まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

というわけで(何が?)何とな~く。他の気力がのんないので。
これの続きをいってみたり…気づく人はある意味すごい(笑

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If  ~もしも…~なりゆき?

ざわざわざわ。
「……あの?止めたほうがよくありません?」
「そうはいいますけど……」
何やら戸惑い気味のウィルとルル。
「ほっといても問題ないと思うけど」
そんな二人にさらっと言い放つ。
私とウィルが少し席を立っていた最中。
何やら二人に言い寄ってきた男がいたらしく。
ララもルルも当然のことながら、かるくあしらったらしいのだが。
私が席にもどってきても、何やら二人に言い寄ろうとしていたので、とりあえず。
座るのにも邪魔というのもあり、手近にあったトレイの角でその男をたたいておいた。
私と同じくもどってきていたウィルも抗議してこようとしていたらしいが、
それよりさきに、その男が面白いまでに頭を抱えて近くのテーブルに突っ込み、
そのままテーブルをひっくりかえして、そのテーブルについていた客たちが、
「てめえっ!何しやがるっ!」
といって、そのままお約束にも騒ぎに発展している今現在。
さらにいうならば、その男を突き飛ばしたテーブルの客人が、さらにその男を別のテーブルに突き飛ばし。
あれよあれよという間に騒ぎは店全体に広まっていたりする。
ルルはといえば、白いフードをさらに目深になぜかかぶって、
「目立ちたくない。目立ちたくない……」
とか何かいってるけど。
店内は面白いまでに、殴るわ蹴るわといったちょっとした光景に埋め尽くされている。
空中をとんでいっている料理の数々はもったいないとおもうけど。
下手に手出しして巻き込まれでもして、それが姉ちゃんの耳にでもはいったらしゃれになんないし。
「しかし。このままではいけないのでは?」
一応、一目があるがゆえに、未だに猫をかぷったままでララが何やらいっくてるけど。
そして、私のほうに視線をむけて、
「そもそも。リナンがトレイの角であの男の頭をたたくから」
何やらいってくるし。
「…そうはいうけど。ララ?私が手出ししなかったら。あんた。剣の柄に手かけてただろう?」
そうなのである。
私が無言で男をたたいたのにはもう一つわけがある。
ララ曰く。
しつこいやつは、服でも切刻めば大人しくなる。
とかいう実践を…こんな場所でしようとしたらしく、
あまりにしつこいその男に対し、剣を抜き放とうとしていたのである。
……場所を考えろってば……
まあ、私も人のことはいえないが。
「かよわき女性に、下心ありありで近づこうとする男には制裁はあっていいのですっ!」
横で何やらどきっぱりとウィルが何やら断言してるけど。
そんな私達はといえば、カウンターの下にとあるちょっとした隙間に移動して、
飛んでくる椅子やらなどといったものから身をまもりつつ、食事を堪能していたりする。
「…しかし。このままでは面倒なことになるのでは……私はあまり目立つことは……」
目深にフードをかぶり、全員をローブで纏っているのでルルが合成獣キメラだとは気づかれていない。
もっとも、こういう場所ではそういう細かいことで好奇の目をむけてくるものもいないだろうが。
ここは、傭兵、ちんぴら、ならずもの。
そういったものたちが自然とあつまってくるような裏道にとあるちょっとした食堂。
ルルが目立つのが嫌だ。
というので溶け込めるこの場所に来ている私達。
ゆえに、神官服のような格好をしているウィルに、どうみても魔道士姿の私に。
さらには全身白づくめのルルに、傭兵のような格好をしているララ。
この四人がこの場にいても別に誰も不思議にはおもっていない。
そんな場所。
「まあ。火炎球ファイアーボールの一発でもかませば大人しくなるだろうけど。」
至極最もな私の意見に、
「それかこのまま無言で裏口から出て行くとか」
「あ。それいいですわね」
続くようにしていっているルルとララ。
「リナンさん。それだと余計に騒ぎが大きくなりますよ。まあ騒ぎになっても。
  私の身分あかせば問題ないですけど」
「…それって、ウィルさん。職権乱用……」
さらっというウィルにすかさず突っ込みをいれているルルはといえばさすがというか何というか。
でも、それも一つの手かも。
使えるものは何でもつかえ。
というのが私の家の家訓の一つでもあるし。
「なら。今のウィルの案でいくとして……」
言い放ち、そのまま呪文を唱えようとする私であるが。
と。
ヒュウウ……
店の中を一陣の風が吹き抜ける。
それと同時に、まるで潮がひくかのように店の中の騒乱が静まり返ってゆく。
『へぇ』
「あら」
何のことはない。
入り口から新しい客が入ってきたのであるが。
そちらに視線をむけた私とララ。
そしてルルの言葉が同時に紡ぎだされていたりする。
どうやら、二人とも私と同じ感想をもったようである。
入り口から入ってきたのは一人の男。
黒く長い髪に、材質が遠目からは判断つきにくい黒の貫頭衣。
口元を覆っているマフラーの色もまたこれまた黒。
異様に背中に背負っている片刃の長剣がその姿と似つかわしくなく、
さらに男を目立つ容姿にと変えている。
あと、変わっているといえば、別に通常から発揮しなくてもいいであろうに、
常に殺気を振りまいているその雰囲気。
その殺気に押されてどうやら店の中の客たちは静かになったらしい。
ああいう気配ってここぞ、というときに使うのが普通だとおもうけど。

