まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
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「ゼロス!?」
思わず振り返る。
そこにいたのは、そう、紛れもない…
「何であんたがここにいるのよ!?」
そんなあたしの言葉に。
「いやですねぇ。リナさん、助けてあげよう、というのに。」
にこやかないつもの笑みを浮かべて言い放つこいつ。
煮ても焼いても食えないやつ、というのはまさにこいつにうってつけ。
「助けなんていらないわよ!」
あたしの言葉に。
「そうですかぁ?リナさん、見たところ、何かたってるのもやっと、という感じがしますよ?」
・・・・・うっ!
そ・・・そりをいわれると・・・。
ガウリイと、その…恋人同士、となってから、というのも、夜が…って!
「だからって、こんなヤツ、あたしが許せるとでも!?」
そう。
こともあろうに、こいつは!
「ですからv今リナさんにここでやられてもらっては、僕としても面白くないのでv
というわけで、リナさんは、この場から退場してくださいねv」
まっ!
あたしが覚えているのは・・・・
にこやかな笑みを浮かべるゼロスと・・・そして。
「あ、そうそう、ただ、助ける、というのも面白くないですからv
リナさんの記憶、ちょっとばかり消させてもらいますねvとうぜんガウリイさんのこともv」
「って!まてぃぃぃぃい!」
そんなゼロスの声を最後に。
あたしの意識は沈んでゆく。
じょうだん!
あいつの思い通りになってたまるもんですか!
忘れても、絶対におもいだしちゃる!
おにょれ!ゼロスのやつ、おぼえとれよ!
・・・・というか、ガウリイのやつ・・・怒るだろうなぁ・・
今別行動してた真っ最中だったし・・・
あぅ・・・
そんなことを思いつつ・・・・あたしの意識は闇にと沈んでゆく・・・・
鏡の迷宮
「ああもう!あんたは!」
無駄とはわかりつつも、抗議をする。
「いやぁ、だって、リナがあまりにかわいいんだしv」
「だ、だからって!宿にとまったら!その・・・数日も延長すなぁぁ!お金がいくらあってもたんないでしょうが!」
まったく。こいつは・・・・
なぜか、あたしの自称保護者こと、ガウリイと恋人同士になって・・
・・・というのはまだ恥ずかしいんだけど。
つうか、こいつ、手・・・はやすぎなのよ・・・
ま、まあ、とりあえず(汗
なんでか、ガウリイの告白うけたその日にお手つきとなり。
そうして、今にいたる現在にいたってるわけなんだけど…
だがしかし、こうも毎日だと、あたし、体がもたないぞ・・・
まあ、ガウリイ、その、やさしいんだけどね///
いつものやりとりも何のその。
結局のところ、あたしの実家にいく、というのは。
今からいったら、ちょうど真冬のさなかになる、というので、暖かくなってからにしよう。
というあたしの意見で、なぜかガウリイはいじけてたけど。
変なやつ?
だって、葡萄がたべたいんだったら、今からいっても間に合わないのに。
まあ、それはそれとして。
とりあえず、のんびりと、あたしとガウリイはこうして二人で旅をしているわけだけど…
文句をいいつつも、とりあえず、服を着替え。
いつものようにと部屋をでて、一階にある食堂にと朝ごはん・・・つうか、もうすでに時間は昼近いんだけど・・・
ま、まあ、それまで何をしていたのかは・・・その・・・・ごにょごにょ・・
と、とにかく!
「とにかく、おなかもすいたし!ご飯たべにいくわよ!」
「え~。オレはリナがまだたべたりな・・・・」
ぼすっ!
「あんたはぁぁぁぁ!とにかく!あたしはおなかがすいたの!」
まったく、こいつは、何をいってくれるのやら。
いまだにぶつぶつというガウリイに枕をなげつけ。
どうにか説得し、ひとまず食事に降りて行くあたしたち。
「・・・・・・あれ?あんた?」
?
あたしたちの姿をみて。
何やら旅の商人らしき人が話しかけてきてたりするけど。
ふぅん、珍しいわね。女性の旅の商人なんて。
「何か?」
あたしの言葉に。
「あ、ごめんなさいね。人違いのようだわ。いえね。この前いったとある村で、あなたそっくりの人がいて。
そうよねぇ。あなた、うわさのあの、リナ=インバースより、胸、ちょっと大きいみたいだし。人違いよね。」
すべしっ!
「ええええ!?ちょっと!?そのひと、もしかして、『リナ=インバース』って名乗ってるわけ!?」
おのれ!?
誰だ!?このあたしの名前をかたってるのは!?
「あら?知り合いなの?何でもそこの村人、村を壊されたらたまらないからって。貢物を差し出すとかいってたけ・・・・」
「ちよっと!おねーさん!どこ!!?その村は!?」
なぜかあたしのことばに、しりごみしつつも。
「え?知りたいの?・・・・まあ、いいけど。それは・・・・・」
あたしは、その女性から、その村のありかを聞き出し。
そして。
「ガウリイ!食べたらすぐに出発するわよ!」
おのれ!人の名前をかたって、村人に貢物をださせるなんて!
