「いやぁぁ!!目をあけてよぉぉ!!」
「じぃ!!」
薄れた意識の中で姫様達の声が聞こえてきた。
ふと、動かないはずの目を開けることができると、
そこには、泣きじゃくる私が仕えている殿下とそのお二人の姫様達が・・・。
ああ、姫様達は、助かったのだな・・・。
ふと、安堵する。
これで、シルメリア后様にも、顔向けができる・・・。
(・・ですよね?)
私が彼女の方を向くと、シルメリア様は、
ただ、アメリア様の横でにっこりと笑っていた。
アメリア様方はご存じない・・。
私も、ついさっき、気がついたのだから・・・。
あまりに幼い子供を残して、心残りがあった為か、
シルメリア様はアメリア様の守護霊となってることに。
「しっかりしろ!!アヴァロン!!」
殿下が私に声をかけてくださっている。
だが、私は、もう・・・。
それよりも、今回は、また、なんとか、阻止できたが・・・。
また、陰謀が殿下達を巻き込まないとは限らない・・・。
私は、残りの力を振り絞って・・・。
「・・・殿下・・・。くれぐれも・・気をつけて・・・」
言いたいことはあるのに、その言葉しか、声に出せない。
だが、殿下にはそれで通じたようだ。
さすがは、私が見込んだ殿下である。
「・・分かった・・・。安心して、眠るがよい・・・。アヴァロン・・いや、ガイルス。」
殿下が私の本名を言う。
殿下は、親切にも、私の本名を誰にも、話しては下さらなかった。
私の名は、「アヴァロン=ドレイク」だが、真実の名は、「ガイルス=パロ=ウル=ガイリア。」
ディルス王国の直系の王族でもある。
なぜ・・私がそれをひたかくしにしているかというと・・・。
それは、ディルス国王のかつてのカタート山脈侵攻に端を発する。
私は、殿下のおやさしい言葉をきいて・・・。
そして、気がつくと、自分の血まみれの身体の横で
泣きじゃくっている姫様達と、涙をこらえて、姫様達をなだめている殿下の姿が下に見えた。
「私は・・・死んだのか・・・。」
私がふと、自分のおかれた状況を判断する。
これで、やっと、彼らの元にいけるのか・・・。
「お疲れ様。ガイ。」
ふと、声のする方をみてみると、
そこには、かつての仲間達・・四人が笑顔で私を待っていてくれている。
「ダイアナ!!ルシオ!!カシェル!!ジェーン!!」
私は彼らの名前を力の限り叫ぶ。
私の唯一の、幼馴染であり、大親友達でもあった、彼らの名前を・・・。
彼ら・・・いや、ダイアナは、私の手をとり、
「これからが、始まりよ。」
そう言って、私を連れて、移動してゆく。
ふと気がつくと、私は、かつての本来の外見と、二十代の姿へと変わっていた。
そうして、私は、かれらに連れられて・・・。
移動してゆく。
―混沌の海の中へと―
そこで・・・。
「はい♪じゃ、今度は、あんたもこっちで仕事するのよ♡)」
かつて出会ったことのある絶世の美女でもある、あの女性がそう言ってくる。
・・・・思えば、私の人生は、そして、彼らの人生もまた、全ては、あの時から、決定したのだろう・・・。
そう・・・・。
万物の王たる『金色の魔王(ロードオブナイトメア)』と出逢ったあの時から・・・・・。
************************************
見果てぬ夢・第一話 ~始まりの序曲~
父は、ディルス王国の近衛隊長。
母は、ディルス王国直属の賢者。
ついでに、現国王の実の妹でもある。
巫女としての才能が桁外れに高いという、僕の母。
