まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。ようやく旅人さんも完結。
というかあとしばらくしたらもう六周年企画かんがえなければいけないんですが(汗
の状態になってますが(自覚あり)とにかくラストをいくのですv
まあ、絶対に反応はないだろうけど、あればもしかしたら子供たちのお話もいく・・・かも?(不確定
何はともあれ、ラスト、いっきま~す♪
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~時空の旅人~番外編~
そういえば、いったいあれは何だったんだろう?
いきなりの展開といえば展開で、気づいたら結婚に、しかも出産。
さすがにゼフィーリアの人たちの仕事は早い。
一戸建てを建てるにしても、月日はそうはかからない。
職人技に磨きがかかっている、というべきか。
はたまた、術者に長けている、というべきか。
何しろこれまで旅をしてきてわかったことは、この地に住んでいる人たちが普通より違う。
ということ。
まあ、中には規格外のどこかのお金持ちのおばちゃんがいたり、
はたまた、どうみてもドワーフのおうぢ様がいたり、
挙句は呪文とか関係なく懲りずに復活してくる奇妙な生き物がいたり……などなど。
世界は広い、というのは十二分に理解したつもりではあるけど。
結局、あの世界というかあたしたちが迷い込んでいた場所がどこなのか。
それは結局のところ判らず仕舞い。
姉ちゃんたちはどうやらわかっているのかその話題は極力避けてくる。
だけども夢でない、と確実にいえるのはあちらから持って戻った品々の数。
基本的に一番、すぐにでも利用可能とみえたのが、光の剣もどき。
基本となる精神操作ができる存在ならば扱いは誰でも可能、ときている品。
中のこまごまとした機械のようなものの仕組みはよくわからないけど、
だけどもそれを解読して、似たような品物が出来上がっている今日この頃。
「しかし…何だって僕が……」
「あんたが勝手にきてるんじゃないのよ。たってるものは親でも使え、っていうでしょ?」
ばさっ。
真っ白いシーツを外に干しながら文句をいってくる黒い物体に思わず突っ込む。
なぜか、あれから、何でも『随時、変化があれば知らせるように』とかいう命令を受けた。
とか何とかで、ちょくちょくあたしのところに入り浸るようになっているお役所仕事の神官もどき。
ここがすこし、ゼフィーリアの城下町とは離れている、というのでここが一番通いやすいらしい。
まあ、危害を加えたりでもしようものならば、あたしの姉ちゃんが何かしてくるかも。
という思いもあってか今のところ無害ではあるのでこきつかっているここ最近。
こいつに『くるな!』といっても『仕事なもので』といってちょくちょくくるのは確実。
ならば使わないと損、というものである。
『おぎゃぁ~~~~!!!』
そんな会話をしていると、バスケットの中にいれておいた子供たちの泣き声が。
ああもうっ。
「あんたが要らないこといってくるからおきたじゃないっ!」
「僕のせいですか!?」
「うん」
きっぱり。
何やらいじいじと地面にしゃがみこんで指でのの字をかいているけどほうっておく。
ひとまず、身ごもっている、というのもあり旅の続きはしばらくお預け。
さらには何やら魔族の結界が壊れた。
というので世の中、特に永遠の女王を筆頭に何やら世間規模で動きがあるらしい。
結界の外で発展していた国々との交流も始まるとか何とか。
結界の外では魔術、といったものは発展しておらず、逆に科学力、というものが発展しており、
こまごまとした道具がかなり重宝されている。
それらに魔術を組み込んだ、いわゆる『魔科学』というものがあらたな分野として出現し、
それの第一弾として、あたしたちが持って戻った例の品。
すなわち、何でも【サイブレード】とか呼ばれていた光の剣もどきが発売されている。
あの中に組み込まれていた細かい部品の役目などはわからないにしろ、
魔術を組み入れて似たようなものを作成したらしい。
ちなみに、第一作目をつくってみたのはうちの母さんだったりするのはおいといて。
そこそこ世間にも出回り始めている今日この頃。
時間軸的にあたしたちがゼフィーリアに戻った時期。
そしてまた、ガウリイとそのそ~いう関係になった時期。
というものは著しく異なっているのはおそらく、あの不思議な世界に迷い込んでいた時間。
あの時間におそらく身ごもったのだろう。
とは女王や姉ちゃん曰く。
あたしとしてもそうとしか時間的に思えないが。
ともあれ、そんな不思議な出来事があったとは当然産まれた子供たちは知る由もなく、
今日も家の中においといたらものすごく泣くので洗濯物を干すのに籠の中にいれてつれて出ている。
ゼフィール・シティの首都から少し外れた小高い丘の上。
周囲にはちょっとした森があり魔道の実験とかしてもあまり文句はいわれそうにない場所。
もっとも、このゼフィーリアで魔道の実験をして文句をいわれた。
という話は今のところ一度も聞いたことがないけど。
ここ、ゼフィーリアは比較的のんびりしている。
ゆえに子育てやゆっくりと体を休めるのにはもってこい。
ここでこのようにゆっくりとすごしていたら今までのことがまるで嘘のよう。
悲しい事件などなかったかのように時間はゆっくりと流れている。
もし、あのとき、あたしに
もし、あのときあのコピーに下手なことをいわなかったら?
