悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア)第22話
世界に、雲の隙間から、光があふれ出る。
まるで、希望の天子が降り立つがごとくに。
神々しいまでのその風景に。
かつがつ生き残っていた存在達は。
その風景に見とれていた。
「・・なぜだ!?」
なぜ、我の力が寸断される!?
あれの力はもう尽きるはず!
星全体に張り巡らせていた、彼の力の源たる、外壁たる雲。
それが、かなりの範囲で途切れを起こしている。
今の地震のせいなのか。
だが。
星のとどろきも何も聞こえずに、いきなり起こった今の地震。
・・一体?
何が起こったのかは、理解できないまでも。
途切れた雲の修復に、力を注いでゆく、フィスの姿がそこにはあった。
「では、次は・・俺か?」
水晶の球に、次なる順番の名前が映し出されている。
順番者、以外がサイコロを振ろうとしても、手にくっついて。
それは不可能。
ゼルガディスがサイコロを握り締める。
いつだったか・・・。
もう、かなりの遠くの出来事のような気がする。
この順番を決めたのは。
あのとき、自分はまだ合成獣の姿で。
アメリアに思いも打ち明けてはいなかった、あの当時。
あれから・・。
話を聞くと、もう、二十年近くにもなろうかとしているということ。
コロロロン・・・・。
ゼルガディスがサイコロを握り、床に転がす。
コマが止まるのと同時に水晶にと浮かび上がる言葉がひとつ。
― 細かな粒子、大地に降り注ぎ、大地は、火の光に照らされん ―
「・・・・何だ?これは?」
ギュウウウン・・・・・。
首をかしげると。
外から、唸るような音が響いてくる。
しかも、複数。
ドドドォォォォォン!!!!!!!!!!
「何だ!?」
空をみれば。
無数の流星群が。
この星にと降り注いでいた。
ギュン・・・。
ドガァァァン!!!!
ダゴォォォン!!!
ズドドォォォォ!!!!
「きゃぁ!次次!」
あわてて、アメリアが次を転がす。
―降り注ぐ光は、落ち着きを増し。閉ざされた空間への活路をみいださせしめん―
文字が浮かぶと同時に。
降り注いでいた、流星の嵐は。
ある程度は落ち着いていた。
今だに降り注ぎはしているものの。
それは、ちょっとした大きさにも満たない程度。
津波を起こしたり、クレーターと化したりと。
そういった大きさではない。
「・・・・・何?あれ?」
ふと、空を見上げると。
空に、浮かび上がる、扉のようなもの。
「あ、私、様子をみてくる!」
いって。
「レイ・ウィング!」
リナとガウリイの長女。
エリーが空へと舞い上がる。
カタン・・・・。
その扉のようなものは。
すんなりと、こちら側にと開いていた。
「母さん!父さん!何か違う世界が見えるんだけど!」
その言葉に。
「何ですってぇぇぇ!!いくわよ!ガウリイ!」
「えぇ・・・・折角ずっとリナと二人っきりだったのに・・。やり放題だったのに・・・・。」
ぶつぶつつぶやいているガウリイ。
「・・・////馬鹿ぁぁぁぁ!!!!///ああああああんたねぇ!」
「なら、リナ、戻ってもやりまくってもいいか?」
「そ・・・そーいう問題じゃないでしょうが!///」
真面目な顔をしているガウリイに。
真っ赤になっているリナ。
「早くしないと、消えそうだよ?あれ?」
ユーリの言葉に。
「あああ!もう!好きにしていいから!とにかくいくわよ!」
消えそうになる、その扉をみて。
リナがあわてて、自分でも何をいっているのか理解してないが。
「そっか♪約束だからなvvリナ♪」
リナは自分で何をいったのか、理解をまったくできていない。
その間にも。
散っていた子供達を呼び集め。
そして、全員が移動できるまでの、力の橋をリナのオリジナル呪文で作り出し。
空に浮かぶ、扉に向かって、空気の階段を作っているリナ。
「ほら!いくわよ!ガウリイ!」
