まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。


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エターナル・フューチャー~エピローグ~


白いまでのドレス。
腰より伸びた長い髪。
毎日のように感じる、温もり。
だけど……
「……お願いがあります。……エル様」
いつもは、そんな敬語など使ったことはないというのに。
今日に限り。
今、ルーは、少し世界にと降臨しているその最中。
「……何?リナ?」
決意の程は……わかる。
分かるけど……
……どうして、こんなに想われているのに。
自分を信じることができないのか。
「……あたしをガウリイから……しばらく離して下さい……」
このままではいけない。
自分が側にいると、ガウリイが駄目になってしまう。
今までもリナのためといって。
いくつの世界を完全にと消滅させたであろうか。
ガウリイの力が組み込まれ、何処にいても、リナの居場所は。
ガウリイには瞬時に判断できるようにされている。
老いることなく、永遠に、二十歳になったときの姿のまま。
「……どうしても?」
気持ちは痛いほどに分かる。
……いくら、リナがガウリイを想っても。
リナは、人間。
そして…ガウリイは、ここの空間そのものたる、深淵の闇王。
あたしがそう創り出したのだから。
あたしの問いに、顔を伏せ。
「……あたしが…側にいたら…ガウリイ……駄目になっちゃうから……」
そんなのは、望まない。
ガウリイは……ここの空間に生きる、全てのものの王なのだから。
……自分なんかが、束縛したら……いけない。
だからといって、ここより離れるのは。
ガウリイの束縛により出来ないリナ。
精神……つまり、魂を分離することも出来ない。
リナは、普通の人間として誕生している魂なのだから。
リナは、気づいてない。
ルーが、リナをずっと自分の側にいさせるために。
その魂の本質から、少しづつ、変えていっているということに。
一気に、その魂の構造を変えようとしたルー。
しかし、それは逆に、リナの魂を壊しかねない圧力をかけることとなった。
それに気付いて、自分の感情とリナに対する想いが強すぎることが分かったルーは。
リナに負担をかけないように、自らの感情の一部を切り捨て封印した。
それが一人歩きをして。
世界に仇をなす存在にと成長しかけていたりもするが。
そういいつつ、目を伏せて。
「……ガウリイの……深淵なる闇王を創り出した……金色の母たる、エル様なら?
  ……このあたしの体と魂、切り離すこと……できるんでしょう?」
紅い瞳に涙をためて、懇願してくるリナ。
「そりゃ……出来るけど……でも……いいの?」
あたしの問いかけに。
「……側にいなかったら……ガウリイ……ちゃんと自らの役目を果たしてくれる……
  あたしは……ガウリイの負担には……なりたく…ない……」
どうして、自分が負担をかけていると思いこむのか。
逆だというのに。
リナに出会って、ルーは。
今まで、殆ど、命令されたのをこなすだけの人形に近かった。
それが、自らの感情を育てているというのにも関らず。
あたしが創り出した、ここの空間そのものの、ルキシフェル。
それに足りなかった・・一番の心という感情。
それをリナはルーに与えているというのにも関らず。
リナに出会い、この世界そのものは。
より、感情豊かに発展を遂げている。
それも、全てリナの存在あってのこと。
まあ、中には、リナにちょっかいかけようとしたり。
邪な感情を抱くような存在がいる世界は、ルーは容赦なく完全に消滅させているけど。
はぁ……
「分かったわ……とりあえず、じゃあ、魂の清廉に励みなさい。……でも、リナ。
  あんた一人で放り込むなんて……ルーの怒りを全ての世界が受けるわよ?
  だから……― ルナ!」
溜息一つ。
リナがいなくなったら。
ルーが暴走するのは目に見えているというのに。
リナは、そんなことにも気づいてない。
自分が、ガウリイと離れたら。
周りがそんなリナを放っておくはずがないというその事実にすら。
リナが、ルーの想い人というのは。
すでに、全ての世界にと殆ど知れ渡っている。
「……はい。及びでしょうか?エル様?」
あたしの呼びかけに応じて出現してくるのは。
これから、一つの世界を任せられるべく。
待機している、光の神の一人。
リナと出会い、ガウリイが創り出す世界も。
より、高度に感情豊かにと成長している。
全てに対する慈愛の心がなければ。
そして、冷酷さがなければ、世界の発展などは望めない。
それらを併せ持つ、光と闇の属性の世界を発展させるための、部下……光の闇を司る王を。
リナと出会ってからのガウリイは、より今までより、力ある存在として創り出している。
ルーに反旗を翻した世界。
それを一瞬で消滅させるのは、面白くないといって出かけているルー。
その間、彼らは、新たな世界にと旅立つのが決定している。
この光の竜神……赤の竜神フレアドラゴンルナ=スィフィード。
彼女達を含む、八人の処遇は。
このあたしにルーは完全に任せて出かけていっている。
まあ、あの世界もすんなりとは消滅させてはもらえないでしょう。
何しろ、あそこの部下の一人が。
リナを口説こうとしたりしたものだから……
「……?」
その場に呼び出されたルナを見て、首をかしげるリナに。
「……リナ、とりあえず、お目付け役として。
  ……ルナの世界に、あなたを預けて。あなたを送り込むわ。……それでいい?」
「え……エル様!?」
あたしの言葉に悲鳴に近い声を出す。
「ちょっとまってください!?一体!というか、リナ様を預かるということは!?一体!?
  私達がルキシフェル様に消滅させられてしまいます!」
悲鳴を上げつつ、叫ぶルナ。
呼ばれて出てきたのは、紫がかった青い髪を。
肩の辺りで切りそろえている、紅い髪の女性。
「大丈夫よ。これは……リナが望んだことだから。
  ルーには文句は言わせないわ。……それでいいわね?リナ?」
リナを見つめるあたしの瞳に。
「……ありがとうございます」
ぺこり。
そのまま、頭を下げるリナ。
「……とりあえず、この処置は。
  未だに一度も転生などしたことのないリナの魂を精進させて鍛えるためのものだから。
  ……ルナ、しっかりと、リナを鍛えてやってねv…下手に口外したら…分かってるわよね♡」
にっこりと微笑むあたしに。
「……わ……わかりまし…た。じゃあ、とりあえず……リナ様。
  ……私の妹として……しばらくその身をお預かりします……」
なぜか、冷や汗かきつつ、いっているルナに対して。
「あら、行くのは、リナの魂だけよ。……体は、こっちで預かっておくわ」
それだけいって。
「……じゃあ……リナ、いいわね?」
あたしはリナの方わ振り向くと。
こくん。
リナは静かにうつむいた。

