ドリーム・ナイトメア(悪夢の夢)~ACT-13~



会議の後に。
互いにゲームの前にと座っている赤瞳の魔王と赤の竜神。
ゲームの参加人数は。十人。
すでに、リナ、ガウリイ、アメリア、ゼルガディス、ゼロス。
五人がこのゲームを進行中。
ゼロスは、順番が回ってくるまでは動けない。
かといって。
何があるのかがわからないのに。
部下達を使うわけにも行かず。
ルナとレイが、ゲームクリアにむけて。
ゲームの駒をえらんで、スタート地点にと並べてゆく。


・・・ごくり。


生がでるか、邪がでるか。


運がよければ。
そう、運がよければ。
これで、リナ達も呼び戻すことができる。
―そう、そのコマにさえ止まれば・・・・。


カラララカン・・・・。


運命のサイコロが今。
振られてゆく。



「ゼロス、どうしてもっと早く気づかなかった?」
隣の部屋で。
話し合いが行われている。
自分の上司である獣王の言葉に。
「いやぁ、どこかで聞いたような気はしてたんですよねぇ。」
すぐに結びつかなかったのは。
あれは厳重に保管されている。
そう知っていたから。
「とりあえず、無事に魔王様と赤の竜神が、全員を呼び戻してくれるのを待つしかないが・・。」
ずずっ。
なぜかお茶を飲みながらいっている。
見た目、二十代前半かそれより前。
銀色の髪の結構美男子。
服装から、いかにも、軍人です。
といわんばかりの服装をしているが。
彼が覇王(ダイナスト)グラウシェラー。
「ま、戻ってきたら、ゼロスちゃん♪責任もって、ゲームに参加して、ちゃんとクリアしてね♪」
にこにこといっている、優雅に指をたてながら紅茶を飲んでいる漆黒の長い黒髪の女性。
海王(ディプシー)ダルフィン。
「ダル、いつもいってるが、私のゼロスをちゃん付けで呼ぶのはやめてくれ。」
何気にのろけている淡い金色の髪をしている女性。
「ゼラス様♡」
「な///」
その言葉に、後ろから抱きつかれ。
真っ赤になっている獣王。
はっきりいって。
恋人同士のじゃれあいにしかみえないが。
実際に、恋人同士なのであるが。
「まあ、仲がいいのはいいけど。・・それより、二人とも、あれに飲まれた場合、考えてる♡?」
にっこり。
艶やかな軽くウェーブのかかっている目鼻がくっきりとしている少女。
冥姫(ヘルシスト)フィーラ=ラブラドライト。
今は、滅んでしまった、兄である冥王(ヘルマスター)フィブリゾの代わりに、冥王の地位にとついている少女。
そのフィーラの言葉に。

・・・ぴしっ
しばし全員が凍りつく。

「・・・そ・・・そういえば・・その可能性も・・・(汗)」
冷や汗流しているグラウシェラー。
かたかたかた。
手にもっているコップが震えている。
「う・・ま・・まあ。ルナ様からの命令は。
  『自分達がこのゲームをクリアするまで。何としてもこの世界を守り抜きなさい』であるからして・・・。」
会話に加わっていた漆黒の黒い髪が印象深い男性がぽつりとこぼす。
地竜王(アースロード)ランゴード。
アシュィア=ラズリピス=アース=ランゴード。
「それに・・・。あのゲーム。ルナ様でも、魔王でも無理だったら・・。他に誰が、クリアするんですの?」
かたん。
震える手で、コップをおきつつ。
口を開く天竜王(エアロード)バールウィン。
スカルテラ=サファイア=エマ=バールウィン。
その空色の瞳が恐怖に彩られている。
「それより、問題は、あと、あのゲーム、三名しか参加できない。ということよ。
  すべてが失敗したら・・。ここも、あのゲームの中のイベント会場に成り果てるわよ・・・。」
真っ青になっていっている水色の髪の女性。
水竜王(アクアロード)ラグラディア。
アクア=マリーナ=パール=ラグラディア。
「ほんと・・・フィスだけでもやっかいなのに・・。」
視点の定まらぬ瞳で。
隣の部屋を透視している彼ら達。
「・・・でも、確か、連続しての参加。 一度しか許されないルールなんじゃ・・。」
ゼロスに後ろから抱きしめられたまま。
真っ赤になっているゼラスの言葉に。
こうしていると、どこからみても、ただの恋する乙女。
『あ゛・・・そーいえば・・・(汗)』
乱入を防ぐために。
始めに始めてから、数時間以内に、参加以外は。
認められるのは、ある程度時間を置いてからか。
果ては、ゲームをしている誰かが滅んだときか。
そのどちらか。

