見果てぬ夢・第十三話    ~最後への挑戦~




カラーン・・・・・。

カラーン・・・・。 

静かに協会の鐘が鳴り響く。
確か、八年前にも同じことがあった。 
そして、また・・・・・。 

参列者は皆、一様にシルメリア様をおしんでいる。
私は―万が一に備えて外の警備に当たっている。 
シルメリア様の棺には、
これ以上魔族が手出しできないように特殊な紙に魔方陣を書き入れて。
それを納めている。
それは、赤の竜神スィーフィード様を表すシンボルの魔法陣と。
赤瞳の魔王シャブラニグドゥを表すシンボルの魔法陣。
本当はあの存在・・・・・。
・・・・混沌の源である『金色の魔王』を表すシンボルの魔法陣がよかったのだが・・。
私はそれを知らないし・・・。 
私が、人知れず張っている神聖呪文の結界のためか、今のところ、何の問題もおきてはいない。 
しかし、油断は禁物。

「・・・あら?叔父様・・・?お久しぶりです。ドレイク叔父様。」 
何か聞き覚えのある声。
ふと、声の方に振り向くと。
三十前後の若い女性。
・・いや、確か、今は二十八歳。
長い銀の髪をみつあみにして。
そして、彼女の傍らには子供が手を引かれている。
「・・・・・レ・・レーン・・・??」 
どこかしら、懐かしい顔。
思わず私は声をもらす。
「・・確か、十六年・・ぶり・・・か?」
彼女と会ったのは、最近では、殿下と初めてあったとき。
私がいうと。
「ええ。でも、まさか、こんなところで、叔父様にあえるとは♡」
いいつつもにっこりと笑うレーン。
彼女は私が昔とある村で彼女が八歳のころ、燃え盛る家の中から助け出した少女。
・・そういえば、レーンもまた、魔族によって、村が襲われ両親が殺されているのだ。
「あれから、私、村長に言われて旅にでてるんです。」
笑いながら説明してくるレーン。
銀の髪に紅の瞳。
彼女の村は、なんでも竜族との血が混じっているとかなんとかで。
それが理由で襲われたのであるらしいが。
「その女の子は?」
私がレーンの横にいる少女のことを聞くと。
「ああ、私の娘です。ミリーナ、お母さんの命の恩人。アヴァロン=ドレイクさんよ。挨拶してね。」
レーンがいうと。
レーン譲りの銀髪にそして緑の瞳。
その少女は、
「始めまして。ドレイク叔父様。私ミリーナといいます。」
なんともしっかりした子供である。
「おや?旦那さんは?」
私がいうと、
「ああ、今、この葬儀の警備をやってます。傭兵なんですよ。」
そういえば、何かあってはいけないので、かなり大掛かりな警備を引いているんだった・・・。
「あれから、私、いろいろと勉強して、魔族にも対抗できるように呪文身につけたんですよ。
    竜破斬(ドラグスレイブ)とか魔王剣(ルビーアイブレード)とか♡」
どうやら、まだ敵討ち・・あきらめてないようである(汗) 
・・・ん? 
「・・・・魔王・・剣(ルビーアイブレード)?」 
聞いたことがあるその名前。
というか、その名前は!?
赤瞳の魔王(ルビーアイ)の力を使った剣!?
「ええ。全ての魔族を束ねている赤瞳の魔王シャブラニグドゥの力を、剣として赤き刃にする業です。」
にっこりと笑いながら丁寧に説明してくるレーン。
普通、そんな呪文が使えるか!?魔力容量が大きくなければ、無理のはず!!
・・・使えるか。
この私ですら赤の竜神の力を使った(借りた)呪文が使えるし・・・・・。
「娘のミリーナは、精霊魔法が得意なんですよ♡特に風精霊の魔法がすごいんですけど♡」
さりげに娘のことをほめているレーン。
ほお~う・・・・。こんなにまだ幼いのに・・・・。
グレイシア様より一歳年下か・・・。
将来が楽しみであるなぁ~。
「おやおや♡やっぱり、ガイルスさんの周りは退屈しなくていいですねぇ♡お久しぶりです♡レーンさん♡」
いきなり後ろから声がする。
「ゼロス!?」
「あら、ゼロスさん?相変わらず、お変わりなく。」
私とレーンの声が重なる。
・・ちょっとまて(汗)
「・・レーン・・。もしかして、このゼロス、知っているのか!?」
私がゼロスを指差してレーンに聞くと。
「ええ。ミリーナをお腹に宿しているころでしたか。
  ブラスデーモン達に襲われていたところを助けて貰って。それから、ときどき、偶然にもお会いしてますので。」
さらりというレーン。
・・・・いや(汗)
絶対に何かたくらんでいるぞ?それは(滝汗)
「でもね。このおじちゃ・・・・。」
ミリーナがおじちゃんと言いかけると。
「お兄さん♡」
ゼロスがにこにこと訂正してたりする。
「この・・おじ・・じゃなかった、お兄ちゃん、全然私が初めてあった頃から、姿がかわらないのぉ~。」
ミリーナの言葉。
そりゃこのゼロスは魔族だし・・・
「どうしてなのかは、それは秘密です♡」
ピット人差し指を口にあてて言っているゼロス。
「しっかし、本当に、彼方の周りは退屈しませんねぇ♡はっはっはっ♡」
頭をぽりぽりとかいて笑っているゼロス。 
「あら?それでは、夫が待ってますので、私は、そろそろこれで。では、叔父様、ご機嫌よう。」
「ばいば~い♪おじちゃん!!ゼロスお兄ちゃん。」
・・・どこかゼロスに対しては、棒読みのミリーナ。
そういって、レーン親子(レーンとミリーナ)は私のそばを立ち去ってゆく。
―うん?今何かレーンの向かった方から何か感じたが・・気のせいか? 

