ドリーム・ナイトメア (悪夢の夢) ~ACT-11~
ばたどたばたたっ!
「何か情報はつかめたか!?」
「いや!?アメリア様たちの姿、どこにも見受けられません!」
城の中があわただしい。
城の中の一室にて。
いまだに、石化しているゼロス。
「ちょっと、生塵!何か知っているんでしょう!!?」
フィリアがゼロスに問いかけるが。
遠い目をして、お茶タイムに突入しているミルガズィアとメフィ。
何があったのか、誰もフィリアに答えてくれるものはいない。
「ああ・・ガウリイ様・・。」
一人、祈っているシルフィール。
「・・・とりあえず、ゲームの進行状態・・・調べたところ・・・。
アメリアとゼルガディスは、過去に。ガウリイとリナは無人島。
しかも、まったく別次元の二人っきりの空間に、移動してるわね・・・。」
天竜王であるスカラがゲームの水晶に残っている、進行状況確認を開き。
それぞれが何処にいったかを確認しているが。
「そんな!?ガウリイ様とリナさんが二人っきりだなんて!ああ!!何か間違いがあったら!」
シルフィールが何か言っている。
そして、ふと、今さらながら。
「あの?一体、あのゲームって何なんですか?」
シルフィールの問いかけに。
「私たちもよくは知らないんですけど・・・。あの御方が創って、あれ、一回始めると。
その中で、死ぬか、または、それに飲み込まれるか。クリアしたら、すべてが元にもどる・・としか。」
地竜王、アッシュが一応説明してたりするが。
その横では。
「・・とゆーか、理性・・保てないんじゃ?」
「まあ、あの男だから、まず間違いないかと・・。」
しみじみいっているアクアとアッシュ。
「・・・・まあ、ガウリイ様ですから・・。まずリナさん・・襲うでしょうけど・・。」
すでに悟りきっているシルフィール。
「し・・シルフィールさん・・・巫女がそんなこといって・・。いいんですか?(汗)」
どうにか復活したゼロスがシルフィールに突っ込んでいる。
「でも、ガウリイ様、リナさんが眠っているときなんか。かならずキス・・してましたし・・・。
ですから、私、なるべくリナさんとガウリイ様を二人っきりには、させないようにしていたんですから。
・・ガウリイ様、リナさん絡みだと・・はてしなく暴走しますし・・。」
『おいおい・・』
そんなシルフィールの言葉に。
目が点になっているアクア、スカラ、アッシュ。
「・・・確かに。ガウリイの理性がどうにか保たれてたのは。周りに人がいたからだけどね。」
そんな会話をしていると。
ふいに。
虚空から声が聞こえてくる。
その直後。
紅い光と、暁の光がその場に満ち溢れる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!?」
驚愕の声をあげて。
その場に膝魔づいているゼロス。
「おや、ルナ様、ルビーアイを連れてきたのですか?」
のんびりいっているアクア。
・・・・ぴしっ。
その言葉に、しばし硬直しているフィリアとシルフィール。
「あ・・あの?今、なんていいました?水竜王様?」
問いかけるシルフィール。
「そういえば、汝たちには初めて会うな。とりあえず、自己紹介をしておく。私は、レイ=マグナス。
汝らが北の魔王と呼んでいる。赤瞳の魔王(ルビーアイ)レイ=シャブラニグドゥ。
人としての名前はレイ=マグナス。ルナに・・・赤の竜神に今回の件を聞いてな・・。」
「ええ!?生塵たちの上司のあのロートル魔王!?」
「・・・フィリアさん、死にたいんですか?♡」
フィリアの言葉に、にっこりとわらうゼロス。
ぱくぱくぱく。
長い黒髪に紅い瞳の男性。
魔道士の格好をしていて、ゆったりしたマントを身に着けている。
そんな彼を指差して。
「ままままままままおう?(汗)」
シルフィールがおずおずと口を開いた。
「そーよ。」
あっさりいうルナに。
「ほぉう、ルビーアイまでがやはり出てきたか・・。」
つくづく感心しているアッシュ。
「ふっ・・。我とて、あの御方のお仕置きは怖いからな・・・。」
遠い目をしていっている魔王の額には一筋の汗。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅんんん!」
―――ばたっ!