このゲームの最も彼らが恐れているところは。
滅びが救いではない。
ということ。
滅んだら、滅んだで、その存在は、このゲームのキャラと化してしまう。
つまりは、永久に逃れられなくなるのである。
そのために。
すでに、このゲームの中に、とらわれてしまった、魔王達や神々達の数は。
彼ら、腹心たちと、竜王達が知っている中ででも。
かるく三桁は超えている。
このゲーム自体、それより前からあったのもしっているからして。
想像するのがこわいので、あえて誰も口にはしないが。


「・・ともかく、祈りましょ・・それしかほうほうがない・・。」
『・・・だな。』
誰にともなく彼らは祈りを捧げてゆく。



「・・ふぅ・・。」
汗をびっしょりとかいているルナ。
ルナが出したサイコロの数字は、一と二。
つまりはサンマス。
ルナが選んでいる暁色のコマが。
三つ進んでゆく。
そこは何もない、ただのコマ。
ほっ。
二人の口から安堵のため息がもれる。
「・・次は・・。」
ごくり。
意を決して。
次に、赤瞳の魔王。
レイ=シャブラニグドゥがサイコロを握る。
カラカラン・・。



ヴヴン・・・・。

『・・・あ゛・・・。』

少し大きなマスにとまり。
水晶に文字が浮かび上がってゆく。


―羽ばたきとともに、その鋭い針にて 大群にと発展せし その羽音は怒濤のごとくに―

その文字が浮かび上がると同時に。

ゆら・・。
セイルーンの上空に。
小さな黒い渦が巻き起こり。
その刹那。


ヴヴァァァァァァン・・・。


大量の羽音とともに。
その渦の中から。
猫程度の大きさの、蜂が出現し。
町へ、村へと広がってゆく。
「うわぁ!?」
「きゃぁぁ!?」
それらすべてが。
その針をもって。
すべての存在に襲い掛かり始めてゆく。
『うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!?』
何が起こったのか、理解できない市民は、ただただパニックを起こすのみ。
市民でなくてもパニックになるのは必死だが。



ヴァアアン・・。

その音は。
空気の振動によって、彼らの耳にも届いてゆく。
「始めはこれできたのぉ!?」
「・・・ついにきたか・・。」
「何ですのぉ!?これはぁ!?」
「こんな巨大な蜂・・・天然記念物か?」
「・・・こんなときによくまあ、ぼけがいえるな・・(汗)」
音をきき。
テラスに出た。
数名の代表者や。
竜王、腹心、エトセトラ。
彼らの目に飛び込んできたのは。
空に広がる、猫程度の大きさの大量の蜂の群れ・・。



巨大な蜂が、
町にと降り立つのをみて、本気の表情でつぶやいているミルガズィア。
その光景にパニック起こしかけているメフィ。
いきなりゼナファの完全モードで暴れそうになっているのを。
腹心達が、アストラル・サイドから阻止していたりする。



全力で。
その蜂の駆除に彼らは当たってゆく。

「きゃーきゃーきゃー!」
ビィー、ビィー、ビィー。
パニックに陥り、あたりかまわずに、ゼナファ完全モードで光線を撒き散らしているメフィ。
「ああ!!町が、町がぁぁ!」
町がメフィーの放った光線で半壊してゆく。
叫んでいるフィリオネル。
「やっておしまい!ヴォイド・ブレス!」
ナーガはナーガで。
コントロールもできないのに、魔王竜を無数に呼び出して。
あたりかまわずに、蜂の駆除として。
ヴォイドブレスを命令していたりするが。
当然のとこながら。
それらすべて暴走していたりする。
「あ・・あのぉ?ミルガズィアさん、もしかして、彼女達って・・僕たち魔族より、脅威なんじゃありませんか?(汗)」
そんなナーガとメフィの様子をみつつ。
つぶやいているゼロスの言葉に。
ただただ無言でしかないミルガズィア。 

