エターナル・フューチャー第1話 ~出会いは始まりの開始?~
白い外観に、海の光が反射して。
辺りの木々と見事にマッチして、まるで一枚の絵。
ここ、高台にある、一つの学園。
鳳凰学園。
中等部。
そこの、一室で。
「……はぁ……」
栗色の髪の少女は珍しいも溜息をついていた。
窓辺によりかかり、ぼんやりと空を見上げる。
……そ~いえば、あいつの瞳も……この空と同じだったわね……
ぼんやりとそんなことを思いつつ。
「ってぇ!だぁぁ!なんで頭から離れないのよぉぉ!!」
一人、わめいている少女。
「リナさん?」
そんな少女……リナに話しかけてくるのは。
少女の親友でもあり、とある王国の王女でもある。
黒い髪にパッチリとした黒い瞳の少女。
肩の辺りで切りそろえられている、その髪が少女の愛らしいをかもし出している。
「リナさんが溜息なんて……お腹でもすいているんですか?」
にこにこにこ。
その場に似合わずに、真っ黒い制服を着込んでいる男性が笑いながら問いかける。
「うっさい!乙女にはね!お腹の具合と、懐具合のほかにも悩むことだってあるのよ!」
「すると、あの日ですか!?」
どがばきゃぁぁぁぁ!!
『きゃぁぁぁぁ!ゼロス様ぁぁ!』
女性徒の悲鳴が巻き起こる。
「ひでぶ!ひどいですよぉ!リナさん!」
いきなり、ちょっとした大きさの金庫を投げつけられて。
その下でうめきつつ。
抗議の声を上げている、おかっぱ頭の男性の言葉に。
「うっさい!このゴキブリ魔族!」
「リナさん!それはひどいです!」
「そうですよ。リナさん。ゼロスさんだって、好きで、魔族に生まれたわけではありません!
さあ!ゼロスさん!今こそ、魔界に、愛と真実と、正義のこころをもってして!」
「……う゛……(汗)」
リナとゼロスの言い合いに混じって、ゼロスを説得に入りだすアメリア。
「ゼロス様!?大丈夫ですか!?」
女性徒達が、そんなゼロスを助け起こしていたりする。
「だぁ!無駄なことはしない!こいつ、何やっても死なないんだから!」
「死にますよ!滅びますよ!今、リナさん!これと一緒に!深淵の闇の力、上乗せしてたでしょう!」
リナの言葉に抗議しているゼロス。
「あら、そんな細かいことは気にしないのv」
「気にしますぅぅぅぅ!!」
悲鳴を上げているゼロス。
「ひどいですよ!リナさん!
いくら、ゼロスさんが、魔族で、生塵で、どうしようもなく、非道で残虐だからって、それは。
せめて、
にっこりと。
長い黒髪の女性が語りかける。
「……それもそ~ねvvんじゃvvシルフィールの助言に従ってvv」
「あああああ!
本気でないているゼロスの懇願に。
「だァいじょぅぶだって♪結界、張るから♪」
「そういう問題じゃありませぇぇぇぇんんんん!」
ゼロスの悲鳴が教室に響き渡る。
「うう!インバースさん!ゼロス様とそんなに仲いいなんて、ずるいです!」
一人の女性徒の言葉に。
「あんたらねぇ!だまされるんじゃないわよ!
こいつは、魔族なのよ!しかも、獣神官っていう、れっきとした!」
「でも、今、魔界から、親善活動の一環で、留学して来ているのですから♡
ゼロス様、女性徒にかなり人気がありますのよ♡」
にこにこといっている、クラスメートの女性たち。
「それはそ~と。リナさん?本当に何を考えてらしたのですか?
リナさんが食べ物のことではないなんて?」
そんなリナとゼロスのやり取りに。
間に入ってくるシルフィール。
「ん……?いや……ちょっとね……昨夜であったやつのことで……」
ずざざざ!
リナが言いかけると。
辺りに一気に人だかり。
「まさか、リナさん!一目ぼれでもしましたか!?」
アメリアが目をきらきらとさせている。
その言葉に、男子生徒たちが目をむいていたりするが。
リナ本人が気づいてないだけで、リナはかなりの人気を誇っているのである。
……本人はまったく気づいてないが。
これっぽっちも。
一目ぼれって……誰が?
あたしが…あいつを!?
