まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

五周年記念vというわけで(何が?)ちょうど時期的に、
ロストユニバースのDVDボックスも新たに発売になった記念もあり、
スレ世界とロストユニバース世界の混合小説。
つまりは、リナ&ガウリイがあちらの世界に時空&次元移動するお話をばv
何はともあれ、いっきますv

※リナ視点ではレイルたちの会話はわからないですが。
  反転すれば会話の内容がわかるようになっております。あしからず……

#####################################

「……後をたのみます。我等が王を……」
「って!おいっ!」
自分が彼のマスターのはず。
それなのに、自分の意志に反して強制的に脱出ポットにと乗せられて排出される。
『……ラル!?』
通信に聞きなれた声が入ってくるが。
そんな彼女の声に思わず安堵する。
そして。
「……ヴォルフィード様。彼は私が封じますっ!」
『ラル!まちなさいっ!』
決意を伝えれば否定されるのは見えている。
それでなくても、このご時勢。
この世界には負の気が満ちていて自分達の力は十二分に発揮できない。
どんどんと文明を発展させて、宇宙にまで進展していった人類。
だがしかし、それは宇宙を部隊に戦争を始めるにいたったこの経緯。
そんな負の気の高まりで、かつて封じられていた闇を撒くものが復活し。
さらには、それは人類が破壊システムとして作り出した有機体であるものと融合した。
それを察知して、彼等もまた光に属する有機体の乗り物を作り出し、
心ある人類とともに戦っていた。
自分達の主でもある、漆黒の竜神、ヴォルフィード。
彼女だけは……自分達の代わりなど、彼女さえいればどうにかなる。
そしてまた…このまま滅びるわけにもいかない。
そんなことになれば………かの御方の指導は…見えている……

 ~時空の旅人~プロローグ~

「……おや?リナさんじゃないですか?」
……無視無視。
無視といきたいけど……
口の中で軽く言葉を紡ぎだし、そして。
烈閃槍エルメキアランスっ!!」
バシュ。
……ち。外したかっ!
というか、こいつ霧散させやがった!
あまりというかはっきりいって会いたくなかったにこ目の神官が、
その手にもっている杖をついっと前に出すと同時。
あたしの放った光の槍はいともあっさりと無とかしてゆく。
「ひどいじゃないですかっ!何でいきなり攻撃してくるんですかっ!?」
何やら無自覚極まりないことをいってくるけど。
こいつは……
「お~。ゼウスじゃないか。ひさしぶり~」
「ゼ・ロ・ス!ですっ!ガウリイさんっ!ひどっ!」
さらっというあたしの連れでもあるガウリイの台詞に何やらいじけているけど。
まったく……
「ガウリイ。いきましょ。」
「それもそ~だな。」
とりあえず、何やら文句をいっているゴキブリはそのまま無視するとして、
そのまま町の出入り口にとあたる門にと向かってゆく。
とりあえず、何だかんだとあったものの。
ガウリイとともに、あたしの故郷、ゼフィーリアに戻ってきているあたし達。
未だに大量発生しているレッサーデーモン達はなかなか少なくなってはいないが。
ここ、ゼフィーリアの周辺ははっきりいって野良デーモン達は皆無といっていいほど。
まあ、姉ちゃんが動いた…というのはどうやら事実らしいから。
それでここまで綺麗さっぱりと綺麗になってるんだろ~けど。
「あ!まってくださいよぉぉ!リナさん!ガウリイさんっ!
  ここで会ったののも何かの縁じゃないですかぁぁ!」
何やら知らない黒い物体がわめいているけど、完全無視。
まったく、何であんな害虫でしかない代物がこんなところにいるのやら。
……あいつとかかわったらろくなことはない。
というか、まさかあたし達に関して抹殺指令がでた…とかじゃないだろうし。
……可能性としてはあるかもしんないけど。
それだと、にこやかにあいつの性格だと笑みを浮かべつつ攻撃してきそ~だし。
「しかし。何かここゼフィーリアって何度きても何か雰囲気違うよな」
「ガウリイ、幾度かきたことあるの?」
「二、三度」
「へ~」
長い付き合いだけどそれは初耳だ。
そんなたわいのない話をしながらも門をくぐる。
風がとても懐かしい。
でも、確かに。
ガウリイの言っている意味が何となくあたしでもわかる。
確かに、昔は何ともおもっていなかったけど。
ここゼフィーリアの空気というか雰囲気は他とどこかが異なっている。
どう異なっているか…といわれれば説明のしようがないが。
でもしいていうならば、何かこうとても安心できるような。
そう。
魔族との戦いにおけるプレッシャーとはまったく異なる次元。
そういったほうが正確かもしんない。
……まあ、永遠の女王エターナルクイーン事態がそもそも、不可解な人だしな~…いや、ほんと……
嘘か本とかわかんないけど、ここゼフィーリア設立当初からずっと同じ人…という話だし。
……本当のような気がひしひしとしてるのも事実だけど。
何しろ、不死、とまでいわれてるからな~。
あの人は……
姉ちゃんと何か仲がいいので幾度かあったことはあるけど…さ。
ま、何はともあれ。
あたし達はそのまま、ゼフィーリア首都、ゼフィール・シティの中にと足を踏み入れてゆく。
さってと……姉ちゃんの機嫌が悪くありませんよ~に……