その場でシルフィールは気絶する。
「レイ=マグナス殿!?」
なぜか驚愕の声を上げているミルガズィア。
「千年ぶりだな。再会を祝い、何かいいたいところ・・だが。…ゼロス、現状を詳しく話していただけますか?」
にっこり。
膝まづいているゼロスに。
状況説明を求めるレイ。
「どうせだったら。関係者、全員に説明したほうがよくない?」
そのレイの言葉をさえぎって。
ルナが意見する。
「それもそうですね。私のかわいい子供達にも参加してもらいましょう。」
・・いや、かわいい子供達って・・。
そんな魔王の言葉に。
さすがに、竜王などがうろうろしていたので。
なれて動じなくなっている兵士達が心の中でつっこむ。
なれたというか、現実逃避をしている。
というのが現状なのであるが。
そんな彼らの様子とは裏腹に。
魔王とルナ、竜王達をみているミルガズィアとメフィ達は、未だに顔色が悪かったりするが。
「・・叔父様?お知り合いですか?」
メフィがおずおずと問いかける。
「あ・・ああ。まさか・・。レイ殿が・・。」
ぶつぶついっているミルガズィア。
「メフィ、お前も聞いたことがあるであろう。
千年前、人間達の精鋭部隊を率いていた、主力の魔道士。レイ=マグナス殿の話しは・・。」
汗を流しつついうミルガズィアの台詞に。
「・・・・え゛!?(汗)降魔戦争の要・・あの!?」
話し合っているルナ達をみて。
メフィが小さく声を漏らす。
「・・・・まさか、マグナス殿が魔王の器だったとは・・。どうりで、あの時、すんなり我らが負けたわけだ・・。」
しみじみと。
昔を思い出し。
深くため息をつくミルガズィア。
何しろ、水竜王を守るために。
そのレイ=マグナスが指揮する部隊が神殿に向かっていたのだから。
勝てるはずもなかったのである。
「あ・・あの?魔王様?どうして、腹心の方々を呼ばれる・・と?(汗)」
ゼロスが恐る恐る聞いている。
「それはですね・・・・。」
「ふっ。会議のときに話すわ・・。フィルさん、臨時会議、招集してくれますか?」
どこか遠い目をしながら言っているレイとルナ。
「あ・・ああ。」
フィリオネルの指示のもと。
とりあえず、緊急会議が。
ここ、セイルーンで執り行われることとなった。
がやがやがや。
凍り付いている人々が数名。
気絶している人も数名。
現実逃避に入っているもの数名。
竜族、魔族、神族、エルフ族。
今回において、主だった存在を集めての会議である。
中には。
「いやぁ、話しがわかりますなぁ。」
「今度、チェスでも一緒にしないか?」
白銀の長髪の男性と。銀の髪にウェーブのかかった男性が話している。
覇王と息のあっている、エルメキア国王に。
「ふむ。なるほど、そういう戦略という手もあるな。」
「ほう。貴殿は話せるな。どうだ?わが息子の嫁にでも・・。」
しか。
淡い金色の髪の女性の手をつかんでいる男性。
「何いってるんですか!ゼラス様は僕のです!」
すかさずに、腕をくみ。
男性から女性を離しているゼロス。
「ゼロス・・・人前でどうどうというなぁ!!//」
カルマート王が獣王と話していて。
自分の息子の嫁にと誘っていたり。
それにゼロスが驚いて恋人宣言していたり。
この二人、実は、上司と部下という関係ではあるが。
実は、恋人関係にあったりする。
魔族、神族、上層部の中では、なぜか機密事項にされていたりするが。
恥ずかしがった獣王が。
以前、魔王城と、竜神城を壊滅寸前にまでした。
という何とも過去にほほえましいエピソードがあったりしたという。
理由からであるのだが。
「な・・何か、魔族のイメージが・・・。」
メフィがそんな情景をみつつあんぐりしている。
中には。
竜王配下の、神官や将軍といった存在が、腹心たちの部下達とほのぼのと話していたり。
「・・・・母たちから昔聞いた話だと。本来は、公私混同しない。
ということで。戦いの場以外は仲がよかったそうだからな・・。昔は・・魔族も神族も・・・・。」
こちらもそんな様子をみて。
呆然としているミルガズィア。
絵空事のような気もするが。
事実だったりする実話。
「うむうむ。人類、みな兄弟。生きとしいけるものもみな兄弟じゃ!仲よきことは結構、結構!がっはっはっ!」
そんな様子をみて、笑っているフィリオネル。
このセイルーン王国。
第一王位継承者で、一応王子。
「あ・・わたくし、目眩が・・。」
よろり。
フィリアがよろけていたりする。
「あ・・あの?ところで、貴女は、どなたですか?」
シルフィールが隣にいる、黒い髪の女の子に話しかけている。
ウェーブのかかった艶やかな黒髪。
この顔に、シルフィールは心当たりがあったりするのだが。
以前、いや、約二年くらい前に。
サイラーグで。
忘れようにも忘れられない顔であるが。
こっちのほうが、少しかわいい。
遥かに目がぱっちりとしていて。
目鼻も通っている。
フィブリゾが、自分の妹だからvv
といって、さらにかわいく設定したのであるが。
「ああ。お兄さまの代わりに、今は冥王の位になってます♡
冥姫(ヘルシスト)フィーラ=ラブラドライト。と申します♡以後お見知りおきを♡」
にっこり。
天使の微笑みでにっこりと語りかけるフィーラ。
『・・・・・・はい?(汗)』
ぎぎぎぃ。