んなことが、姉ちゃんに知られたら、あたしが殺されるじゃないのよ!
「え~・・・まだ、オレ・・・たりな・・・・」
「ああもう!!!!!こんどあんたにおもいっきりつきあってあげるから!今はとにかく!語りのヤツを倒すのが先決よ!」
あたしのその言葉に。
なぜかぱっと顔をかがやかせ。
「絶対だぞvリナv」
へんなやつ?
ごはんをおもいっきり食べるのが、そんなに楽しいのかな?
なんかにこにこしているガウリイだし。
まあ、あたしもご飯をガウリイと食べるのすきだけど。
それがおいしいお食事なら、当然のこと
とりあえず、語りの偽者たたきつぶして、慰謝料せしめて。
そのお金で豪遊しますかね。
あたしたちは、その旅の商人より、村のありかをききだし。
そして、その村にと目的をさだめ、出発することに。
「おにょれ!人の名前をかたるなんて!慰謝料、一万枚くらいふんだくっちゃる!」
まってなさいよぉ・・・
んふふふふふふふふふふ・・・・・・
「…あ…」
よろ。
思わずよろける。
「大丈夫か?リナ?」
そんなあたしを支えているガウリイだけど。
「…大丈夫じゃないわよ…」
まったく、こいつときたら。
手加減・・というのを知らない、というか、何というか…
しかも、何かここ最近、やたらと体が重いのよねぇ…
けだるい、というか、何というか。
・・・・・・・まあ、毎晩のように疲れ果て、熟睡しているこの状態が。
すでにもう二ヶ月近く続いてるわけで…
まあ、おそらくはそのあたりもあるんだろうけど…
「とりあえず、リナ、もう少しで村だから。よっと。」
「んきゃ!?」
にっこりとガウリイにもたれかかるようになっているあたしをいきなりと抱きかかえているガウリイ。
ちょいまてぃ!?
これは、いわゆる”お姫様だっこ”というやつではないか!?
「だぁぁぁ!おろせぇぇぇぇ!はずかいしでしょうがぁぁぁぁ!」
「だぁぁぁぁめvリナ、何か疲れてるようだからなぁ。村までこれでつれてってやるよ。」
そんなあたしをにこやかに眺めていってきているこのガウリイ。
「だれのせいだ!誰のぉぉぉぉお!」
「はいはい、オレのお姫様はわがままだなぁ。何なら、ここ、街道で、このままキスするぞv」
・・・・ぴしり。
や、やりかねない・・・こ、こいつなら・・・・
それでなくても、周りは、あたしたちだけ・・・ではないのにぃぃぃぃ!
「おねがいだから、はずかしいからおろしてよー・・・・ガウリイ・・・・」
はっきりいって、あたしとしてはほとんど涙声。
つうか、恥ずかしいのよ!やっぱり!
こんなのはぁぁぁぁぁ!!!!!
しばしのあたしの懇願に。
しぶしぶながら、ガウリイに寄りかかって歩くことでどうにか合意を得。
というか、一人であるくのが、何かこう、つらいのよね・・・・
とりあえずそのまま、あたしたちは、
この前聞いたあたしの名前をかたっている、という人物がいる村にと向かっているあたしたち。
まったく。
どこのどいつよ!?
このあたし、リナ=インバースの名前をかたるなんて!?
しっかりと、慰謝料をふんだくっちやる!!
そんなやりとりをしつつ。
やがて、あたしたちは、そのうわさの村にとたどり着く。
・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
何か、気分が・・・・
「リナ!!!!!?」
村に入り、なぜかあたしは。
そのまま気分が悪くなり、そのまま視界が・・・・白く、はじけてゆく。
何かガウリイの声が聞こえるけど・・・・
何か・・・・・つかれ・・・・た??
どさっ。
そのまま、あたしは、自分でも気づかないままに。
ガウリイの腕の中に倒れこむようにして、気を失ってゆく・・・・・
「・・・・・・・・あれ?」
ふと、目をあけると、そこには、どこかの天井が。
ふわりとした感触が気持ちいい。
「気づいたか?リナ?」
ふと、横をみれば、何やら心配そうに覗き込んでいる、ガウリイの顔。
「…え、えっと??」
いったい、何がどうなってるの?
「リナ、この村についたとたんに倒れたんだよ。心配したんだからな。」
そういいつつも、あたしの頭を軽くなでてくるガウリイ。
あ、何か気持ちいい。
「倒れたって…」
あたしの言葉とほぼ同時。
キィ。
「あ、どうやら、気がついたようだね。
まったく、無理したらだめだよ。それでなくてもここは、標高が高いから。
少しばかり空気が薄いんだから。あ、だんなさん、奥さんにスープのめるかきいてみてくれる?」
扉から顔をのぞかせ、そんなことをいってきている、一人の男性。
年のころは、三十前後、くらいであろうか。
何か人のよさそうな人物ではある。
だけども。
今、いま、この人、何ていったぁぁぁぁ!!!!!?