久しぶりの故郷である。
ガウリイと旅を始めてからこのかた国にはもどっていなかった。
さて……姉ちゃんに何といわれるか……
そんなあたしの心配は何のその。
「やっぱ。ここってリナ。他とちがうぞ?空気そのものが」
未だに何やらいってきているガウリイだし。
「まあ、それは……」
あたしが言いかけるよりも早く。
何やら、ばっとあたしを背後にまるで守るかのように身構えるガウリイ。

何やら真剣な顔をして後ろを振り向いていたりするけど。
…まさか、さっきのごきぶりがやってきたんじゃぁ……
そんなあたしの心配は何のその。
「あら?おかえりなさい。リナちゃん。」
……え……ええっと………
何かこの場では絶対に聞くことはないであろう聞き覚えのある声が背後からしてくるんですけど……
いやあの……まさか、嘘よね?
そんなあたしの心情は何のその。
「まあ。この人がリナちゃんの連れのガウリイ=ガブリエフさんですね。
  烈光の剣ゴルンノヴァがいないのが残念ですわねぇ」
いやあの……
「ってちょっとまってよっ!」
おもわずばっと振り返ってしまう。
気配すらまったく感じさせることなく、あたしのほぼ真後ろにと立っていたのは。
ながれるような長い水色の髪に水色の瞳のかなり美人な女性が一人。
見た目は二十歳そこそこといったくらいであろうが。
だけども…あたしはこの人の実際の年齢ははっきりいって知らない。
……この国に知ってるひといるんだろ~か?
何しろ、あたしが物心ついたころからこの容姿だもんなぁ……このおひとは……
「ごル…何だ?それ?リナ?誰だ?こいつ?」
「…ちょってまていっ!ガウリイ!口の利き方に気をつけなさいっ!」
思わずさけんではっと口元を押さえる。
第三者などに聞かれては、はっきりいって大混乱になること間違いなし。
「アルローラ=ゼス=ヴィーナス=ゼフィーリアと申しますわ。
  お初にお目にかかりますわね。ガウリイ=ガブリエフさん」
そんなあたしの心配は何のその、にこやかにガウリイに手を差し伸べて挨拶しているその女性……
いやあの……
「…え。えっとぉ。何でこんなところにあなたさまが?」
声をなるべく抑えながらも、痛む頭を抑えてどうにか問いかける。
「ルナのところに行く途中だったのよ。それに、あと何か客人が珍しく国の中にはいってきてるみたいだから。
  ちょこっと挨拶がてらに出てきたのよ。細かいことは気にしないの。リナちゃんv」
いや…まったくもって細かくないとおもう。
「……えっとぉ。細かくないとおもうんだけど……」
「でもないわよ?リナちゃんが冥王ヘルマスター滅ぼしてくれちゃったおかげで、
  何かこの地域、外とのつながりが復活しちゃってるからね。
  おかげで、外からの通信が毎日のようにうるさくて、うるさくて……」
ってそれこそまってよ!
「外からのうんぬん。という意味はわかんないからいいとしてもですっ!
  というか!あれはあたしのせいじゃないっ!」
金髪大魔王と知らずに攻撃しかけたあいつがわるい。
うん。
「?なあ?リナ?さっきからこの何か人じゃない人がいってる、ヘル何とかだの。
  ゴル何とかだの、どっかでき~たような気がするんだけど……」
「いや、ガウリイ、人じゃないって……」
そんなガウリイのさらっとした台詞に多少驚きながらも、だけどそれ以上に。
「あ…あほかぁ!自分がつかってた剣の名前と、
  自分が攫われたことのあるやつの名前くらいはおぼえとけぇっ!」
すばこぉんんっ!
まったくもって両方の名前を覚えていないらしいガウリイの頭をとりあえず、
懐かりとりだしたスリッパではたいておく。
う~ん。
少しはすっきり。
って、そんなばあいじゃない…ってか。
「って。それより。今、ガウリイ、人じゃない…って…この女性は……」
あたしがガウリイに説明するよりも早く。
