ごお……
「何!?」
ふと気がつくと。
がけ下の森が、燃えている。
「……いけない!森の動物たちが!」
森の動物たち。
それだけが、リナの友達。
ここ、数年は、時々くるガウリイの訪問を楽しみにしているが。
それでも。
あわてて、崖から急いで降りて。
森にと身を躍らせてゆく。

「いたぞ!魔女だ!」
どこからか、声がする。
「……え?」
みれば、村人などが、たいまつを持って、何かを探している。
……いけない!
ただの直感。
何となく、いやな予感がして、逃げようとする。
……が。
まだ十にも満たない、七歳の女の子の足と、大人たちの足では……
……比べ物になどなるはずもない。

「捕まえたぞ!とうとう、この森の魔女を捕まえた!」
わぁぁぁぁぁ!
大人たちが、まだ小さい少女をよってたかり、殴り、けり。
その小さな体を板にとくくりつけて。
やがて……連行していっていた。

じゃらり。
「ほう……これはこれは……」
崖の中にある、一件家。
その中に、リナが、今まで、盗賊などから奪った品物が。
崖の中にと隠してある。
それを見てとり。
ホクホク顔の大人たちの姿がそこにはあった。

―――以前、村……いや、町から追い出された娘が。
この森で、子供を産み、育てていた。
その噂は知っていた。
そして。
その子供が、生活のために、盗賊などを倒して資金を稼いでいることも。
ここ、数年は、その盗賊達の被害も格段にと増えている。
それは、彼らは知る由もないが。
ガウリイの手助けの賜物であるのたが。

一人で小さな子供が生活できるはずはない。=その、子供は魔女に違いない。
そういう、領主の言葉に……誰が疑問を投げかけられようか。


ぞくり。
悪寒がした。
今まで感じたことのない…悪寒が。
「?ダークオブナイトメア様?」
がたんと立ち上がる、玉座の王に。
首をかしげる部下達の姿が。
ちょうど、各世界の近況報告を受けていた最中。
「……報告は後で!」
何か、果てしなくいやな予感がする。
それだけいいつつ・・彼、ガウリイは。
深淵の闇宮を一瞬のうちにと掻き消えていた。

すぐさま時間をおかずにやってきた森は……すでに炎の海。
彼がすっと手を一閃させると。
瞬く間に火が収まってゆく。
「……まさか……リナ!」
果てしなくいやな予感がする。
そのまま、洞窟の中のリなの家に……足を踏み入れると。
すでに、洞窟の中にあった小さな家は……燃やされた後であった。

「……くっ!」
あわてて、リナの気配を探る。
……リナに持たせていたはずの、ブレスレットが……
リナの手元に…ない。
感じるのは別の人間の波動。
「……何か…リナに!?」
果てしなく、心が凍りつく。
それがナゼなどとは分からない。
ガウリイがリナにとプレゼントしていたブレスレットは金目の物と判断され。
すでに、上にと没収されている。
事実。
それは、リナの身を守るためにガウリイが挙げたもの。
まだ小さいリナに邪なことをしようとした男性がそのブレスレットの攻撃をうけて。
撃滅されたのを見てとり、奪い取ったのである。


「強情な魔女のガキだな!」
躍起になる村人や町の人々……
小さなリナの体を。
儲けられた祭壇にとくくりつけ。
どうせ、処刑するならば……
彼らがいつも安泰を願う儀式の……生贄に。
そう、意見がで。
リナは……儀式の生贄にと決定づけられていた。

殺伐とした世の中。
いつも争いが絶えない。
いつ、こんな小さな町や村などがその戦いに巻き込まれるともしれない。
そんな不安から……
人々は、闇に救いを求め。
毎年のように生贄を差し出し、儀式を行い……
町や村の平和を願っているのである。

すでに、小さな体は、無数の槍などで貫かれ。
それでも、致命傷にならないようにと。
未だに大人たち全員の手により、その体を傷つけられている。
祭壇に広がる、紅い血。
だんだん意識が朦朧としてくる。

……あたし…死ぬの?
確かに、いつ死んでもおかしくはなかった。
こんな世の中で、子供が一人。
ここまで成長できたのが奇跡に等しいのはリナにもよくわかっている。
「……ガウ…リィ……」
最後に……もう一度…あいつに……逢いたかった……

彼が何処に住んでいるのかなんて知らない。
彼の正体も。
小さなころから、常によく自分の所に来てくれていた……金髪碧眼の男性。
そんなことを思いつつ……
朦朧としてくる意識の中で・・・リナは意識を手放した。

『この者の、血肉を持って、われらに平穏の安らぎを!』
『おおおおおお!』
そういう、一人の男性……
この辺りの領主。
彼が、短剣を手にもち。

ドス!