やがて、二人の姿が見えなくなる。 

「―で?何をたくらんでいる?獣神官ゼロスよ?」 
もはや腐れ縁といってもいいかもしれない(汗) 
このゼロスとは。
私が静かに言い放つと。
「それは秘密です♡僕は今回もただ見てるだけで♡しっかし、シルメリアさん、面白いですよぉ♡
  死んだというのに輪廻転生の輪に乗っからないで、そのまま現世に留まっているよ~ですし♡」
笑いながら、とんでもないことを言ってのけているゼロス。
・・・・何!? 
どういう意味だ!? 
「ふふ♡楽しませてくれそうなので♡い~こと教えてあげましょう♡」
にこにとこ笑いながらいうゼロス。
・・どーせ、ろくなことではないのだろ~が・・・。
「シルメリアさんの魂・・ですか?彼方たち、人間が言っているのは。彼女、魔王様の欠片もったままらしいですよ♡
  何でか北の魔王様より余り彼女にはちょっかいかけるな。という命令がてでますけど♡
  冥王様、面白そうだから、という理由で、ヘルさんには教えておられないよ~です♡」
・・・?どーいうことだ?意味は? 
「ですから、なんらか、仕掛けてきますよぉ♡ヘルさんは♡シルメリアさんの二人の子供さん達に♡」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「な・・・・何いいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」 
思わず叫ぶ私。
「本当ですって♡魔族は嘘はつきませんよ♡」
ぴっと人差し指を振るゼロス。
・・・ということは!? 
シルメリア様の魂は!? 
・・・・一体、何処に・・・・???!
「ま・・まて!!シルメリア様は・・いったい・・・今、何処に・・・・」
私が問い詰めようとすると。
「おやおや、それは、秘密です♡それでは♡」
いいながらゼロスの姿は瞬時に掻き消える。
そして、残るは辺りのざわめきのみ。


―ク。―イク。―ドレイク殿!!
どれくらい時間が過ぎたのであろう。
名前を呼ばれはっとなる私。 
気がつけば、もはや葬儀は終了していた。
「どうかされましたか?フィリオネル殿下様方が城にお戻りになられます。お急ぎください。」
私に語りかけてくる兵士。
「分かった。」 
魔族は、嘘をつかない―それが真実かどうかは分からないが。
いや、精神生命体である彼らには、嘘というのが、自身のダメージになるのか?
だが、ゼロスのいったことは、直感だが真実であろう。
―これは・・・・・。
今まで以上に、姫様方の側を離れぬようにしなくては―・・・・・・・・。


                                 -続くー


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「・・・どうして、あの人間、死んだというのに、あのままあそこに留まっているのかしら?
  ―まあ、いいわ。彼女は子供のことを気にしているようだから。
  じゃあ、子供を殺して魔王様に目覚めてもらいましょう♡ ふふふふふふ♡」 
静かに笑いつつ、緑の髪の少女―ヘルは精神世界からシルメリアを見て含み笑いをしている。
あたし、ちょっかいかけるな・・とはSにいったけど・・・・
ま、これはこれで、面白そうだからい~わね♡
そ・れ・に♡
ガイルスの周りに魔族が集まるのは当たり前なんだし♡
あたしがちょっとちょっかいかけてるからね♡
そ~なるように♡
しっかし・・・・・・。
S・・・・部下のしつけが本当になってないわねぇ♡
ふふふふ。また、行動を起こそうとしているし♡
これは、またS、呼び出して、お仕置きしなくちゃね♡


