・・・・最近、というかこの一ヶ月・・・黄昏の更新していないなぁ。
何か最近パソに打ち込みする気力がなかなか戻らない・・・・。
その割にどんどん新たな話はできてゆく・・・いったい(笑)
とりあえずファイトでこれをとっとと終わらせますね。うんv
多分7巻、8巻がごちゃ混ぜになるかと思われます。
・・・さて、誘拐されるのガウリイでいくか。
はたまたアメリアでいくか・・・・。
でもアメリアだったら・・・・ネクストフォーエバーと同じ・・・・なんだよなぁ・・・。
あ・・・・あはははは・・・・ほとんどが・・・・。
ちなみに、フィブリゾファンはフィブが気の毒なので見ないほうがいいかもです(笑)
さって、早く20にならないかなv
外伝、外伝、リナ父、リナ父、ガウリイの過去v
もっと詳しく読んだらガウリイの過去もきちんとかける・・・かも(そーか?)
などとつぶやく2003年の8月某日。
#####################################
狭間の選択 ~黒い髪の少年~
「・・・・・しかし・・・・何だな・・・・」
ふぅ。
そういいつつため息ひとつ。
「どうかしたんですか?ゼルガディスさん?」
そんな本をおいてため息をついているゼルガディスをみて。
思わず聞き返しているアメリア。
ここ、ディルス国立図書館。
ここには様々な文献がそろっている。
それゆえに閲覧するものある程度閲覧者名簿に記入しなければいけないのだが。
そこはそれ、アメリアの機転で、セイルーンの印籠とそしてその名前。
それを記入&見せて何なくその審査らしきものを乗り切っているこの三人。
「いやぁ、しかし懐かしいですねぇ。ここ。
以前僕がここ、燃やしたんですけどねぇ。はっはっはっ。」
などといいつつ回りをみているゼロス。
この図書館が燃やされたのは今から百年以上前のこと。
彼ら魔族にとってはさしたる時間ではないように感じるが。
人の中ではそうではない。
「・・・・いや、リナとガウリイだ。リナもリナだが・・・・ガウリイも人間離れしすぎているからな・・・・」
そうつぶやきつつ、今まで調べていた本を閉じる。
確かに、ここはカタートに近いこともありいろいろと資料などといった文献は残っているが。
それもかつての火事にてその後、内容を転記されたものや、
または新たに加わった資料など。
そんな山とある資料の中からとりあえずは。
とりあえず疑問に思っていたインバース一族のことと。
そしてガブリエフ一族のことを初めに調べ始めたのはいいものの。
何しろこの二つの一族に関してはあまり資料など残っていなく。
そんなゼルガディスのつぶやきに。
「ああ、そのことですか?それは仕方ないですよ。
何しろリナさんはあの、ルナさんの妹さんですし。
ついでにガウリイさんはとんでもないことにあの、フェアリーさんとかいう人と、
そして人間とのハーフらしいですからねぇ。いやはや困ったものです。」
そういいつついつの間にやらアメリアたちの横にと座っているゼロス。
『?』
そんなゼロスの言葉に首をかしげ。
「そういえば前から不思議に思ってたんだが・・・。
ガウリイの母親であるというそのフェアリーとか言うのは・・・いったい全体。
何ものなんだ?」
ずっと思っていたわだかまり。
というかガウリイと出会って・・・・あのとき、レゾの一件のときに。
いきなり、金色の王と面識を得たあの時より心にわだかまっていた疑問。
そんな疑問をゼロスに聞いているゼルガディス。
「そういわれましても。わかっているのはあの人は。
あの御方のご友人であるあの少女に仕える人というのしか。」
確か噂では精霊とかも聞くが別にそれは聞かれていないのでそれはいわないゼロス。
「そもそも、あの御方にかかわりのある方々は。
僕らごときには常識でも計り知れませんから。いやはや。
何しろすべてなる母でいらっしゃいますから。」
一部では魔王の中の魔王、魔の頂点に立つもの。それが金色の王。
そう信じられていたりするが。事実は異なる。
