悪夢の夢 第14話 ~動きだす者~
「と・・ともかく、次・・次・・。」
コロン・・・。
シィィン・・。
大きなマスだというのに何もおこらない。
「?では、次だな。」
コロロロン・・。
トトトト・・・ピタ。
「あ・・同じマス・・・。」
ルナがつぶやくと同時に。
ゆらり。
水晶が揺らめいて文字を奏でてゆく・・・・。
「あ、何か文字が・・。」
―共同の位置にとまりしは、汝らの試練の始まり 切り放たれた汝らのその力
異郷の地で、ためされん その地、収まりしとき 元の扉がひらかれん―
すぅぅぅぅ・・・・。
『これって・・・・・。』
二人して、顔を見合わせる。
一番畏れていたこと。
―――カッ!!
「んきゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うどわぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
水晶からまばゆき光が部屋に満ち溢れる。
―試練、始まりし。 進めざるもの、無にして、しばし眠りたまらん・・・・―
ガタガタガタタっ。
二人が水晶に吸い込まれてゆく刹那。
参加者がいなくなったので。
水晶に文字が浮かび上がる。
そして。
誰も触っていないのに。
パタン。
ゲームの基盤が閉じられてゆく。
――――アクア、アッシュ、スカラ!飲み込まれたわ!!どうにか頑張るから・・後はお願い!
――――子供達!!やっぱり飲み込まれましたぁぁ!!後は、お願いしますね!・・滅びないようには頑張りますから!
吸い込まれてゆく直前。
ルナとレイは。
互いに部下達に精神感応を使って、語りかけてゆく。
ゴゥ。
部屋の中に一陣の風が吹いたかと思うと。
そこには、今までいたはずの二人の姿も。
そして、あったはずのゲーム機も。
すべてなくなっていた。
いや、そのゲームの始動している気配はしている。
―この城のどこかに。
あるにはある。
――が。
今は、その姿は皆目、みつからなくなっていた。
ぴた。
「どぇぇぇ!?」
ルナからの通信をきき。
パニックに陥るスカラ達。
「んきゃぁ!?魔王様ぁ!?」
フィーラがその言葉に叫び。
「お父様、滅びないでくださいましね・・・。」
ふと、空をみあげてつぶやいているダルフィン。
「・・・・・あと、制限は・・三人・・か。・・誰か・・次にいくか?」
ぽつり。
そういうグラウシェラーの言葉に。
『・・・・・・。』
竜王三人、そして、魔王腹心四人は。
互いに顔を見合わせていた。
「・・・・はっ!」
「・・これは!?」
現実逃避に走りながら。
城の中に出現してくる人食い花を駆除しつつ。
お茶タイムをしていたシルフィールとフィリア。
にこにこと笑いながら。
そして、叫びながら。
モーニングスターと、
そのロッドをもって。
叩きのめしているのは、まあいいとしても・・・。
ふと。
今まで感じていた気配が途絶えた。
「フィリアさん!」
「ええ、シルフィールさん・・。どうやら、ルナさんと、ロートル魔王も。そのゲームの中に吸い込まれてしまったようですわね・・・。」
城の中から。
感じていた二つの光と闇の気配。
それが、瞬時に掻き消えた。
それが意味するのは。
会議でいっていた、危惧が。
現実となった証。
「・・ま、まあ、リナさんとガウリイ様は、おそらく、あてには出来ませんから・・。
後は、ルナさんと、生塵魔王と、ゼルガディスさんとアメリアさんに期待するしかないですわね・・。」
シルフィールのつぶやきに。
「?どうして、リナさん達はあてにはならないんですか?一番頼りになるのは、彼女達のような気も??」
最もな意見をいっているフィリア。
「あら?でも、ガウリイ様と、リナさん。二人っきりの無人島に送り込まれているそうですし・・。
ガウリイ様が、リナさんと、そんなおいしい状況・・。そのまま、受け入れるにきまってますし・・。」
ふぅ。
溜息ひとつ。
「・・確かに。あのガウリイさん、すごい、リナさんにラブラブパワー、放ってましたしね・・。」
ふと。
一緒に旅をしていたときの様子を思い浮かべる。
「ええ。それに気づいてなかったの。リナさんだけですし。」
はっきりいって。
ただの通行人でも、ガウリイがリナを好き。
というのは、一目瞭然だった。
というのに。
リナだけは気づいてなかったこの事実。