リナが言いかけると。
ヒョイ。
リナを抱き上げる、ガウリイ。
「お腹の子供に何かあったらいけないからなvv俺が抱えていってやる♪」
「・・・・馬鹿////」
真っ赤になりつつも、そのままガウリイにしがみついているリナ。
この、十数年以上たっても。
リナはリナのままであった。
今だに、ガウリイが、どうしてリナを抱きたいのか。
とか、触れたいのか。
とかというのをまったくといっていいほどに理解していない。
「外の世界かぁ・・。」
というか、本来、僕達が生まれるはずだった・・世界・・・。
それはどんなところなのかな。
少し期待が高まるが。
それと同時に。
・・・・・・母さん達とも、しばしのお別れになるんだ・・。
というのも。
勘のいい子供達は気付いていた。
カタン・・・・。
ギギィ・・・・
その後ろは、瓦礫で覆われ。
扉など開くはずもないのに。
扉が開いてゆく。
「きゃぁ!戻ってきたって・・・・何よ・・・これは・・・。」
思わず、ガウリイに強くしがみついているリナ。
目に入ったのは。
廃墟というよりは、瓦礫の山と化している、どこかの建物。
そして・・・。
その奥に、数名の人影・・・・。
「リナさん!!?ガウリイさん!!?」
アメリアが二人の姿をみつけ思わず叫んでいた。
「って・・アメリア!?」
みれば、どことなくアメリアの雰囲気をもっている。
みただけでわかった。
そして・・もう一人は・・・。
「・・・もしかして・・・・ゼル?」
「何だ、ゼル、元に戻ったのか?」
今だに、リナが呆然とし、降ろせとはいわないものだから。
そのまま、リナを横だきに抱いているガウリイ。
「リナさぁん!会いたかったですぅぅぅ!!」
そのまま、リナの方にと翔って行くアメリア。
「そうね・・・って!ガウリイ、いい加減に降ろしなさい!!//」
アメリアの方にいこうとして。
ようやく気付いているリナ。
「これやってからなvv」
「何を・・って・・・ん・・・・ふ・・あ・・ん・・//」
降ろすと同時に。
そのまま、リナを強く抱き寄せて。
ディーキスをかましているガウリイ。
・・・・こて。
「はぁはぁはぁ・・・・馬鹿・・///」
真っ赤になって、ガウリイに寄りかかるリナ。
そんな二人をみつつ。
「・・リナさんとガウリイさんも春がきてたんですね!」
祝福しているアメリア。
「よくまあ、あのリナを落とせたな。ガウリイ・・。」
あきれているゼルガディス。
「ん?いや、流石に我慢の限界で・・襲ったしvv俺vvリナをvv」
「さ・・・さらりというなぁぁあ!!////」
真っ赤になるリナの姿が。
元セイルーン王城の一角で見受けられていた。
『・・・やっばり。そうなると思った。』
同時にハモッテいっているアメリアとゼルガディス。
「こらまて!再会そうそう!何ょ!そのやっぱりって!」
リナが真っ赤になりつつ、食って掛かる。
「だって、ガウリイさん、どうにか、最後の理性のひとかけらで、押さえをきかしていたですしねぇ。」
「まあ、野宿のたびに、リナの唇を貪るように奪ってたからな。ガウリイのやつは。」
「ななな・・・・何ですってぇぇぇぇ!!!!!?」
「いいじゃないかvv」
「よよよよよよくなぃぃぃぃ!!!!」
「・・・やっぱり気付いてなかったんですね・・・リナさん・・・。」
溜息一つのアメリア。
真っ赤になって、ガウリイに食って掛かっているリナだが。
ひょいひょいと何なく交されて。
挙句の果てには。
黙らせる方法vv
とかいって・・・。
「あんたねぇ・・・って・・ん・・・ん・・////」
リナを引き寄せ、再びキスをしていたりする。
今度は、息も出来ないほどに、長く激しく。
「でもよかったです!これで、リナさんもそろいました!」
ガッツポーズをとっているアメリアに。
「・・・これが・・あの・・リナ=インバース?(汗)」