「だ!?」
ぼしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
自分でもはっきりとわかるほどに顔が赤面する。
扉が開き、何やらそんなことをいってきているのは、おそらくは、この家の持ち主なのであろうが。
だだだだだ、だんなさんだぁぁあ!?
しかも、このあたしが、おおおおおおく!?
「うん?リナ?どうした、顔が真っ赤だぞ?」
そんなあたしをみて、言ってきているガウリイだけど。
「あ、あんたはぁぁぁぁ!誰が夫婦よ!誰が!」
「そりゃ、オレとリナv」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!まだ結婚もしてないでしょうが!」
こ、こともあろうに、どうやら、こいつは。
あたしと・・・そ、その・・・・夫婦、といってるみたいだしぃぃぃい!?
うぎゃぁぁあ!?
どんな顔して顔を合わせばいいのよぉぉぉお!?
・・・・・・・・・そだ。
いいこと思いついた。うん。
「ガウリイ!ここの家の人にうそついた罰よ!あんた一人で、この近くにいるであろう、あたしの偽者!やっつけてきなさい!」
「えええええ!?リナをおいてか!?」
あたしの言葉に何やら叫んでいるガウリイだけど。
まったくもって、冗談ではない。
何かあたし、どうも体調が万全、とは言いがたいし。
それに、こともあろうに、こいつは。
あたしと夫婦、などとのたまわったのである。
このくらいのことはしてくれて当然である。うん。
「あんたが、うそをつくからでしょうが!
それに!ここに来た目的はあくまでも、あたしの偽者を懲らしめるため、なんだからね!」
どうやら、ガウリイが、ここの村に迷惑をかけた人物とあたしとは別人。
とでも説明してくれたのか、今のところは表立って何もおこってはいないけども。
「えー・・・・でも・・・・」
「でも、もくそもあるかぁぁぁぁあ!!!!」
しばし、あたしは、ガウリイを説得し。
とりあえず、しばらくここで、体を休めてあたしが休養しておくから。
その間にガウリイに情報を集めてもらう。
というので話はまとまり。
そして・・・・・・
「え?この山の奥に?」
ガウリイが、情報収集にといっているそんな中。
なぜかまだ体調が芳しくないので、とりあえず、いまだにはじめの家にてやっかいになっていたりするあたしだけど。
あたしに食事をもってきてくれた、この家の奥さんが。
「ええ。うわさですけどね。昨日、リナさん、あなたに似た人を山の中でみたって・・・・」
「昨日・・・・・。ということは。急がないと、また、どこかにそいつはいくかもしれない、ということよね!?」
あたしの言葉に。
「まあ、そうかもしれませんが・・・・まさか、リナさん!?」
何やら声のトーンを上げてきているのは、この家の奥さんでもある、マリエさん。
「マリエさん、あたし、ちょっと裏山いってみるわ。」
あたしの言葉に。
「だめです!というか、まだあまり無理しちゃ!」
そーいや、何かにつけて、無理するな。
といってきてるんだけど、何でだろ?
そんなに、確かに体調はあまり芳しくはないけど。
別に疲れているだけで、病気、とかいうのでもないのに。
「大丈夫だって。とりあえず、相手がいるかいないか。それを確かめにいくだけだし。」
「でも!まだ、ガウリイさんもまだ戻ってきてないのに!?」
そーいや、ガウリイのやつ、朝から隣の村にいってるんだっけ。
「だからよ!あいつにまかせてたら、いつまでたっても、偽者をこらしめられないじゃないのよ!」
「・・・・・ですが・・・・」
「大丈夫だってば。すぐにもどってくるし。」
いまだに何か言いかけるマリエさんを言いくるめ。
とりあえず、あたしは。
マリエさんの知り合いがみた、という、あたしそっくりの人物がいる、と思われる。
村の裏手にある裏山にと、足を踏み入れてゆく。
んっふっふっ。
ここ数日、横になってたから、ストレス解消もかねて。
おもいっきり、お仕置きしちゃるぅぅぅぅぅぅぅう!!!!
そんなことを思いつつ。
あたしは、一人。
裏山にと足を踏み入れてゆく。
かさり。
「…ふぅ。」
いったい、あたし、どうしちゃったんだろ?
いくら、寝不足、といえどもどうしてこうも、体が重いのか。
ここ数日はきちんと寝たはずなのに。
なぜか体がだるい。
ま、それはともかくとして。
「…ここね。」
あたしは今、マリエさんから聞いた、あたしにそっくりの人物をみた。
といううわさの洞窟の前にとやってきていたりする。
何でかここにくるまでにちょっと術で飛び上がっただけで、異様に体が重いけど。
まあ、それはきっとストレスがたまりまくっているからだろうし。
それはそれで、偽者をしっかりとお仕置きしてから、ストレス解消しちゃる!