「ま・・いわれてみれば・・。確かに。好き好んで、そこから出てくるとも思えませんね・・。」
シルフィールが言わんとすることを察知して。
少し真っ赤になっているフィリア。
「ですから、アメリアさん達に期待しましょう。それまで、何とか、こちらは持ちこたえないと・・・。」
ゴゴ・・・。
光と闇のバランスが崩れ。
その一瞬。
星中で、ちょっとした地震が撒きおこる。
揺れの最中。
世界中で、また別の異変が撒き起こってゆく。
世界中に広がるオーロラ。
磁場が狂い始めたのである。
「・・・これは!?」
とある王宮で。
ルナに言われて、世界を保っていた彼女。
ルナの気配と魔王の気配が消えたことを突き止めるのは。
そう時間はかからない。
「姉上。これは・・。」
「わかってるわよ。」
とりあえず、この地震だけでも、どうにかしないと・・。
弟の顔をみて、顔を見合わせうなづく二人。
「久方ぶりに、出番よ!」
「そうですね。ここしばらくは平和だったのに・・。」
そういって。
玉座の間の後ろにある模様を触る二人。
二人が触れると。
そこに、扉が出現する。
その中にと入ってゆく。
コッコッコッ。
「・・・我、盟約のもと、赤の竜神スィーフィードの名のもとに。」
「・・・我、盟約のものと、赤瞳の魔王シャブラニグドゥの名のもとに。」
『今ここに、彼らの名代として、光と闇を預からん!』
――カッ!!
二人の声とともに。
ゼフィーリア全体から。
空にむかって、金色の光が満ち溢れてゆく・・・。
「・・これは!?」
「・・どうやら、名代に。あの姉弟が仮にたったようですわね・・。」
一人のつぶやきに。
ぽつりと答えるゼラス。
北のほうで。
空に伸びる一筋の光の柱。
トクン・・・。
「こ・・・・これは!?ふ・・・ふはははははは!!!!!!」
何という好機!
今まで、ただ隠れていたわけではない。
ただ、ただのスィーフィードの力より、その四分の一しかない自分が。
天竜王、水竜王、地竜王。
彼らを相手に、どうこうできるわけでもない。
ましてや、認めたくないが。
あの地方にいた、赤の竜神の騎士。
あれが、まさか、赤の竜神本人だったとは。
一番の誤算。
だが・・。
「二つの闇と光の気配は掻き消えた・・。今こそ、この世界は我の手に!!」
我が一番強いのだ。
弱者は滅びるのが定め。
赤の竜神や赤瞳の魔王などしったことではない。
すべてを駆除して。
我が理想の世界を築き挙げるのだ!
「ふははははははは!!それに、みろ!運命も我の味方にあり!」
自身からあふれ出る力。
次元の狭間をいろいろと探査・・・。
言い換えれば逃げ回っていたともいうが。
そこでみつけた。
一つの歪み。
その中に。
何と、複数の力だけが。
ただよっているのは、これ好都合。
意思があるようで意思がなく。
自分の問いかけに。
すんなりと、答え、そして、わが身の力となりえたその力。
自分の中には。
複数の神々と魔王達の力が今は満ち溢れている。
この力を使えば、怖いものなどない。
―そう、それがたとえ、金色の王だとしても。
にやり。
「まずは・・そう。ちょうどいい・・・。代表者がそろっている今がチャンスだ・・・。
まず、この力を試すには・・・・。あの聖王都などとほざいている・・・。」
ぺろり。
舌を嘗め回し。
「フレイ、分かっているな?」
「御衣。すべては、ヴラバザードさまのお心のままに・・。」
火竜王、側近。
フレイ=ウルド=バルバード。
火竜王の言葉に。
頭を下げて。
そして。
「火竜王様に逆らう害虫は。すべて消滅あるのみ・・。」
「そうだ!我が絶対主なのだ!ふはははははは!!!」
――――――――ドン!!!!!
その刹那。
復活をとげつつあった。
サイラーグの町が。
あっという間に消滅し。
そこに出現するは一つの城。
火竜王が拠点とするべく作り出し。
炎に包まれた神殿・・・・・。
「い・・・・いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
城の屋上で。
人食い花を駆除していたシルフィール。
故郷から、立ち上がる、すざましい力。
いなくても分かる。
その巫女たる能力で。
見えるのは。
いや、感じるのは。
サイラーグが。
今、その瞬間に。
なくなってしまった。
ということ・・・・・・・。
「か・・・火竜王・・貴方と言う人は・・・。」
ギリ。
罪もない、人々の命まで奪うのですか!?