国王の妹ながら、その才能で、賢者となっている。
そして、父と結婚。そうして、生まれたのが僕―。
僕の名前は、ガイルス。ガイルス=パロ=ウル=ガイリア。ただ今、八歳。
仲のいい、友達たちは、僕のこと、ガイと呼んでいるけど。
そんな両親の血を完全に受け継いでいるのか、僕は魔力容量が桁はずれにおおきく、
また、剣の腕も父や、王室の皆に鍛えられているせいか、なかなかのものである。
自分でいっては、なんだけど・・・/////。
僕はいつものように、皆と待ち合わせをして、外に遊びに来ている。
今日は、僕の幼馴染のカシェルがなんと、「ラティルト」を覚えたというのだ。
これで、あの作戦が実行できるかと思うと、僕はわくわくしてくる。
待ち合わせ場所には、すでに、四人は集まっていた。
僕の幼馴染のルシオ。
そして、その二つ下の妹のダイアナ。
幼馴染のカシェル。
そして、幼馴染のジェーン。
僕たち五人は、大の仲良しで、いつもともに行動している。
ひそかに、ダイアナは僕の好きな子でもあるけど////。
「カシェル!!とうとう『ラティルト』覚えたんだってな!!」
ルシオがうれしそうに、カシェルに言う。
「ああ!!これで、全員、覚えたな!!」
カシェルが答える。
僕たちは、ある計画を企画していた。
そのために、最低でも、『ラティルト』ぐらいは、習得するように、頑張っていたのである。
「じゃ、次の新月でも、例の計画、実行しようぜ!!」
ルシオがいい、
「じゃ、母さん達には、キャンプにいくとでも、いっておいて、ごまかしておこーね♡」
ジェーンが言う。
僕たちがあたためていた計画を実行するときがきた。
僕たちの両親は、いたって仕事に忙しく、あまりとやかく言わない。
たびたび、子供達だけで、キャンプにいっても。
ただ、
「カタート山脈には、近づくな!!」
とは口をすっぱくするほど言ってるけど。
「じゃ、次の新月に!!」
「おう!!」
そうして、僕らは、冒険へと出発することを決定する。
そして、新月。
「行ってきまーす!!」
母さん達には、キャンプにいくと嘘をついて、僕は、皆と待ち合わせの場所へと移動してゆく。
そうして、町からでて、絶対、近寄るな!といわれている山脈のふもとへとたどり着く。
ここまでにくるまでに、すでに日は傾き、夜の闇が辺りを覆っている。
新月のせいか、あたりはほどよく、暗い。
そして、監視の兵士の目をかいくぐりながら、僕たちは、その山脈へと足を踏み入れる。
―カタート山脈。
伝説によれば、ここは、もともと水竜王が治めていた神聖な山だったらしいが、
千年前の降魔戦争より、魔族の住処となっているらしい。
魔族といっても、僕たちには、レッサーデーモンや、ブラスデーモンといった、馴染みのある魔族しかしらないけど。
一度、この近くまで来たとき、姿がかわった魔族には出会ったことがあるけど。
そいつは、あっさり、「ラティルト」を放ったら消滅したし・・・・。
僕たちは、そんな伝説を半信半疑で聞きながら、で、今。
全員が、ラティルトを覚えたら、カタート山脈へ肝試しをかねて、遊びにいこう!!
という計画がもちあがっていたのだ。
そして、僕たちは、今、カタート山脈の入り口へとやってきている。
「ここだな・・。」
僕たちが足をふみいれて、しばらくすると、なんだか、気分が悪くなってきた。
よく、感じてみれば、辺りに瘴気の渦が渦巻いている。
このままでは、ちょっと、進むのに、難しいかな?