セイルーンは、蜂の脅威。
というか。
魔王竜と、ブレス攻撃によって半壊してゆく。

「大丈夫です!心配しないでください! すぐに再生しておきますので!」
そういう竜王達の声は。
かなり震えていたりするが。
「怒られるのもいやですし。とりあえず、この町の人々の魂。今は私が保管してますので♪死ぬことはまずありませんわvv」
にこにこといいつつ。
そのもっているロッドをかざしているフィーラ。
女の子だから、ロッドがいいよねv
といって、フィブリゾが、彼女の武器はロッドにと設定してあったりする。
その先端の黒い水晶の中に。
無数の金の球(オーブ)が見え隠れしている。
それらがすべてこの町の人々の魂。
兄と同じく。
一応、この世界の命を操ることがこのフィーラはできるのである。
さすがに、混沌の中にとすでに行ってしまった魂はどうにもならないが。
もしくは、輪廻の輪にのっている魂を。
自由にしようとすると、結構力を使うので。
面倒なので彼女はしない。
フィブリゾもそれはしなかったが。



次々と。
セイルーン上空だけであった、黒い雲が世界に広がり始め。
数分もしないうちに。
あっという間に、星中にと広がってゆく。


『うどわぁぁぁあ!!!!』
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
星のいたるところで。
悲鳴が巻き起こる。



「・・・な・・何なんですかぁ!?これはぁ!?」
かなり驚いている国王達や代表者達。
「ふっ・・。だからいったでしょう?さきほどいったゲームのこと・・・どうやら、巨大な蜂が出てくるマスに止まったようね・・。」
アストラルサイドから。
ざすざすと蜂を切り刻んでいるゼラスが彼らに答える。
「・・・そのままほっといては?そのゲーム?」
一人の言葉に。
「クリアする意思がないと。すぐさま、世界そのものが、ゲームのイベントとして。組み込まれますよ?永久に?」
海神官マリーナの言葉に。
『・・・・・・・・・・・。』
すでに言葉がでない代表者達。
つまりは。
「・・つ・・つまり・・。何がなんでも、どうにかしないと。それか、クリアする前までに・・。こんなのが続く・・と?(汗)」
恐る恐る、エルメキア国王が問いただす。
「・・・うーん。この程度はまだまだ序の口ですけどね・・。」
グラウシェラーが、攻撃を仕掛けながらつぶやく。
『・・・・・・・・・・。』
ひゅぅ・・・・。
ただの人間であったり、エルフであったり。
そのゲームのことを詳しくしらない存在達は。
その言葉と。
目の前の光景に。
そのまま、しばらく固まっていた。



「・・・は・・・蜂・・・(汗)」
「・・ま・・まあ、しょっぱなから隕石でなかっただけ・・。」
「そ・・それもそーね・・あ・・あははは(汗)」
すでに。
乾いた笑いになっている二人。
以前。
これに強制参加させられた、白霧と白の竜神が。
一発目から隕石を引き当てて。
そのまま、そのとき拠点を置いていた惑星があっさりと消滅してしまった。
ということがあったのは。
彼らにとっても記憶に新しい。


「で・・では、次は・・私だな・・。」
ごくり。
唾をのみこみつつ。
魔族なのに芸の細かい魔王である。
サイコロを握るレイ。



ココロロン・・・・。



ゆら・・。


水晶に、再び文字が浮かび上がる。


―世の中、弱肉強食その仕組みを理解せし花々は 大地にねをはり 栄養をとらんとせん
  彼らの弱点は気高き力 何人も屈せず恐れ敬い重宝なりし―



「・・・・も・・・もしかし・・・・て・・・(汗)」
その言葉をみて。
汗を流すレイ。
「これって・・。」
ルナもまた。
それをみて汗を流す。



『うわぁぁぁ!!』
蜂の影響で、大パニックになっている市外。
もぞもぞもぞ・・。
大地が、始めは一箇所に。
次々に、増えながら盛り上がってゆく。


ぽこぉぉぉぉ!!!!

