悪夢の夢(ドリーム・ナイトメア) 第20話 ~残された悪夢~
「う・・・・。」
「あ!気がつきましたか!?よかったですぅぅ!」
がしぃ!
気がついた女性にしがみついている、黒い神官服の男性。
??
視点が定まらないその女性を確認し。
「あれ?まだ正気じゃないんですか!?じゃあ、目覚めの口付けをvv」
すっと。
その男性の顔が。
女性の顔に重なる。
「ん・・・んんっ・・・。」
執拗に舌を絡め取られ。
思わず、相手の服をつかむ。
「あれ?まだ、駄目ですか?じゃあ、最後まで♡」
そのまま、押し倒そうとする男性に。
「・・//ゼェロォスゥ!!!//」
真っ赤になった、淡い金髪の女性の叫びが響き渡る。
「あ、気がついたようですねvvゼラス様vv」
「ひ・・人が気を失っている間に何をやってるかぁぁ!!//」
気付けば。
胸元が、かなり開いていたりする。
「いやぁ、あまりに気付かれないので♪気付けをと思いまして♪」
「馬鹿ぁぁぁ//」
真っ赤になって、叫びつつつ。
い・・いけない・・。
どうも、ゼロスとやりあっていると、こっちがその・・。
プライベートでは、かなわないからなぁ//
などと、つぶやいているゼラスに。
にこにことしているゼロス。
きょろきょろ・・。
「ここは?」
確か、自分は・・・。
前線において戦っていた最中。
赤い霧が立ち込めたと思うと。
そこらの記憶がないのだが・・・。
彼女―ゼラスの目に入るのは。
どこかの天井の壁紙。
その、周囲に感じる空気からして。
「・・・・ゼフィーリア?」
よっと。
そのまま、寝かされていたベットから起き上がる。
「いやぁ、本当に心配したんですよぉ・・。何しろ、ヴラバザードに、ゼラスが捕らわれて。」
ぎゅ。
そのまま、ゼラスに抱きついているゼロス。
「ちょ・・何を!?」
ゼラスが引き剥がそうとするが。
「・・無事でよかったです・・。本当に、貴女が・・・。」
そんなゼラスの耳元でささやいているゼロス。
「・・・・馬鹿//」
はっきりいって。
完全に二人の世界に入り込んでいたりするのだが。
気を利かせて。
というか、ここには、ゼロスがすべてを追い出して。
すべて、自分ひとりで、ゼラスの面倒をみていたのだが。
真っ赤になるゼラスを、そのまま静かに押し倒してゆく・・・。
「え・・ええと・・・。何か、かなりパワーアップしてない?あの二人?」
流石に、ちょっと汗を流しているアクア。
「そうか。アクアは、しばらく、欠片になっていたから。あまり世界の動向を知らなかったんだよな?」
そういっている、黒い髪の男性。
アッシュ。
「まあ、あれだけ、力を分断されて。回復図っていた最中だったからねぇ・・・。」
まあ、やられたのが。
ちょっと、二つに精神分裂を行って。
別の世界の見回りに行っていたから。
という理由はあるにしても。
「まあ、あの二人には、かないませんわ。」
ずずっと、お茶をすすっているダルフィン。
「そうだな。何しろ、あの二人がそろって。仕事以外でなく、プライベートにでも呼んでみろ。
以前、彼らがやってきたときなんか。私が管轄している北の区域の氷が。すべて、二人のラブラブ攻撃で、溶け切ったぞ・・。」
さすがに、これには慣れたが・・。
「しかも、リナさんとガウリイさん。彼ら以上に、かなりすごいですからねぇ・・・・。」
しみじみといっているスカラ。
彼らが今飲んでいるのは。
魔の花の紅茶。
あの魔の花の葉からなる紅茶は。
魔族の最高嗜好品として。
また、その根は、神族の最高嗜好品として。
かなりの高額な値打ちをもっている。
そうでもしないと。
今、彼らの力の補充は。
もう、これに頼るしかなくなっているからして。
世界にはびこる、すべての力の源は、上空に浮かんでいる網の目のような赤い雲にすべて吸い取られている。
しかも。
彼らの力は。
あの、総力を挙げて、戦いに出向いていったとき。