私達が、命をかけて、使えていた火竜王様のその真実は。
すでに、狂気。
いや、すでに、狂っていたのはわかっていたはず。
でも。
誰も止められなかった。
ただ、命じられるままに。
古代竜を滅ぼして。
そう・・。
そう、何も疑問も感じずに。
ただただ使えてきた存在がいるからこそ・・。
フィリアが叫ぶシルフィールを抱える。
「・・・ゼラス様、サイラーグってとことん不幸な町ですねぇ・・。」
「しかし・・・・・・。危惧していたことがどうやら現実になったようだな・・・。」
ゼラスがその額に冷や汗一筋。
見たこともない、異形の存在がルナとレイが消えた直後に。
世界中で溢れかえり暴れまわっている。
これがまた。
簡単な呪文などでは通じずに。
いわゆる、異世界の存在であるからして。
手をやいているこの状況。
対抗できるのは。
はっきりいって。
一握りの存在のみ。
あっという間に。
星のいたるところで。
炎が上がってゆく・・・。
「・・・・火竜王は。ゲームの中に閉じ込められて、コマとされていた。神々と魔王、それ以外の力を。その身に吸収したようです・・・。」
『な゛!!!!!?』
力のない、人々を守っているのは、アクア。
そして水神官パールディア。
あまり戦力を守るほうばかりに使うわけにはいかない。
かといって。
見過ごすわけにもいかない・・。
人々が、今起こっている状況を知ったのは。
上空に。
ぽつりと。
一つの影が浮かんでいたそのとき・・・。
「・・・ここが、セイルーンか・・。我が主、ヴラバザードさまのために・・。消滅せす!!!」
ぽう・・・・。
その手に。
赤い炎が収縮してゆく・・・・。
『転送!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
その炎が解き放たれると同時に。
ゼフィーリアの土地の聖なる場所にて。
その地殻の奥深くに存在している聖なる場所。
そこから。
二人の男女の声が。
同時に響き立っていた。
-続くー
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こんにちわ♪
あ゛あ゛あ゛・・・・。
また、寝坊しました・・(滝涙)
しくしくしく・・・。
せめて、八時には起きないと・・(涙)
し・・・小説が打ち込めない・・(涙涙)
まあ、先日、三時まで起きてたせいですけどねぇ・・(涙)
それでは♪
ようやく、始めの中間地点までにやってきました♪
よければお付き合いくださいな♪
悪夢の夢♪
それでは、いってみましょう♪
・・・ん?
何か後ろで音が・・・・。
んぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!?
――バシュ。
謎の声一:まったく・・・・。
毎回、毎回、いつも寝坊するんだから・・。
謎の声ニ:そうよねぇ♡
これは、徹底的に懲らしめておかないとねvv
謎の声一:そうね♪それに、このあたし達を無視しているしねvv
謎の声ニ:そうよねぇ♪
んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
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あとがき:
薫:・・・はい(汗)
火竜王、制御できるはずもないのに。その力、その身に取り込んじゃいました・・(汗)
無謀ですよねぇ・・・・・・。いってみれば。
力を得たから、ますます暴走極まりなくなっていくのです・・・・・。
エル:まったく。本質的に理解してないのよねぇ。あいつ。
この心優しいお母様のことを♡
薫:・・しょっぱなぐれ始めた原因は・・。(ぽそりと・・)
エル:あら♪子供のころ、このゲームに参加しただけじゃないvvあいつはvv
薫:・・・・・・・・・・・・・・。
と・・とりあえず。まあ、それはおいとくとして(おいとくのか!?)
ルナとレイ、竜神と魔王もいなくなり。確たる戦力もなくなってしまいました・・・。
この世界・・・・。もうしばらくお付き合いくださいな・・・。
エル:それじゃあね♪
エル:・・・さってと♪ユニット♪
いつまで、薫のふりしてるのvv
姫(薫):あ、やっぱりばれてたvv
エル:あったり前でしょvvそういや、あいつは?
姫:さあ?何か、どろどろになってる赤茶色の物体が転がってたけど。どこかにいってるんじゃない?♡
(薫の姿から元?の姿にと戻ってゆく・・・)
エル:あ、そう♪まっ、いっか♪
姫:それでは♪
エル&姫:また、次回でね♪
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