まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわv早かった・・というのが本当のところ。
どうして先にスィートポテトが?(笑)
という素朴な疑問はまあおいとくとして。
ついに発売されましたvスレイヤーズスペシャル21巻(2003年8月20日発売)
『汝それはスイートポテト』
多分大阪近辺の人はこの本に神坂先生のサイン・・もらったんだろうなぁ。
いいなぁ・・・。私もほしい・・・・。
けど所詮は日本の端の田舎に住んでいる身にはかなわぬ願い・・。
何はともあれ、祝!スペシャル発売v
しかも・・・重要なのは!リナ父カラーで登場だ!(そこか!?笑)
ちなみにこれ、書き下ろしの『スイートポテト2』の続きですv
それではいってみるのですv

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           汝それはストロベリー   ~前編~


太陽の光がとてもまぶしく感じる。
「……まさかとは思うけど……
  あれのほかにもまだやばい試作品とか保管してたりすんるじゃあないんでしょうね?」
あたしの指摘に。
「まさか。あれが最後の一匹ですよ。本当に。」
そういいつつ視線をそらしているジョージ。
山間の町、キュリアン・タウン。
そこの有名なケーキショップのオーナー、ジョージ。
まあ確かに、彼のケーキははっきりいって至極品。
超一級品ではある。
……ちなみに材料もまた……いろんな意味で超一級品だけど。
何はともあれ、あたしたちはいままでジョージの店から逃げ出した……
……スィートポテト相手に奮闘していたのだ。
何でイモと格闘するの?
という突っ込みはそこしないように。
……ジョージの作ったものは……はっきりいって名前と見た目が比例しない。
……何しろ引っこ抜くといやな叫びを上げるスィートポテトや。
どうみても目玉にしか見えない栗もどき……しかも肥料を求めてうごめくし……。
そんな材料を彼は作り出しているのである。
そして……そんな中のひとつ。
彼が危険すぎて封印した、スィートポテト【実験ナンバー666】。
それを今あたしたちは完全に駆除したところなのだ。
……何でも効率のいい栄養を取るために生きていないものから栄養を摂取する。
という属性をつけたところ……家など……つまり……
すでに生きていないもの。
……たとえば服とか等を栄養にする……という何ともやっかいな代物に成り果てているそれを。
……ちなみに元がスィートポテトなので蔓と共に増えるという……厄介な代物でもあったが。
「じゃ、ここが片付いたら隊長さん兵隊さんみんなでジョージの所に押しかけて。
  危険物全部を廃棄した挙句、お詫びとしておいしいものとことんおごってもらうってことで、オッケーね!」
あたしのそのもっともな言葉に。
『おう!』  
「ええええ!?」
兵士たちの雄たけびとジョージのいやそうな悲鳴が響き渡る。

とりあえずすべて、残りがいないのかを再度念入りにと確認し。
そして・・・・あたしたちは今。
ジョージのケーキショップにといったのだが。。


「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
その他大勢、否、あたし達の中で約一名を除く全員が思わず無言で顔を見渡す。

「……いや……あの……これは……」
何やら頭を抑えている隊長さん。
……いや、気持ちはわかる、ものすごぉぉぉく。
いや本当に。
「……ジョージ……何なのよ……この膨大な【封印物体?】は……」
キュリアン・タウンにとあるジョージのケーキショップ。
問題の【危険物質?】はどうやら店には当然置いてないらしく。
問題の品は、ジョージの店の裏にある…何でもジョージ所有のとある山にとあるらしい。
この山はもう一つある植物を育てるための山とは違い、様々な実験をするために購入したとかしないとか。
…あ~た本気で金持ちか?
というか……何でここまで魔道士としての実力あるのに……なぜにケーキ職人?
というあたしのもっともな疑問は頭に浮かぶが。
まあ材料はともかくとして、
あぁんなにおいしいケーキが食べれる状況では、それはそれであまり気にしないことにするけども。
その中に……それはあった。
ジョージ曰ちょっとした小屋ひとつがまるまる危険物の封印倉庫となっている。
という話であったのだが。
そのジョージ曰くの『小屋』の中にあるのは、
何らかの形で失敗した【品種改良】という名目の元、その原型をすでにとどめなくなった元植物たちの姿。
これはもう植物ではないと思うというか絶対に植物とかではない。
断言できる。
まあその詳しい風景は考えたら頭が痛くなるだけなのであまり考えないことにして。