そんなことを心に誓いつつ。
あたしはそのまま。
洞窟内部にと足を踏み入れてゆく。
ピッシャン…
どうやら、このあたり、湧き水が出ているのか、天井からたまに水が滴り落ち。
内部に音響をひびかせていたりするけど。
そして。
剣の先にほのかに照らした魔法の明かりが、洞窟の先の道を照らしてゆく。
やがて、視界が開け、そして、そこにいたのは・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思わず無言になるあたし。
つうか!?
何だって、【あたし】が二人もいるのよ!?
「あ、どうやらようやく本物が来たようですわ。」
「まったく、遅かったわよね。」
あたしの声で何やらそんな会話をしている、あたしもどき。
「というか!?何なのよ!?あんたたちは!?」
あたしは目の前にいる、この洞窟の部屋の中にいる、二人のあたし。
すなわち、あたしとそっくりな少女たちにと投げかける。
そんなあたしの言葉に。
「私たちは。」
「私たちは。ヴァルハムさまに作られしあなたのコピー。」
「でも、コピーが本物に成り代わる、というのもあるのよ。」
というか!?
誰だぁぁあ!?
あたしのコビーだと!?
「だぁぁぁぁぁぁ!?おのれ!誰!?それ!?というか、そのヴァルハムとかいうやつ!?あたしの人権侵害よ!!!」
びしっと彼女たちを指差し言い切るあたし。
そんなあたしの言葉は何のその。
「とりあえず、私たちが今やらないといけないのは…」
「オリジナル。【リナ=インバース】の捕獲。」
・・・・・って、はい?
・・・・・今、こいつら、捕獲っていわなかった?
思わずあたしが目を点にしていると。
「私たちは、完全ではない。」
「あなたがとまっていた宿のシーツから、ヴァルハムさまが作り出したもの。
ゆえに、あなた自身を元にして、完全なるあなたのコビーが出来上がる。」
なぜか感情もまったく表さずにそんなことをいっている二人のあたし。
「というか!?何なのよ!?というか、責任者だせ!せきにんしゃぁぁぁぁ!!!!」
あたしの叫びが洞窟にと響き渡る。
と。
「ほぅ。ずいぶんと域のいい人間なのだな。」
ぞくっ。
声がしたのは、あたしの真後ろから。
「っ!エルメキア・ランス!!!!」
パッキィィィィン・・・・
振り向きざまにと放ったあたしの術は。
なぜかものの見事に砕かれる。
「どうやら、あの御方のいわれたとおりだ。偽者をえさにすれば、間違いなく本物は現れる、と、あとは・・・・」
まずい!
こいつ、人間のようだけと・・・・どうも、普通じゃない!?
本能的に悟り、思わず次の呪文を唱えかけるあたし。
だが、それよりも早く。
「リナ=インバース。捕獲。」
「・・・・しまっ!?」
きぃぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・
その直後。
あたしの視界は・・・・・なぜか真っ白となり。
そして・・・・・・・・・・・・そのままあたしは意識をうしなってゆく。
だぁぁぁぁぁぁぁぁ!
何で呪文を唱えていたさなかに気分わるくなって、呪文がとどこおったのよぉぉぉ!?
あたしの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
情けないことに、あたしはそののまま、完全にと意識を失ってゆく。
・・・・・・・・・・・・うっうっ。
ガウリイ、助けにきなさいよぉぉ!
こういうときこそぉぉぉぉぉ!!!!!
あたしの心の叫びはそのままむなしく。
あたしはそのまま完全にと意識を失った・・・・・
う・・・・うん。
あれ?何かあったかい?というか、ふわふわする?
あたし、いつの間にねたんだっけ?
そんなことを思いつつも目を開ける。
目をあけたそこには。
なぜか目の前にガラスのような何か透明なもの。
そして。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はひ?」
こぽっ。
思わずつぶやくあたしの声に口元から湧き上がる何かの泡。
・・・・つうか?!何?!この状況は!?
思わず、ばっとあたりをきょろきょろするが。
はっきりいって、あまり体に自由がきかない。
え・・・・えっと・・・・。
確かあたしは・・・・。
あたしの偽者さがして山にはいって・・・・そして・・・・・・
「あ・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
思い出したぁ!?
そーいや、あたし、何か気分悪くなって気をうしなったんだっけ!?
ちっ!
いいところで気分が悪くなるなんて、あたしらしくもない!
って!?
今はそんなことを思っている場合じゃないぃぃぃぃ!?
