ドリーム・ナイトメア (悪夢の夢) ~ACT-3~
「・・・・・はあ。リナさんの所にですか?」
呼び出され。
何ごとかと思えば、開口一番が。
リナ=インバースのところにいけ。
といわれてたりする黒い服の紫色の眼をした神官姿の男性。
「そうだ。どっちみに、表から関るわけにはいくまい?
しかし、リナ=インバースのところになら。問答無用に、転がり込んでくるからな。」
「確かに。」
「我らもうかつに動けない。まあ、暴走しているのが、火竜王だけだから、まだましだとしても・・。
どうも、きな臭い臭いがしているからな・・・。あいつは何を考えてるのか。
いやな予感がするからな。万が一、魔王様に何かあってからでは。これ以上、我らの弱体化は避けねばならんしな。」
鋭い眼差しで、言い放つその姿はいいとして。
どうして、絹のスリッドの入ったドレスを着こなし、扇で仰ぎながら、その横には、パイプが置かれていたりする。
淡い金色の髪にウェーブがかかっている、鋭い瞳をしている女性。
髪の色は太陽のごとく。
この女性が、彼の直属の上司であり、彼を創り出した張本人。
彼は彼女のいうことには逆らえない。
「それはそうですが・・・・。どうして、また僕なんですか?フィーラさんは?」
冥姫(ヘルシスト)フィーラ=ラブラドライト。
今は滅び去った、唯一の忘れ形見といってもいい。
冥王の妹。
何を考えたのか、各自が部下を創り始めて。
まず、一番初めに、力を入れて冥王が創り出した存在。
それが、妹という立場の冥姫である。
神官、将軍。
といった、地位ではなく。
あくまで妹。
という立場。
しかも、自分の性格をオリジナルとして、作り出していたりする。
実力的には、冥王の次というくらいであったのだが。
その容姿を気に入って、かの御方ともう一方が、力を与えているものだから。
噂では、魔王達をも超えているのではないか。
とまでいわれていたりする。
「フィーラは、今、次元震の修復中だ。」
「あ゛~。・・・・・・。なるほど・・・。」
この前の次元震は、かなり規模が大きかったですからねぇ。
ゼラスにつれられて、カタートの復興に向かったところ。
案の定、氷が半分割れて、その中にいたはずの人物が。
白目を向いて、気絶をし。
氷が赤く染まっていたその情景が記憶に新しい。
上司の言葉に納得する。
「しかし、獣王(グレータービースト)様?別にほっといても、いいのでは?
むしろ、竜王さんたちが相打ちになって、こちらには、好都合なのでは?♡」
にっこりというおかっぱ頭の黒い髪の神官。
「ゼロス、その火竜王が、眠れる竜の大陸の空間を。利用しようとしていても・・か?そういえるか?」
「・・・・・・・・・・・・え゛(汗)」
その言葉に一瞬絶句する。
あの地は、神族も魔族も神聖なる土地として聖域と化している。
かつて、竜神と魔王が戦った地。
というのが表向きの理由だが。
じつは、あそこまで、空間が不安定なのには、理由がある。
―そこに、かつて、すべての母が降臨した結果なのである。
サイラーグでは、寄り代という肉体があったから、
空間の歪みはあの程度で済んでいるが。
いや、サイラーグでも、表向きは被害はないように、物質世界では見受けられるが。
精神世界、二次元、三次元世界では。
かなり、次元が乱れている。
それほどまでに強力な力が降臨したがゆえに。
しばし、目を点にして。
「・・・・・何考えてるんですかね?火竜王さんは・・・・」
「さあな。しかし、あいつの暴走は今に始まったことではないからな。」
「確かに。古代竜や、古代文明、ことごとくに滅ぼしましたからねぇ♡」
にこにこにこ。
「まあ、それらが我らの仕業。と誤解されるのは、プライドが許さないがな。」
にがにがしく笑う女性―ゼロスの上司。
獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオム。
赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの腹心の一人。
対する男性は、獣神官(プリースト)ゼロス。
ゼラスの直属の部下であり。
他の腹心たちの神官&将軍といった、直属の部下などに比べ。
天と地以上の力の差を誇っている存在。
「とりあえず、リナ=インバースの側にいれば。かってに向こうからやってくるだろう。その理由も。」
「それもそーですね。ま、リナさん達といると、楽しめますし♡」
それに今は何よりも、ガウリイさんの感情がすごいですからねぇ。
かなり面白いんですよね♡
暇をみては、リナ達を覗いて楽しんでいるゼロス。
「何しろ、リナ=インバースはトラブルメーカーだからな。」
「そうですね♡」
魔族にここまで言われるリナ。
ある意味、すごいものがある。
そんな会話が。
群狼の島の凍れる森の奥深くにある神殿で、繰り広げられていた。
「さて・・・。リナさん達は・・今、ゼフィリーア・・ですね。」
あ・・あそこにいくんですか・・。
はぁ・・・。
とにかく、防御だけは、しっかりとしとかないと・・。
腕の一本や二本くらい。
取られる可能性200%ですからねぇ♡
精神世界における本体にも、そして、実体化している一部の欠片にも何重にも、重ねて防御をかけているゼロス。
「あまり気乗りはしませんが・・いきますか♡」
いうなり。
ゼロスの姿は、島から解け消えていた。
「ここですね。ごめん・・・。」
「リナ=インバース殿の家はこちらか!!!」
ばたん!!!!