「くっ・・・・・。魔王剣(ルビーアイブレード)!!」
「遅いんだよ!!!!」 
ぐふぅぅ!!! 
ぽたぽたと血が流れる。
「―っ!!?お母さん!!!」
少女の目前で展開されている光景。
赤と銀が交差する。 
そして、銀をかばうようにして倒れさる青い髪の男。
「ち・・・。ルビーアイのやつの呪文の剣か・・。初めてみるな・・・・。
  だが、まっさか、あの村の人間が、魔王の欠片を持っているとはな!!さすがに気がつかなかったぜ!!」 
どすぅぅ!!!! 
後ろから母親の背中が貫かれ、そして、前からも力を入れる赤い髪の男。
そして、男の前では、完全に胸を貫かれている銀の髪の女性―。
少女の目には赤い髪の男性が両親を嬲り殺していく様子が焼きついてゆく。 
「お母さんを離して!!!・・光衝霊弾(フェルザレード)!!!」
少女―ミリーナは呪文を解き放つ。
うずくまく青白い光の帯が、男に突き進んでゆく。
だが、あっさりと霧散する。
「ちっ!!子供に用はない!!」
言い放ち、少女の母親―レーンに止めを刺す男―魔竜王ガーヴ。
どさっ・・・・。
母親が崩れ落ちる。 
「・・・・お母さん!!!!??」
ミリーナは、頭に血が上り。
そして―。 
「シルフ!!!召喚!!!!!」
無意識につむぎだす召喚魔法。 
「なにぃぃ!!!!精霊の召喚だとぉ!!ちっ・・。ここは、ひとまず、ひきあげるとするか!!」 
さすが、精霊を相手にしていると、フィブリゾに気がつかれると判断して、ガーヴはその場を立ち去る。

どさっ・・・・・・。

ガーヴがいなくなったあと、気を張っていたミリーナは・・。
動かない母親の上に崩れ落ちるようにして気を失った。

「・・・・・で?いいわけ、聞かしてね♡」
ずざぁぁぁぁ!!!! 
今また封印転移しよ~とするSのやつに、あたしの寛大なる言葉。
なぜか精神身体だとゆ~のに顔色が悪いS。
レーンは、とっとと輪廻に乗っけておいたし・・・。 
ダイアナが結構こまめに働くのよねぇ♡
いい子、いい子♡

そして、あたしの宮殿になぜか悲鳴ともいえない歓喜の声がこだました。
あら♡こんなに喜ぶなんて♡
お母さん、うれしい♡
(うううぅ・・・・・。お仕置きはいやだぁぁ!!!!!!!!) 

・・・そーいうことを考える子には、スペシャル♡

(う・・・・・・うっぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ・・・・・)

なぜか硬直しているダイアナ・ジェーン・カシェル・ルシオの四人。
些細なことなのにね♡




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  あとがき: 
    かお:こんにちわ♪ 
       ちなみに、ミリーナは、リナより四つ上という設定にしてあります。 
       だから、アメリアとリナが一歳違いという設定にしてあるので、アメリアとは五つ違います。 
       ちなみに、レーンは・・・・(汗)わかりますよね(滝汗) 
       ミリーナが、赤い髪の男を嫌う理由です(汗)
    エル:・・・あたしの活躍は?♡
     姫:・・・長編の方は?♡リレー小説もどきは?♡
    エル:そして、あたしの漫遊記は?♡
    かお:あぅ・・・・(滝汗) 
       実は、今回は、これを重点的に打ち込んでるので・・・は・・はぃぃぃ(涙) 
    エル&姫:・・・・(無言で武器をとりだす) 
    かお:あ゛あ゛!!!!あと一話で完結なんですよぉぉ!!これ!!!! 
       ・・・番外編は除いて(涙) 
    エル:関係ない♪ 
     姫:そうそう、私達を活躍させなさい♪ 
    エル&姫:ってことで♪えい♪ 
    かお:・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!??????←声にならない叫び(涙) 
    エル:さて・・。全然、こりないわねぇ・・・・。こいつは・・・・。 
     姫:そうねぇ・・・。しかも、次の休みは、打ち込みしない気らしいし・・・・・。 
    エル:こいつのことだから、寝過ごすか、または道に迷うのは決定よね♪ 
     姫:それもいーかも(はあと)
       私達を活躍させないから、そ~しましょ~か♡
    かお:(うう・・・往復四時間かけていくつものなのにぃぃ・・涙)
         ↑スレの映画を見に(笑) 
    エル:ま・・いーわ♪
        こいつが、ページ創ったら、始めにあたしの本編、入力させましょ♡
     姫:でも、この人のことだから、わざわざページ作成ソフトまで購入してるのに、できなかったりして♡
    エル:ありえるわね♪ 
    かお:(しくしくしく・・・・。) 
    エル:まあ、とりあえず、この話は次回で終わりらしいけど♡
     姫:とゆーか、この先は、リナ達オンリーよね♪おもいっきり面白い♪
    かお:(とゆーか、どこかしらヤバイ・・とゆーか、かなり微妙すぎる表現が・・・汗)
    エル:まあ、とにかく!!!あたし達の活躍を打ち込みさせないと♡
     姫:そうねぇ♡
    エル&姫:それじゃあ♪私達は、こいつを見張ってますので♪じゃあね♪
    かお:あぅあぅあぅ・・・・・・。 



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