竜王三人。腹心三人と。新規腹心一人。
が、全員捕らわれてしまい。
あれから数ヶ月が経過している。
気がつくと。
そこは、水晶の中だった。
もがけばもがくほど。
力が吸い取られてゆくのがわかる。
力をすべて吸収し尽くした後・・・。
今度は、魂からなる精神を、溶かしきり、吸収するのだ。
と、理解するには、分かりすぎた。
だが。
彼らに対抗手段があるはずもなく。
そのまま、力を吸い尽くされようとしていた最中。
黄金竜、フィリア=ウル=コプト。
シルフィール=ネルス=ラーダ。
古代竜ヴァル=ウル=カーディア。
この三人の力によって。
彼らは無事に解き放たれた。
正確にいうと。
フィリアが、ヴラバザードの力を一瞬封じ込め。
その一瞬をついて、シルフィールがその身に宿っている、赤瞳の魔王の力と、赤の竜神の力を使い。
ヴラバザードが拠点としている。
サイラーグの町の中心地帯を水晶で、閉ざしたのであるが。
その一瞬、別の場所に捕らわれていた彼らは。
封印が、緩むその一瞬。
ヴァルの功績によって、助けられ。
そのまま、彼らは。
唯一安全地帯である、ここ、セイルーンに飛ばされたのである。
そして。
ようやく、彼らが目覚め。
シルフィールとフィリア、ヴァルが協力して。
ヴラバザードの力を三分の二ほど、その命をもってして、封じ込めた。
ということを知ったのは。
フィリアたちが水晶に捕らわれて。
三ヵ月後のこと・・。
その間。
世界は、大変なことになっていた。
ドガン!!
「きゃぁぁぁぁあ!!!!」
火山地帯で、温泉地帯としても有名だった、その場所からは。
所かまわずに。
マグマが、地面から吹き出てゆく。
そして。
火山でなかったはずの山々からも。
ドガガン!
星のいたるところで、山がマグマを噴出し。
辺りにあった、集落や町、村などを焼き尽くしてゆく。
それゆえに。
「でも、アッシュさん、本当に大丈夫なんですか?」
にこにこにこ。
にこにこと地竜王であるアッシュに話しかけているのは。
新冥王フィーラ。
かたん。
ふぅ・・・
溜息一つ。
「仕方あるまい。火は、フィスの専属だが・・・。地は我の専門だからな。被害を食い止めるためには、仕方がないことだ。」
そういうアッシュの本体たる、精神は。
今、星の中ほどにある、地殻の中心部にとその身を置いている。
その星全体に広げて多い尽くしている自らの力をもって。
極力、被害を低くしているのが、やっと。
少し気を抜けば。
星のいたるところで、火山が大爆発をするのは必死。
彼が目覚めたときには。
すでに。
この地上に存在する、ありとあらゆる火山が、噴火を断続的に。
継続的に繰り返していて。
かなりの被害がでている最中であった。
「私は、水を管理している立場から・・。」
この星の命の水ともいえる水の管轄を仰せつかっているアクア。
水精霊が、それを司っているのもあるが。
あまり一般的に知られてないことであるが。
神族。精霊族。
その両方で、治めていたりすることは。
その、水を治める立場にあるアクアの力で。
地殻より吹き出てきたマグマは。
その、大量の水と冷気と、雨で瞬時に冷やして。
どうにか事なきを得ている今の状況。
天竜王たる、スカラは。
太陽が、なくなっては、生物は生きていかれない。
というので。
その精神本体を。
仮の太陽に変化させ。
とりあえず、仮の明るさを保っている、この星の現状。
この時点で。
すでに、動けるのは。
竜王達は、この星の存続に必死になることが精一杯で。
赤瞳の魔王の腹心、四人だけとなっていた。
そして。
先ほど。
一番、目覚めが遅かった、獣王が。
目を覚ましたのである。
そんな絶望的な状況の中でも。
無情にも時は過ぎてゆく・・・・・・。
カサ・・・・。
瓦礫の山が徘徊する。
気をぬくと。
転げてしまいそうで。
空にかかっている、天竜王がその身を変化させている。