「・・・・何か伝説と・・違う・・・(汗)」
そんなリナとガウリイの様子をながめつつ。
汗をながしている、アリスとホープ。
彼らの目には。
はっきりいって。
相手の意図にまったく気づいてない、そんな疎い女性の姿と。
それを利用して、必要に、いちゃついている男性の姿にしかみえない。
実際にその通りなのだが。
くたっ。
完全に自分に寄りかかっているリナを、満足そうに抱きしめつつ。
「何だ、あのゲーム、クリアするのか?」
ガウリイが、開いているゲームをみつつ。
問いかけている。
リナは未だに、息を整えて真っ赤になっているのだが・・。
「ねぇ?君?名前、何てゆーの?僕は、レオン。」
そんな両親をいつものことなので無視することを覚えている。
ガウリイとリナの次男。
レオン=デ=ガブリエフ。
父親譲りの、金色の髪に紅い瞳。
顔立ちは、ガウリイとリナの中間。
とてとてと、周りを走り回っていた小さな女の子に声をかけている。
「あたし?あたしは、ありあ。ありあ=ぱろ=えるす=せいるーん!にさい!」
「ふぅん♪僕は、レオン=デ=ガブリエフ、四歳だよ。」
幼い同士で、意気投合して。
そのまま、その辺りの瓦礫の山で。
遊び始めているレオンとアリア。
「き・・・君は?」
ぼー・・・・。
視界に入っている、栗色の髪の少女をみているホープ。
こちらもぼー。
同じく、金色の髪の少年をみているアリス。
吸い込まれそうなまでに、深い碧色の瞳。
そんな二人の少年と少女に。
語りかけているホープ。
「?そういう、君たちは?」
あからさまに、ホープを敵視しているユーリ。
「私は、エリー。エリアンヌ=ドナ=ガブリエフよ。で、こっちが弟のユリウス=ド=ガブリエフ。」
にっこりと微笑むエリー。
はっきりいって。
エリーが微笑むと、リナに似て。かなりかわいい。
まず知らない男の子でも、ときめくくらいにまで。
「あ、私は、アリス=ネステ=ラーダで、兄のホープ=ラグナ=ラーダよ。」
答えたのは、アリス。
「ふぅん。今、何歳?多分、私達は十二年よ。」
多分というのは、あそこには暦というものがなかったから。
星の動きで把握していたが。
年月の経過は。
「私は、今、十一よ。」
アリスの答えに。
「あら♪じゃぁ、ユーリと同い年なんだ♪初めて♪私達以外の人間に会うのも、話をするのも♪よろしくvv」
にっこりと手を差し伸べるエリー。
「あ・・こちらこそ・・。」
子供というものは。
意気投合するのが早いもので。
すっかり、リナが正気に戻るころには。
子供達は、完全に打ち解けていた。
「と・・とにかく、状況を教えてよね・・//」
今だに顔がほてっているが、どうにか押さえ込み。
今までの現状を問いただすリナ。
「あと、残りの二人は、誰が参加しているんですか?」
ふと、アメリアがそれに気付くが。
「んっふっふっ♪それより、アメリア♪もう一人、忘れてるやつがいるわよ♪」
ガウリイに対する、鬱憤、あいつで晴らしてやるぅぅ!
あいつなら、何も問題ない。うん。
リナにとっては、もっとも合理的なことを考えつつ。
リナはすぅっっ・・と。
大きくいきを吸い込む。
「こ・・・の!!ツカイッパシリの、ゴキブリ生塵神官!!ででこぉぉぉぃぃぃい!」
―――どでっ!!!
リナの言葉が終わると同時に。
虚空から、一人の男性が落っこちてくる。
「あ、ゼロスさんです!」
「そーいや、ゼロスも参加してたんだったな・・。」
「ふふ・・・。リナがゼロスの名前を呼んだ・・・ふふふ・・。」
理不尽な殺気を向けているのは・・ガウリイ。
「はっ!?ここは!?」
きょろきょろと辺りを見回すと。
そこは、どうやら、かつてのセイルーン城。
すざましいまでの殺気が自分に向けられているのに気付き。
思わず、汗を流しながら振り向くと。
そこには。
「でぇぇ!?ガウリイさん!それに、リナさん!?アメリアさんに、ゼルガディスさん!?