何か頭の中でいろいろと考えが駆け巡るが。
と・・・とりあえずは・・・。
どうにか多少動かせる手と、そして首。
それらを動かし今の自分の状況を確認する。
どうやらあたしは、何か水晶のような物体に閉じ込められている。
そんな状態に今はなっているらしく。
とりあえず、あまり自由に動けない。
というか、首とあとは手が少し動かせる程度のみ。
しかも、あたしの周りには、暖かい、とも冷たい、とも何ともいえない、よくわかんない液体が回りにと浸されていたりする。
・・・・・・・・・つうか、んな中に花の乙女をいれたやつ、でてこい!
風邪ひいたらどうするのよ!?
思わずそんなことを思うが。
「・・・・っと、まてよ?」
こぽっ。
どうやら、声は多少なりとて出せるらしいし。
まあ、この状態だと、おそらくは呪文も唱えられるだろうから。
とりあえず・・・今はどうやらあたりに気配とかしないし。
とにかく、状況を把握するのが何よりも先決。
うん。
そう自分に言い聞かし。
そして・・・・。
「明かり(ライティング)」
ぽうっ。
多少アレンジして、あたしが今いるクリスタルの外のあたしの頭上付近にと魔力の明かりを出現させる。
と。
暗かった周りが魔力の明かりに照らされて瞬時に明るくなる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・
「って、何よ!?これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
思わず明かりに照らされた光景をみて思わず絶叫する。
どこのどいつだ!?
こんなの人権侵害だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
あたしが絶叫したのは、当然、といえると思う。
何しろ、あたしの視界にと入ったのは。
何かのカプセルのように入った・・・・『あたし』の姿が。
ずらり。
と明かりが届かない場所に至るまで、数十列に渡り並べられているのだ。
・・・・・・ホムルンクス。
瞬時にその言葉が頭に浮かぶが。
「つうか!?誰よぉぉぉお!?このあたしのコビーを無断でつくったやつはぁぁぁ!?」
思わず叫ぶが。
どうやら、あたしの声はこのクリスタルの内部からはあまり外に漏れない仕組みになってるらしく外には聞こえてないらしい。
とりあえず、ここから出ないと・・・
そんなことをあたしが思っていると。
ふと、気配がする。
とりあえず、あたしが気がついた。
というのを気づかれたら、何かと面倒、というのもあるだろうな。
などと思いつつもいまだに気絶したふりをして、薄めをあけて、様子を伺うことにするあたし。
あたしが瞳を閉じたふりをして気絶したふりをしていると。
ややしばらく後。
コツコツコツ。
聞こえてくる足跡が二つ。
「どうだ?出来具合は?」
「ヴァルハム様。それが、どうも思うようにはいかなくて。
とりあえず十数体にひとつ、ようよう使えるほどの魔力と自我を持ちえたもの。それらができるだけなのですが・・・・
ですが、やはり知識まではコビーできないようです。」
などと会話している声があたしにと聞こえてくる。
「ふむ・・・・われ等、というか必要なのは、『リナ=インバース』のみが使えるあの呪文。
あれをわれらが配下のものが自由に扱えれば、それはかなりの戦力となる。
ともかく。素材である当人は殺すでないぞ?デリケートなコピーであるからして。
当人が生きていればそれなりに力を増すはずだからな。
しかし・・・・こうもあっさりとリナ=インバースが手にはいるとはな。ははははは。」
何か笑ってるんですけど・・・・
つうか、こいつか!?
このあたしのコビーを無断でつくってるやつはぁぁぁ!?
思わず怒りがこみ上げこぶしを握り締めるあたしであるが。
「しかし、この力、獣王様と獣神官様よりいただいたこの力。
この力をもってすれば、我が新たな幹部になることも夢ではない!ははははは!」
などと笑っているこいつ。
気配的にはどうやら人間であるみたいだけど。
い・・・・いま、こいつ、何てったぁぁ!?
・・・・・・・・・・・つうことは、ゼロスのやつが今回の一件に絡んでるんだな・・・
・・・・・・・・・・・であったら問答無用でギガスレイブおみまいしちゃる・・・・
そう固く心に誓うあたしのそんな心情をまったく無視し。
「とりあえず、まだまだコビーを作り出せ。
そして、そのまま、野に放ち、何か悪事とかでもやらせとけ。
そうすれば、おのずから、勝手に人間たちがこの場より逃れたとしても。
人間たちが彼女を始末してくれるだろうからな。危険人物として。」
んなに!?
ちょいまてぃ!?
んなことされてたまるか!?
というか、そんなことが姉ちゃんの耳にでもはいったら・・・あ・・・あたしはぁぁあ!?
「はっ。仰せのままに。ヴァルハム様!」
「はははははは・・・・・」
思わず目を見開くあたしにまったく気づくことなく。
この場より立ち去っている、どうやらこのあたしのコビーもどきを作っている親玉らしきやつ。
そして、やがてその影というか気配がなくなり。
「さて・・・・では、我はまたこれらのコビーの調整を・・・」
などといって、何やら装置の方にと歩いてくる数個の影。
させるかぁぁ!
