外を考えるなって・・」
「ん・・・やめ・・・や・・・あっあっひぁ!・・・んっ//」
そのまま、再びガウリイの手の中でおぼれてゆくリナの姿が見受けられていたりする・・・・
ぐったりとなっているリナの髪を梳きつつ。
ま、とりあえず、今はこれくらいでいっかvv
黙ってたというのがわかったら。
リナ、暴れるからなぁ♡
そんなことを思いつつ。
「リナ、どうやら、ルナさんが戻ってきたようだぞ?」
・・・・びく。
その言葉に反応して、飛び起きるリナ。
「えええええ!!何で早くいわないのょぉぉ!!」
がばっ!
だるい体を奮い起こし。
散乱している服をつかんでいるリナ。
ちなみに、普段は、以前に着ていた服に。
魔道の力を組み入れて。
多少、作り直していたりする服を着ているのであるが。
何しろ、あの当時からいくと。
かなり体型がかわっている。
本来はそれですむのであるが。
今、リナは妊娠中ということもあり。
リナが麻で作り出したワンピースを着込んでいるリナ。
子供達の服なども。
すべて、リナ手作りである。
「本当は、まだやり足りないんだがな・・俺は♡」
「こ・・・この馬鹿ぁぁあ!!!!/////」
真っ赤になって怒鳴るリナ。
真っ赤になっていっても、説得力などあるはずもなく。
逆にガウリイの雄としての本能を刺激するしかないということに。
まったく、全然気づいてないリナ。
あわてて、乱れた髪を整えつつ。
服を着込んでいるリナ。
汗に濡れた肌に、ワンピースがまとわりつく。
「・・・・アクアクリエイト。」
バシャ!
あまりに汗で気持ちわるいので。
魔術で、水を作り出し。
シャワー状態でその場で浴びて。
服を着る。
ほのかにいまだに桜色に染まっている肌が。
そして、服の上から見える、突起が。
かなり男からすると、そそられる状態なのだが。
それに全然気づいてないリナ。
「ほら!ガウリイ!いくわよ!」
ああ!
姉ちゃんに絶対にどやされるぅぅ!!
恐怖しながら、リナが歩きかけると。
「リナ♡」
そんなリナの腕をつかみ。
ぐいっと自分の方にと引き寄せるガウリイ。
リナがシャワーを浴びている間に。
ガウリイもしぶしぶながら服を着ているのだが。
「ん・・ちょ///」
そのまま、リナを引き寄せて、激しい接吻。
ん・・ん・・。
ぐだっ・・・。
「・・・・馬鹿///」
こてん。
そのままガウリイに寄りかかるリナ。
そんな姿がまた愛らしい。
「リナ、これから毎晩覚悟しろよv」
耳元でささやかれるガウリイの言葉に。
かぁぁぁぁ!////
瞬く間にリナが真っ赤に染まってゆく。
「あ・・あんたはぁ!戻ってきてもそのままかぁぁ!!!手加減くらいしろぉぉぉ!!」
スッパァァン!
リナのこぎみよいスリッパでガウリイをはたく音が、廃墟となった一室に響き渡っていた。
ガタ・・。
元のままならば、
ガチャ。
と。
扉の開く音がするのであろうが。
「そーいえば、この廃墟・・どうにかならないのかしら?」
ルナがつぶやき。
「そういえば、どうして、ここ。こんなに廃墟にしているままなんだ?」
レイもいって。
二人して杖を振りかざす。
その刹那。
――カッ!!!!
元、セイルーン城の全体が光に覆われてゆく。
その後には。
かつてと変わらない城の姿。
ルナとレイスは。
組織の変換と組み替えを一瞬にして行ったのである。
『す・・・・すごい・・・・。』
これが、魔王と竜神の力・・・。
感嘆の溜息をついているクリス、アリス、ホープの三人。
「え・・えと・・その・・・姉ちゃん?(汗)」
にぃぃこりvv
「リィナvv何をしてくれたのかなぁ♡」
にっこりと姉に微笑みかけられて。
「ああああ!!ごめんなさいぃぃぃぃい!!まさかこんなのとはしらなかったのよぉぉぉ!!!」
謝り倒しているリナ。
「ま、それは仕方ないというか、後でじっくりお仕置き・・といいたいけど。・・・・あんた・・・妊娠してるわね?」
そういって、あきれてガウリイをみているルナ。
「・・・・リナ、襲ったわね?」
「いやぁ、ついつい、我慢の限界が来て♡」
「・・・ま、いつかやるとは思ったけどね。」
「いつかって・・もしもし?姉ちゃん?(汗)」
姉ちゃん・・・。
ガウリイがあたしを好きだって・・・知ってたのかな?
そんなルナとガウリイの会話を聞きながら。
あたしは知らなかったんだけど・・というか、気付かなかったのに?
と首を冷や汗かきつつ、かしげているリナ。
・・・・気付いてなかったのは、リナだけである・・・・・・・
はっきりいって。
初めて出会った人とかでも。
ガウリイがリナを好きだ。
というのは、一目瞭然であったにもかからず。
リナのみが気付いてなかったというだけのこと―。
「ま、下手にお仕置きして。お腹の子供には罪はないし。今は簡便しておいてあげましょう。」
・・ガウリイ、ありがとう!