……ボボン/////
そのアメリアの言葉に。
頭に昨夜であった男性。
ガウリイが浮かび上がり。
瞬く間に茹で上がるリナ。
「こ…これは……本気で男性がらみのようですわねvvリナさん、一体、どんなお相手なんですの?」
シルフィールが目をきらきらとさせて、問いただす。
「ち…ちがぁぁぅ!ただ。助けてもらっただけ!
誰もあたしは、あいつをガウリイを好きになってなんかいなぃぃ!!」
「へぇ!ガウリイさんっていうんですか!」
「ブホホホホホホッ!!!」
「違うっていっているでしょ!アメリア!」
「とうとう、リナさんに男の人が!あの鈍いリナさんに!」
「こらまて!シルフィールゥゥゥ!!」
はしゃぐアメリア。
やたらと感心して、祝福しているシルフィール。
ゼロスにいたっては、おもいっきりむせこんでいたりする。
「きゃぁ!リナさん、顔が真っ赤です!」
「違うっていってるでしょ!ただ……その……
昔から知ってるみたいで…その……断じて、恋愛感情なんかじゃなぃぃ!」
「でも、リナ、貴様のあの表情は、どうみても恋する乙女の表情だったぞ?」
真っ赤になって、叫んでいるリナの後ろから声がかかる。
「あ、ゼルガディスさん!」
三学年に在学しているゼルガディス。
アメリアとは、先日、ようやく、思いが通じ合って、晴れて、付き合い始めたばかり。
「ゼルまでぇぇ!!」
真っ赤になりつつ。
「断じてちがぁぁぁぅぅぅぅぅ!!!!!////」
……そりゃ…また会いたいけど……//
小さくつぶやいているリナ。
リナはなぜか。
あれからずっと、何かがかけているような錯覚に陥っているのだ。
「ああ、とうとう、リナさんに春が!これで、世にいう、自然破壊も少なくなります!」
「こらまて!シルフィール!ど~いう意味じゃい!」
「確かに。リナさんのストレス解消に。
かなりの数の、盗賊や、夜盗、怪盗、泥棒。ことごとく壊滅させられてますからねぇ」
それと同時に。
森なども破壊されてますけど。
ぼそっとつぶやくアメリア。
「ゴホホホッ!」
今だにむせこんでいるゼロス。
「ゼロス?どうかしたのか?」
そんなゼロスをみやっているゼルガディス。
「リリリリリリリナさぁぁぁぁん!?とうとう、ルキ…とと、ガウリイさんにあったんですかぁぁ!?」
大声を張り上げているゼロスに。
「何よ?ゼロス?知り合いなの?」
ぎろりとゼロスを睨むリナ。
「ゼロスさん!ここは素直に!白状しなさい!」
アメリア、完全に楽しんでいる。
ああ、あのリナさんに! とうとう春が!
あの鈍いリナさんが、恋を!ああ、何て素敵なことなんでしょぅ!
そんなことをおもいつつ。
ゼロスに詰め寄っていたりする。
「う~ん……魔族のゼロスと知り合いかぁ……ま、確かに。腕はかなりのものだったけどね……」
つぶやいているリナ。
あのとき。
力の波動も見えないままに。
あっさりと、形を崩していたし。
一人思いだしているリナ。
「それで?♡ゼロスさん♪そのガウリイ様って人は?一体♡」
好奇心旺盛なまでに聞いているシルフィール。
「……それは、秘密です♡」
「なぁぁんですってぇぇ!」
リナが首を締め上げる。
そのとき。
ピンボンバァン……
― 中等部、一年、A組みの、リナ=インバースさん。理事長室においでください。 ―
校内放送が鳴り響く。
「あれ?何だろ?ま、いっか、いってくるね。」
今は、ちょうど昼休み時。
ガラガラガラ……
リナが教室を出て行ったとたんに。
「リナさんに男ができたって!?」
「ゼロス!どんなやつだ!?それは!?」
「いやだぁ!リナさんは俺のもの!」
口々にわめいている男達。
「……申し訳ありませんが。何どもいいますけどvvリナさんからは手を引いてくださいねvv
― 世界が滅んで欲しくなければ……ええ。本気で♡」
にこにこと説得しているゼロス。
「もし、どうしてもいやだっていうんだったら。
ゼラス様たちからの説得とか。スィーフィードさんからの説得。
とか、ルビーアイ様から直々の説得もありえますけど♡」
「ゼロス、貴様らの説得というのは、ちょっと聞くが、どういったことだ?」
ぎろりと睨んでいるゼルガディス。
「いえ、たいしたことじゃあまりせんよvvただ、運がよくて呪法をかけられるかvv
魔族化されるか、または、手足の一本や二本くらいはなくなるでしょうけどv」
「……十分にたいしたことです!そんなの正義じゃないです!」
そのゼロスの言葉にくってかかるアメリア。
「そういえば、ゼロスさんって、昔から、リナさんに言い寄る、異性。
排除していくか、説得してますよね?どうしてですの?リナさんを好きというわけではなさそうですし?」
にっこりと問いかけているシルフィール。
「そりゃ……(汗)僕らも、まだ滅びたくないですしねぇ……
リナさんに手を出す=ガウリイさんの怒りを買う。ということですし……」
ガウリイ。
その名前に目を輝かすアメリア。
「ゼロスさん!そのガウリイさんって、一体!?」
「うう……詳しいことはおいそれと言えないんですぅ……」
つぶやくゼロスに。
「ガウリイ=ガブリエフ。ガブリエフ財閥の総帥。……違いますか?」
入り口から、銀色の髪をポニーテールにしている女性が入ってくる。
「おや、ミリーナさん」
とすると・・・・。
全員の思考が一致する。
その刹那。
「ミリィィィィナァァァ!!俺をおいていくなぁぁ!!!」
ズドドドド!