そんなことを思っていると、
「聖防壁結界(セイント・ガーディス)」
ダイアナがポツリときいたことないよーな、呪文を唱える。
とたんに、僕たちは気分がわるいのは吹き飛んだ。
「?ダイアナ?今の呪文は?」
ダイアナの兄でもあるルシオがダイアナに聞くと、
「わかんない。ただ、ふと、頭に浮かんだから・・。」
とダイアナ。
そして、
「ふっ!!やっぱり、私って、天才かも!!お~ほっほっほっ!!」
いきなり笑い始める。
ダイアナって・・・。なんか、やけにプライド・・高いんだけど・・。
「天才かどうかは、ともかく、これで、奥に進めるじゃない♪さっさといきましょ♪皆♪」
冷静にダイアナを制し、ジェーンが言う。
いつも、ダイアナが暴走(?)しかけると、ジェーンがそれを止める。
というのが、僕らの日常茶飯事になってるけど。
「それもそーだ。」
そして、僕たちは、山を登ってゆく。
目指すは、頂上にあるという、いや、いるという伝説の魔王を見ること。
なんでか、大人たちは、怖がって、ここに近づこうともしない。
一応、魔族の本拠地だということもあり、僕らは、全員がラティルト―精霊魔法では最高 峰をマスターしたのだ。
途中、よくわからん、姿の動物が出現してたりもするけど。
しかも、そいつらには、物理攻撃・・一切効かない。
多分、これが魔族なんだろう。
僕は、家が大切にしている、剣を実はこっそりと持ってきている。
この剣。
父さんと母さんが結婚するときに、前国王がお祝いにくれたものらしい。
別名、『エルメキア・ブレード』
伝説と化している武器の一つで、精神のみを切り裂くことができるらしい。
他には、何でも、ガブリエフ家が代々伝えているという、
『光の剣』なんかも、伝説の武器の一つでもある。
ま、今は関係ないけど。
そして、山の中間まで無事に(その間デーモン達は、やっつけながら)やってきていた。
いつのまにか。
「なんか、表紙けするなぁ・・。」
「確かに・・。」
「本当に、伝説にある純魔族なんているの?」
「ふっ。この私に恐れをなしてるんじゃなくて!!お~ほっほっほっ!!」
僕、ルシオ、ジェーン、ダイアナで、途中で休憩しながら、そんなことを話し合う。
そんな時、
「おやおや、なんだって、こんな所に人間の子供がいるんだい?!」
「人間だ!!ふふふふ、玩具がいるぅ!!」
なんか、かすれたよ~な、しわがれたよ~な声がしてくる。
僕たちがそちらを振り向き、
『げげげっ!!?』
驚愕の叫びをあげたのは、当然かもしれない。
姿は、人間なのだが、一人は、生首だけの姿で、しかも、ご丁寧に、赤いものが滴っている。
もう一人は、どこかの腐った死体のような格好で、内臓が飛び出している。
はっきりいって、これ、食事中だったら、思わず、もどすのは、まず確実の姿であった。
「ふふふ♪玩具だ♪玩具だ♪」
うれしそうに言う生首と、
「見回り強化月間でも、面白いことがあるじゃないかぃ♪」
腐った死体が言葉を発する。
おもわず、顔をみあわせて、
『見回り強化月間?』
僕とルシオは声を出す。
たぶん、こいつらが、純魔族といわれてる存在なのだろう。
どう考えても、こんなのが生きてるとは、思えないから・・・。
「ふふふ♪楽しませて、もらうよ♪人間の子供達♪」
そう言って、・・・・攻撃は開始された。
・・・・はっきりいって、僕たちの考えが甘かった。
ラティルトさえ、使えれば、魔族なんか、どうにでもなると思っていたのだが・・・。
現実は・・・。
呪文詠唱する暇さえなく、いたぶられ、もてあそばれて、次々に、僕たち全員が重傷を追ってゆく。
「くっ・・。!!暁明復活!!」
なんだか、息のしたから、ダイアナが聞いたことがない、言葉をつむぎ出す。
すると、僕たちの身体をなにか、暖かい、膜のよ~なものがつつみ、完全に傷が回復してゆく。
『・・なにっ!!?』
驚愕の声を上げる魔族達。
そして、なにか、魔力弾のようなものを僕たちの方にぶっ放してくる。
「あぶなぃ!!」
どん!!
