エターナル・フューチャー第2話

ちゅんちゅんちゅん……
「ん……んん……」
何か気配がするんですけど……
リナがもぞもぞと起きると。
「お早う。リナv」
ふと、目を開けると。
「……」
しばし、硬直。
「き・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
どがばごどすめぎゃ!
「くうううう!かわされたぁぁぁぁ!!」
というか……何!?
意味がわからずに、しばし硬直しているリナ。
気がついたら。
自分の上にガウリイがいた。
 
「う~ん。あまりに起きないようだったら……いいことして目覚めさそうかとも思ったんだがなぁ」
ちっ。
少し舌打ちしているガウリイ。
「あ……あんたわぁぁ!何、乙女の部屋に朝っぱらから入ってきているのよぉぉ!」
リナの絶叫が響き渡る。
「だって、ここ、オレの家だし」
そういわれて。
しばし。
……そ…そ~いや……事務所につられて……
あたし……
こいつと一緒に住むの了解したんだったっけ?
すでに、婚約のことは忘れ去っているリナ。
「……それはそ~と?……何?あんた……その格好?」 
みれば。
どうやったのか。
いや、力あるものであれば、姿を変化させることは可能。
その身に宿る力にて。
姿を自在に変えることができるのをリナは知ってはいるが。
目の前の男性は。
確か、すでに、コイツは二十を超えていたはずなんですけど?
どうみても、リナと同じ歳の姿。
「ああ。オレも今日から、リナと一緒に、学園に通うからなv
  当然、もう、許可とってあるしv何より、リナとずっと一緒にいたいしv」
にっこりと。
言い放つガウリイに。
「……ちょっとまてぃい!」
というか、こいつ……仕事はどうするのよぉぉぉ!?
リナは混乱するが。
「ああ、仕事なんか。どうにでもなるしなv」
さらりといっているガウリイ。
それに。
分身という手もある。
……リナを共学のところに、一人でいさせられるか!
そんなことを思っているガウリイとは裏腹に。
「ちょ!?何を考えてるのよぉ!?」
というか。
こんなやつが、総帥でいいわけ!?ガブリエフ財閥!?
ぐるぐると思考は混乱するリナ。
「そりゃ。当然リナのこと。……オレ以外のやつがいるところにリナを一人で通わさせられるかよ……」
「っ!!///」
ぼぼん!
ガウリイの言葉に。
瞬くまに真っ赤になるリナ。
「……か…からかうのもいい加減にっ…やっ!?//」
言い募るリナの言葉は。
それ以上は紡ぎ出せなかった。
というのも。
その前に。
リナの口はガウリイによってふさがれていたからして。
「……んっ…んんぅぅ!!!!?」
必死に抵抗するが。
かなうわけもなく。
どさ。
はぁはぁはぁ……
開放されたリナは。
ガウリイの胸にと倒れこむようにと息を切らしていた。
「……ななななな///」
「何って♪恋人同士のキスv」
「だ……誰が恋人どうしだぁぁ!」
どっがぁぁぁぁんんんん!
キレたリナの呪文が炸裂する。
が。
「……うそ?」
その威力は。
まるで掻き消えるようにと消し去ってゆく様をみて。
しばし。
呆然とするリナに。
「ほらほら、リナ。急がないと、遅刻するぞv」
みれば。
時間が差し迫っている。
「あ……ああああ!ガウリイ!話は学校にいってからよ!!」
あわてて。
……ん?
ふと。
ガウリイが今だに部屋にいるのに気付く。
「いつまで乙女の部屋にいるつもりだぁぁ!!」
どっがぁぁん!!
ぽいっ。

ガウリイを呪文で部屋から放り出す。
「……まったく……」
ぶつぶついいながら。
ふと。
唇に手を当てる。
「……何なのよ…あいつは//」
しかし・・。
一度ならずも二度までもぉ!
あ…あたしのキキキキキス奪うなんてぇぇ!!//
……ぶしゅうううう……
思い出すと、全身が真っ赤になるのが自分で分かる。
「……でも…何か……」
……いやじゃ…ない…のよね?//
ふと、無意識に思っている自分に気付き。
「だ…だぁぁ!断じて違うぅぅ!あ…あいつは、あたしをからかっているだけなのよ!」
だから。
……好きになったら……いけな…い。
……って!?
だから、何であたしがあいつを好きにならなきゃいけないわけぇ!?
一人問答しながら。
制服に着替えているリナの姿が。
リナにあてがわれたリナの部屋で。
見受けられていた。