という仮の太陽という名前のものも。
今は、ここ、数ヶ月。
輝きを鈍らしてきている。
物心ついたときから。
もう、そこは殺伐とした世界であった。
親もなく、孤児となった、子供達。
いや、もはや、子供の姿すら貴重とされてきているこの世の中。
自分達がいた場所以外で。
まず、生き延びることは。
絶望的に近かった。
そして。
子供ながらに。
魔力が使える彼らは。
戦力として、戦いの場にと出ざるを得なくなっていき。
そのとき。
サイラーグとかつて呼ばれていたらしいその場所で。
―それをみつけたのは。
「・・・・何?これ?」
「・・・・私に・・少し似てる?」
思わず、顔を見合わせる、二人の男の子と女の子。
この間、ようやく六歳になったばかり。
入ったら危険だ。
といわれても。
好奇心の強い子供のこと。
やはり、キャンプを抜け出して。
危険といわれたその場所に入り込んでいる子供達。
「・・・私にも似てる??それに・・この感じは?」
覚えている。
かすかに。
まだ卵であったけども。
この感じは・・・・。
黒い髪の男の子と女の子のほかに。
もう一人。
金色の髪の緑色の瞳の女の子。
だが、その後ろのスカートに、ピンク色の尻尾が見えていたりする。
その先には。
ピンクのリボンを結んでいるが。
唯一の、彼女にとっての両親の形見。
そう聞かされているそのリボンは。
彼女にとって、とても大切なものである。
陣地を抜け出して。
かつて、サイラーグと呼ばれていた、今は水晶に覆われたこの町にと入り込んでいる三人の子供達。
彼らの目の前には。
水晶の中に、眠るように漂っている、二人の女性と一人の男性。
そのうち二人は。
寄り添うように。
そして、もう一人の女性を互いに守るように。
そして。
もう一人は。
何かを押さえ込んでいるような格好で。
目を閉じて。
水晶の中にと閉じ込められていた。
彼らが、それを自分達の両親。
シルフィールの双子の兄妹であるホープとアリス。
そして、ヴァルとフィリアの長女。
クリス・・クリスティーヌ。
そんな彼らがそうと知ったのは。
その後日のこと・・・・。
預けられていた。
自分達の親の記憶珠(メモリーオーブ)。
それで、初めて、自分の両親の声を聞いたクリス。
まだ一歳にも満たない自分達を置いて。
どうして、封印。
という手段をとったのか。
母親からのメッセージ。
そして。
ここ、数ヶ月。
竜王達の力と、魔族の腹心たちの力が弱まってきた。
いや、それよりも。
吸い上げられる力が以前に増して。
とうとう、地上にいる生命力までをも吸い上げ始めた。
それが意味するのは・・・・。
封印している両親たちの寿命が尽きようとしている。
ということ。
封印が解ければ。
対抗手段は、もう残されていない。
とも・・・。
自分達の両親が、死んでうれしい子供はいない。
・・・だから。
彼らは話し合った。
そして。
こっそりと、尽きることのない敵襲の中に紛れ。
大人たちが、戦っている最中。
示し合わせて。
ゼフィーリアを抜け出した。
道すがら。
道に落ちて。
朽ち果てている鳥の姿や。
原型を止めなく、骨の跡だけのこっている死体。
まず生き残っているもの達は。
救いと、生きるために、いまだかんばっている唯一の地域。
ゼフィーリアの区域に向かおうとしているようだが。
その旅は、力ない存在にとっては、過酷過ぎるほど。
火山の噴煙は、巻き上がり、粉塵や火の粉。
そして、ヴラバザード率いる異形の存在。
それプラス。
訳のわからない、食肉植物や。
巨大昆虫などが闊歩しているこの世の中。
―どうして、こんなことになってるの?
―それはね。赤瞳の魔王と、赤の竜神が捕らわれているから。
―あの、今攻撃してきているあいつに?
―違うの。あれとは別。ここは、今、ある世界の中に閉じ込められているのよ。
―閉じ込められている?