とりあえずこれ以上危険物が野に放たれては危険。
という的確な判断と意見の元に、
その前にすべてそれらを『破棄』するために、ここにやってきているあたし達。
まあその前にジョージをちょっぴり力づくで『もうない』といったその真意を問いただし。
そうして今――あたし達はここにいる。



「いやぁ。でも一応これらのサンプルがあってこそ。まだまだ改良の余地はあるものの。
  今のすばらしい栗とかスイートポテトとかがあるわけでして。砂糖きびとか。」
頭を抱えてうなっているあたしたちの横でにこやかにそんなことをいっているジョージ。
そ~いう問題か?
あ゛……頭いたくなってきた……
「……隊長……私なんだか頭がいたくなってきました……」
「考えるな。考えたらまけだ。」
などとあたしの横では兵士さんたちがそんな会話をぽそりとしていたりするし。
う~みゅ。
気持ちはすっごくわかる……
しかもジョージが小屋といっていたわりには、
はっきりいってここはちょっとしたお屋敷程度の広さをもっていたりする。
「……こんな場所……とっとと壊滅させたほうがよくないか?」
部屋の壁の両脇で目を……なぜに目がある?
……と…ともかく目がぎょろりとついた……ジョージ曰く【葡萄】や……
後は何やらぶくぶくとケースの中で叫んでいる……・赤い丸い物体、
しかも手足つき・・ついでにその手足は……六本……
これまたジョージの説明によると……【林檎】…………らしい。
あの?
とがった鋭い歯が生えそろいしかも並んでいる林檎……っていったひ……
などとまあ指摘をしたらきりがない。
……ど~やったらこんな品種改良というものができるんだ?
いや……本当に。
そんなはっきりいって怪物オンバレード!
のそんなケースに囲まれた屋敷の中に入ってみれば、普通頭を抱えるのが人として当然である。
そんなことをとりあえず少し歩いただけでいってくる隊長さん。
それにはあたしも同感。
何やらガラスケースらしきケースに意味不明な怪しい液体の中につけられいるそれらの物体。
どうみても元の姿がそれからは連想されない。
中にはそれらをみてあまりのインパクトに気絶している兵士さんもいたりする。
……しかも一階にあるのはまだ序の口で二階のがさらに凶暴。
……そ~して更に、地下には高い危険ランクのものを封印しているらしい。
……滅ぼせ。
とゆ~か封印なんかせずに駆除しろ。
そう思うのは多分あたしだけではない。
絶対に。
「ジョージ?とっととこの一角全部。吹き飛ばしてもいいわね?」
にっこりと、あたし達の後ろからついてきているジョージにと微笑みかける。
そんなあたしの至極もっともなその言葉に。
「え゛!?で……でも!?封印しているからこそ何らかの実験的なサンプルが!」
などと叫んでいるジョージ。
『んなもんいらん。』
ものの見事にジョージ以外のあたし達全員の声が重なる。
「い・い・わ・ね?」
にこやかに手にちょっとした魔力球を生み出しつつジョージにと微笑みかける。
どうやらジョージはあたしのそれが何か理解したらしく、なぜか顔色を悪くして。
「……はい……」
あたしのにこやかなまでの平和的な説得になぜか涙を流しつつ承諾しているジョージ。
まったく……
まさかここまで失敗作のオンパレードがあるとは……侮りがたし……
ケーキ職人……ジョージ=グットラック。
ちなみにこれらはジョージがかつて魔道士協会に通っていたときに得た知識を元に作り出されている植物……
……とはいえないけど、もはや絶対に……とにかく植物たちであったもの。
このジョージ。
それなりの道……つまりは魔道士等になったらかなりのレベルに達しているのは一目瞭然。
まあジョージはケーキ職人の道を選んだわけだけど。
ちなみにあたしもこ~いったいわゆるほとんど【合成物キメラ】もどきみたいなものは。
少しその気になればできるだろうけどやらない。
何となく命をもてあそぶようであたしは好きではない。
まあそれはそれとして。
「それじゃ。こんな危険きわまりない場所はとっとと壊しましょう!」
話はとんとん拍子にまとまり、あたし達は屋敷からでる。

竜破斬ドラグスレイブ!」

ドガゴァァァァァン!!!