・・・・・・・リナさんは胸が大きくなりましたねぇ・・」
・・・ぷち。
「ラグナブレード♪」
パシュ!
ゼロスの真横から、闇の刃がゼロスの肩をなぎさって行く。
「んっふっふっ♪言いたいことはそれだけかなぁ♪ゼロス♡」
「・・・・リナさん、目がいっちゃってます・・・・。」
今の呪文って・・金色の王の呪文じゃ・・(汗)
つぶやいているアリス。
「・・・というか、どうして、こいつはいつも自殺発言ばかりするんだ?」
「・・・ゼロスさんだからじゃないですか?」
あきれているゼルガディスに。
それですませているアメリア。
「ゼロス!貴様!リナの胸の話題をするってことは!貴様もリナを狙って、あんなことやこんなことをするつもりじゃ!」
「/////それはあんたでしょうがぁぁぁぁ!!!!////」
ドガァァァァァァァンンンンン!!!!
ドラグスレイブの花火が。
盛大に巻き起こっていた。
「うーん。やっぱりリナさんとガウリイさんですぅ!!これでどうにか助かりますぅぅ!」
にこにこにこ。
にこにこしつつ、うれしがっているゼロス。
「とりあえず、あの夫婦はほっといて。ゼロス、詳しい説明をしてくれ。あれから一体どうなったんだ?」
吹っ飛ばされたガウリイが。
もがくリナを連れて。
隣の部屋にと入っていったのを目の端でみつつ。
何となく検討がつき。
リナとガウリイを無視して。
ゼロスに今までの経過を聞いてゆくゼルガディス。
「はい♡順番に説明しますよ♡ 僕もまだ、ここで、ゲームのイベントに成り果てたら。ゼラスとデートもできませんしねvv」
・・・・・デートって・・・・。
本当は、結構、いいところだったんですけどねぇ・・。
ぶつぶつぶつ。
何かつぶやいているゼロスにその意味を理解したゼルガディス。
「ま・・・まあ、それはおいとくとして・・だ。どうなったか説明してくれ。」
数時間後。
真っ赤になったリナが合流し。
事のあらましを聞きだしてゆく。
・・・・つぅ・・・・。
リナの額から一筋の汗。
「ちょ・・・まさか、この中に・・姉ちゃんも・・?(汗)」
「はい。スィーフィードさんと、魔王様、リナさん達をこちらに戻そうとして。
逆に取り込まれてしまいまして♡もう約二十年にはなりますか♡」
にこにこにこ。
何でもないように言っているゼロス。
「い・・・・いやぁぁぁぁ!!!
ってことは、何がなんでも、あたしが姉ちゃんを巻き込んだことになるぅぅ!いやぁぁあ!死にたくなぃぃい!!」
「リナは俺が何があっても守ってやるって♪」
「そ・・そういう問題じゃないのよ!あああ!
姉ちゃんを撒きこんでる・・あ゛あ゛あ゛あ゛・・(汗)」
そののまま、パニくっているリナ。
・・・かわいい♡
そんなリナの様子も。
ガウリイにとっては、愛しいリナの姿にしか映りこまない。
「落ち着けって・・な♡」
「ああ・・・ん・ちょ・・はぅん・・・・//」
パニックになっているリナの口を。
始めは軽く。
そして、だんだんと長く。
・・・ぶちり。
理性の緒が吹っ飛ぶ音ととともに。
執拗に、舌をもから娶ってゆくガウリイ。
「ん・・は・・ちょっ・・・・ん・・・ん・・・。」
ぐたっ・・・・。
「落ち着いたか♪リナ♡」
「・・・馬鹿ぁ////」
真っ赤になって、息を切らせつついっても。
文句を言っているようには皆目移らない。
・・・・う・・・人がいても、やろうか?
などととんでもない考えをし始めるガウリイだが。
「まあ、父さん達は、いつもこーだから、ほっといて。」
ユーリの言葉に。
「・・・・こいつら、ずっとこうなのか?」
「そーだよ?」
「・・・・やりますね。ガウリイさん。」
「・・・・ずいぶんと、我慢してたからな・・旦那は・・・・。仕方ない・・か。」
ユーリの言葉に。
リナに同情の目を向けているゼルガディスと。
あきれた眼差しを送っているアメリア。
「わたしの父さんと母さんもだよ?母さんと父さんも、いつもなかよし!