「……げっ!?何でこんなところにあなたがいるんですかぁ!?リナさんならともかくっ!」
何やら聞きたくない声が後ろの方から聞こえてきていたりする。
いやいやながらも振り向けば、そこには見慣れた神官服の男が一人。
あ~う。
まぁた面倒なことになりそ~だよぉ~。
もしここで、二人の戦いでもはじまったら…この国…消滅するかもしんない……
何しろ、この女性…あたしの姉ちゃんとためをはれるほどの実力もってるし……
どっちが強いのかなんて怖くてきけないけど。
そんなあたしの心配は何のその。
「あら?私が、私の国にいて何かがおかしいかしら?獣神官ゼロス?
  それより、珍しいわね。降魔戦争以来、高位魔族がこの地に直接出向いてくるなんて。
  知らずに入り込んだ今までの魔族はことごとく消滅させてたというのに」
にこやかに、そちらにむかって話しかけているその女性……
「いやまあ。それはそうかもしれませんけどね。水竜王さん。
  僕がいいたいのは、どうしてリナさんとにこやかにお話をされているのか。
  ということなんですけど……しかも、ここって城の外ですよ?
  何で今はこの国、ゼフィーリアの女王やってるあなたがこんなところにいるんです?」
ごけっ!!!!!!!
い…いいい…今、ゼロスのやつ何ていったぁぁ!?
何の気構えもなく聞こえたその言葉に思わず地面につっぷしてしまう。
……えっとお?
…き、聞き間違いよね。きっと……
「どうしてって。リナちゃんのお姉さんに用事があってでてきてるのよ。
  あと、城にいたら何かと他の竜王たちがうるさくいってくるしねぇ。
  今の私はかつてのような力はまだ回復してないし。ついでにいえばこの体は一応人だし。
  千年の時をえて、多少の意志力は回復してるけど。まだまだだしねぇ」
……きこえない。
きこえない。
あたしはなぁぁんにもきこえないぃぃぃぃ!!
「まあ。たしかに。水竜王さんは。あのとき。魔王様を氷に封じたのち。
  その意識を人間の赤ん坊に転生させて消滅を免れてたのはしってますけど。
  そのときの反動で知識の一部が異空間に取り残されて異界黙示録とかになってたりもしますけど。
  ですけど、獣王様がたよりも強い実力をもっているのにはかわりがないですしねぇ。
  それゆえに、この地、ゼフィーリアは僕達魔族にとっては立ち入り禁止区域なわけでして」
「その、立ち入り禁止区域に何のようかしら?」
「いやぁ。それがですねぇ。
  そこにいるリナさんが二つ目の魔王様の欠片まで滅ぼしてくださいまして。
  ついでにいえば、覇王様までの力を削いでいますしね。
  そんな中でリナさんに逆恨みして攻撃しかけようと覇王様がしようとしている。
  という情報をわが主、獣王様が耳に入れまして。
  リナさんの身元調査でもして覇王様をだまらせよう。
  というので僕に白羽の矢があたったんですよ。いやはや。こまったものです。
  リナさんがゼフィーリアの出身だ。というのは知ってましたからね。
  誰もいきたがらなかったんですよぉ」
うずくまり、頭を抱えるあたしを完全に無視して、何やらにこやかなまでに話している、
あたしの知っている人…実はここゼフィーリア国の女王当人と、
そしてまた、魔王の五人の腹心の次に実力があるとおもわれる獣神官ゼロスとの会話が、
あたしの耳にと入ってくる。
「?よくわからんが。ゼウス。この姉ちゃんと知り合いなのか?」
「ですからっ!ゼロスですってば!ガウリイさん!…わざとまちがえてませんか?」
そんな会話にわって入り何やらのほほんとしたことをいっているガウリイの台詞が聞こえてくる。
「…あ…あのぉ……」
とりあえず、聞きたくないけどこのままではラチがあかない。
それゆえに、意を決して立ち上がり、恐る恐る問いかけようと声を発するあたしの耳に、
「あら?ヴィーナス。また城からでてきたの?それにリナ。お帰りなさい。