「まあ、まだ手は出さないさ……まだ…な」
とりあえず。
キスに馴らせてから。
それから……
時間はまだゆっくりとあるんだ……
ふふ……
一人、ほくそえんでいるガウリイの姿が。
リナの部屋の外にて見受けられていた。


「今日から、クラスの一員となります。ガウリイ=ガブリエフ氏です」
どんがらがっしゃぁぁぁぁんんんん!!!!
リナとゼロスは。
盛大に椅子から転げ落ちた。

あれから。
リナとガウリイは、一緒に登校したものの。
ガウリイは何か用事があるとかで。
理事長室にと向かい。
そして。
リナはリナで。
教室にもどり。
朝のホームルームにと出席していたときに。
「転校生を紹介します」
と。
先生から、紹介があり。
はいってきたのは……

「よっ!リナ!同じクラスだからな!」
「な・・・・なんで、あんたが同じクラスなのよぉぉぉ!!!!!?」
というか。
何で、すんなりと転校が認められるのよぉぉぉぉ!!
リナの絶叫と。
「ああああああ!!!!ルキシフェル様ぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!???」
頭を抱え絶叫しているゼロスの姿。
― ざす。
……きゅう……
「きゃあ!?ゼロス様!?」
いきなりその場に倒れたゼロスに、周りの女子が騒ぎ始める。
ガウリイの容姿に惹かれていた女性徒達などは。
「結構いいかもv」
とかいって、ガウリイを見つめているのだが。
「ちなみに。オレの婚約者はリナだからな。……誰もリナに手を出すなよ?」
……びしり。
いきなりの爆弾発言に。
「あ…あんたは、何てことをいうのよぉぉぉ!!!!」
だだだだっ!
どごめぎゃ!!
走りより。
ガウリイに、顔面蹴りを食らわせているリナの姿。
そんなガウリイの言葉に目を輝かせ。
「ええ!?あの、リナさんの相手!?」
「きゃぁ!運命の恋ってやつね!」
騒ぎ始める女性徒達。
……?
何のことよ?
などと首をかしげるリナ。
リナは知らない。
ゼロスが彼女達に。
リナとガウリイの過去を説明している。
ということを。


「じゃvオレの席は、リナの隣なv」
「な…何でそうなるのよぉぉぉぉ!!!!」
リナの意見もむなしく。
「リナさん、いいなぁ。好きな人と一緒に授業♡」
「あ……アメリアぁぁぁ!!!!!!?」
というか、誰か……あたしの平和な学園生活を返してよぉぉぉぉ!!!!
リナの心の叫びもむなしく。
結局。
ガウリイは、その財力と、権力。
……裏でかなり脅したともいうのであるが。
リナの同級生という形で。
リナと同じ、鳳凰学園にと。
通い始めることに正式に決まっていた。


「……い~い!!ガウリイ!!家を事務所にと提供してくれるのはありがたいけど!
  人前で…その……何かするんじゃないわよ!」
釘を刺しているリナに。
「何かって、何をだ?」
「う……その…いろいろ…と……」
朝や昨日みたいなこと・・されてたまるもんですか!
リナは思うが。
「こんなことか?」
ぐい。
……へ?
「ん……んむぐぅぅぅぅ!?」
いきなり。
腰をつかまれ引き寄せられて再び唇を奪われているリナ。
そして。
リナに気付かれないように。
リナに視線を向けていた男達や先生達に対して、殺気を飛ばしているガウリイ。

休み時間。
学園の裏庭で。
リナがガウリイを呼び出して。
注意をしようとしたところ。
逆に再び捕らわれているリナの姿が見受けられていた。

「……なななな!!?アビススピリッツぅぅぅ!!」
ドッガァァァァン!
リナの放った、呪文は。
裏庭の横手にある山を。
綺麗さっぱりと消滅させてゆく。

「い~い!ガウリイ!こんどから、いきなりしてきたら!食事!つくってあげないからね!」
「え~!!!」
「え~じゃないぃぃぃ!」
リナは分かっているのだろうか。
それは、言い換えれば。
こんな扱いを受けていても。
ガウリイの側から離れない。
という意思表示をしているというのに代わりがないということに。
「じゃ、いきなりでないといいんだな?」
「……は?」
「……リナとキスしたいv」
「……ぼ…ぼけぇぇ!!人をからかうのも…いいかげんにっ……!」
そんなガウリイに掴みかかろうとした手を。
ガウリイは掴む。
まっすぐな瞳で見つめられると。
……吸い込まれそうで……
やがて無意識のうちに。
リナはガウリイを受け入れていた。