派手な音を立てて試作品封印物ごと屋敷が吹き飛んでゆく。
まあちょっぴし屋敷だけではなく山の形も変わっていたりするのは愛嬌である。
『おおおおお!』
あたしの使った術にどよめきの声を上げている隊長さんや兵士たち。
これぞ攻撃魔法最大ともいわれている黒魔法。
これを使える魔道士を雇っているだけで、その国のレベルにハクがつく。
まあどうでもいいことだけど。
威力をアレンジしてあるので山の三分の一だけを失った山があたし達の目の前にあったりする。
ついでにちょぴっとしたクレーターもできているようだけど。
それと同時に完全にと吹き飛んでゆくお化け屋敷。
あれはお化け屋敷というか化け物屋敷、といっても過言ではないとおもう。
絶対に。
やがて山ごと消えた屋敷後をしばらくみつめつつ。
くるりと向きをかえ。
「さって。んじゃ!ジョージの店で食べほうだいといいましょう!」
『おう!』
『……え゛?』
勘のいいものはとにかく変わった材料を使っているのでは?
という思いをめぐらせていたりするようだけど……まあ結果がよければそれでよし。
食べればそんなことには気にらなくなる、いや絶対に。
このあたしが言うんだから間違いない。
「しくしく……やっぱりそうきますか……わかりました……」
なぜかジョージが男のくせに、だくだくと涙を流していたりするけど。

かくしてとりあえずジョージが【危険すぎて封印していた試作品】の数々は。
あたし達の活躍によってこの世から永遠に姿を消したのである。

屋敷を吹き飛ばしあたし達はジョージのおいしいケーキを堪能し始める。


はじめはケーキの材料を具間見てしまった兵士が数名少しばかりはいたりしたけど。
やはり全員一口食べれば……というか全種類制覇してからは、
もはや何も言わずに、ケーキを口の中にと放り込んでいる。
いや……本当。
何回食べてもおいしいわよね。
ジョージのケーキって。
……材料はともかくとして。

まあ一部、材料を目の当たりにした人々は凍っていたりしたけど。
……まあ当然の結果だろうし。
うんうん。

「しっかし……都合よくよくあの廃村で訓練なんてしてましたねぇ?隊長さん?」
おいしいものを食べたら人間誰しもうれしくなり口がかるくなるものである。
あたし達はもはやこの世のものとは思えないすばらしいケーキを食べて、すでにご満悦状態。
しかも食べほ~だい♡
「ああ、それなら実はな。
  この近くに人が近寄るはずもない『魔の山』と呼ばれている場所があるのだが。
  どうやら最近そこに盗賊か何かの組織が住み着いたといううわさを聞いてな。
  その撃退のために訓練を行っていたわけだ。」
さらりと、どうしてあの場所で訓練していたのかを暴露している隊長さん。
いや、一般人にそんなことを教えてもいいのかなぁ?
しっかし……盗賊か。
悪くないわね。
あたしがそんなことを思っていると。

ガシシャァァァァン!

ケーキを運んできたジョージが大げさにケーキを床にと落とす。
「え……え……ええぇぇぇぇぇ!?それは本当ですか!?
  あ……あ……あの場所にひひひ……ひとがぁぁぁぁ!?」
などと叫びつつ頭を抱えて絶叫上げているジョージ。
……何やら叫んでいるけど。
……はて?
「うむ。あの地は、古に古代の神官が何やら魔物を封じた。とか呼ばれている場所なのだが。
  今まで事実、誰一人としてあの場所には近づいたことすらなかったがな。
  最近あの山のふもとで盗賊らしきものをみた……という報告が……」
そう説明している隊長さんのその言葉に。
がしっ!
そのままあたしの手をなぜかしっかりつかんで。
「リナさん!協力してください!
  協力してくれたらリナさんには、無制限にこの店のケーキをいつでも食べ放題!ということで!」
「のった!」
あたしの手を握りそんなことを言ってくるジョージ。
無制限に期限なしで食べ放題。
何とも魅力的な響きである。
「……?おぬし?何をそんなにあわてておる?」
ジョージのその狼狽振りにそんなことを聞いている隊長さん。
あ、そういえばあたしは何を協力するのか聞かずにオッケーしちゃったけど。
「……あの……」
何やらいいつつ下を向き、しばらく何やら考え込んでいるジョージ。
そして何かを決意したような視線できっとあたし達を見つめ……
…………何で瞳に涙が浮かんでるんだ?
「……実は……僕……
  あの山の洞窟に…超∞レベル、実験ナンバー777のストロベリーを封印しているんです!」

どんがらがっしゃぁぁぁぁぁん!!!!