そこからせり出すのは。


ちょっとした木の幹ほどの太さの、花の茎というか根っこ。


うぞぞぞ・・・・・。


「きゃぁぁぁぁ!!!!!!!!」
その根っこが、近くにあるものは。
何でも捕まえて。
その中心に生えてきた花にと運んでゆく。
 
くじゅぐしゅぐじゅ。

『うどわぁぁぁぁ!!!!!?人食い花ぁぁぁぁぁ!!?』



世界各国で。
巨大蜂。
巨大人食い花。
この被害が広がってゆく・・・・・。



「・・お茶がおいしいですわ・・。」
「あ、シルフィールさん、おかわりどうですか?」
「あ、頂きます。」
あまりの出来事に。
完全に現実逃避に走っているのは。
シルフィールとフィリア。

ぼこほぼここっ。

『とりあえず、その花の弱点は火よ!!』

精神世界から、様子が気になり見たルナとレイ。
さすがに、世界中、大パニックにすでになっている。
「・・よね?多分・火・・よね?」
「・・・・多分・・な・・(汗)」
こんなふうに、弱点が書かれているのは。
まず滅多とないからして。
何か裏があるのかもしれないが。
この状況を。
ほっておくわけにもいかない。


各自、とりあえず、今出現してしまった人食い花だけの情報を精神世界を通じて伝達するより方法がない。




「火・・火!」

ごぅぅぅぅ!
「あ、効いてます!!って・・んきゃぁぁ!灰からまた復活してますぅぅぅ!」


さすがのこれには。
腹心たちも悲鳴を上げる。

火に撒かれ、灰になるのはなるが。
その灰が。
一つでもあると、そこからあっという間に再生されてゆく。



「・・ふ。さすがは、エル様達が創られたゲームよね・・・・。」

遠い目をしつつ。
つぶやいている水竜王、アクアの震える声が。
悲鳴巻き起こる空にむなしく消えてゆく・・。




 「と・・ともかく、次・・次・・。」

コロン・・・。

シィィン・・。

大きなマスだというのに何もおこらない。
「?では、次だな。」

コロロロン・・。


トトトト・・・ピタ。

「あ・・同じマス・・・。」

ルナがつぶやくと同時に。

ゆらり。


水晶が揺らめいて文字を奏でてゆく・・・・。



                           -続くー

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まえがき:

さて、何人がわかったかな?(爆!)
この元ネタ映画♪
そう!!あれです!!
ドンドコドコドコ♪
というわけで・・ふふふふふ♪
何回みても、あれ、楽しいから好きですvv
・・・続編、でないかなぁ♪
ふふふふふ♪


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   あとがき:
      姫:次回♪
        ルナとレイがゲームの中に♪
        さぁ♪魔王と竜神がいなくなった世界では♪
      薫:しくしくしく(涙)
         も、好きにしてください・・(涙)
     エル:ま、邪魔なRもSもいなくなって。
        部下達の気配がないからって♪
        行動開始するしねぇ♪
      姫:そうそう♪
        ゲームの中にいるとも知らずにねvv
      薫:・・・も・・いーです・・(諦めの境地・・)
     エル:というわけで♪
        次回。
        残された者達♪
      姫:ルナとレイが消えた世界♪
        ルナ達が入り込んだ世界は♪
        そして、ゼルガディスたちは♪
        ま、リナとガウリイは、そのままだからいいとして♪
     エル:・・・ま、この時点ではまだ。
        ガウリイ、未だにリナ、開放してないからねぇ(笑)
      薫:・・笑い事じゃあ・・・(汗)
        と・・・とりあえず。
        (リナ、ご愁傷さまです・・と祈っておきます・・)
        次回。
        本気で、ルナとレイが、
        フィーラの危惧のとおりになったりして・・。(汗)
        そして、暴走してゆく火竜王をしばらくやって。
        (多分一話か2話・・)
        そして・・・月日が流れるのです(汗)
      姫:ま。
        とりあえず、頑張んなさいねvv
      薫:・・・やけに素直って・・・・。(汗)
        あ・・・あの?
        その、お二人で持っておられるたらいは・・一体・・・?(汗)
     エル:以前、どこぞの作者がいっていた、水よ♪ただの♪
      姫:そうそう♪
      薫:い・・・いやぁぁぁぁ!!
 
      バッシャァァァァン・・・・・・。
   グルリュグリュ・・・。


      薫:・・こ・・これ・・生きて・・ぎゃぁぁぁぁ!!



    シィィン・・・・・。

     エル:それでは、また♪
      姫:何か、水泳にいったこの人はほっといてくださいね♪
   エル&姫:それじゃあね♪


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