The never end dreams   ―見果てぬ夢―





鈍く黒光りするプレートメールで全身を覆った重装騎兵が、土煙をあげながら戦場を駆け抜けてゆく。
周りの風景は、右を見ても左を見ても、戦の爪跡が色濃く残されていた。
うち棄てられた死体からは、すでに鼻を突くような死臭が漂い始めている。
焼け爛れた陣屋の材木や柵があちこちに散乱し、
それらの中には、いまだに黒煙を上げている物もあっった。
ぼろ布のように破れ、薄汚れた軍旗が、ゆらゆらと頼りなさげにたなびいていた。
どこか寂しげな、秋風に吹かれるままに―
騎兵達は、勝者にふさわしい堂々とした手綱さばきで馬を操りながら、左右の死体の群れに視線を走らせていた。
むろんのこと、生存者を助けるためだけではない。
そうやって、自らが征服した地を眺めることで、勝利の余韻を満喫しようとしているのだ。
勝利の美酒に酔いしれる者は、その勝利を得るために犠牲となった多くの同胞たちのことなどすぐに忘れてしまう。
いや、無理にでも忘れようとする。

―明日は我が身が、物言わぬ死体となって地べたに転がるかもしれない―

そんな潜在的な恐怖がそうさせるのだ。
またもし仮に生存者がいたとしても、それが敵兵ならば有無を言わさず止めをさされるであろう。
いつ果てるとも知れないこの乱世では、人は誰しも、自分の身を守ることだけで精一杯だったのだ。
やがて、騎兵の一団は、仲間内でお互いの武勇をひけらかし合いながら、戦塵に煙る戦場を後にしていった。
ガサッ・・・ガサガサッ・・・
騎兵が去った直後、突然、地面に転がっている死体の一つが草むらをかき分けてむくりと起き上がった。
さらに驚いたことに、弱々しげな声でありながら、その死体は口をきいたのだ。
「・・・また負け戦か・・・どうして俺はこうも、運がないのだ・・・」
男は、まだ死んではいなかった。
だが、敵兵が見咎めなかったのも無理はない。
男の顔には、惨たらしい傷痕がいくつも刻まれ、まるで死人のそれだったからだ。
男の名は、アヴァロン=ドレイク。
ディルス公国の出身といわれているが、生まれて後の足跡はまったく謎に包まれている。
ただ、全身40ヶ所にも及ぶ戦傷と、醜く変形したその容貌とが、その不幸な前半生を物語っていた。
彼は、槍を杖代わりにして、よろよろと歩き出した。
その哀れな後姿からは、悲壮感がにじみ出ているようだった。
「国盗り・・・見果てぬ夢なり・・・アヴァロン=ドレイク、か・・・ははは・・・・・」
世はまさに、混乱の中にあって、戦国乱世の真っ只中であった―


―ここにも、一人、自らの宿命を探すものがいる―
―我汝、自らに問え。・・自らの真の望みを・・・・。―



                                ~第1話へ~


HOME     TOP     BACK     NEXT


####################################
 
まえがき:

  こんにちわ♪
  今回は、完全にオリジナルの投稿なのです♪
  これは、チャット(書き殴りの)で、知り合った、清川さんに、プロットを考えてもらって、やり取りしていた、小説です♪
  と、いうことで♪(←何が!?)了解が出たので、投稿なのです♪
  ではでは♪

#####################################
  あとがき:

えー、これは、清川さんからの投稿(?)そのまんまです。・・途中までは。
一応、プロローグ?です。
ではでは、第一話で♡←こらぁ(滝汗)


時代設定は、スレイヤーズ一巻の30年前~5年前までの、主にセイルーンを舞台にしたお話です。



HOME     TOP     BACK     NEXT