  ずいぶんとゆっくりしたご帰還だったわねぇ?」
びくくくうっ!
びしっ。
・・・・・・・・聞きたくもないその声をきき、あたしは完全に体が硬直して固まってしまう。
ぎぎぎぎぎ……
振り向きたくないけど、振り向かないと命がない。
恐る恐る振り向くとそこには、あたしと同じ栗色の髪の女性がにこやかにたたずんでいる。
違う点はといえば、そちらのほうの髪は肩の辺りまでしかない短さであることと。
そしてまた、あたしの瞳の色はブラウンであるが、そちらのほうは深紅である。ということ。
そして…一番異なるのは…やはり、何といっても……胸の大きさである……
「た…ただいま。姉ちゃん……」
あたしはそちらにむけて恐る恐る声をだす。
そこにいるのは…紛れもない。
あたしの二つ上の姉。
ルナ=インバースその人であったりするのだからして……
にっこり。
あたしが恐る恐るながらも姉ちゃんにただいまの挨拶をすると同時。
ごっ!!
「~~~っ!!」
ものすごい痛みが頭を直撃してくる。
「リナ?!」
ガウリイの何やらおどろいたような声がしてきてるけど。
「まったく。ちょっともどってこないとおもったら。あんたは何やってるのかしらね?
  聞いたわよ?レゾはともかく、次はあんたの知り合いまでもが欠片として覚醒?
  さらにはそれらを滅ぼしたって。まあ、二度目のほうは情緒酌量の余地があるとしても。
  だけど、冥王の一件ではあんたは何をしたのかしらねぇ?ん?」
いやあの…姉ちゃん。
にこやかに笑みを浮かべながらも、その手にもってる木刀は何ですか?
ねえ……
……怖くてきけないけど……
「お。おい。リナ。大丈夫か?…えっとぉ。この人…リナの姉ちゃんなのか?
  雰囲気はにてるけど、何というか、人じゃない感覚もしてるけど……」
ガウリイも何といっていいものか。
いきなりあたしに一撃を加えてきた姉ちゃんをみて戸惑いの声を発しているらしい。
……まあ、普通は戸惑うというか驚くよなぁ。
うん。
そんなガウリイの言葉をうけてか。
「あら。始めまして。ガウリイ=ガブリエフさん。リナの姉のルナ=インバースです。
  噂はいろいろとお聞きしてますわ。うちのリナがいろいろとお世話になっているようで。
  まあ、私的には反対はしませんけどね。こんな妹でもいいんですか?」
何やらにこやかにガウリイにと話しかけている姉ちゃんの姿が。
「ええ。リナしか考えられませんし」
……ましゃか……
姉ちゃん…あたしとガウリイがその…そ~いう関係になってるって……
……バレテル。
確実に。
こ…殺されるかも(汗
あたしとガウリイがその相棒から昇格して、相棒、兼恋人?同士になったのは。
ルークの一件より少し後。
ルークの一件で落ち込んでいるあたしをガウリイが優しく慰めてくれて…そして……
って。
まあ、それは今はいいとして。
「まあ、リナのあいては昔占いでわかってはいましたけどね」
…そ~いや、姉ちゃん、占いがかなり得意で、しかも完璧にほぼ100%の確率で、
ほとんどいいあててたっけ……人の死期とかまでも……
姉ちゃん曰く、自分の中にある竜神の力によるものだとか何とかいってたけど。
たしか。
「でも。さすがというかさすがよね。ルナは。今日二人が戻ってくることまでいいあててたし。
  あ、それで。これ……ちょうどいいからここで渡すわね」
ガウリイと姉ちゃんがそんな会話をしている最中。
にこやかにゼフィーリア女王こと、ヴィーナス姉ちゃんが会話にわって入ってきていたりする。
…姉ちゃんってよばないと、ほんっと死ぬかとおもう目にあったからなぁ……
それゆえに、物心ついたころからずっと彼女はあたしの中では、
姉ちゃんと同様に絶対に勝てない&逆らえない人の位置にランク付けられている。
「……まあ。覚悟はしてたけどねぇ~……」
ふぅ……