廊下を走ってくる足音一つ。
「……ルーク、何度もいいますけど。廊下は走らないでください」
風紀委員を務めているミリーナの言葉に。
「は…はい……」
しゅんとミリーナに追いついて、うなだれているルークと呼ばれた男性。
本来は、赤い髪であるのだが。
ミリーナが赤い髪は好きではない。
といったところ、次の日には、すぐに黒に染めて。
ミリーナとであったその日から。
熱烈にアプローチを仕掛けていたりするこのルーク。
今や、学園の名物の一つとまでもいわれていたりする。
「えええええ!?ガブリエフ財閥の!インバース財団と並ぶトップクラスの組織じゃないですかぁ!」
アメリアの驚愕に満ちた声と。
「まあ、お似合いですわねvvそれは♡
でも、どうして、リナさんに何かあったら、そのガウリイ様に殺されるのですの?」
怒りを買う=殺されると結び付けているシルフィールもシルフィールだが。
事実なのだから何も言い返せないゼロス。
「はぁ……実はですね……リナさんとガウリイさんって……生まれ変わる前って……」
『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!』
今までとは違う、黄色い叫び声が。
教室中を響かせてゆく。
「ああ、何て素敵なんでしょぅ!何ど生まれ変わっても、惹かれあうもの同士!」
うっとりと、世界に入り込んでいる女性陣。
……い…いや……
アメリアさんとゼルガディスさんも似たようなものなのでは……(汗)
うっとりと世界に入り込んでいるアメリアをみつつ。
ゼロスは内心つぶやいていた。
コンコンコン。
「リナ=インバースです」
「どうぞ、お入りなさい」
「失礼します」
ぺこり。
頭を下げて、部屋の中に入ると……
「よう!リナ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
しばし、リナの思考が停止。
「……えと……だぁぁぁあ!?何であんたがここにいるのよぉぉぉお!!!?」
リナの絶叫が響き渡ってゆく。
「?インバースさん?
只今、このガブリエフ氏から、あなたと婚約したと話しをお聞きしたのですが。まあ、めでたいことで」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「……まてぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!!」
というか……何!?
何!?
何だとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
理事長の言葉に思わず絶叫するリナ。
「というわけで、本日は、リナを連れて帰りますね。
一応、インバース財団にも、もう一度、リナを連れて、きちんと話しをしておきますので♡」
「よろしいでしょう」
「まってよぉ!理事ちょぉぉぅ!あたし、そんなのしらなぃわよぉ!」
絶叫を上げるリナをよそに。
「さvリナ、いこうなvv」
「まてぃぃぃぃ!どういうことよぉ!これはぁ!」
「リナ、何でもいうことを聞くっていっただろvvだからオレと結婚vv」
「……かなりまてぃっ!」
真っ赤になって、スリッパでガウリイをどつくリナ。
ここが理事長室だとか知ったことではない。
「照れちゃってvvかわいいvv」
「ま……!!……んっ!!!!!!??」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
暗転。
気付くと、リナは。
ガウリイに引き寄せられて、熱く口付けを交されていた。
しかもリナが抵抗できなくなるまでに。
リナの意識は、そのまま真っ白になりはててゆく……
気付くと。
「お、リナvv正気に戻ったかvv」
「え…ええと……って!?何なのよぉ!いったぁぃ!?」
何やら、何かガウリイがいって……
そして……
確か……
リナは必死に今までのことを思い出していく。
「というわけで、リナとの結婚、お許し願います♡」
「まあ、こんな娘でよかったらどうぞ」
ちよっとまってよ!母さん!そんなあっさりと納得しないで!