あのね!なんでか、いつも父さん、母さんを裸にして、ベットの上で何かやってるんだよ?」
「き・・・きゃぁぁぁぁぁ////」
「ま・・・まてまて!////」
幼いというのは最強ということで・・・・。
さらりと事実を言っている娘の言葉に。
顔を真っ赤にしているアメリアとゼルガディス。
「???どういうこと?」
まったく理解できていないエリーは。
「ねえねえ?どういう意味?」
ゼロスをつついていたりする。
「ぜろすおにーちゃんも、ぜらすおねーちゃんとね!・・・むぐ!」
『あ・・・あはははは(汗)』
次を言いかけるアリアの口を押さえ込んでいるゼロス。
そして、全員のなぜか乾いた笑いが響いてゆく。
「・・・・世界が大変になってる時に・・この人達は・・・(涙)」
一人、涙するクリスの姿が。
しばらく見受けられていた。
「と・・ともかく!クリアも先だけど!姉ちゃんたちを無事に助け出さないと!」
リナがいい。
「ねえねえ?母さん、私達はどうしよーか?」
することもないから、世界を視て回りたいな。
そう目で訴えている子供達の視線に。
「いーわよ。ついでに、ヴラバザード、懲らしめてもオッケーだから!」
「やったぁぁあ!!これで、母さんから習った、盗賊いじめのノウハウとか、いろいろと試すことができる!」
「じゃあ、僕は、エリーの手伝いだな。当然。」
エリーの前と、両親の前では。
かなり演技しているユーリ。
この辺りは、父親そっくりであるのだが。
「あ!わたし!おばちゃんにあいたい!おかあさんのおねーさんに!」
アリアがいい。
「じゃあ、僕が一緒にいくよ。」
子供達だけで。
外にでることを相談している子供達。
「いいわよ。」
「いってこい。」
「姉さんによろしく!」
「気をつけるんだぞ。」
ぴったりと。
リナ、ガウリイ、アメリア、ゼルガディスの声が一致する。
「・・・・・・簡単に許していいんでしょうか?」
一人、悩むゼロスの姿が。
そこにはあった。
「ともかく、時間もあまりありませんから。いそいで、続きといきましょう。」
クリスが先立ち。
全員を促してゆく。
「それもそーね。」
これ以上、遅くなったら・・姉ちゃんにどんな目にあわされるか・・。
あわわ・・(汗)
というか・・その・・・。
結婚もしてないのに・・子供・・・できちゃってるし・・・うきゃぁぁ!?
パニックになりつつも。
次の回である、ガウリイに。
こいつのことだから・・・絶対に忘れてる!!
確信もちつつ。
「はい。次は、ガウリイ、あんたの順番よ。」
ガウリイに手渡しでサイコロを手渡す。
「そーだっけ?」
わざととぼけるガウリイ。
・・・ぶち。
リナはしかし、今だにそれが演技だとは見抜けない。
「あ・・・あんたねぇ!!!ゼロス、ゼルガディス、アメリア、ガウリイ、そしてあたし!そーいう順番だったでしょうがぁぁぁあ!!」
ぜいぜいぜい・・・・。
「・・ま・・・あんたに説明しても無駄よね・・・。とにかく、次はあんたの番なの!」
ぎろりとガウリイを睨んでいるリナ。
「・・・リナさん、今だにガウリイさんのあれ・・演技だって・・気づいてないんですね・・・。(汗)」
「・・・まあ、リナだからなぁ・・・。」
ぼそぼそと、夫婦漫才をしているガウリイとリナをみつつ。
ゼルガディスとアメリアは小声で話し合っていた。
「ま、とりあえず、俺の番なんだな♪」
とっとと済ませて、そーして、たっぷりとリナと♡
好きにしていい♡ってリナ、いったしな♡
そんなことを考えつつ。
ガウリイはサイコロを振っていた。
「何やつだ!?」
こんなに力ある生命がまだこの地上に残っていたのか!?