―そう。誰かが、クリアさえすれば・・・・。世界は元通りになるわ。
フィスも、あれほど、力に飲み込まれないですむでしょうね・・。
物心ついた時に。
一度だけ、話してくれた、水竜王のその台詞。
そのとき。
アクアは。
まあ、フィスは、それでなくても、あの空間の揺らぎ、利用して、次元の狭間に漂っている力、我が物にしようとしてたしねぇ・・。
そんなことを思いつつ。
彼女達を寝かしつける時に。
一度だけ。
ふと、漏らした本音。
いろいろと聞き込んで。
大元の原因が・・・・。
十数年以上前に、ここから始まった。
それまでは。
まだ、それほどあれの攻撃は。
凄惨ではなかったらしい。
・・・・だったら・・・・。
― 今、ここは、とあるゲームの中にいるのも同じ・・。
だったら・・・・。
・・・だったら、そのゲームを誰かがクリアしたら??
かつて。
この世界を魔族側が脅威であったとき。
世界を救い、異世界の魔王ですら、退けたという。
伝説となっているリナ=インバースと。
そして。
人でありながら。
互角に勝負をしつつ。
脅威とみなされ、直に消されてしまったセイルーンの王子。
さすがに、彼らも王子とは呼べずに。
おじちゃん。
と呼んでいたのだが・・。
御伽噺にでてくる、王子のイメージと。
その現実のギッャップが、あまりに大きすぎて。
残されている王女は。
今もなお、別の土地の指揮隊長として活躍しているらしいが。
ふと、アリスは疑問に思うが。
・・どうして、あのグレイシアお姉ちゃんは・・・。
マグマの溶岩の中でも平気なんだろうか・・と。
それは、冷気の呪文によって、解決する。
と聞かされて。
かなり、マリアたちも呪文の研究には大人顔負けの知識を手に入れた。
そう醍醐味している。
だから・・・・。
「・・・でも、本当にまだ、ここにあるの?」
もしかしたら・・誰かが。
ううん。
最もな原因である、あのフィスとかいう奴が始末しているのでは??
不安がよぎるが。
「きっとあるよ。誰も、あれを壊せることなどで気はしないって。誰もがいってたし。」
黒い髪の少年がいう。
その顔立ちは、どことなくシルフィールに似てはいるが。
男の子にしておくには、ちょっともったいない顔立ちである。
「??ね?何か音が聞こえない?」
びた。
クリスが足を止める。
「え?」
そんなの聞こえないよ?
そういいつつ。
首をかしげると。
「・・こっちから!」
クリスが、音がする。
といっている方向にと瓦礫を掻き分けつつ、進んでゆく。
かつて、ここは。
王宮の一室であったのだろう。
その広い空間がかろうじて見て取れる。
もはや廃墟と化しているその建物の中で。
その辺りの屋根はまだ外壁が残っていて。
とりあえず、建物らしさはのこっている。
しばらく進むと。
ぼろぼろになりつつも。
かろうじて、未だに、建物の外観を保っている一角にとたどり着く。
「・・この中から聞こえるわ。」
ギィ・・・・。
その残されし、かつての、セイルーン王宮。
その、広い宮殿の中の一角に。
足を進めるクリス。
ピンクの尻尾がぴくぴくと警戒するように揺れている。
フォ・・・・。
シャゥゥ・・・・・・。
まるで。
水中に入った時のような。
何とも言いがたいような音が。
彼ら三人の子供達の耳にと届いていた。
「・・あ、本当だ。」
がさがさがさ・・・・。
その部屋を探し回ると。
「・・・ここから?」
ごそり。
―――ガタン。
瓦礫の中から。
まるで、まったく、傷を受けていない。
ちょっとしたトランク程度の箱が出現する。
その表紙には・・・・・・。
「・・・・これだね。」
「・・・見たいね・・・・。」
「・・・これが・・・・。」
その箱をみつつ。
『ドリーム・ナイトメア』
ホープ、アリス、クリスの言葉は完全に一致していた。
それは。
未だに、その中で、リナ達がさまよっているゲームの本体。
―――ドリーム・ナイトメア。
ごくり。
「・・・あけるよ。」
そっと。
表紙の水晶に手を当てる。
と。
―カッ!