つうか、こんな場所、破壊してやるぅぅぅぅぅ!
あたしは、そのまま、呪文を唱え始めてゆく。
こんな場所、壊して、と、とにかく!
今の話の流れからしたら、あたしのコビーが何かわるさしてるらしいし!?
姉ちゃんの耳に入る前に何とかしないと!
あたしの命はないじゃないのよぉぉぉぉお!
しばしときをおいて。
あたしはゆっくりと目をあける。
あたし以外…といっても、あたしは何かクリスタルのような容器にはいっているので。
部屋全体が見渡せるわけではないけども。
しかも、このクリスタル、あまり動きがとれないし。
まあ、かろうじて手が動かせる程度、といったところ。
後ろに向き直ったりするようなスペースははっきりいってないし。
そんなあたしから見える範囲の中では。
気配が数個。
ちなみにどうも人のそれとは多少気配がことなっていたりする。
人を捨てた…半魔人。
ということは、あたし、手加減、というのしなくてもいいのよね?
んふふふふ・・・・・
人のコビーを無断で大量生産してからにぃぃぃぃぃ!
・・・・・ここごと壊しちゃる!
とりあえず、ここを先に壊しておいてから。
あのヴァルハムとかいうやつ追いかけて、あたしのすでにおそらくは解き放たれているであろう。
コピーたちも全部処分しちゃるぅぅぅぅ!
・・・・・まあ、いい子だったら処分する必要もないかもしれないけど。
もし、あたしが悪さをしている、とでも姉ちゃんの耳に入ったら・・・と思ったら・・・
・・・・ぶるっ。
幸い、ここにいるらしき、どうやらあたしのホムルンクス製造担当なのであろう。
それらはあたしが気がついていることに気づいてないし。
小さく、あたしはそのまま術を唱え始めてゆく。
「わが身のうちに眠りし四界の欠片よ その縁にて われに更なる力を与えよ…」
あたしは、サイラーグの一件、というかルークの一件で、この身の中に。
何でも完全なる賢者の石、とかいう、デモンブラットをこの身の中にと取り込んでいる。
正確にいうならば、噛み砕いたんだけど。
本来ならば、多少のことでは壊れないそれが壊れたのは、もしかしたら、アレが関係してるのかもしれないが。
それはそれ。
で、結果として、あたしの中に、それらの力が眠っている状態となっているがゆえに。
その気になれば、この呪文というかカオスワーズを唱えることにて。
あたしの魔力はより格段にとアップする。
ちなみに、以前のデモンブラットを使っていたときよりも威力が増しているのが多少は気にはなるが。
とりあえず、今はこの場所を壊滅させるのみ!
うん。
「闇よりも暗きもの 夜よりもなお深きもの 混沌の海にたゆたいし 金色なりし闇の王
我ここに汝に願う 我ここに汝に誓わん 我らが前に立ちふさがりし すべてのおろかなる者に
我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを…」
はっきりいって、不完全版ならば、絶対に制御できる自身は今ではあるし。
・・・・・まあ、あんな途方もないものを召還しかねない、完全版なんか。
二度は奇跡はないだろうから、唱える気もさらさらないけど。
いったいここにどんな力が加わってるのかはしんないけど!
すべてなる母である、金色の王の力ならば!
この空間ごと完全に消滅できるはず!
全部こわしてやるぅぅぅぅぅぅ!
んふふふふ・・・・
そんなことを思いつつも。
少し伸ばしている手の平の上に、黒い力が集まるのを見計らい。
そして・・・・
「重破斬(ギガ・スレイブ)!!!!!!」
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!
あたしの術は、あたしが閉じ込められているクリスタルの中から。
あたしの手のうちよりも、すんなりとそのまま掻き消えるようにクリスタルの外にいでて。
そして・・・・
そのまま、黒い力は・・・・炸裂してゆく。
ごぉぅ。
あたりに黒い力がわきあがる。
あたしが今放った術は。
あたしがそれを移動させた場所を中心に。
ゆっくりと、だけども確実に。
この場…つまりは、あたしのホムルンクスとこコピー製造工場らしき場所を、そのまま虚無にと導いてゆく。
虚無の力に対抗できるものなど、当然あるはずもない。
というか、何しろあれはすべてなるものの力だしねぇ。
くらっ。
いつもなら、不完全版なら、完全に制御できて、意識とかもはっきりしているあたしなのに。
なぜか、術を放った直後…というか、術を唱えているさ最中から。
何か今だに体調がおかしい。
何というか、ふらつく、というか、力がはいんない…というか。
風邪かなぁ?うみゅぅ…
とりあえず、今はこの場所を破壊するのみ!うん!
ほぼしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
ピッキ…ピキピキピキ…
パッキィィィン・・・・・・
あたりが完全に無の空間となるのとほぼ同時。
あたしを閉じ込めていたクリスタルらしきものがぱきん、と割れる。
静かに何かガラスが割れるような音を響かせながら。
よっしゃぁぁぁぁぁ!
思わずガッツボーズをするあたし。
いやぁ、まさか、衝撃派で割れるとはv
あたし、とりあえず、ラグナブレードでもたたききってからここから出ようと思ってたのに。
やっぱりこれも日ごろの行いがいいからよね。
うん。
「よっ・・・・っとv」
完全にと割れたクリスタルの中から脱出すると。
あたりにあるのは、ただの何もない空間。
「・・・・・・・・・・・え、えっと…ま、いっか。」
何か、かなり虚無の力が炸裂した、というか、何というか近寄りがたい雰囲気にこの場がなっていたりするけど。
これはあたしのせいじゃない!
あたしを閉じ込めたやつがわるいんだしね。
うん、絶対にそうだし!
・・・うっし、責任転換完了。
「…さってと…ああ!しまった!全部無と化してしまったから!
あたしをさらう原因となった、ヴァルハムとかいうやつのこと!どこにいるのか生き証人がいない!!!!!!!!」
ふと、重要なことに気づき。
思わず叫ぶ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
しまったぁぁぁぁ!
このあたしとしたことがぁぁぁぁ!!!?
思わずそのことに気づき頭を抱える。
・・・・っと、まてよ?
そういえば…
よくよくかんがえてみれば、もしかしたら、このクリスタルもおそらくは、あいつらの仲間が作ってるわけで。
「もしかしたら、アストラル探査ができるかもv」
そのことに思い当たり。
とりあえず。
再び魔力拡大のカオスワーズを唱え。
精神を集中させ、これを作った存在がどこにいるのか感じ取る。
・・・・っと、みっけv
「いやぁ、やっぱりこのあたしの日ごろの行いがいいからよねぇv」
感じたのは、どこかの山の中らしき場所。
なんでか、距離までわかるような気がするんだけど…
まあ、数キロ弱、といった程度みたいだし。
この程度ならレィ・ウィングで飛んでいけばすぐよね!
「翔封界(レィ・ウィング)!!!!」
あたしはとりあえず。
完全にどこかの洞窟か何かだったらしいけど。
あたしが放ったギガ・スレイブにより、きれいに青空が見えている空に向かって飛び上がる。
んふふふふ・・・・まってなさいよぉぉぉぉぉ!
このおとしまえはきっちりとつけちゃるぅぅぅぅぅ!
そんなことを心に固く誓いつつ。
あたしは、その探索で感じた場所にと移動してゆく。
そこはどこかの山らしき場所。
どうも周りの様子からして、あたしがいたのは、ライゼール帝国領内だったみたいだけど。
「みつけたぁぁぁぁぁ!」
そこに、見間違えのない、あたしとまったく同じ容姿しているヤツラが二人と。
そして、もう一人、何やら黒いマントとローブで全身を隠している一人の人物。
そんな姿を山の中にと発見し。
あたしはそのまま、彼らがいる、その場所…すなわち。
どこかの山の中の切り立った断崖の下にと開けているちょっとした場所にと空中から降り立ってゆく。
「「・・・・・な゛!?」」
何かあたしをみて驚いてるようだけど。
「んっふふ・・・・・・覚悟はいいんでしょぅねぇ?
というか、あたしのコビーを作ってる、とかいう、ヴァルハムってやつはどこにいるのよ!?」
あたしの声が。
静かな森の中にと響き渡ってゆく。
とりあえず、こいつら叩きのめしてききだしちゃるぅぅぅぅ!
そこは、どうやら近くに小さな村があるらしき、そんな山の中。
しかも、ここには、洞窟がたくさんあることからして。
おそらくは…
そんなことをあたしが思っていると。
「なに!?馬鹿な!?どうやってあのクリスタルから抜け出た!?というか、気絶していたはずだ!?」
何やらわめいている魔道士らしき黒尽くめの男。
「ふん。ちょうどいいわ。どっちが本当のオリジナルか、力を見せてあげるわ。」
などといいつつも、すいっと一歩前にと出てきているもう一人のあたし。
というか、あたしのコビーらしき人物。
・・・ぶち。
「馬鹿いってるんじゃないわよ!!!!ドラグ・スレイブ!!!!!!!!!」
ちゅどごごぉぉぉぉぉぉん!!!!
ふん。
たかがコビーが本家本元の美少女天才魔道士でもあるこのあたし、リナ=インバースにでもかなうとでも。
「・・・・・・・って!?はっ!しまった!」
思わず、頭に血が上って、ついつい、ドラグスレイブつかっちゃったじゃない!
ああ!大本のやつの居場所がぁぁぁぁあ!?