小さなリナの心臓を……貫いていた。

ゴブ……
くったり……

ガウ……

リナの気配を辿り……
やってきたのは。
リナが絶対に近づくことなどしたことのない、町の中。
果てしなくいやな予感。
名前を呼ばれて、すぐに、リナの居場所は分かった。
「リナ!」
声がした場所にガウリイが出現すると……

ざわめく人々の人だかり。
その中心にある、祭壇の上で……
小さな体が……赤く染まり、栗色の髪を投げ出していた。

『何やつだ!?』
いきなり、祭壇の横に出現した彼に戸惑いの声を上げる人々の姿。
その手に持たれている武器には……
リナの血であろう・・・紅いものがこびりついている。
「……き…さ…ま……らぁぁぁぁぁぁ!」
ドン!!!!
その刹那。
ガウリイの放った、怒りの感情による、衝撃波で。
この大陸一つ。
かるく消し飛んでいた。


その手の中にいるのは……すでに息のない…小さな体。
「……まだ、間に合う」
すっと、その小さな体に手をかざす。
瞬く間に癒えてゆく、リナの傷。
そして。
器から、離れようとしていた魂。
それを捕らえ、再び器の中に戻してゆく。
だが。
一度、すでに死亡したものを生き返らせるのは……
この世界の理に反している。
それは、ガウリイにもよくわかっている。
だから。
「……絶対に死なさない。」
そういいつつ。
自らの唇を噛み、その流れる血をリナの口にとあてがっていた。

血の盟約。
それを受けたものは……理から、外れて勘定される。
― そう、彼が、特例で儲けているその内容。

彼が一瞥しただけで。
この星……そのものは。
完全に無と化してゆく……

そのまま、リナを抱きかかえ。
ふい……
ガウリイの姿はそこから瞬く間にと掻き消えていた。

エターナル・フューチャー第8話

「……何か、今度の依頼は……ちょっとやっかいそうね……」
少し眉をひそめる。
どうやら、報告によると、他の世界の神や魔王。
そして、スイーパーたちも、敗れて取り込まれているとか。
かろうじて、この世界が、保っていられるのは。
リナの姉である、ルナと。
そして、今では、ルビーアイ財閥の総帥として、物質世界では活動している、この世界の魔王。
魔界の王、赤瞳の魔王ルビーアイの攻防により、何とか他には被害はまだ出ていない。
この世界にいる、スイーパー・全員に化せられた依頼。
上の攻撃をしてきている、存在を押し留めるのに力をそがれている、この世界の神と魔は。
その下っ端までには手が届かない。
その壊滅依頼。
下っ端といえども、その辺りの雑魚とは異なり。
まあ、軽くいっても、かなりの実力の持ち主でないと。
逆に返り討ちにさせられてしまう。
「ほぉぅ、俺のいる世界で好き勝手が出来るとでも?」
そういいつつ、ガウリイの目が怪しく光っているのを。
リナは不思議に思い。
「???ガウリイ?」
ベットの中で、ガウリイにと問いかける。
依頼内容をとりあえず、寝室で確認していたリナ。
その依頼内容を目にして、低くつぶやくガウリイを不思議そうに顔を見上げる。
その、きょとんとする表情が、何とも愛らしくて……
ぐい。
「ちょ……ガウリイ……今は……んっ!」
手を掴まれて。
その手にしていた依頼書が……はらりと、ベットの下にと落ちてゆく。
後には、ただ。
甘く切ない声と。
ベットのきしむ音が。
寝室に鳴り響いていた。


すでに、学校どころではなく。
いたる世界に、すでに、その配下の『もの』は侵入を果たしている。
とある町などでは、一夜にして、町の人々が消滅したり。
などという被害も出始めている。
「お~ほっほっほっ!やっておしまい!ヨムンガルド!」
高らかに笑いを挙げている、長い黒髪の女性の言葉に応じて。
「きしゃぁぁぁぁぁぁ!」
その影の中から。
巨大な大蛇が出現し、町の中を練り歩く。
それでも、その体の半分以上は、影の中に入ったままであるが。
その攻撃により。
……逆にいうと。
彼女が敵を倒すために、召喚したそれの手によって。
……確かに敵も倒れたものの……
……町は完全にと瓦解されている。
そんな光景もまた見受けられていたりする……