ジョージのその言葉に……ケーキを食べていたあたし達は……
ものの見事にテーブルからひっくり返ったのであった。

あたしはちなみにしっかりと、ケーキを高く掲げていたのでケーキさんは無事であったが。

「ちょいこらまてぃ!あれが全てじゃないんかぃぃぃぃ!」
思わず叫ぶあたしに。
「ですから!普通に危険なのはあれで全てです!
  あのナンバー777は特別なんです!何しろ……生き物を消化吸収しますから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はひ?(汗)』

あたし達の額や脳裏に・・・ものすっごぉぉぉぉくいやな汗が流れるのは気のせい。
うん、今のジョージの台詞は・・・多分、いや絶対に、というかお願い・・・。
・・・・気のせいだといって・・・・。
あたし達全員の声がハモル。
「……ふっ……実は……ストロベリーの甘さを追求がてらに食虫植物の仕組みを取り入れ……
  そこまではよかったんですけど……
  ……その品種……葉っぱの大きさで包み込めるものは……
  それがたとえ子犬であろうとも消化吸収するようになっていたんです……」
どこか遠い目をしていっているジョージ。
いや……あの……こ……子犬……って……(汗)
「しかもストロベリーの天敵たちから身を守るために、いろいろとちょっと機能なんかも追加してまして。
  ……で、移動可能なんですよね。
  さすがに野良犬や狼を捕らえて吸収するのをみて危険と判断しまして。
  それゆえに、超∞封印を施しまして、誰も近寄らない洞窟に……
  って……あの?リナさんたち……聞いてます?」
あたし達のほうをみて手をぱたぱたと振っているジョージ。
『だ……だぁぁぁぁぁ!んな危険なもんつくるなぁぁぁ!』
『とゆ~かそんな危ないもん!封印ではなくすぐに滅しろ!』
……隊長さんたちと兵士……そしてあたしの声が同時に重なる。
……あ゛……あ゛……
……誰か……嘘だといってぇぇぇ!
プリーズ!!!

……狼……吸収……それって……し…洒落になんないとおもふ……(涙)

あたしの言葉にぽんと手をうち。
「あ、確かに封印をするとかでなく。消滅させればよかったんですね。
  いやぁ、思いつきませんでした。はっはっはっv」
『笑い事かぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

にこやかに笑うジョージに……あたし達が全員突っ込みをいれ。
しばらくの間、ジョージのたこ殴り大会にと発展したのは……当然の結果だとおもう。

だ……だぁぁあ!
とゆ~かそんなの聞いてこの依頼……断るわけにはいかないじゃないのよぉぉ!

……つまりは狼とか子犬等を吸収できる……ということは。
言い換えれば……簡単に【人間のちょっとした小さな子供】も消化吸収することが可能。
……というのを安易に指し示していることに他ならない……

…………頼むからんな危険なもの……封印とかではなくその場で消滅させとけよ……
……あぅ……

……当然のことながらあたしたちは…
…その実験ナンバー777の壊滅のために……捜査を始めたのは……いうまでもなひ……

                                      -続くー


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あとがきもどき:
薫:さあさあ!どうなる!?ジョージの開発した実験ナンバー777!
   リナ達は肉食ストロベリーに勝てるのか!?
   というかそれは本当にイチゴなのか!?(絶対に違う!)
(?:・・・・・あら、面白そうなものを人間が作ってるわよねv)
(虚空から声のみが響いてくる)
薫:・・・・・・えっと?(汗)どこからか何かが聞こえてきたような気が・・・。
  何はともあれ。次回、リナ達VSストロベリー!
  というか前後編で本当にまとまるのか?!
  多分その間に中編が絶対につくぞ!という突っ込みをしつつ。
  次回にゴー!(笑)
  ではではv
  2003年8月25日某日


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