そのことに気づき、思わず声を漏らすあたしだけど。
もくもくとあたりに立ち上る煙。
「…げほっ。まったく、うわさにたがわぬ乱暴ものじゃな…リナ=インバースは…まあよい。
とりあえずは、ある程度のおぬしのコビーは作り出した。別にオリジナルがいなくてもどうでもいいじゃろう。
-まあ上からの命令で、生かしとけ、ということじゃが…用は、心臓さえ動いていれば、命令違反ではないんじゃからな。」
みれば、立ち上る煙と、クレーターの真上に浮かぶようにとふわふわとたたずんでいるひとつの人影。
どうやら傷はついているらしく、体半分とかがなくなってたりするけど。
・・・・・こ、こいつ、魔族!?
…というか、人魔!?
思わず警戒し、身構えるが。
くらっ。
「・・・っ!?」
思わず視界がよろける。
何で!?そんなに無理してないはずよ!?
なのに、なぜかあたしの体はいうことを聞いてくれそうにない。
何か足までがくがくしてきたし…
くっ。こんなときに、あいつがいたら!?
―ガウリイ!
思わずガウリイに助けを求めるけど。
ここにあいつがいるはずもなく。
かさり。
あたしが身構えていると、あたしの後ろから、誰かが近づいてくる音が。
もしかして…
「ガウリイ!!!!!!!?」
思わずもしかして、という期待を込めて、名前を呼ぶが。
「…おや?これはこれは、リナさん、じゃないですか?いやぁ、お久しぶりですねぇ♡あはははは♡」
・・・・って・・・・おひ・・・・
「ゼロス!?」
思わず振り返る。
そこにいたのは、そう、紛れもない…
にこやかな笑みを浮かべた、どこにでもいるような錫杖をもった。
いかにも見た目は好青年。
だけどもその実態はパシリ魔族、こと最も食えないやつ。
獣神官(プリースト)ゼロス。
これでも何か聞いたところによると、腹心の次に強いらしいが…
「おやおや、どうやらリナさん、お困りのようですねぇv」
にこやかに、そんなことをいいつつあたしの横にと近づいてくる黒いゴキブリ魔族。
「何であんたがここにいるのよ!?」
そんなあたしの言葉に。
「いやですねぇ。リナさん、助けてあげよう、というのに♡」
にこやかないつもの笑みを浮かべて言い放つこいつ。
煮ても焼いても食えないやつ、というのはまさにこいつにうってつけ。
「助けなんていらないわよ!」というか、こいつなんかの手助けなんかろくなことはないし!
的確なそんなあたしの言葉に。
「そうですかぁ?リナさん、見たところ、何かたってるのもやっと、という感じがしますよ?」
・・・・・うっ!
そ・・・そりをいわれると・・・。
ガウリイと、その…恋人同士、となってから、というのも、夜が…って!
まあ、今のこれは、どうやらそれとは関係ないみたいだけど・・・
だけど、だけど!
「だからって、こんなヤツ、あたしが許せるとでも!?」
そう。こともあろうに、こいつは!
花の乙女であるこのあたしをクリスタルなんかに閉じ込めたんだからね!!!
ぴしっと何かこちらを凝視している中に浮かんでいる上半身だけとにとなっているそれにむかい。
指を突きつけるあたし。
そんなあたしの行動にはまったく目もくれず。
「そうはいいましてもねぇ。リナさんにはまだまだ死んでもらってはこまりますので♡」
何やらにこやかにいってるゼロスだし。
「・・・・?どーいう意味よ?」
何かまたこいつ、何かたくらんでるのか?
「いやぁ、だって、リナさんたちって、見ててあきないんですもん♡」
「くぉら!あたしはあんたの暇つぶしのおもちゃか!?」
にこやかに言い切るゼロスに思わず叫ぶ。
そんなあたしの抗議の声は何のその。
「ですからv今リナさんにここでやられてもらっては、僕としても面白くないので♡
というわけで、リナさんは、この場から退場してくださいねv」
にこやかに、そんな笑みを浮かべて、その手にもっている錫杖をあたしにとむけているゼロス。
まっ!
あたしが覚えているのは・・・・
にこやかな笑みを浮かべるゼロスと・・・
・・・・・・・そして。
「あ、そうそう、ただ、助ける、というのも面白くないですからv
リナさんの記憶、ちょっとばかり消させてもらいますねvとうぜんガウリイさんのこともv」
「って!まてぃぃぃぃい!」
そんなゼロスの声を最後に。
あたしの意識は沈んでゆく。
じょうだん!
あいつの思い通りになってたまるもんですか!
忘れても、絶対におもいだしちゃる!
おにょれ!ゼロスのやつ、おぼえとれよ!
-続くー
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あとがき:
薫:ちなみに、これ。
例のごとく、スーパーファミコン版、スレイヤーズ。
あれをブレイしてて思いついた話ですvはいv
さってと前、中、後ろ、でいけるかなぁ?(汗)
・・・・・・ムリですね。はい・・・・・・
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