「だぁぁぁぁ!ナーガ!あんたねぇ!町まで壊すなぁぁぁぁ!」
「ふ、甘いわね。リナ、町くらいどうってことないでしょうに。それより、敵を倒すのが先決よ!」
髪をかきあげ、きっぱりと言い切るその女性に食って掛かるリナ。
「あ……あのねぇぇぇぇ!」
……駄目だ。
こいつには、何をいっても…駄目だ……
頭を抱えつつ、向かってくる、無数の敵を迎え撃つ。
「リナさん!キリがないです!後から後から、わいて出ます!」
この町にも。
恒例のごとくに、今、この世界に進行してきている、それの手下が。
多々と入り込み、それらを始末しているリナ達。
力のない一般の人々などは。
一番、この地では、守りがしっかりしている、鳳凰学園にと避難させられているが。
倒しても、倒しても、キリがないそれらに。
さすがに困惑の声を上げているアメリア。
「どうやら、こいつらの本体、叩かないと駄目のようだなぁ。どうする?リナ?銀河の中心に行くか?」
にこにこと。
まったく息も切らさずに敵を倒しているガウリイ。
『・・・・・・・・』
ガウリイの言葉に、しばし無言になり。
「ちょっと!?どういうことよ!?ガウリイ!?」
思わず戦いの最中だというのに。
ガウリイの襟首を掴み挙げるリナ。
「え?分かるだろ?こいつらの本体。今、ルナ義姉さんたちが戦っている大銀河の中心にいるって」
にこにこと、あっさりきっぱり言い切るガウリイに。
『そんなこと、絶対にわかるわけがないでしょ(わかるはずがありません)(わかるはずがないだろうが)!!』
同じく戦っていた、アメリア、シルフィール、ゼルガディス。
そして、リナ。
四人の叫びが一致していた。

そんな彼らの横では。
「お~ほっほっ!……あら?制御が……ま、いっか」
きしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
『うどわぁぁ!?』
例のごとくに、アメリアの姉である、ナーガが。
眷属の制御に失敗して。
眷属をいつものようにと暴走させてゆくのであった……

暴走する眷属をなだめるのには。
シルフィールのもつ力によって。
それらを眠らせるほかにはない。
そのために。
シルフィールのみをその地にと置き去りにし。
リナ達は。
今、この世界の神と魔が。
侵入者に対して戦いを繰り広げているという。
その場所。
この世界……つまりは、この銀河を含んでいる、大銀河・・と呼ばれる一つの大きな銀河。
その中心に向かって。
自家用の船を使い。
この星を後にしてゆく。

始まりは、何のことはない、ほんの日常。
いつものように、授業を受けていると。
突如としてそれは起こった。
― ドン!
激しいまでの地鳴り。
いや、宇宙そのものが揺れているのだが。
それに呼応したかのように、突如として出現してゆく、異形のものたち。
「な゛!?これは!?」
その様子に驚愕し。
あわてて、魔界にと戻るゼロス。
ただ事であるはずがない。
今、確かに、この世界そのものが揺れた。
精神世界に属し、それでいて物質世界にも近い……魔界。
彼ら、精神生命体たる生命のその本拠地。
いや、活動の拠点というべきか。
この星に属している、魔界もすでに。
― 異なる理から出来ている異形の存在達によって襲撃を受けていた。
戸惑う彼の元に。
『ゼロス!何をしている!こちらに早く来い!』
― パシリ。
彼の上司より、直接、精神感応で命令が入ってくる。
あわてて、呼ばれた場所にいくと―
そこでゼロスが見たものは……信じられない光景であった。

