悪夢の夢 第16話
「さて、残った皆様方。改めて、自己紹介させていただきますわ♡」
厳しい表情から打って変わり。
残った人々に向き直り。
にっこりと笑いかけるヴィーナス。
すっ。
ドレスの端をつかみ、その場にと膝まづいてゆく。
「ようこそ、我がゼフィーリアへ。我がゼフィーリア王家は、この世界の見守り役を仰せつかっております。
強いて言えば、赤の竜神と、赤瞳の魔王、直属の配下であり、そしてまた、かの御方の部下にも当たります。
それゆえに、代々王家の長男と長女は、男女に生まれ。光と闇の力を併せ持っております。」
残った人々に説明をしつつ、一礼しているヴィーナス。
いきなりこんなことを言われても、理解などできるわけもないのだが。
「我々は、即位とともに、代々の記憶と力を受け継ぎます。ゆえに、『永遠の女王』とか『永遠の王』と呼ばれるのですが。」
アルテミスが、続けざまにお辞儀をしつつ、説明する。
本来は、それだけではなく、王位につくと、その時間率すらも、人とは異なる時間を過ごしてゆく。
つまり、彼女達、ゼフィーリア王家。
実は、神と魔。竜神と魔王。
光と闇。
それに匹敵する、いや、それ以上の権限を与えられているのである。
だが、それは、本当の緊急事態のみ。
大概は、見届け人を決め込み、手出しはしない。
それゆえに。
同じく見守り役の任であった、彼らもまた。
抵抗せずに、滅ぼされてしまった。
という事柄もあるのだが。
緊急事態以外は、手を出さないように。
そう命令されているからして。
ゆえに、ここ、ゼフィーリアは。
光と闇の力が集まる理由もあるにしろ。
やたらと、他と違い屈強な存在がごろごろと誕生したりするのであるが。
神の力と魔の力。
光と闇、生と負。
そして、この星自体がもつ力。
それらがすべてここに集まるがゆえに。
ヴィーナスと、アルテミスの説明に。
しばし意味を図りかね。
しばらく黙り込む人々。
と。
「それはそうと、獣神官?何のようです?」
ヴィーナスが。
ふと、虚空にいたゼロスを見据える。
ざわめく人々。
人々の間に。
突如として、黒い影が躍り出る。
そんなヴィーナスの声に、人々がそちらに注目する。
「いえね。実はですね♡面白いことが分かりましたので♡
ヴラバザードさん、幻滅の王の力を使って、いろいろとやっているようなので、その後報告に♡
そのために、殺されたりした生き物すべて、 自分の手下にと変えているようなので♡ご報告に♡」
にこにこにこ。
あいかわらずに、にこにことしつつ。
人差し指を口にあてて、横に振りつつ、言っているゼロスの姿。
「??ゼロス殿?それは一体?」
不思議がるフィリオネル。
「それはですね♡不死の王を名乗っていた、異世界の魔王の力です♪
それを利用しているみたいなんですよね♡これがまた、面白いことに♡
あの力は、輪廻に乗ることもなく、その手にかかると、永久に、そのものの手足となり働くしかないんですよ♪
精神というか魂自体が消滅するその瞬間までvv」
にこにこにこ。
始終笑顔であっさりと語るゼロスの言葉に。
『な゛!?』
人々の驚きの声が重なってゆく―。
続々とゼフィーリアに避難してくる、またはつれてこられる存在達。
手分けして、避難民の支援に回る人々や生きとしいける存在達。
そんな日々がせわしなく続いてゆく。
ヴィーナスとアルテミス。
つまりは、ゼフィーリアの女王と、その弟の王子は。
結界の維持のために、ゼフィーリアの地下深くにある、聖なる魔法陣のその上で、結界を強化していっている。
そうしないと。
さすがにヴラバザードの力に負けてしまうからして。
数日が過ぎ。
今だ続々と集まってくる非難民。
「我ら、上に立つもの、民間人や国民を守る義務がある。」
といって。
その自らかせられているその役を、まっとうするために。
あえて自国や祖国にもどっていった代表者や国王たち。
常に連絡を取り合うことを決め合って。
――心弱き者共、闇に捕らわれん―
心と精神さえ、強く持っていれば。
たとえ、襲われたとしても。
異形の怪物にと成り果てたり。