ゼロスが扉から入りかけると。
その後ろから、勢いついて、走ってくる兵士の姿。
ぐにっ。
にぶい音がしているが。
そんなことに、兵士は気づくこともなく。
「あらあら、いらっしゃいませ♡」
「わざわざセイルーンから使者がくるとは。何かありましたか?
それはともかく、どうです?これ?魔法攻撃が、簡単な精霊魔法程度なら、98%防げる鎧。買いませんか?」
それとなく、商売しているマルス。
「リナに用事ですか?じゃ、ついでに、ルナにも用事ですね♡」
「???」
首をかしげる兵士の真後ろに。
「ああ、スカラがいった?協力要請、頼むようにいっておいたからねぇ。」
いきなり真後ろから声がして驚く兵士。
彼はただの使いであるからして。
「あら、おかえり、ルナ♡」
にこにこといっているルナの母セシル。
「おっ。ちょうどいい、昼飯の材料が転がってるじゃないか♪」
キュウ・・・。
ぎゅむぎゅむと、完全に客たちにアレからのちも踏み敷かれ。
背中に足跡をかなり付けている、どこにでもあるような神官服を纏っている男性。
完全に目を回していたりする。
ひょい。
軽くその足跡つけている物体を拾い上げているマルス。
「母さん、昼は、獣神官の生き作りにでもするか?」
「あら、それはいいわね♡」
「えー、私は、やっぱり、刺身がいいけど?」
いいつつ、三人が三人とも、セシルは、短剣。
マルスはタガー。
ルナは長剣を手に持っていたりする。
きら。
剣の光の反射で気がつくゼロス。
「どわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
悲鳴とともに、その場を跳びさがる。
だくだくだく・・。
また、料理されるところでした・・・・(汗)
以前、ここに来たとき。
料理されてしまったことが、記憶に新しい。
「あ・・・あのぉ・・・・話を・・・・。」
完全に無視されている兵士の呟きが。
店の中にとむなしく響き渡っていた。
「どうしてこんな所に生塵がいるんですか!!」
ぴきっ。
「ほぉぉぉぉぅ、それはこっちの台詞ですねぇ。どうして、おおきなトカゲがこんな所にいるんですかねぇ♡」
バチバチバチィ!!
視線が交錯する。
「充電、充電っ・・っと♪」
その横で、彼らの力の波動をオーブに詰めて。
商品化しているマルスの姿。
即席、神魔融合呪文作成の魔法道具(マジックアイテム)。
といっても、これは、竜の属性と、魔族の属性を掛け合わせている道具だが。
その力の元は。
はっきりいってただだし。
出かける手間が省けたな。
そんなことを思っていたりするマルスなのだが。
「どうやら、フィリアのやつ、怪我、治ったようだなぁ。」
そんな二人のやりとりをみて。
納得しているガウリイ。
「んふふふふふふふ♡あんたら・・・・いい加減にしなさいぃぃぃぃぃい!!!!」
いまだに、喧嘩を続けている。
フィリアとゼロスに向かって。
リナの怒号とともに。
辺りにドラグスレイブの呪文が炸裂していた。
ぼろっ。
なぜかずたぼろになりつつ。
兵士が、一枚の手紙を差し出す。
その裏には、セイルーンの刻印。
「何何?」
かさり。
『―リナさん!!!!!大変なことが起こってます!!!!
至急セイルーンに来てくださいぃぃい!!秋の味覚のフルコース、用意してまってます。byアメリア―』
「ガウリイ!すぐに出発するわよ!」
手紙を読むなり。
いきなり部屋に戻り、旅支度を始めるリナ。
秋の味覚のフルコース・・・という言葉にあっさりと惹かれているリナである。
はらり。
『リナさんのお姉さんのスィーフィード・ナイトにもお願いしますね。スカラさんが教えてくれました!!』
リナが駆け出すのと同時に。
二枚目の手紙が、はらはらと空に舞っていた。
-続くー
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豆知識という名前のあとがき:
英名前: ラブラドライト。
種別:宝石。
日本名前:曹灰長石(そうかいちょうせき)
色彩:虹色。
そのどくどくの輝きは、ラブラドレッセンスと呼ばれている。
光の反射にて、緑、青、紫色、赤、金色。
などと、独特に色彩が変化する石。
光沢は、ガラス光沢。
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あとがき:
姫:あなたの、大概のオリジナルの名前。
宝石関係よねぇ。
薫:あはははは(汗)
ま、趣味ですから・・・(まて!)
エル:・・・・で?
薫:・・・・・。
多分・・・次回か・・その次から・・・。
よーやく前ぶりが終わって・・・。
本編かと・・・(かなりまて!)
では!逃げます!私は!
それでは!!
エル&姫:あ!!待ちなさい!!
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