グラ……

あたしが手をかざしたその刹那。
リナの体がその場にと崩れ落ち。
その瞬間には、あたしの腕の中にと落ちてくる。

ルナの手の中にあるのは、輝く、紅い光のオーブ
リナの魂の結晶体。
魂と肉体との切り離し。

「ほら、そろそろ時間よ?ルナ?……いや、スィーフィード?」
そろそろ、銀河が出来上がるころ。
その誕生と同時に、そこに彼女達は、その身を置き。
その世界が滅ぶそのときまで。
そこを拠点とし活動するのが彼ら、光と闇を統べるものとして、創りだされた、部下達の役目。
「……分かりました。それでは……」
怪我など負わせられるはずがない。
……とんでもない重大任務を授かった……
などと、なぜか、心でつぶやきつつ。

新たにできた、世界。
四つの世界を中心とし、一つと形勢している空間にと。
ルナは、リナの魂をもったまま。
その一つの世界の、光の竜神として。
これより後に、活動を行ってゆく。



「リィナv」
いつものように、笑って出迎えてくれるはずの愛しい女性。
だが。
「……?」
確かに、波動は感じられるのに……リナの気配がないのはどういうわけか。
「……リナ!!!!?」
パタン!
いつも、リナがいるはずの、リナの私室。
いや、今ではリナの私室は、ガウリイの私室と同じになっている。
自らの私室の、その奥。
ベットの上で……横たわる、最も愛しい女性の姿。
「……リナ!!!!!」
一目見ただけで・・その体に魂が入っていないのはすぐに理解ができた。
死んだように眠っている、身じろぎ一つしない、愛しい女性の肉体。
ルーの力にて、決して老いることのない、その透き通るまでの白い肌がベットに力なく横たわっている。
「……こんなことができるのは……母上っ!!」
シュン・・・
すぐさま、気付き。
あたしの元にとやってくるルー。
「どういうことですか!リナを一体何処にやったんですか!」
今までは、決して。
自ら感情をあらわにしなかった、このルーが。
リナのことになると、こう、自分をさらけ出す。
「リナの願いよ。……魂の精進したいんだって。……スィーフィードの世界に託したわ」
あっさりと言い切るあたしの言葉に。
「……何ですって……」
ルーの声が低い。
「あの子、あんたの負担になりたくないんだって。……リナから言ってきたのよ。
  ……ルー……いえ、ガウリイ、あんたと離れたい……っ…てね。」
そういいつつ、手にしているコップを軽く口元にともってゆく。
刹那。
パキィン!
あたしの手にしているコップが割れる。
「どうして、そんなことをしたんですか!!母上!……追いかけます!」
「あらv役目はどうするの?」
くす。
「そんなの…関係ありません!」
言い捨てて、そのままその場から掻き消える。
「くす……本と、面白いわね。リナがらみだと」
あたしが手にしているコップは。
いくらどんな攻撃を受けても、割れることはないはず。
今割れたのは、ルーの攻撃によるもの。
あきらかに、殺気をこの母たるあたしに振りまいて。