「ボディーガードを探している」
殺気を含んだままのその雰囲気と、低い声で淡々とざっと店内を見渡しつつもいってくるその男。
「金のほしいやつ。腕に自信があるやつは名乗り出ろ。
  スポンサーはミスター・タリム。悪い話ではない」
単刀直入にものごとをいってくる。
愛想の欠片も見当たらないが、たしかに判りやすいのは事実である。
「?例の抗争の関係でしょうか?」
ウィルがぽそりと、あたしに耳打ちしてくるけど。
「だろうな」
それ以外に考えられない。
というのもあるけど。
今、私達がいるのは、アトラス・シティ。
リトハーン公のヴァイル城を望んでいるちょっとした街。
ちなみに交通の要所としても一応名前がしられていたりする。
ここでは今現在、ちょっとした事件が勃発しているといえばしているのであるからして。
この街にとある魔道士協会の評議長、白のハルシフォムと呼ばれていた男性が失踪したのが、
ちょうど今から約半年ほど前らしい。
以後、その空席となった評議長の座をめぐって、
紫のタリムと、青のデイミアとやらが、何でも抗争を繰り広げている。
という噂は私の耳にも、というかほとんどの魔道士協会支部にすら届いている。
ウィルもおそらく、セイルーンでそのことを聞き及んでいるのであろう。
…こうみえても、一応、神官長してるらしいし…このウィル……
そんな人物がほいほい出歩いていいのか?
という疑問よりも先に、普通、王位継承権をもつ人物をほいほいとだすか?
という疑問のほうが先にくるのは当然の疑問。
私達がそんな会話をしている最中も、男は店内をざっと見渡し、そして一点にと目をとめ、
「…ここで何をしている?」
今にも冷たく斬りかかりそうなばかりの低い声で客の一人に声をかけていたりする。
「…ロ…ロッドさん……」
そんな男の言葉をうけて、言葉につまっているのは、さきほど私がトレイの角でたたいた男性。
つまりは先ほどまでの騒動の原因となった男のようだけど。
「い…いえ。タリムの旦那から、ちょいっと遣いを頼まれましてね。それで……」
「用がすんだら戻れ」
淡々と言い放ちながらも、どうやら私達の一行に視線を止めたらしく、
こちらのほうにとやってくる。
まあ、はっきりいってこの店の中にいる客の中では使えるもの。
といえば私達くらいであろうけど。
そして。
私達の少し前まできて、
「魔道士と神官。それに…女傭兵二人か」
どうやら、全身白づくめのルルもまた傭兵ととらえたらしい。
そんな彼の視線に動じることなく、見据えている私達。
ルルはルルで、目深にかぶったフードのしたから油断なく睨み返しているようだ。
「いい目だ。きさまら。名前は?」
などと、こちらにむかって聞いてくる。
「何ですか?その態度。まず人にモノを尋ねるときには、自分から名乗る。
  あなた、どういう教育をうけているんですか?!」
動じることなく、そんな男に対してウィルが何やらつっかかっていってるけど。
むぐっ。
そんなウィルの口元を背後から軽く押さえ、
「まあ。この子の戯言はともかくとして。聞くほうから名乗るものでは?」
姉ちゃんたちが怒ったときの殺気や気に比べれば、この男が放っている気などはどうってことない。
それゆえに動じることなく言い返す。
ウィルに表にでられたら、それこそ状況が悪いほうにこじれかねないし。
「ロッドだ」
そんな私達の言葉をうけて、ただ一言雰囲気を崩すことなく言ってくる目の前の男。
普通の人があいてをしていれば、まずあいての気に飲まれてしまうことまちがいない。
しっかし、何か疲れるやつ……
「リナンだ。こっちがウィルに。そしてララにルル」
嘘ではないし。
ただ、正式ネームを名乗っていないだけ。
…ウィルの本名を正式にだしたらそれこそ騒ぎになるのは目にみえている。
「ほう。リナン…とは。お前があの…か。それにそっちの白い奴。
  ルル。といったな。白のルルティス。か」
ばっ!
ロッドと名乗った男の台詞に、すばやく身構えているルルだけど。
「どうだ?おまえら。依頼をうける気はないか?」
そんなルルにはお構いなしにといってくる。
「…あ。あの?リナン?…どうするんですの?」
相変わらずの猫かぶりで私に聞いてきているララだけど。
「ま。話を聞くだけならいいんじゃないか?敵意は一応なさそうだし。」
はっきりいって一応、こちらには敵意はもっていないらしい。
こういうタイプは相手の力量を知れば、戦いたくのが常であるが。
「まあ。リナンがそういうなら。私はいいですけど。皆さんはどうなさいます?」
むぐぐっ……
あ。
忘れてた。
ウィルの口を未だにふさいでいるままだった。
ララの問いかけに、
「私は……」
言いかけてくるルルであるが。
「説明にここよりはいい食べ物はだされるぞ。」
・・・・・・・・・・
「みんな!タリムのところに話をききにいくぞ!」
『えええぇ~~!?』
ロッドの一言に即座に言い切る私の台詞に、なぜかララ、ウィル、ルルの叫びが同時に重なる。
何しろ、ここの料理…いまいちだったからなぁ。
うん。


                              -続く?-

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あとがきもどき:
薫:はいv二巻分ですv今回は意表をついた人物の性別もまた転換されてますv(まてこら
  さって、誰の性別でしょうか!?ハルシフォムの男性と女性バージョン有り……
  今のところ打ち込み予定は…ふふふふ(怪しい笑み……
  しかし、この容量、一巻分と同じくいってたらこれ、何話になるだろう?
  とふとおもったり。
  何はともあれ、二巻分、開始なのですvでは、次回にてv

2007年2月11日(日)某日


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