「というか、どんな手を使ってでも。ガウリイさんはリナと結婚しようとするでしょうに……」
あ……姉ちゃん!?
ガウリイと知り合いなの!?
「それは当然vvリナはオレ以外に渡す気はさらさらないですからねv」
というか、何なのよぉ!?こいつは!?
家につくと、言葉の通り。
両親に挨拶しているガウリイの姿に。
またまたパニックになるしかないリナ。
「リナ、この一件、拒否は許されないわよ?まあ、いつものことだから。諦めなさい。
ガウリイさん。どんな手を使ってでも、あんたを手にいれようとするから」
「ちょっとまってよぉ!姉ちゃん!どういう意味なのよぉお!」
リナの悲鳴に近い問いかけに。
「あんたが思い出したら早いから」
「思い出すって何をよぉぉぉぉ!」
「……前世」
「……はい?」
「リナとオレって、ずっと前世からの恋人同士なんだよなぁvvやっとみつけたしvvリナvv」
って……
「まてぃぃぃぃぃぃい!!!!!!!!!!」
さけびつつ、真っ赤になってゆくリナ。
え……ええと……
前世から……
前世からの恋人同士って……
やっと見つけたって……その……
……何がどうなっているのよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
うんそうだ。
絶対にからかわれているに決まってるぅぅぅぅ!!!
そこまでは……記憶にあるんだけど……
……何であたしとこいつが同じ家でしかも!
あたしとこいつの二人でいるわけ!?
必死に回想を張り巡らせるリナ。
「何だよ?リナ、オレが嫌いか?」
しゅんとうなだれるガウリイ。
あ、かわいい。
こいつ、あたしの言葉一つで、表情が変わる。
……面白い。
不覚にもそう思ってしまうリナ。
「そ…そういうんじゃなくて!その…お互いに…その……何もしらないんであって……///」
しどろもどろになっているリナ。
こういうことは、リナははっきりいって、なれていない。
というか、絶対にからかわれてる!
と、リナは本気でそう思っていたりするのだが。
「じゃ、これから知り合っていけばいいさvというわけで、これからリナはオレと一緒に住むvv決定なv」
「……ままてぃ!何でいきなりそ~なるのよ!」
「オレのとこだと、お金、いらないぞ?」
「お世話になります」
・・・・・・・・・・
「し……しまったぁぁぁぁぁ!!」
つ……ついつい。
ただ!
という言葉に乗せられてしまったぁぁぁぁ!!!!
リナの絶叫が、本日何度目ともなく響き渡ってゆく。
「リナさんに相手が。ふふふふ」
シルフィール、にこにことしているが。
「シルフィールさん、そんなに楽しいですか?」
「あの、鈍いリナさんをそのガウリイ様がどう振り向かせていくのか、今後楽しいと思いませんこと?」
くすくすくす。
一人笑っているシルフィール。
「ま、ガウリイさんのことですから。自分と住めば、お金は要らないとかいって。
おそらく、リナさんとの同居。取り付けていると思いますけど?」
ずばりと言い当てているゼロス。
只今、教室の掃除中。
「そ~いえば、リナさんって。スイーパーの仕事で稼いだお金。九割九分九厘。
全部ルナさんにの献上金&家に入れるお金。って稼いだお金、ほとんど残ってないですしね……」
しみじみいっているアメリア。
「お金をためて、自分の事務所を設立して、自立したい。というのがリナさんの夢でしたからね」
にこにこといっているシルフィール。
シルフィールはアメリア同様に。
リナとは昔から付き合いがある。
インバース財団とセイルーン王国にシルフィールのラーダ家は、つながりが深いのである。
シルフィールの家柄は。
かなり有名な賢者の家柄。
それゆえに。
かなりの名門なのである。
ここ、鳳凰学園には。
さまざまな上級階級の家柄の子供達が、通っている場所でもある。
「まあ、ガウリイさんと一緒に住めば。お金もいらずに、事務所も手に入るということですし」
「……それはリナさん、何も考えずに、二つ返事でオッケーしますね。その条件だと……」
「……リナさん、そ~いう辺りのことの危機感、ないですからね……」
「まあ、僕としては、ガウリイさんがまたリナさんを襲ったときのあのリナさんの負の感情vv
かなりおいしいので、頂きたいのですけどv
……以前、それ頂いたら、一千年行動不能になりましたし……(汗)ガウリイさんに斬られて(汗)」
当時のことを思い出し汗を流しているゼロス。
「……ま、いっか。」
こいつと一緒に住むだけで!