もし、あのとき……
思い出せば後悔する出来事ばかり。
だけども後悔してもどうにもならない。
というのもまた現実。
できることは残されたあたしたちで何ができるか。
ゆえに、今までの経験を含めた講習などを魔道士協会などでやっている今日この頃。
とはいえ、まだ子供たちも小さいのでそうほいほいと出かけられないのだが。
「とにかく!のこりのこれ、ほしといてね。あたしはこの子達を寝かしつけるから」
何やらぶつぶついっているお役所魔族に言い放ち、子供たちが寝ている籠にとむかう。
どうやら手がぬくいのと、見たところおなかがすいているようにも見受けられる。
仕方ない。
とりあえずいえの中につれて入って授乳するとしますか。
ふとみれば、ぶつぶつ何やらいいつつも素直に洗濯物を干しているおかっぱ頭の物体が目にはいる。
今のところ害がないからいいけど。
こちらとしてはあまりアレにはきてほしくないのが本音。
絶対に教育上、子供たちによい影響を与えないような気がするし。
もう少し大きくなったら子供達の魔術の実験材料…もとい実験体にできるかもしれないけど。
だがしかし、上司命令で今後どのような対応をしてくるか不明。
となればある程度の警戒はひとまずもっておくべきだろう。
そんなことをおもいつつ、授乳を済ませ、子供たちを寝かしつけてしばし。
ぴ~ぴ~ぴ~……
何やら小さな音のようなものが奥の部屋の方から聞こえてくる。
「?どこからだろ?」
とりあえず、あまり子供たちも小さい、ということもあり、連絡用につくってもらった
これがあれば最低限の通話や連絡が可能、ということもありけっこう重宝している。
もっとも、それゆえに面倒ごとなども起こったりもしてるけど……
奥の部屋にはそれがおいてある。
つまりは、どこからか連絡が入っている、という呼び出しの音。
子供たちが起きていないことを確認しながらも、そっとそばを離れて奥の部屋へ。
『あ、リナ!』
そこに映し出されている姿をみて思わず苦笑してしまう。
というか、毎度のことながら元気いっぱいだなぁ。
この子は。
「どうしたのよ?アメリア?」
苦笑しながらも問いかける。
たしかこの前、城に閉じ込められてるのはいやなのでまた旅にでる。
とかいって連絡してきたのが数ヶ月前のような気がする。
通信の相手は、セイルーンの第二皇女であるアメリア。
しかし、ほいほいと王位継承権をもつ人物を旅にだしてもいいものか?
という疑問はいまだにあるが、まあ父親自体が自分自身で旅するようなモノなんだし……
あまりあの国に関しては深く考えないことにしているのだが。
『きいてよっ!それがね!旅の途中でゼルガディスさんと出会って!』
何やら口調がものすっごく弾んでいる。
「……ゼルに?」
そういえば当分あってないなぁ。
相変わらず、元の体に戻る方法を探して旅をしてるんだろうけど。
『うん。そう!それでね。私も一緒に行動してたんだけど……』
何だかそのときの様子が目に浮かぶ。
だがしかし、想像通りだったのも何となく怖いので聞かないことにする。
いつものごとくに悪人さんに正義の口上いってるときにゼルとであった。
という可能性は否めない。
「してた。って、今はちがうの?」
そういえば、通信はセイルーンの王城内部からのようである。
つまりは、今アメリアはセイルーン城に戻っている。
ということ。
『んふふふ♡』
何だかとてもうれしそうである。
「?とうとうおしきったとか?」
アメリアが淡い恋心をゼルに抱いていたのは知っている。
もっとも、ゼルのほうは自分の体が
でも、仲間意識はあった…とおもう。
何しろさまざまな困難を乗り切ったあたしたち。
そう簡単に絆は切れないはずである。
『それがね!リナ!このたびの旅でゼルガディスさんの体が元にもどったのよっ!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・
「……って、えええええっ!!!!!!!!!!?」
思わず大声をあげてしまう。
大声をあげてからはた、と気づいてあわてて口をつぐむ。
この部屋は一応防音処理が施してはあるが、子供たちが起きたらもともこもない。
「ち、ちょっと!?本当なの!?それ!?」
思わず身を乗り出して確認する。
あの体が元にもどった!?
いったい全体どうやって!?