パタパタパタタっ・・・・・。
その箱は。
サイコロゲームの基盤にと開ききってゆく・・・・・。
パタパタパタタ・・・・。
その途中には。
三箇所も二つづつ駒があるマスが。
まばらに見受けられていた。
「一・・ニ・・三・・・。ちょうど、残りの駒は・・三人分だよ?」
残っている駒をみつつ。
「・・・・覚悟はいい?」
「・・・このまま、じわじわとなぶり殺しをまつよりも・・・。」
少しの可能性に賭けたほうがいい。
とあるゼフィーリアの中にあった。
とある商家で見つけた言葉。
―たとえ、一%の可能性以下でも、信じれば、それは100%以上の真実となる!
と。
その言葉に、勇気付けられ。
そして。
今、ここに、彼らは決意してやってきているのだから・・・。
カチャリ・・・。
三人が、三人とも。
残りの三つの駒を手に取り。
二つのサイコロをと握ってゆく・・・・・。
「・・・ねぇ?父さん、もうちょと、どうにか・・・・。」
横のほうで、母親のお腹をつついている妹をみつつ。
金色の髪に碧い瞳。
その髪と瞳の色は、父親譲りのその彼が深く溜息ひとつつく。
「お母さん、お腹、大きいねぇ。」
「そうよ。誰かさんのせいでね///」
潤んだ瞳で、傍らにいる、金色の髪に碧い瞳の男性を睨んでいる。
栗色の髪に紅の瞳の色をしている女性。
年月は、彼女を今まで以上に、綺麗に、色っぽく艶やかに。
かなりの美人へと変化させていた。
もう、美少女というよりは美女。
これに尽きる言葉はない。
「??コウノトリが運んでくるんじゃないの?」
キョトンとしているのは。
母親そっくりの栗色の髪に、父親譲りの碧色の髪の少女。
歳のころは十ニ歳。
「何をいうんだ。ユーリ。やってる回数を考えるとこんなもんじゃないぞ?それを考えると、当たりが悪い・・・。」
しみじみうなづいているのは。
金色の髪をして、碧い瞳をしている男性。
年月が経過しているというのに。
外見が変わっていないのが。
まあ、彼だから。
と納得せざるを得ないのだが・・・。
「こ・・このぼけぇぇ!!///こ・・子供に何てことをいうのよぉぉお!!!//」
スッパァァァン!!
ココナツの木の実で作った、ハリセンがまともに彼の頭に直撃する。
「い・・いってぇなぁ!リナ!何するんだよ!」
抗議する恋人たる男性に。
「子供に何てことをいうのよ!あんたは!」
「いや、だって事実だろ?あれだけ、毎晩、いや、続けて、やってるにも関らずに、この数・・。」
・・・・・・。
「・・・・・メガブランドぉぉぉぉ!!」
チュドドォォォォン!!!
ぜぃぜぃ////
真っ赤になって呪文で吹き飛ばす。
・・・まあ、リナが子供にばっかり。
かまうから、ちょっと、リナに入れるときはvv。
コントロールしてるけどなvv
そんな彼の心情を、艶やかな女性・・リナは知るはずもなく。
「あ、父さん、海のほうに飛んでった。」
「じゃあ、今晩は、深海魚でも食べれるねvvエリー、食事の用意をし始めようよvv」
姉である少女にいっているのは。
年違いの弟であるユーリ。
姉が、母親によく似ていて。
弟が父親によく似ている。
そして。
次にできているのが、双子の女の子に。
次にできたのが、男の子。
そして、ただ今、三歳になる女の子に。
そして今。
またまた妊娠している彼らの母親。
リナ=インバース。
そして。
そんな彼らの父親は・・。
言わずとしれたガウリイ=ガブリエフである。
「??ユーリ?どうして、私達が準備をするの?」
「・・・エリー・・・・。その辺り、本当に母さん譲りだよね・・・。」
深く溜息一つ。
たぶん、母さんもわかってないんだろうなぁ・・・。
呪文なんかで吹き飛ばした後は、最低でも3日間は閉じ込められているというのに・・・。
今だに真っ赤になって、ぜいぜいいいっている母親をみつつ。
そして、姉と見比べつつ。
「・・・はぁ・・。」
彼・・ユーリ・・。ユリウスは。
大きく溜息をついていた。
よくもまあ。
あんなに鈍い母親をどうにかできたものだ。
と、母親をプレゼントして。
父親に以前問いただしたことがある。
『ん?いやぁ、我慢が効かなくなって・・襲ったvv』
・・・普通、子供にすんなりとそんなことをいうか!?
