ドリーム・ナイトメア(悪夢の夢)   ~ACT-1~



ルォォォォ・・・・・。
空気が世界が振動している。
「どうやら、また欠片の一つが目覚めたようだな。」
苦笑する赤い髪の男性。
「・・・・様!!各地で、下級魔族が力を付けております!」
ふっ。
「だろうな。あの人間の手によって、結界は壊されている。だからか、精神世界からの干渉も、この辺りに影響を及ぼす。」
そして、つっと、杖をつきつけて。
「方法はどななでもかまわん!この機会に、すべてを駆逐せよ!」
「しかし・・・人の住処を壊さないようにすると、手加減が!」
「笑止!!人間ごときや、我ら以外のものは、くずだ!そんなものの心配などする必要はない!
 とにかく、魔族の好きにはさせるでない!!おお、そうだ。
 ついでに、この期に乗じて、疑わしきものも、すべて排除しろ。神に仇名す可能性があるものは・・。・・・・すべて排除しろ。」
「ティス様!!?」
「逆らうか!?ならば、貴様も逆賊だな!」
「・・・・・まっ!」
どしゅ!!!!
血しぶきがあたりに飛び散る。
彼が杖を一振りするだけで、その血はあっというまに掻き消える。
「勅命をもって、命ずる。各地のデーモン、全力をもって、駆逐せよ。
  ・・・被害はどうなってもかまわない。いや、むしろ、町や村を焼き払ってでも、神の力・・思い知らせるのだ!
  おごり高ぶる人間や、下級の命ごときに、我らの力をみせてやれ!」
高々と。
その一帯に。
彼の命令が伝わっていた。



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
はじめてみる、異形のもの。
今まで、こんなことはなかったのに。
伝説の、御伽噺の中の、異形の存在。
ある日、動物たちが忽然と姿を変えた。
まさか、憑依されたとは、分かるはずもなく。
魔道に関しては、ほとんど退化していた土地柄では。
対抗できるすべがあるはずもなく。
脅威といえば、たまに、獣人や、盗賊、海賊が襲撃してくるその程度。
しかも、それも今までは人事のこと。
腕に覚えのある剣士などは、果敢にも挑んでいくが。
人の中で腕に覚えがある程度と。
力をつけた、まがりなりにも、下級魔族に勝てるはずもなく。
いとも簡単に、死んでゆき、残るは、力のないものたちばかり。
「えーんえーんえーん・・。」
いたるところで、子供の泣き声が起こり。
そして、各領主などは、力をもとめて。
戦を起こしだす。
自らの力をこの期に大きくしようとして。
いまだに権力にしか目がない輩は。
この状況をきちんと把握しきれてはいなかった。
「一体、この世界はどうなったの?」
噂では、一年前に、伝説と化していた北の方の地の結界が解かれ交流がはじまったらしい。
というのは、この一年で風の噂に聞いている。
そして、かろうじて、大きな国などが交流をもとめ、そして、違った進化を遂げたその区域の知識をそれぞれが利用しよう。
という矢先の出来事。
今、派遣にきていた魔道士たち、施設団の人達は。
この状況に翻弄され、ほとんど、主力メンバーとして戦いに赴きざるをえなくなっているのが今の現状。
そんなことは、こんな小さな国外れの村や町では知る由もなく。
また、身を守る手段など。
とにかく隠れるしかない。
力のないものは・・いとも簡単に殺され。
あげくは、目の前で、その今まで仲間だった、家族だったものが、異形の姿に変わるこの現実。
今まさに、混乱を極めていた。
「・・・・あ!あれを!」
村人の一人が、上空を指差す。
空一杯に、広がる竜の群れ。
『助かった!!!!』
きっと、この辺りを治めているという竜王が、自分達を助けるために、派遣してくれたに違いない。
生き残っている人々は喜びの声に打ち震えた。

ごっ!!

上空から、一声に、光の息(レーザー・ブレス)が。
一斉に、そこをめがけて、降り注いでいた。

どぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんんんんんん!!!!!!!!

跡には、クレーターとかし。
何もなかったかのごとくに。
ただただ地面が広がっていた・・・・・。



「ティス!?」
「ちっ。ここは、我が管理する区域、貴様たちには、手出し無用。」
「そんな問題か!?貴様・・何やってる!?」
抗議の声とともに。
二人の人影が、彼の前にと出現する。
「五月蝿い!!!」
イネ!!!!!
かっ!!
『ティス!!!!!』
戒めの言葉も無視して。
その場を誰にも入られないように結界に閉じてしまう。
「ティス!!ここをあけなさい!!」
「ティス・・・・ヴラバザード!!!!」
口々にいうのは、黒い髪の男性と、空色の髪と空色の瞳をしている女性。
しかし、応答は・・なし。
「・・・・どうする?」
「・・・・とりあえず、これ以上・・・人間達・・・ティスのせいで、被害が広がるのは、何としても防がないと・・。」
その言葉に、顔を見合わせて。
二人の姿は出現したとき同様に。
その場から掻き消えてゆく。


「噂をながせ。今回のようなことになったのは。結界の中から災厄が訪れたのだ・・とな。」
くくく・・・・。
その瞳が示すのは・・・・狂気・・・・・。





いずこからともなく。
このようなことが起こったのは。
北の地方の結界が破られたからだ。
結界さえ、破られなかったら、こんなことにはならなかったのに。
噂が流れ始め。
あっというまに、その噂は。
この地方を包み込んでゆく―。


「この、トーヘンボク!」
「何を!このわからずや!」

カッ!!!!!

光とともに。

数千年、些細な子供喧嘩を続けていた、二つの王国。
それは跡形もなく掻き消えて、海の藻屑と消え果ていた―。



―疑わしきものは、すべて抹消しろ。些細な力も見逃すな―


ただただ、上司をひたすらに信仰している彼らにとって。
その言葉を神のため、正義のためと。
疑うことなく・・・デーモンを駆逐するとともに、大量虐殺を繰り返してゆく・・。

そう―。

千年前の降魔戦争の折に。
古代竜をすべて滅ぼしたときのように―。


彼の管理する区域は、混沌としたる空間となりはてていっていた・・・・・・。


                                   -続くー


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まえがき:

またまたいくのです♪
ちなみに、後ろの画像・・。
一応、正月なので・・・雪の降るイメージ・・ということで(笑)←まてぃ!!


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    あとがき:
        薫:・・・・・・。
          とりあえず、次回から、本編・・のつもり(まて!)
          さて・・・(汗)
          おいおいと頑張るのです・・・・。

     エル:でも、あたしの出番♡
      薫:うどわ!
        それでは!!
    エル:あ、待ちなさい!!!!!!!


   どっがぁぁぁぁんんんんんん!!!!



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