ルナの言葉に。
このときほど。
リナは、本気で心からガウリイに感謝していた。
「それより、今は、ともかく。このゲーム。終わらせるのが先だからな。」
レイの言葉に。
「???姉ちゃん?誰?それ?」
首をかしげているリナ。
「何だ?リナ、気配でわからないのか?ほら、シャブなんとかっていう魔王の人だぞ?この人?」
あっさりというガウリイ。
『ええええええええ!!!!』
ガウリイ以外の驚愕の叫びが一致する。
「い・・いや、私は気配を隠しているのですが・・。」
おもわずひいているレイ。
「・・・何というか・・・ガウリイよねぇ・・。私が人でないというの見抜いたのも・・ガウリイだったし・・・。」
ゼフィーリアで、リナのとこをどう思っているのか聞いた時。
―ルナさん?人でなく、神族のしかもどうも竜神の気配がするんですが?―
といきなりずばり言われたときにはびっくりしたが。
ルナはそのときのことを思い出しあきれ返る。
「・・・・ガウリイさん・・魔王様の気配も分かりますか?普通?」
い・・一体・・・ガウリイさんって・・・。
本当に人間離れ・・してますよね・・(汗)
ゼロスが本気で汗を流していたり。
「・・・ま、ガウリイだったらありえるな。」
「・・・そーですね。ガウリイさんですし。」
もう、何があってもあまり驚きません。
なかば、あきれているゼルガディスとアメリア。
『・・・・・・・・・・・。』
け・・気配で分かるって・・・・。
何もの?このガウリイさんって・・(汗)
普通、上位の存在とかの気配って・・。
相手が隠していたら、絶対に分からないはず・・(汗)
と、思いっきり冷や汗ながしているクリスたち。
「ええええええ!!!!!!!!!!!!!!!?ってことは、すべての悪の元凶!!!覚悟!」
「リナさぁん(汗)今はそんな場合じゃないでしょうにぃ・・。」
魔王に食って掛かろうとするリナに。
あわてて、涙目になってとめているゼロス。
「ふっ。さすが、ルナの妹だな・・・・。」
「あら、ありがとう。レイ。」
・・・・な・・なんか、魔王と姉ちゃん・・・。
仲、よさそうなんですけど・・・。
リナはそんなことを思いつつ。
「・・ちっ。」
ゼロスにいわれて。
今だに相手には試したことのない、呪文の詠唱を押し止める。
・・・・これ、使ってみたかったのに・・・。
新たなる、金色の王の力を使った呪文。
などと思いつつ・・・・
あの土地で。
無人島でやることがなかったりナは。
・・・まあ、やることといったら。
日々の食事の確保または、生活道具の作成。
その他は・・・何というか。
ガウリイに捕まっていいようにされていたリナであるが。
ガウリイが食事の調達に行っていた間などに。
いろいろと、精神集中と呪文研究によって。
あの当時よりも、バリエーションが豊富に増えていたりする。
「ま、とりあえず、今の現状・・・。かなりヤバイじゃないのよ・・・。」
「というか、星の命、つきかけているぞ?」
数多とある、命の輝きが、星から消え去りかけている。
ルナの言葉にレイがつぶやき。
「とにかくリナ!はやいとこ、このゲーム、クリアさすわよ!」
「ちょっとまってよ!姉ちゃん!このゲームって一体何なのよ!?」
「・・・あれ?リナ?俺いってなかったっけ?このゲーム、とことんの気配がするって♡」
リナの質問に。
さらりとガウリイが答え・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・。
「そ・・・・・そういうことは、早くいぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!」
「ガウリイさん、とことんじゃなくて、混沌です!」
「・・・というか、ガウリイ・・始めから気付いていたのか?」
アメリアが即座に訂正し。
ゼルガディスがじと目でガウリイをみる。
「触れた時に分かったけど?別に聞かれなかったし。」
『そーいうことは、早く本気でいえぇぇぇぇ(いってくださぃ)!!』
当初。
初めた、アメリア、リナ、ゼルガディス、ゼロスの声は。
完全に一致していた。
「あ・・・あの御方の気配をつかめるこの人間の男って・・(汗)」
かなり油汗を流しているレイ。
「・・・気にしちゃだめよ。レイ。何しろ、このガウリイ。あの御方に体、乗っ取られてたリナを追いかけて。
あの御方の空間に、生身のまま、飛び込んで。あの御方とリナに追いついた人間だから・・・。」
つつぅ・・。
ルナの額から一筋の汗。
しかも、あの御方が纏っている結界もものともせずに。
リナを捕らえたからねぇ・・・。
「・・・本当に人間なのか?こいつ達は?」
「・・・さぁ?でも、二人とも、あの御方の空間に入り込んだのは。・・・事実だからねぇ・・。」
ふたり、しみじみ話しこんで、意気投合しているレイとルナ。
「とりあえず、リナ、これ、終わらせることができたら。すべて元に戻ることが決まっているから。」
どうにか気を取り直し。
ルナがリナに説明をする。
「??どういうこと?それ?」
「つまり、ゲームの中の時間は、始めからなかったものとなり得る。まあ、時と場合によるが。記憶とかはそのままだけどな。」
リナの疑問にレイが答える。
「まあ、アクア様からお聞きした限りでは。このゲーム。クリアしたら。すべて、万事解決するということですわ。」
クリスがいう。
本当は。
そうなったら・・・・・。
・・・・・自分達の存在も消えることは承知している。
・・・・でも、それでも・・・・・。
・・・・・・・このような、未来のない、今よりも。
本来、進むべきはずであった、正式な未来の方がいいから―。
「くぅ!やるな!」
「ま、この世の見納めってやつ?」
にっこりというエリー。
エリーももう分かっている。
・・・・自分達が生まれたのは。
ゲームの中の、父と母が閉じ込められた無人島。
・・・本来は、それが運命ではなかった。
ということに。
こちらにきて。
子供達全員。
空気に触れて。
即座に理解した。
だから・・・・・。
「少しでも、私達が生きていた証を残したいからvv協力してねvv」
次に、生まれてきた時は・・・。
今の自分でいるのだろうか?