フィスの側近。
フレイ=ウルド=バルバード。
いつものように、食事程度というか、遊びの町壊滅をしていると。
いきなり、横から呪文が飛んでくる。
視れば・・。
「きゃぁ!悪人よ!母さんがいってたし!
悪人には人権はないから、どんなことをしてもオッケーって!!試したかった呪文がかなりあるのよ!」
「エリー、くれぐれも暴走はやめようよ?」
「分かってるって♪」
そこにいたのは。
栗色の髪と。金色の髪。
そして、互いに碧色の瞳をしている少年と少女。
そして。
「はじめてみました。これが悪人♪ないスよね♪ルル♪」
「そうね♪リリー♪」
ぴょん。
飛び跳ねている黒い髪の男の子と女の子。
隔世遺伝で、祖父の髪の色が現れているのであるが。
その瞳の色は・・鮮やかなる紅の色。
雰囲気的に・・。
全員が同じ気配を纏っている。
それは、この子供達が血のつながりがある証拠・・。
「ということで!大人しく、!私の術の実験の材料にと成り果てて、お宝も全部突き出しなさい!」
ぴし!
指を突きつけて、言い放つ少女エリー。
「腕がなるわねvv今まで、相手、姉ちゃんとか、兄ちゃんとか。母さん、父さんしかいなかったしねvv」
五歳の子供が言う台詞か?
と、人がいたらまずつっこむような台詞をいっている双子の姉妹リリーとルル。
ふん。
命しらずのガキどもめ・・・・。
「ふん、知らないのなら、教えてやろう。我は、火竜王、側近。
フレイ=ウルド=バルバード。崇高なるヴラバザードさまに仕えるものなり!」
『えええええ!?』
彼らの叫びが一致する。
ふん。
「幸せに思うがいいい。我の手にかかるか、あの方の手足となって、働く機会を得た。ということを!」
高らかに言い放つフレイ。
「ヴラバザードってあの!?」
「母さん曰く、生塵のほうがよっぽどまし。リサイクルで肥料にもなるけど、とーにもならないただの馬鹿。」
「父さん曰く、母さんを狙ってくる、俺にとっては、滅ぼしても飽き足りない、男。
別の言い方をすると、無謀以外では何でもないという!?」
「すごいことに、万物の母たる金色の王に反旗を翻して、すべてを我が物にしよーとしている愚か者?」
きっぱりと。
事実を言い連ねる子供達に。
「き・・貴様らぁあ!言わせておけばぁぁ!」
子供だからって、今の暴言・・許すわけにはいかん!
ヴラバザードさまこそ、万物の王に成り代わるにふさわしい御方!
と、いきまいているフレイ。
物事を知らない。
というか、このフレイ。
金色の王の真実というか正体を、はっきりいって、間違えて知っている。
それゆえに。
成り代わることが可能などと思っているのだが。
知らないということは、何においても、恐ろしいことである。
「じゃ、手加減はいらないねvv」
子供達全員の声が、一致して。
にっこりと。
初めて呪文などを自分達以外で試せるので。
目がかなり喜んでいたりする。
まるで、獲物をみつけた、肉食獣の目のごとくに。
全員の目がやる気まんまんとなっていた。
することもない日常の中で。
リナは子供達に金色の王に関する知識と。
そして、精神集中して、新たにと作り出した、呪文などのノウハウを子供達に伝授していたのである。
あの世界で。
生まれた彼らは。
誰にも知ることすらもできないが。
あの世界は、完全に、金色の王達が自ら創りだしていた世界。
それゆえに・・・。
・・・・必然的に、影響ははっきりいって、受けている・・・・。
-続くー
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あとがき:
薫:・・次回♪ルナ&レイ。
元の世界に戻り、ゲームの開始♪
本格的に♪
さすがに、世界の変化に気付いて、仕掛けてきます♪
ヴラバザード♪
そして・・・?
すべてが終わったその後には。
まだまだ残っている現実のヴラバザードとの戦いが♪
その前に、リナにとっては、別の戦い(笑)がありますけどね(爆!)
んではでは♪
・・・・リナちゃん・・・。
ガウイリに、『好きにしていい』・・何ていったら駄目だよ・・(笑)
では♪
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