こ・・この父親は・・・。
と、一瞬。
汗をかいた記憶もあったりするが・・・。
ここにいくら人がいなく。
無人島であり。
父と母しかいない。
まあ、これは。
理由は、母親が。
―どうやら、とあるゲームをしていて。その中に閉じ込められているようだから。どこかに現実世界の接点というか出口があるはず!
と毎日のように、話しているので。
今の現状は、理解しているが。
そんな中でも。
母親の鈍さには。
他の人と面識がない、自分でもわかる。
がさり。
案の定というか。
その日は。
ユーリの危惧のそのままに。
食事を取るまもなく。
両親専用のコテージの中の寝室に、父親に抱きかかえられてゆく母親の姿。
「じゃ、今日は、私の手料理ね!」
このエリー。
母親であるリナに似て。
かなりの料理上手ではあるだけあって。
「わぁぃ!エリー姉ちゃんの手料理!」
と喜んでいる、リリー、ルル。
ユーリのすぐ下。
といっても、六歳離れているが。
双子の女の子の姉妹の二人。
「じゃ、この3日間の予定を決めようか?」
ユーリの言葉に。
「??何で?母さん達の意見はいいの?」
「・・・・だから、絶対に出てこないって・・・。」
「・・どうして?」
まったく理解してない。
この長女たる姉に。
「・・・エリーは今のままでいいよ・・。」
というか・・・・。
俺が守らないとな・・。
今ここ、俺達だけだからいいけど・・。
絶対にだまされるタイプだよな・・・。
母さんも、父さんにだまされて掴まったようなものだし・・・。
内心、頭を抱えるユーリの姿が見られていた。
「ちょ・・やめ・・・や・・ん♡」
「お仕置きvv」
「ひぁ!何処触って・・・ん・・・ん・・あん//」
ン・・・。
そのまま、いつものごとくに。
ガウリイにその身を任せるハメになるリナの姿が、二人専用の寝室で見受けられていた。
子供達が出来。
それぞれの子供部屋用にと。
かなり、この小屋は。
始め一つしかなかったものの。
結構な数の小部屋などが出来上がり。
ちゃっかりと。
夫婦専用の寝室を作っていたりするガウリイ。
リナを説得して。
まあ、その説得の仕方がリナにとってはいい迷惑だったのだが・・。
リナの魔術で、声が外に漏れないように工夫されていたりする。
それと、子供達ように各一部屋ずつ。
子供が出来るたびに。
どんどんと大きくなっているこのログハウスであった。
「パパァ・・ママァ・・・・。」
ちょこまかまか。
小さな女の子がかけてくる。
ようやく、このたび、四歳になったばかり。
両親譲りの黒い髪。
そのパッチリした目は、母親譲り。
「ほらほら、アリア。危ないわよ?」
「まったくだ。」
ひょい。
そんな幼い子供を抱き上げるのは。
漆黒の髪をしている男性。
数年前。
ゼルガディスが、とある遺跡にたどり付き。
そこにあった、資料と。
その遺跡の力によって。
合成されていたロックゴーレムとブロウデーモンとを切り離し。
それでいて。
それらの力を一つの珠にと封じ込め。
それを身に着けていると。
以前のような魔力のままと防御力を保てる。
という何ともおいしい結果となっていた。
そして、晴れて。
人に戻ったから。
というので、アメリアにこんな場所で言うのも何なんだが・・。
と、テレながら、アメリアにプロポーズしたゼルガディス。
「元の世界に戻ったら。 きちんとフィルさんにも挨拶するからな。」
「はい!!」
満面の笑みで、なきじゃくりながら。
オッケーを出したアメリア。
そんな二人の間に出来た初めての子供である。
「後は、この辺りだけですよねぇ・・。」
ぜいぜいぜい・・・。
「い・・・一体、何処に隠したんでしょうか・・・・。」