「……で?今回のこいつ!一体何!?」
パン!
手配書に書かれているそれの特徴。
その手配書を手で叩き、ガウリイにと問いただすリナ。
今回の事件の指揮をしているという『それ』の特徴は……
『金色の髪に碧い瞳……』
まったく、ガウリイと同じ容姿の特徴がかかれているのである。
ぽり……
そんなリナの質問に、少し困ったように鼻をかき。
「ん……まあ、一言でいえば……オレの影……かな?」
困ったようにぽつりというガウリイのその台詞に。
『影ぇ!?』
思わずそんなガウリイの台詞に突っ込む一同。
「さあ!ガウリイさん!今なら、まだリナさんにも!慈悲の心はあります!詳しく説明してください!」
ぴしっ!
指を突きつけて迫る、アメリア。
「そうだぞ?ガウリイ、素直に説明しないと、リナが暴れるぞ?」
うなづきつついっているゼルガディス。
「そうよ!ガウリイ!どういうこと!」
そこまでいって、アメリア達の言葉に同意して。
……ん?
ふと気付く。
「……って!こらまて!アメリア!ゼル!今の台詞はどういう意味よぉ!」
一度はアメリア達の台詞にうなづいたものの。
二人の言い回しにふと気付き、怒鳴っているリナ。
『そのまんまの意味(だ)(です)リナ(さん)が暴れたら、しゃれにな(りませんし)(らないからな)』
きっぱりと、声を重ねて言い切るアメリアとゼルガディス。
「あ…あんた達ねぇぇぇぇ!」
リナの体がわなわなと震える。
「それはそうと、どういう意味なんだ?ガウリイ?」
怒りで震えているリナを無視して。
ガウリイにと聞いているゼル。
「こら!ゼル!いい度胸してるじゃないのよ!」
「そうですよ。ガウリイさん、詳しく話してください!」
「アメリアぁぁ!ゼルぅぅ!人の話しをきけぃぃぃぃ!」
わめくリナ。
「う~ん……簡単にいうと……リナのため……だったんだがなぁ……」
「……へ?」
思わずガウリイに自分の名前を言われて、間の抜けた声を出しているリナ。
「まあ……つまり…だ。あれ、どうやら、自分でカオスとか名乗ってるけど。
  あれは、元々、オレがかつて、自分の感情を封じ込めたその反動で誕生したやつだ」

― かつて、リナを想う気持ちがあまりに強すぎて。
下手をすると、リナを壊しかねないと気づいたのは……
……無理やりリナの全てを手に入れてからすぐのこと。
まだ穢れなき、産まれたばかりの魂。
何の穢れも汚れもないその体と魂に。
ガウリイの想いの全てを受け止めるのは……そんなことは出来るはずもなく。
そのままだったら、ガウリイの想いに押しつぶされ、リナは消滅しかねなかったであろう。
……だから、封じた。
リナを壊さない程度のぎりぎりのところまで残し。
リナに対する想いを。
自らの深層意識の奥深くに。
だが、その想いは、強すぎて……一つの生命と成り果てた。
それがカオス。
彼もいってみれば、ガウリイそのもの。
……いや、どちらかというば、自分が本体である、ガウリイに成り代わろうとし……
全ての世界を消滅させて、いずれは。
ガウリイ……深淵の闇王も消滅させ……というか自身が吸収し。
自らが王となろうとしているカオス。
彼が求めるのは……ガウリイと同じく……
リナ、ただ一人。
それ以外はどうでもいい。
ただ、世界を壊しているのは。
世界があると、ガウリイと戦うときに、不利だから。
だから壊しているのだが。

この世界は、というか、この四つのつながりの深い世界は。
リナの魂を修行させるために。
金色の王自らが結界を施している。
そのために、リナがこの世界にいることを。
これまでずっと悟られなかったのであるが。
今、この現在。
さすがに、完全にガウリイの色に完全に染め上げられたリナの気配は隠せるはずもなく。
すでに、リナの魂は。
普通の人間の魂ではなく。
……ガウリイと同じというか、ガウリイに完全に。
その魂から染め上げられ、本質的に存在が変化しているのであるが。
一度で変化させると、リナの魂が壊れる可能性があったがために。
じっくりと、時間をかけて、変化させていった、その仕上げ。
それが、今回の転生に他ならない。
その為……
ガウリイ自身でもあるカオスは。
リナの気配を感じ取り、今、この世界に侵攻してきているのだが。