敵に捕らわれてしまい、敵の駒と成り果てることもない。
という。
地竜王ランゴード・・アッシュのアドバイスを心に刻みつつ。
「じっくりと・・・じっくりと、我をないがしろにした者達よ!我のちからを思いしるがいい!はははは!!」
見下ろす下界の隅々で、巻き起こる苦痛の声や空気をみつつ。
一人、勝利の酒に酔いしれているヴラバザードの姿が。
元サイラーグの中心地帯。
かつて、フラグーンが茂っていたその場所に。
今は、彼の拠点としている神殿がある。
雲まで伸びている高い神殿。
その頂上にある玉座にて。
一人笑っているヴラバザードの姿がそこにはあった
光と闇は互いに干渉し高めあう。
―が。
今は、光の力そのものがこの星から、命の輝きともいう生きる意欲が。
失われつつある今。
ヴィーナスの力の源は。
アルテミスとの共鳴により高まり作り出されるその力のみ・・。
姉であるヴィーナスが光の力を。
弟であるアルテミスが闇の力を。
それらを有しているがゆえに。
ヴラバザードは。
始めの半年も満たない期間で。
主たる大国のすべてを破壊しつくし。
後は、じわりじわりと、破壊の道しるべを築いていっていた。
数年もしないうちに。
この星は、混沌とした混乱の渦の中にと。
出口のない迷路にと陥ってゆく。
今。
この星で。
唯一。
安全な場所とされるところは・・・。
ゼフィーリアのみ・・・・・・・・と、なリ果ててゆく………
・・・・・・・・・・・時は・・無常に過ぎてゆく・・・・。
ドサッ。
「ほおら、リナ♪こんなに大量だぞぉ♡」
ガウリイが、家の中に様々な果物などを置いていう。
「・・・・・・。」
そんなガウリイをうらやましげに見ているリナ。
「どーした?リナ?」
キョトンと、にこにことしているガウリイに。
「・・・・服、返せぇぇぇぇぇ~~!!!!!!」
リナの絶叫が響き渡る。
ログハウスの中。
ガウリイ手作りの木のベットの上。
そして、ガウリイ手作りの羽根布団。
麻を細かく斬って、検圧で編みあげ、その中に。
この島に正則していたモンスターの羽や。
鳥の羽を敷き詰めた羽根布団。
体の下には、麻で編んだ敷布団。
この中には。
この島に生息していたスライムを閉じ込めているので。
ぷよぷよと、まるでウォーターベットの寝心地であるのだが。
羽根布団をしっかりとその胸の前でしっかりとつかみ。
真っ赤な顔でガウリイを睨んでいるリナ。
今、リナは、ベットから出られない。
リナは今、何も身につけていないからして。
何しろ、これで幾度目か。
またまた服をどこかに隠されてしまっているからして。
リナはどうにも出来はしない。
「え~?いいじゃないか♪まだやるし♡」
にっこり。
満面の笑みを浮かべつつ。
リナに近づいてゆくガウリイ。
パサ・・。
歩くがら、服を脱いでいるのはどういうわけか・・・。
「いいかげんに・・・やっ!!・・・ん///」
どさっ。
口をふさがれ、そのまま、再び押し倒されてゆくリナ。
「・・・ん・・や・・ガウリイの馬鹿!大っ嫌い!///」
真っ赤な顔で、瞳を潤ませて抗議しても無駄だと思うが。
リナが潤んだその瞳でガウリイを睨みつけると。
「そーか?ま、本音は今からじっくりと聞き出してやるって♡」
にやり。
意地悪く笑い。
そのまま、顔を首筋にとうずめてゆく。
「やぁ・・ぁ・・・・」
結局。
ここに来てどれくらいたつのか分からないが。
いつもこのバターンで。
リナはガウリイにいいようにされていた。
「・・・ん//あ・・・・。・・・やん//」
ギシギシギシ。
ベットのきしむ音と。
リナの甘い喘ぎ声がいつものごとくに響いてゆく・・・。
リナとガウリイが今いるこのログハウス。
すべて木で造られているこの家は。
ガウリイが、その剣で、木々を切り倒し。
切りそろえて、そして組み立て、立てたのだが・・・。
こういう知識は。
昔、祖父や祖母に教わって、ガウリイは知っているからして。
この家を建てた一心は・・。
『リナと俺の愛の家♡』
であるのだが・・・・。
何と二日で建てているガウリイ。