ぼやいているのは、黒い神官服を着ている男性。
ありとあらゆる、銀河と惑星をこの、十数年間。
ずっと捜しまくっていて。
ようやく、ある程度の範囲を絞り込んだものの。
今だに、盗まれているその『ゲーム』は、まだ見つかっていなかった。
フォォ・・・・。
「・・・あれ?この音・・・・。」
アメリアが耳を澄ますと。
記憶の彼方で。
かつて聞いたことのあるような音・・・。
これは・・確か・・・・・。
「ゼルガディスさん!音です!」
「・・・・音?」
「・・こ・・これは!」
ゼロスが首をかしげ。
ゼルガディスが、目を見開く。
忘れようにも忘れられない。
そもそもの原因となった、あの物質が。
発していた音と、まったく同じ音が。
遺跡の奥から聞こえていた。
「・・・・じゃ、いくよ・・。」
ごく。
スタート地点に。
残り三個の駒を置き。
まず、ホープが。
先手をきって、サイコロを握っていた。
・・・・・コロロロロ・・・・・・・・ン・・・・・・。
サイコロの転がる音が。
廃墟と化した、元セイルーン王城にと響いてゆく・・・・。
-続くー
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まえがき:
こんにちわ♪
これは笑うしかない!
これの前に打ち込み始めていたのより、こっちの方が多くなってくる!?(汗)
・・ま、いっか♡
それでは、シリアス街道、しばらく突き進みますが・・・・。
ご了解?という人だけどーぞvv(だからまて!)
#####################################
あとがき:
薫:よっしゃぁぁぁぁぁ!!!
んっふふふふふ♪
いやぁ、ガウリイとリナvv仲がよろしいことでvv
姫:・・というか。
避妊道具もなしに、コントロールするガウリイ・・。
さすがガウリイよねvv
薫:・・・・普通無理でしょうにね・・(汗)
自分の意思でホルモンのコントロールなんて・・(汗)
エル:まあ、ガウリイ曰く。
『リナが子育てとかいって、かまってくれない・・。』
とかいって。
かなりいじけてたからねぇvv
姫:でも、ガウリイ。
リナが妊娠してても、全然気にしてないけどねvv
薫:・・・・・・・・・・・。
リナ・・・とんでもない人に惚れましたね・・(汗)
エル:まあ、リナ、覚えてないけど。
姫:ガウリイの初恋の相手・・・・。
リナだからねぇ・・・。
エル:だから、あの盗賊をリナが退治してたとき。
たまたま近くにいたガウリイがリナを一目みて。
口実つけて、リナの側にいたくらいだからねぇ(はあと)
姫:リナ、あの時から、罠にはまっていたからねvv
薫:・・・そ・・それって・・計画的っていうんじゃ・・(汗)
エル&姫:そーよvvだから面白いんじゃないvv
薫:じ・・・情熱的で・・(汗)
(というか、あの当時・・リナは、十四歳・・。ガウリイは、二十ニ歳・・は・・犯罪じゃ・・汗)
エル:あらvv年の差、カップルなんて多いわよvv
姫:そうそうvv
薫:・・・そ・・そーいう問題でも・・(汗)
歳の差、カップル。認めます。
でも、それは、互いに愛し合っているからであって・・・。
自分だけを振り向かせるように、細工していくっていうのは・・(汗)
姫:いいのよ。リナ、まったく気付いてなかったから。
薫:・・・・・・・・・・・・。
と・・とりあえず・・・・。
次回。
復活!!アメリア&ゼルガディス!(こらまて!)
エル:ようやく、話しが続いていくのねvv
薫:・・ぐさぁ・・(汗)
そ・・それでは・・・。
エル&姫:まったねvv
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