「何しろ、オレの想いというか、リナに対する独占欲強すぎて、リナの自体に負担をかけ。
  下手すると壊しかねなかったからなぁ……」
しみじみいっているガウリイに。
「……今でも十分にガウリイさん、リナさんに対して、独占欲強いです」
あきれていっているアメリアに。
「……確かにな。と…まて。まさかお前……今以上に独占欲…強いとか……いわないよ…な?(汗)」
気持ちを一部封じた反動。
そういわれて、ふとそれに思い当たり。
冷や汗流しているゼルガディスに。
「当然♡はっきりいって。
  リナを閉じ込めて、誰にもオレ以外のやつの目には触れさせたくないのが、オレの本音だし♡」
さらり。
当然のように言い切るガウリイに。
「……な゛!何馬鹿なことをいってるのよぉ!!////
   というか、何!?何で、ガウリイの影……というか、
   その///封じたという感情が攻撃しかけてくるのよ!//」
というか、いつ、そんなことをコイツはしたのだろ~か?
かなりリナは首をかしげるが。
「そりゃ、リナを手にいれるためだろ?……カオスも言ってみればオレ自身だからな」
にっこり。
さらり。
きっぱりと。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「あんたのせいかぁぁぁ!」
「ガウリイさんのせいですかぁ!?」
「……何か、すごく難しいような気がする……今回の一件……」
しばし無言になり。
リナ、アメリアの叫びが一致して。
今、せめてきている輩が。
実はガウリイの感情が勝手に一人歩きしているものだと解釈したゼルは。
ただ一人、いやな脂汗を流していた……


目の前にいるのは……
どうみても……
「どうして、ルキシフェル様がこんな所にいるんですかぁ!というか、気配が何となく違いますよ!」
目にした姿は。
何処をどう見てもガウリイそのもの。
違うといえば。
その身を黒い服装でしっかりと固め。
どちらかといえば、深淵の闇王の正装たるその姿に近いその姿。
「……ま…まあ、そうでしょうね・・。」
溜息混じりのルナに。
「そういえば、ゼロスは初めて彼に会うんだったか?
  ルキシフェル様が、かつて、リナ殿……いや、リナ様を守るために切り離した自我の一部だ」
淡々と説明している、長く黒い髪に紅の瞳の男性。
「……つまり、しゃれにならないが。
  この彼も深淵なる闇王様……といっても過言でないんだ……これが……また……」
つぅ……
驚愕の声を上げているゼロスの横で。
脂汗流しつつ、説明しているのは。
淡い金色の髪を短くまとめた女性。
「……って、マジですかぁぁぁ!?」
上司……ゼラスの言葉に。
絶叫を上げるしかない、ゼロスであった。

彼らの目の前にいるのは。
長いストレートの髪をさらりとなびかせ。
その手に、剣を構え。
にっこりと。
「さて……リナを渡してもらおうか?」
その碧い瞳で。
……ガウリイの声でそうにっこりと微笑んで言い切っていた。

この世界……いや、赤の竜神と赤の瞳の魔王が治めるこの世界、というか大銀河。
その中心に。
今、リナ達の乗った宇宙船は・・
静かにそこに向かって進んでゆく。

その中心で待ち受けるのは……
かつて。
ガウリイが切り離した……ガウリイの意識の一部……


                                      -続くー

HOME    TOP    BACK    NEXT

#####################################

あとがきもどき:
薫:・・・・・うにゃ(汗)
   前ぶり先に打ち込んでたら・・。時間がなくなってるし・・。
   ・・・しかも!前ぶりだけですでに5ページ!?
   あ・・・・あはは(汗)・・ま、いっか(よくないです!)
   とりあえず、打ち込んでたら、時間が来たので・・。
   残りは戻ってからv(今から仕事にいく人・・・)
   ではではvまた、夜に打ち込みを始めるのですvんではv
   (というわけで戻ってきましたv)←只今、夜の九時です(爆!)
   うーん・・。
   寒いから手がうごかなひ・・(汗)
   あ、今日の更新目的に午前中に訪れてくださった、皆様。
   ・・・・・すいません。夜中に更新してませんで・・(汗)
   まあ、勘がいい人は・・・途中までアップしていたこれを読めたとは思いますけど(まてまてまて!)
   ちなみに。
   深淵なる真の王。深淵なる闇王。
   ・・・・・似てるのは・・・。
   リクがあったとき、すでに丁度ギャラクシーの話を。
   打ち込んでいる最中だったからvという理由があったり(まてぃ!)
   ・・・・・長くなったので続きものにしよ・・(汗)
   んではでは・・・。
   ・・・・・十話・・過ぎるようだったら・・。
   中編部屋から長編部屋に・・・・移動します・・はひ(汗)

HOME    TOP    BACK    NEXT