いや、姉ちゃんたちならそれは可能かもしれないけど。
ゼルがこのゼフィーリアにきた、という話はまったくもってきかないし。
『もちろんっ!リナに早く知らせたくて!』
その気持ちはわかるけど。
どうりでアメリア、何やらものすっごくうれしそうである。
っと……まてよ?
「そういえば、その当のゼルは?」
『たぶん。今は大臣たちに囲まれてるはずだけど?
ゼルガディスさんの知識ってかなり豊富だからうちで働いてもらうことになったの!』
…あ~……
それでこのハイテンション……
というか、よく周囲の人たちを納得させたなぁ。
まあ、フィルさんがいい、といえばそれまでなんだろうけど。
もっとも、表というか血筋からいけばゼルはかなりいい線ではあるけども。
……はっきりいってレゾの本質…一般の人々は知られてないし……
あの聖人、ともいわれている赤法師レゾの血縁者。
それだけでかなりウケはいいはずである。
サイラーグのあの一件は偽者の仕業、ということですでに話はついてるし。
正確にいえば、偽者、というかレゾの複製人間であったんだけど……
もっとも、あのサイラーグ壊滅の真実をしっている存在すらもごくわずか。
「なるほど……しかし、よく元にもどれたわねぇ」
たしか、かなり難しい、とか当人もいってたような?
『それがね。リナのおかげでもあるのよっ!』
?
あたしの?
何で?
「は?」
アメリアのいいたいことがわからずにおもわず間の抜けた声をだす。
『ゼルガディスさんの体は古代の遺跡にあったとある装置でなおったんだけど。
その遺跡って例の滅びの砂漠の一角にあったのよ!
リナが冥王フィブリゾを滅ぼしてくれたおかげであの砂漠にも人が入れるようになってたし』
いやまて。
ちょっとまて。
かなりまて。
冥王フィブリゾを滅ぼしたのはあたしじゃなくて、金髪大魔王……
そ~いえば、アメリアたちにはそのこと、どうなったのか詳しく説明してなかったっけ……?
聞かれても困る内容だけど……
「…あ…あはは……」
もはや空笑いするしかない。
そんなあたしの心情をしってか知らずか、
『とにかく。今まで人が誰も入れなかった。というのも幸いしてか、装置にはまったく不備がなかったのよ。
それでね、それってどうも降魔戦争以前の遺跡だったらしくて……』
延々とアメリアがうれしそうに説明してくる。
そういや、降魔戦争以前ってかなり文明進んでたようなこと姉ちゃんたちいってたような?
しかし……ゼルの体が元にもどったとは、まさにびっくり。
アメリアがうれしそうにいきなり通信してくるはずだ。
っと…まてよ?
遺跡?
人の手が今まではいったことがなかった?
「って、アメリア!その遺跡にあったお宝はどうしたの!?」
おもわず身を乗り出して問いかける。
誰もはいったことがない遺跡、となればとうぜんそれなりのお宝はあったはずっ!
『え?何でも滅びの砂漠緑化委員会とかいう組織に寄付したけど?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あれか……
というか、まだ活動してたのか!?
あの組織!?
以前、水の術をつかえる人物をかたっぱしから誘拐していた組織だし…それって……
まあ、ともかく。
「そ、そうなの。しかし、よかったわね。アメリア。
あ、今度ゼルをからかいがてらにセイルーンによってみるわね」
まだ子供たちの首がすわらないから無理だけど。
『ほんとう!?じゃぁそのときは事前連絡してね!リナとガウリイさんがくるとなれば、
食事もかなり膨大に用意しとかないとっ!』
「ってどういう意味じゃぃっ!!」
変わってないアメリアのいいように思わず突っ込み。
しばし、そんなアメリアと会話を交わして通信を切る。
しかし、世の中はいろいろ代わっていっている。
ゼルの体が元に戻った、というのもその典型の一部であろう。
これからこの世界がどのようにむかってゆくのか誰にもわからない。
だけども、あたしはあたしらしく精一杯いきてゆくしかない。
――番外編完了♪
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あとがきもどき:
薫:さてさて。ようやく旅人の番外も完結です!
ラストは子供が生まれたとあるある日の一部まで♪
ゼロスがやってきているのはリナが下手に動かないように、との見張りもかねてます(笑
リナの姉のことをしった魔族が下手に刺激しないように、との獣王ゼラス=メタリオムの指示で(笑
ともあれ、これで旅人は完全に完結ですv
約一年間、ありがとうございました(ぺこり
さてさて…次はいい加減に漫遊番外、もしくはフォーエバーにとりかかろう……
でも頭の中かまだギャグ要素にならないから、放浪記とかになるかな?
何はともあれ、みなさま、またいつか~♪
2008年1月28日(日)某日
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