リナが、あの地で。
魂の精進を計るために、転生を繰りかえす。
そう知った、ルーは。
リナを追いかけて、その地で、リナと同じ種族にと。
無理やりにその輪廻の輪の中に入ってゆくし。
この新たに出来た、四つの世界に。
他者からの侵入を拒む結界を誰にも気づかれないようにとかけ。

このときより。
リナとガウリイの追いかけごっこが。
赤の竜神と、赤瞳の魔王の治めるその地にて。
見受けられてゆくようになってゆくのは。

あたしにとっては、結構、少しは退屈しのぎになることだから。
ま、しばらくは、退屈しないですみそうよねvv

出会いをいく度も繰り返し。
毎回ながら、リナを捉えるガウリイも。
無意識にガウリイに惹かれてゆくリナを見るのも。
退屈を埋め合わすのには十分ずきるほど。

様々な星で、様々な時代で転生を重ねたリナとガウリイ。

今、二人は、ようやく。
落ち着くところに落ち着いて。
ようやく、このパレスにと戻ってきている。


「……あたしの役目もそろそろここでは終わるわね……」
もう、あたしがチョクチョクここを覗く必要はないであろう。
さ……てv
また、どこかの世界にでもちょっかい掛けにいきましょうかねv
それか……また違う世界を創ってみるのも……悪くないわねv
……とりあえず、暇つぶしに、あたしの中ではない場所に遊びに行くといたしますかv


                                            -終わり♪ー

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あとがきどもき:
 薫:・・・・・最後は!やっぱり、定番のエル様一人称でした!(まて)!
    いや・・その・・・・。
    打ち込んでいる最中に・・・・背中に大鎌を・・突きつけるのは・・。
    やめていただきたいかなぁ・・と・・エル様(汗)
エル:まったく!リクエストにあってないじゃないのよ!
  姫:そうよねぇ。どちらかというと、一度、ガウリイと死に別れたリナが。
     本当は死んでいるのに、ガウリイの子供を出産し。
     その子供がリナの生まれ変わりで・・。
     ガウリイもまた、リナを残して死ぬのが死にキレなかったから。
     血族の血脈の中に、よみがえって・・。
     ガウリイ、8月生まれ、リナ、2月生まれ・・という、あの話のほうが現代版で、しかも学園もの!
     にマッチしてるんじゃない?
  薫:・・・・・ぎくっ!(滝汗)
 エル:あとは、ハラキヨと、ジャンクジャングルを読んで。
     あの設定のままに、考えたのもあるわよね・・・・。
 薫:・・・・あの場合は・・・・。
    ・・・・・じゃあ、椿さんは、誰?
    というか・・・一度、リナ(麦子)死ぬしぃぃい!(絶叫!!)
    なんですけど・・(汗)
    今月号で、ジャンクも終わりv
    ・・うう・・・。
    輝と、麦子の二人の結婚まで・・書いて!プリーズ!中貫えり様ぁぁぁぁ!(懇願!)
    (アスカコミック参照のこと)
    まさか、最後に、クロノスが出てくるとは・・思わなかったな・・。
    あれは・・・・(さすがに感心)
 姫:まあ、それはいいとしても・・・・。
    全然、リクエストにあってない。というのが、問題ものよねv
エル:そうよねv
  薫:・・・・って!?あの!?その手にもたれている!?鎌とロッドは何ですかぁぁ!?

ぎ・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

エル:それでは、まったく、リクエストに、一致してない話でしたが。
  姫:そうよね。話しにもなってないし。
     ああ!その辺りのこともお仕置きするべきだったかしら!?
エル:あらvじゃあ、再生させて、何度でもお仕置きすればいいのよv
 姫:それもそうねv
エル:では、そういうわけでv
 姫:またどこかでお会いしましょうv
エル&姫:それではvv

ざくざくと、何かを切り刻む音が・・辺りにと響いてゆく・・・・。

追伸:
意味のない小説にお付き合いいただきましてまことにありがとうございます。
2003年3月某日・・・。
by薫

後には、紅い文字で地面に何かが書かれているのみ・・・・。


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