その会話が聞こえていた黄金竜のミルガズィア。
エルフのメンフィス。
元火竜王の巫女、黄金竜フィリア。
そして、シルフィールが彼女をみる。
にっこり。
ただただ、にこにことしているフィーラ。
歳のころは、十歳より少し下。
かなりの美少女。
フィブリゾと並べば。
かなり絵になっていたこのフィーラ。
今は、冥王(ヘルマスター)が滅んでしまったので。
代わりに、そのくらいを魔王から賜っていたりする。
がやがやがや。
会議会場の中には。
今回の、火竜王に感することで。
関りのあった、外の国などの代表者なども参加していたりするが。
高位魔族や高位神族が表にたって。
ようやく、火竜王が治めていた土地の被害も。
何とか収まっているこのごろ。
流石に。
被害を受けた国々などは。
火竜王の暴走。
というのを信じざるを得ない状況と成り果てている。
「さて。そろそろおもだったものはそろったな。では、会議を始める。ルナ殿。レイ殿。お願いするぞ。」
先を切って。
フィリオネルが会議の始まりを告げ。
ルナとレイに状況の説明をお願いしてゆく。
ザザァァン・・・・・。
「本当に誰もいないわね・・・。」
レイ・ウィングで飛んでみたけども。
ここは、ちょっとした島。
周りには、ある程度、一日程度飛んでみたけども。
他には島の影すらも見えない。
「ほら、リナ、疲れただろ?魚でも食べろよ。結構いろいろととれたぞぉ。」
ぱちぱちぱち。
砂浜で。
ガウリイが捕まえて準備をしていた。
ウニや、蟹、海老。魚など。
かなりの量の食事が出来上がっていたりする。
「きゃぁ♡ガウリイ!偉い!」
「いっただきまぁす♪」
ガウリイの横にストン。
とすわり。
がむしゃらに食べ始めるリナ。
すでに日は傾きかけて。
一番星が見え始めている。
「ふぅ。食べた食べた。」
「リナ、空が綺麗だぞ?」
「え?あ、本当だ・・。」
食べ終わり。
満腹していたリナは。
ガウリイに言われて空を見上げる。
ふわ。
リナの背に。
何かがかけられる。
ガウリイが着ていた上着であるが。
「・・・ありがと。」
少し肌寒く感じていたリナ。
そのガウリイの心遣いがうれしく感じる。
リナは気づいてないが。
しっかりと。
ガウリイは、リナを自分の横に抱きこむようにして、近づけているのだが。
空には、満点の星空が広がっている。
「・・・・綺麗ねぇ・・。」
リナがつぶやく。
「一体いつになったら戻れるのやら・・。」
でも・・・。
一緒にいるのが・・ガウリイで・・少しあたし・・うれしい・・な//
こてん。
そのまま、ガウリイに寄りかかる。
リナは心で思っただけと思っているのだが。
これが超小声で。
声に出ていたりするものだからして・・。
・・・・ぷっ。
ガウリイの中で。
すんなりと理性がキレていた。
無人島に。
リナの悲鳴が巻き上がる・・。
ぎゃぉぉぉ・・・・。
「あ、ゼルガディスさん、どうでしたか?」
「いや、駄目だ。」
「ここ・・やっぱり過去なんでしょうか・・・。」
「だろうな・・・。」
目に付くのは。
すでに化石として発見されている。
絶滅したとされる植物たち。
それに、普通では見たことのない、生命というか生物。
時々、化石が見つかり。
魔道にて復元されている、古代の生き物。
すなわち、恐竜と呼ばれている生き物が。
目の前を闊歩している。
「うう・・・。すいません・・。ゼルガディスさん・・・。私のせいで・・。」
涙ぐむアメリア。
さすがに、ここまで来ると。
あのゲームのせいだと理解ができる。
あれを拾ってきたのも自分。
そして。
ここにゼルガディスを巻き込んだのも自分。
「気にするな。こんな所にアメリア、一人、送り込まれたほうが。気が気じゃない。」
がさがさがさ。
草を書き分け進むゼルガディス。
その顔は多少真っ赤になっているが。
「ゼルガディスさん・・・。」
ぱぁぁあ。
アメリアの顔が輝く。
「とにかく!何かここから出る方法があるはずだ!行くぞ!アメリア!」
「はい!ゼルガディスさん!」
うきうきと。
ゼルガディスが切り開いた道を突いてゆくアメリア。
・・・こんな状況ですけど。
ゼルガディスさんと二人っきりで旅できて。
私、うれしいです!
内心、少し喜んでいるアメリアであった。
-続くー
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あとがき:
薫:・・・・リナ&ガウリイサイド・・。
深読み希望!(こらまて!)
一応、考えてますけど・・・・。
(ピー)なので。(だからまて!)
ちなみに。
アメリア&ゼルガディスサイド。
打ち込まないとは思いますが(分からないけど)
過去のゼロス達が出てきます・・(爆!)
いや、本気で、アメリア達は、過去に飛ばされてますので・・。
とにかく、こちらの主は。
ゲームに関った、あの世界の行方です♪
次回。
ルナとレイが、ゲームを開始♪
そして???
あ・・・・あははははははは(汗)
姫:・・まったく。
仮にも、魔王や竜神が、あっさりと、巻き込まれてどうするのよv
エル:ねぇvv
薫:・・・で・・・では!!(汗)
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