リナがからむと。
どんなことでもやり遂げるガウリイである。
雨などをしのげる家ができたのはいいとして。
そして、その中にある。
ガウリイ手作りの家具のことごとくが。
すべて、ペアになっているのもまだいいとしても。
家が出来てからというもの。
リナは、なかなか外出がままらなくなってしまっていた。
理由は・・押して知るべし。
「うっうっうっ///馬鹿ガウリィ~//」
真っ赤になりつつ。
動くに動けないので。
というか、足腰が砕けてというか力が入らない。
なぜかは追求しないのが親切というものであるが。
あみあみあみあみ・・・。
ガウリイが食べ物などと一緒に採集してくる、麻などをほぐし、糸にして。
ベット上で、普段着などを作るのが、リナの日課と成り果てていた。
「さあ、今日もがんばるぞぉ!」
言って、一人張り切るガウリイ
今、彼は大変に満足していた。
何しろ、リナと二人っきり。
誰にも、邪魔されず、そして、いつでも、すきなだけ・・。
リナにとっては災難に近いのであるが。
「リナにはしっかりと精力と体力、つけてもらわないとなぁ♪あいつ、すぐに気絶したり失神するからなv」
とんでもないことをいいつつ。
海に向かって、思いっきり剣を一振り。
その剣圧で。
海がはぜわれ。
その衝撃で、魚などが浮かんでくる。
そして、魚や木の実、果物を集めるガウリイの姿が。
ここ、一つしかない小さな島の中で見受けられていた。
「ま、いつ戻れるのか分からないしvv状況は、じっくりと楽しませてもらわないとな♡」
何しろあのリナのこと。
こんなチャンスは。
誰かがいたりしたら、まずないというかありえない。
人がいないからこそ。
リナが照れて、呪文を放つ。
ということもしないからして。
「リナに俺を今まで以上に、忘れられなくしてやる・・ふふふ。」
すでに、ガウリイにとって、元の場所に戻るというよりは。
リナと二人っきり。
というのが焦点にと摩り替わっていた。
何しろ、誰も邪魔するものはいないのだからして・・・。
この島にいるのは。
ガウリイとリナの二人っきり・・・・。
そして。
ここには。
この島以外はすべて海が広がっていた。
ガウリイにとっては、まさに楽園。
といってふさわしい場所である・・・・・。
「・・・ゼロス!?」
「ゼロスさん!?」
「??誰です、貴方たち?」
がさがさがさ。
目の前にいる人物に三人の声が重なる。
この世界を歩き回るうちに。
古代の遺跡らしきものをみつけたアメリアとゼルガディス。
ひょっとしたら、ゼルガディスの体を元に戻す手がかりがあるかも。
というので。
元の時代に戻ることを捜しつつ。
木々などに埋もれている遺跡の発掘にと、いそしんでいるアメリアとゼルガディスのこの二人。
恐竜たちなどをかわしつつ、遺跡めぐりを始めて大分たつ。
古代の天文学もレゾと共に学んでいたゼルガディス。
それゆえに、星の配置具合から。
今が自分達がいた時代から、どれくらい前なのか大体の見当はつく。
そして、今がどの季節なのかということも。
星の配置で理解するのみ。
二つ目に訪れた遺跡の中で。
どうやら、この時代の世界地図らしきものを手に入れたはいいものの。
自分達が、今、どの大陸にいるのかがわからなければ話にならない。
あのまま、かつてのセイルーンがあった大陸にいる。
そう断言するのは否。
根拠がなさ過ぎる。
あれから何ヶ月経過したことか。
そんな中で。
たどり着いた遺跡の中で。
ゼルガディスとアメリアは、知っている顔を見つけたのである。
いきなり名前を呼ばれ。
首をかしげているゼロス。
「?おかしいですねぇ?この辺りには人間・・いないはずなんですけど?まだ生き残っていたんですかねぇ?」
いいつつ首をかしげる。
この辺りの人間は。
かなり前に。
自滅して、滅んだはずである。
自らが生み出した技術によって。
首をかしげているゼロスに。
「おい、ゼロス、聞きたいことがある。」
ゼルガディスが話しかける。
「??あなたたち・・誰ですか?」
自分は彼らを知らないのに。
彼らは自分を知っている?