何とただで事務所が手にはいった!
こんなおいしい話ってある!?
しかも、こいつ、あたしの仕事、ただで!!
手伝ってくれるっていうしvv
まあ、あたしをからかって、婚約したい。
とかいうのはとりあえずおいとくとして。
ラッキィィィvv
まったく危機感ゼロのリナ。
「じゃvvいいんだなvv」
「とりあえず、あたしは何をすればいいの?」
まさか、何もせずにただで住まわせてもらう。
というわけにもいかないだろうな。
リナはそんなことを思いつつ、問いかけると。
「何もvvあ、でも時々はリナの手料理が食べたいなv」
にっこりというガウリイ。
「……それだけ?」
「ああvv」
……今はな。
小さくつぶやいたガウリイの言葉は、リナには届いていない。
「分かったわ!じゃ、交渉成立ね!よろしくね!ガウリイ!」
にっこりと微笑むリナ。
その表情は、まるで天使の微笑み。
リナはその自分の表情が。
周りにどんな影響を及ぼしているのか。
今だに気付いていないのである。
「よっしゃぁぁぁ!手料理と引き換えに事務所!ゲットぉ!」
この時点で。
リナの頭の中から。
ガウリイと婚約させられた。
ということは。
きれいさっぱりとなくなっていた……
「ふふ……リナと二人っきり……ふふふふ♪」
とりあえず、今はこれだけだけど……
……覚悟しておけよな?リナ♡
お前はオレだけのものvv
そろそろ、期も熟すしなvv
一人、ほくそえんでいるガウリイの姿が。
そこには見受けられていた。
「……まったく……ルーも気の長い作業をするものよねぇ……」
とっとと、完全に一気に変えればいいものの。
それだと、リナの精神に何か不都合があったらいけないから。
とかいって。
時間をかけて、じっくり、じっくりの魂の転換作業。
それに気付いていない、リナもまた楽しめるんだけど。
世界を見下ろしつつ。
「ま、今回もあの二人、楽しませてくれそうよねv」
今回で、終了のはず。
そうすれば。
あの、リナ=インバースは。
ルーと同じ存在にと転換が完了する。
つまり。
「ここでは、あたしが創らなくても、娘ができたわvv」
にっこりと。
この世界の中心たる宮殿で。
微笑んでいる絶世の金色の光をまとった美女の姿が見受けられていた。
-続くー
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あとがき:
薫:・・・・・リナちゃん・・・リナちゃん・・(汗)
危機感・・持ちましょうよ・・?(汗)
リナ:・・・何の?
薫:・・・・(汗)・・・・・ガウリイさんの今までの苦労がよぉく分かります・・(汗)
リナ:な゛!?///
何でそこにガウリイがでてくるのよ!/////
あいつは全然関係ないでしょう!//
薫:・・・真っ赤になって否定しても否定していることにはなりません。はい。(きっぱり)
リナ:あいつは! あたしをからかっているだけなのよ!
そうにきまってるじゃないのよ!
初めてあったばかりなのよ!あたし達は!!
薫:・・・・・いいつつ、真っ赤なのはなぜ?
リナ:うぅぅぅ!!!!!アビススレイブゥゥゥゥゥ!!!
ドゴガァァァン!!!!
薫:・・・ほら、もう、ルキシフェルの力を使いこなしてるのにぃ!~(汗)
(薫、どこかに飛ばされてゆく・・・・・。)
リナ:・・まったく・・//
ま、いいわvvとりあえず、何とただで!!かなりいい事務所と!
なんでか、あいつが手伝ってくれるっていうし!
これで、お金がたまるぅ!!!!やったぁぁ!!!!
ガウリイ:・・・・ふふふ♪逃がさないからなvvリナvv
薫:・・・あーあ・・・。リナ、また罠にはまっているということに・・。
・・・気づいてないし・・・・・。
・・・ま、ご愁傷さま・・(まて!)
ではでは・・・・・。
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