僕とダイアナは、ジェーンとルシオに突き飛ばされる。
「ジェーン!!ルシオ!!」
「お兄ちゃん!!ジェーン!!」
僕とダイアナの悲鳴が響く。
・・・・僕とダイアナの目の前で、黒こげになって、
手足、身体半分がなくなりながら、ルシオとジェーンが大量に血を流しつつ、倒れていった・・・・・。
「ふふふふ♪おじょうちゃん・・・。おじょうちゃんには、、死んでもらうよぉ・・。」
そう言って、ダイアナの方に向かってくる生首魔族。
と、そのとき。
「おやおや、何、遊んでるんですかぁ・・♡ゼオライトさん、オブシディアンさん♡」
緊張感がいっきに砕け散る間の抜けた声が聞こえてきた。
声の方ほふりむくと、そこには、おかっぱの一人の人間の男性。
どこにでもある錫杖に、どこにでもある神官の服。
にこにこと場違いな笑顔を振りまいている。
・・・助かった。
僕は本気でそう思った。
この男の人は、どうみても、人間だ。だったら、僕たちを助けにきたのかもしれない。
どこかで、僕たちをみつけて。
だが、その声と同時に、
『ひぃ!!!ゼ・・ゼゼゼロス様ぁぁ!!!!!????』
魔族二人の悲鳴が響き渡る。
「何、遊んでるんですかねぇ♡人間の子供あいてに♡」
そのゼロスと呼ばれた、神官風の男性が魔族達にむかって言っている。
『お・・・お許しを・・・・。』
なぜか、しり込みしている魔族達。
僕とカシェルはダイアナを守るようにして、その間に構え直す。
そして、背中に持っているエルメキア・ブレードを抜き放ち、ひたと構える。
そういていると、そのゼロスとか呼ばれている男性がふと、こちらを向く。
「・・・・おや?これは、これは・・・・。」
ダイアナをみて、なにやら、つぶやいている。
ダイアナは、何か、本能的に恐怖を感じたらしく、
「ラティルト!!」
いきなりその男性に呪文をぶっ放す。
だか、それは、その男性に届く間もなく、
ぱっきぃぃんんんん!!!!
澄んだ音によって、掻き消える。
瞬間、僕たちが硬直するのと、同時に、
「・・・目覚められては、やっかいですね♡」
錫杖をダイアナに向けてくるゼロスとかいう、男性。
僕たちは、ダイアナを守っているけど。
刹那、
「き・・きゃああぁぁ!!」
ダイアナの悲鳴が響き渡る。
僕たちの後ろにいたはずのダイアナが、血をながしつつ、何か、黒い錐のようなもので、身体を刺しぬかれている。
「くっ・・!!このぉぉぉ!!!!」
カシェルがゼロスに向かっていき・・・。
ばしゅううう!!!!!
血を大量に流して、その場に倒れるカシェル。
「カ・・カシェル!?ダイアナ!?」
僕はただ、叫ぶことしか、出来なかった。
「う゛・・・ガイ・・だけは・・死なせない・・・。」
ダイアナがいい、なにやら、つぶやく。
「おや♡まだ、生きてますか♡さすがは、スィーフィードの欠片を持っている人間だけのことはありますねぇ♡」
にこにこと笑いながら、言うゼロス。
スィーフィード・・・?・・・・っ!!?
スィーフィードって、あの伝説の赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード!!??