姉ちゃんにしては珍しく、何か弱々しくいってため息をついてるけど。
みれば、女王の手には何やら小さな箱らしきものが。
それをどうやら姉ちゃんに渡すためにわざわざ城から脱走してやってきているようだけど…
いやだから…何でそうほいほいと女王ともあろうものが城から脱走するかなぁ…
……王族ってもしかしてみんなこ~なのかもしんない。
フィルさんにしろ、アメリアにしろそ~だし……
「まあ。ルナの気持ちもわからないでもないけどね。
  今のあなたは、力のみの欠片をうけついでいるだけで。竜神としての知識などはないし。
  ゆえに、その記憶もないしね。これ受け取る。
  ということはその全てを引き受けることになるわけだし」
……いやあの…はい?
「…って。でええっ!?ちょっとまってくださいっ!
  やっぱりというかリナさんのお姉さんってあの赤の竜神騎士スィーフィードナイトだったんですか!?
  あの今のこの世界の中で唯一、竜神に近い力をもってる!?あのっ!?」
何やらゼロスの叫びが聞こえてくるけど。
いやあの…今、ゼロスのやつ、何にげにさらっとしたとんでもないことをいわなかった?
まあ、たしかに。
姉ちゃんは、赤の竜神騎士スィーフィードナイトだけど。
「でもねぇ。私もこれ、かつてスィーフィード様より託されたとき。
  分断したはずの魔王の欠片の七つのうち、二つが滅ぶときがあるから。
そのときに、もっとも自分に近しい力の持ち主に、これを手渡すように。
  って命令されてるしねぇ。赤眼の魔王ルビーアイとの戦いで意識が沈みゆく赤の竜神フレアドラゴン様から」
……えっと。
きかなかったことにしよう。
うん。
「昔の占いで、この子がそれをやってしまう子だっていうのはわかってたけど。
  でも、いざとなるとねぇ。つまり人でありながら人でなくなるわけだし」
「でも、慣れれば結構楽しいけど」
「…そりゃ、ヴィーナスは自分の意思で人に転生してるわけだしね」
……聞こえない。
あたしは何にも姉ちゃんたちの会話はきこえてないぃぃ!
「ま。案ずるより産むがやすしよ。あと、こんなのが何かとどいてたのよね。
  たぶん、これもルナに…というんだとおもうけど」
いって、何やら今ヴィーナス姉ちゃんがもっているよりもさらに小さな箱のようなものを取り出す。
何やら話しかけるのも怖いので、ひとまずだまって成り行きを眺めることにしているあたしだけど。
下手に口出しして姉ちゃんたちのご機嫌を損ねたりでもしたら、
それこそほんとうにあたしは命がない……
「?何それ?」
「それがねぇ。おきたら枕元にあったのよ」
……あのヴィーナス姉ちゃんに気配すら感じさせずにモノを置けるひとっていったひ(汗
何やらそんな会話をしつつ。
姉ちゃんが、その二つの箱を手にとるとほぼ同時。
カッ!!
何か姉ちゃんが触れると同時、箱から光がほとばしり、
何やら空中に、二つの羽をしたにした竜というか蛇がのぼるような紋様が浮かび上がる。
……って。
あれってたしか……赤の竜神フレアドラゴンスィーフィードの力を現すシンボル模様じゃぁ……
そんなことをあたしが思うと同時。
その光はあたしとガウリイをまでをも巻き込んで、さらに輝きを増してゆく。
……って。
何!?この浮遊感はぁぁ!!??

                                ――Go To Next

Home    TOP     BACK    NEXT

#########################################

あとがきもどき:
薫:さてさて。とりあえずこれはぼやき部屋にて連載していた企画小説のお話です。
  とりあえず10話以内を目指して編集開始~
  新作といえば新作なので新たにアップしなおしですv
  次回、リナ達が移動した先は?をお送りします。
  それではv


Home    TOP     BACK    NEXT