・・それとも?
周りに人がいて、両親がいて、そんな現実で育って行く中で。
今の自分とは変わるのだろうか?
・・・今までの、皆や両親との思いでも消えるの?
それは、今は。
子供達にとっては。
理解不能な現実―。
―ゲームがクリアされると。
時間が戻り―。
―――自分達は、その時間軸では・・・・・・。
・・・・・存在していない――――。
それを理解しているから。
理解していてもなお。
―――それでも。
このまま、埋もれてゆくのはいやだから・・・・・・・。
未来に存在すべきであった、子供達の思い。
それが、このゲームをすることによって。
時間率が変動したこの場所に生まれてしまった彼ら達―。
その歪みに気付いているから。
・・・・・だから。
「運命は、訂正しないと・・・・ね。」
にっこりと。
エリー、ユーリ、そのほか。リナの子供達と。
シルフィールの子供二人。
フィリアとヴァルの子供。
そして・・・・。
「・・・そっか・・・・。」
説明をうけて。
納得しているアリア。
まだ、四歳というのに。
レオンの説明にうなづいている。
「じゃぁ、母さんが、残したあれ、正解だったねvv」
にっこりといっているアリア。
「残したって?」
「あのね。母さんね。何かまた必要になるかもしれない。
っていって、父さんの姿を戻す装置と知識と機械があったところに。何かしらの魔法道具かなにかを残していたの。
そうしておけば、魔力波動を頼りに、すぐにたどり着けるからって。」
にこにこといっているアリア。
乙女の直感というか。
巫女の能力というか。
アメリアは、あそこに、星の護符を封じていた。
つまりは―。
たとえ、時がたとうとも。
その波動を目安に。
そこにたどり着けることが可能―。
「・・君は怖くないの?自分がいなくなるんだよ?」
レオンの言葉に。
「信じてるから。レオン君もそーなんでしょ?」
にっこりというアリアの言葉に。
「ま、あの両親で、僕達が存在しなくなるなんてことは・・・。・・・・絶対!にありえないからね・・・・。」
「私のところもvvだから、大丈夫vv」
そんな会話を子供達がしているともしらず。
「ま・・まあ、やり始めたのは・・あたし達なんだから・・・・。クリアするわよ・・。」
真っ青になっているリナ。
このゲームの本当の怖さを。
只今、ルナから聞かされて。
真っ青になっているのであるが。
・・・・ゲームのイベントに組み込まれる!?そんなの冗談じゃない!
・・・そんなになったら、リナとやり放題という俺の夢が!
どこかずれているガウリイ。
そうすれば、正義が広められません!
思いっきり視点が違っているアメリア。
・・・・道具になるのはごめんだからな・・。
一人、まともな意見を思っているゼルガディス。
四者それぞれ。
「それでは、確認をさせていただきますね?順番は・・・。」
レイに命じられて、まだ、あと四回ほど、休みが残っているゼロス。
仕切り約を命じられていたりする。
そして。
「それでは、ゲームを再開します!」
半ば、やけになっているゼロスの言葉とともに。
次の順番である、ルナがサイコロを握り締めてゆく・・・。
―フルメンバー。
ゼロス、ゼルガディス、アメリア、ガウリイ、リナ。
ルナ、レイ。
ホープ、アリス・クリス。
―以上の順番以外の介入は無効―。
基盤上に。
くっきりと、参加者の名前が書き出されていた―。
-続くー
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####################################
あとがき:
薫:・・・次回。よーやく、ゲーム、終了?
ま、ゲームのごたごたが主ですな・・次は・・(汗)
ちなみに。
ゲームが終わっても。
ええ。
フィスの反逆は終わったわけではありません。
以前のままです。はい(まて!)
というわけで、その対応にリナ達は追われるのです(だからまて!)
・・・・・ま、リナ、力づくでの説得というか。
・・・・ガウリイとは晴れて恋人同士と。
本来の時間率でもなりますけどね・・(ご愁傷さま・・まて!)
んではでは♪
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