そして、黒い錐がダイアナを串刺しにすると同時に、本当に一瞬の差で、ダイアナの呪文が完成したようだ。
「・・・加護を・・・・。赤聖光防壁(レッド・ライトシールド)・・・。」
僕に向かって、それをかけて、瞬間、ダイアナは・・・。
「ダ・・・ダイアナァァァァァ!!!!!」
僕の血の叫びが響き渡る。
助けられなかった・・。僕の目の前で・・皆が・・・。
涙を流す暇すらなく、まだ、僕の前には、魔族達が。
どうやら、このゼロスとかいう男性も魔族・・なんだろう。
どうみても、人間だけど。
僕が剣を構えると、
「おやおや♡まだ、やるつもりですかねぇ♡」
ゼロスがのほほ~んと言ってくる。
悔しい・・。
完全に遊ばれている。始めに出てきた魔族なんかは、びくびくして、固まってるし・・。
たぶん、あいつらよりも、このゼロスはかなり上位の魔族なんだろう。
僕が、死を覚悟で、みんなの仇をとろうと、決心したとき。
「ゼロス!!お前、何やってる・・・。」
凛とした、女性の声と、
「・・・獣神官ゼロスよ・・・。今は、いざこざはやめておけ・・・。」
深くよく通る男性の声が聞こえてきた。
と、同時に、
「あら♡残念だったわねぇ♪部下S♪このルシオって人間、Sの欠片・・もってたのにねぇ♡」
すごくきれいな、鈴を転がしたよ~な、いや、それより、神秘的と表現するのにふさわしい、声がしてきた。
「獣王様!!赤瞳の魔王様(ルビーアイ)様!!・・はっ・・!!!!こ・・これは、エル様!!!」
即座にひざまづいてるぜロス。
僕がそちらを向くと、長い漆黒の黒い髪、結構、美男子の好青年と、
淡い金の髪を長くのばし、後ろでだんごにして、まとめている、ちょっときつい感じのする女性。
そして、目を見張ったのは、どうみても、みたことがない、絶世の美女。
長い金の髪をなびかせて、黒いローブを身にまとい、マントをはためかせているのだ。
そして、その後ろには、僕によく感じが似ている七歳ぐらいの男の子と、銀の髪のいかにも、武人らしい男性の姿が・・・。
そして、漆黒の長い髪に、水色の瞳の女性の姿。
なんだか、高い真珠などをアクセサリーにして、身に着けている。
そして、どうも、全員が、この絶世の美女の前では、ただ、頭を低くしてる四人。
ゼロスにいたっては、ひざまづいてるし・・・。
ふと、気がつくと、始めにでてきた、魔族なんかは、
「ひぃ!!」
いきなり、悲鳴を上げて、掻き消えてたりするんだけど・・・。
「・・・何ですって!!?」
いきなり、声を荒げる魔道士風の男性。
そして、なぜか、彼女の台詞に固まっているゼロスを含む今現れた四人達。
・・・まてよ?
今、このゼロス・・って・・・。
この魔道士の格好した男性・・・ルビーアイ・・って・・・呼ばなかったか!?
「そよ♪ガイルス♡正解♪」
いきなり僕に言ってくる絶世の美女。
彼らは、エル様とか呼んでたけど・・。
何で、僕の考えが分かったように、いってくるんだ!?
僕が動揺していると、
「そだ♡い~こと、思いついちゃった♡」
彼女の声と、同時に、僕は、そして、死んだ友人達が金色の光につつまれる。
・・・・・・・・・・・そして、僕は、意識を失った・・。
「うわぁぁぁぁ!!!!!」
がばっ!!!
跳ね起きると、そこは、僕の家だった。
瞬間、僕は、理解ができなかった。・・・あれは、・・夢?
そう思いつつ、服を着替えていると、ふと、胸の傷に気がついた。
この傷は・・・。
今まで、こんな傷は、なかった。夢の中では、傷、受けてたけど・・。
まさか、やっぱり、あれは、現実!?
僕は、不安になって、いそいで、一階に降りてゆく。
「あら、いつのまに、キャンプからもどってたの?お帰り。ガイ♡」
母さんがいってくるけど・・。
じ・・じゃあ、やっぱり、あれは・・・!!??
僕は、不安で不安で、いつも皆で集まっている場所へと向かう。
「ガイルス!?」
母さんは、僕の様子に多少、驚いているようだけど。
そして、僕は、いつもの場所へとたどり着いた。
「よかった・・・。」
僕は思わず、声に出す。
『あ゛・・・・』
皆は、今まで、何か、話していたようで、僕をみて、一瞬泣きそうな表情になるが、すぐに、
『お早う!!ガイ!!』
笑いながら、僕に挨拶してくれた。
「よかった・・・。あれ、夢だったんだ・・。そうだよ・・。そうだよな・・。」
僕がそういいながら、皆の方にいくと、
なんだか、困ったように、
「・・・夢じゃ・・ない・・。」
そういって、各自に出来た傷を見せてくる。
・・・・???!!!!!