というか、この人。
どうして、古代のように、流行っていた、合成獣なんでしょうか?
ゼロスの問いに。
「えええ~!?ゼロスさん、私達を忘れたんですかぁ!?そんなの正義じゃないです!
やっぱり魔族なんて半端であこぎな家業をしているからです!
さあ!今こそ正義の道に生きることを改心して、私達を思い出してください!」
ぴっ。
アメリアがゼロスに向かって言い放つ。
「・・い・・いや、アメリア、・・多分・・このゼロスは・・。」
このゼロスは、俺達の知っている時代のゼロスじゃないから。
そうゼルガディスが言いかけようとするが。
すでに。
「さあ!ゼロスさん!!ご一緒に!人生ってすばらしい!」
「・・・う゛(汗)・・・い・・一体何なんですかぁぁぁ~!!?」
さすがに、ちょっぴしこの攻撃はちょっときついものがあるゼロス。
と・・いうか。
この人間達・・。
どうして、僕が魔族だって、どうして知っているんですか?
し・・しかし・・これはちょっと・・効きます・・・(汗)
アメリアの生の賛歌の攻撃に、多少たじたじになっているゼロス。
「ゼロス、単刀直入に聞くが。
ここがいつ・・・・といっても分からないだろうから。この時代には、神魔戦争があったか?」
最も完結な目安。
おそらく。
あんな恐竜がいるのだからして
起こってないとは思うのだが。
もしかして。
どこかの島には生き残っている恐竜もいるかもしれない。
ここが過去である。
というのは間違えようもない事実であるが。
何しろ。
滅んだはずの、魔竜王や、冥王の力が使えるのだからして。
ゼルガディスの問いかけに。
「??だから、どうして、僕を知っているんですか?それに、何ですか?その、神魔戦争って??」
ただただ首をかしげるゼロス。
この人間達・・。
ちょっと、警戒したほうがいいですね。
オーラもちょっと変わってますし・・。
そんなことをゼロスが思っていると。
「・・じゃあ、質問を変えよう。おそらく、俺達が、ここに来る原因となった。
・・おそらく間違いはないと思うが。・・・『ドリーム・ナイトメア』というサイコロゲーム。知っているか?」
「―――――――――え゛(汗)」
ぴしっ。
その言葉に。
「あれ?ゼロスさん?」
こつん。
アメリアがつつくと。
ギギギ・・・ゴトッ。
そのまま、ゼロスは、硬直したまま石化していた。
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
####################################
まえがき:
こんにちわ♪
・・・さてと・・(汗)
ノート、十ページになってもまだ終わりになってないこの話・・。
まじで何話になるのでしょぅか!?
・・・八ページ後から、ようやく物語が始まりかけるし・・・(汗)
・・・ま、とりあえず、いくのです♪
ちなみに。
何話先になるか分かりませんが・・。
かなり、ダークになること間違いなし!
・・シルフィールの不幸が
嫌な人は見ないようにしましょう・・(かなりまて!)
#####################################
あとがき:
薫:・・・元の世界は大変なことになってるのに・・・。
ガウリイは、リナにラブラブだし・・・。
というか、あの情況、
ガウリイにとっては、おいしすぎるのでしょうけど・・(汗)
アメリアとゼルガディス。
過去にて。
ゼロスと対面を果たしてます・・。
ときどき。
リナサイド。
アメリアサイド。
組み入れながら。
・・・・物語を進めていきます・・・・。
(でも、完全には本筋を主とする!)
前ぶりでもいいましたが。
・・・・・・・・・・・。
シルフィール。
このたびは、不幸、決定です!!(まてこら!)
・・クリアしたら、すべてが初期化されるので・・。
いいんですけどねぇ・・(だからまて!)
ではでは・・・。
また・・・・・。
HOME TOP BACK NEXT