「きゃぁ!青春してますね!」
「あの!リナさんをあんなに手駒にとっているなんて!すばらしいですわ!ガウリイ様は!」
ふと。
リナが我に戻ると。
横の茂みに、女性の影……
「あ……あんた達ねぇぇぇぇぇ!!」
「ふっとべぇぇ!ファイアー・ボール!!!」
どっがぁぁぁぁん!
「あぁぁぁれぇぇ!」
「きぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ぜ~はっ~……
覗きみしていた。
アメリアとシルフィールは。
リナの呪文で吹っ飛ばされてゆく。

「……ガウリイ!学校でのキスは禁止!!!!い~い!!特に人前では!」
「ええええええ!!!!?」
不服そうなガウリイに。
「それがいやなら!あたし、出てゆくからね!」
リナのその言葉に。
しゅん……
「は…はい……」
しおれるガウリイに。
……何か悪いこと…したかな?
すでに。
ガウリイの罠の中に陥っているリナは。
そんなガウリイの様子に少し罪悪感を覚えつつ。
「……人が…いなかったら…いいから///」
自然と。
無意識にそんなことを口走っているリナ。
ぱぁぁ!
そんなリナの言葉に、ガウリイの目が輝くが。
そして。
ふと。
教室に戻る道筋柄に。
「あ…あたし、何てことを本意でもないのに口走ってたのぉぉぉ!?」
今さらながらに。
正気に戻っているリナの姿と。
廊下で絶叫を上げているリナの姿が見受けられていた。

ぺろり。
う~ん。
少しづつ、媚薬v代わりにキスは続けていくとするかv
舌で唇を舐めとりながら。
「とりあえず。もう、逃さないからな。リナv」
にっこりと。
微笑みつつ。
教室にと戻ってゆくガウリイの姿。



「……ゼ……ゼラス様……ルキシフェル様が……リナさんの所に……」
ばたん。
それだけいって。
昏睡状態に陥るゼロス。
結局。
具合が悪いといって、早退したゼロスは。
上司であるゼラスのもとに報告に戻り。
そのまま。
リナの見えないところで。
かなり攻撃されて。
意識不明となりはて。
精神世界の中にある、魔界の、獣王の宮殿のゼロスの私室で。
寝込むゼロスの姿が。見受けられていた。

波乱万丈な。
リナの学園生活は。
今、始まりを告げていた。


「だ……だから。いったい、あいつは何なわけぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!?」

リナの疑問の答えは。
リナの、その深層心理が知るのみ……

リナとガウリイの出会いは……
必然という名前の偶然……

ガウリイにとって。
リナは。
かけがえのない光であるがゆえに。
だからこそ。
その光を失わないように。
時間をかけて。
自分と同じ存在にすべく。
今まで、少しずつ、変革を行っていたのだから……

その変革の時は。
今回で、最後の詰めを迎えるということは。
リナは当然。
今の段階では知る由もない……

リナとガウリイ。
新たな生活は。
今。
始まりを告げていた。



「しっかし。今回は、初めから攻めまくっているわねぇ。ルーはv」
くすり。
そんなここの空間そのもの。
混沌そのものである、彼の様子を視つつ。
苦笑している、彼を創りだせし存在。
神々しいまでの、その凄烈なまでの金色の光をまとっている。
― 絶世の美女。
「ま、しばらく楽しませてもらいましょv」
本当に。
昔のルーが嘘のような、リナと出会ってからのルーは代わりようよねv
そんなことを思いつつ。
しばし。
様子を視ることに決めている万物の母たる存在ともいえるべき。
その女性は。
静かに、ガウリイ達の様子を傍観していた。
「楽しませてねvルーvとリナv」


                       -続くー

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あとがき:
薫:・・・・次回から。学園もの・・・となればいいなぁ・・(お゛い゛・・)
  まあ、のりは・・・。極楽大作戦・・のつもりです・・これ(汗)
  ではでは・・・。
  また・・・いつか・・・・(汗)

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