この傷は!!??
「・・・僕たちは、助けられたんだ(?)・・・・。『金色の魔王』に・・・・。」
ルシオがぽつりといった台詞は、僕には、理解ができないものだった。
金色の魔王とは、あの美女のことなのだろうか?
では、なぜ、僕たちを助けたのか?
金色の魔王とは、天空より堕とされた、魔王の中の魔王なのでは!?
僕は、母さんと、国王、そして、お爺様からそう、聞いている。
しかし、ルシオたちは、ちょっと、寂しそうに、だた、ただ、首をふるばかりである。
「とにかく、皆、無事でよかった!!」
僕が言うと、
みんな、なんでか、さみしそうに笑いながら、
『ああ、そうだな。(そうね)』
と答えてくる。
とにかく、僕たちは、この一件は、誰にも言わないように、硬く誓い合った。
その後、変わったことと、言えば、病弱だった、ジェーンとカシェルが病気一つしなくなったことごらいだったけど。
とにかく、僕たちの秘密は、秘密のまま、時間が過ぎていった・・・・・・。
-第二話に続くー
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************************************
「あら♡お母様♡あの人間達、死んでるまま、生きながらしているのね♡」
あたしの唯一の娘であるリナスが言ってくる。
あたしが、赤の世界から戻ってすぐのこと。
「そう♪んっふふふ♪部下S、からかう、駒にしよっかと♡」
あたしの台詞に、
「面白そう!!」
すぐさま、同意してくるリナス。
「そーいえば、あの王国、何年か後にカタートに侵攻するよ~に、仕向けてるっけ・・。」
あたしの唯一の息子。
リナスの兄でもあるカウリイが言ってくる。
あたしの子供は、この二人。
リナスレイヤー=トゥエル=ウル=ナイトメア。
カウリイ=ルシフェル=ウル=ナイトメア。
ふたりとも、あたしの力を使える存在でもある。
「お母様、あたしも、部下S、いじめにいくの、連れてってほしかったなぁ・・。」
リナスがいってくるけど・・。
「だめだ♡そ~いえば、リナス♪まだ、やりたりないから♡」
カウリイがそういって、リナスを引っ張ってゆく。
「いゃぁぁぁぁぁ!!!助けてぇぇ!!お母様ぁぁぁぁ!!!!」
リナスは泣き喚くが、
「では、母上、俺たちは、ちよっと♡」
カウリイがいって、リナスをつれて、掻き消える。
・・ほっとこっと・・。
いつものことだし・・・。
さてさて・・と♪
ふふふふ♪
部下Sのこれからのうろたえようが、楽しみだわ♪
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まえがき:
はい♪とゆーわけで(何が?!)
清川さんに、プロットを考えてもらって、
チャットや、メールで、決定(こら・汗)した、完全なるオリジナル(なのか!?)を投稿するのです♪
清川さんには、了解済みなのですぅ♪
ではでは。第一話でーす♪
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あとがき:
はい!!
と、ゆーわけで(だから、何が!?)第一話でした!!
実は、これ考えてる最中に、リナ達の設定も思いついたので、(とゆーか、リナ達がでてくるので設定が出来たともいう)
この話の主人公は、不幸なアヴァロンですけど、伏線として、リナ達もその後、登場します。(かなり、設定・・変えたかも・・汗)
一応、子供時代を第一話にして、第二話がゼロスとの再会、写本消失事件とカタート侵攻の序曲。
第三話がカタート山脈、デイルス国王、ディルス=ルォン=ガイリア(英断王)によるカタート侵攻。
第四話から、清川さんに考えてもらったプロットにはいったりするのです(汗)
では♪
二話で♪
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