すべては金色の母よりすべてが生み出され・・・そしてまた母の元にと還ってゆく。
それは絶対の理。
「そもそも、あの金色の王って・・・いったい全体。何なんですか?」
ここまでちょくちょく出会うことがあるので初めて出会ったときほどには。
驚かないが・・・。
それでもその感じる威圧感というかその雰囲気というか。
どこか神々しさと・・・そして畏怖を感じてやまないのもまた事実。
そんなアメリアの質問に。
「うーん、そうですね。少し異なりますが。
あなたたちの伝説では世界は混沌の海の中にある。そうありますよね?」
まあ、確かに、宇宙という海・・・すなわち真空の力と暗黒物質により、
そんな力の中にこの惑星は・・・いや、すべての星星、銀河は存在している。
「あなた方にもわかるように説明するとするならば。
あの御方はその海そのもの、いや、その海を作り出されたその当人。
すべてなる闇の母にて、すべてなる命あるものの母であり、
すべての光をも作り出したかた御方。そして。
逆にすべての滅びをつかさどり、すべてをあるべき姿に戻しゆかんとする御方。」
意味不明な言葉がゼロスの言葉から発せられてゆくが。
当然すぐに理解できるような代物ではない。
そう、普通ならば。
「簡単に言ってしまえば、すべての存在の創世の母ですね。これがまた。」
さらっと爆弾発言をかましているそんなゼロスのその言葉に。
どでっ!
思わずその意味を・・・完全ではないものの理解して。
椅子から転げ落ちるアメリアとゼルガディスの姿が。
そこ、ディルス国立図書館にて見受けられてゆく。
「・・・・うーん、お二人の負の感情が何ともv」
そう小さくつぶやいているゼロス。
いくら上司命令だとはいえ、いつあの御方が出現するかも知れないそのプレッシャー。
それにもまして、ガウリイのリナへの熱い想い。
さらには下手にリナもガウリイも刺激すれば、自分程度ではかなわない。
それがわかっているだけにどこかでストレス発散と、
食事をしたくなるゼロスの心情もわからなくはないものの。
椅子から転げ落ちてしばらく呆然として今ゼロスがいった台詞を。
頭にて整理しつつ理解しようとしている彼らをみつつ、
ゼロスはその手を少しばかり口に当て。
「うーん、ご馳走様vアメリアさん、ゼルガディスさん♡」
そんなことをつぶやいていたりするゼロスの姿が見受けられているのであった。
「とりあえず、ガウリイ、この町魔法陣で覆うのが手っ取り早くない?」
町のいたるところに人に扮して魔は入り込んでいる。
「だな。」
別にそれをしたからといっていきなり目の前で話していた友人、または知り合いが。
異形と化すことにより人々がパニックになったりすることも多少はあるであろうが。
とりあえずはここまでうろうろと魔がいるという事実は、はっきりいって目障りである。
「うーん、ストックはいろいろあるけど。」
そう腕を組んでいっているリナに。
「別にエルさんの力使ってもいいんじゃないか?」
そういっているガウリイ。
「そりゃ、たまにやってくるエルさんたちから教わっているけど。」
アメリア達が内心もはやその事実になれてしまい、
また、ゼロスが悲鳴を上げている原因のそれ。
ごくたくまにいきなりやってくる金色の母とそしてミリアムと呼ばれる少女は。
いろいろとリナたちに知識を問われるままにその内容により試練を与え。
それをクリアすれば知識を与えているというその事実。
「うーん、そこまでする必要はないと思うし。
とりあえずここにいるの、ガウリイ、どう思う?」
自分ではあまり上級魔族はこのあたりには感じない。
「そうだな。とりあえず町の中にいるやつは大概、中級程度くらいだな。
後は中の下級程度。それと王宮の中にとりあえず竜将軍が一人と。
中位魔族が数名、くらいか?」
さらっとこちらは的確にリナの質問に答えているガウリイ。
「竜・・・・はぁ。やっぱし魔竜王がらみか・・・・何かんがえてんだろ?」
いくら魔王から生きるために離反した、そうは聞いてはいるが。
・・・・インバース一族の情報網は侮れない。
何しろ、この地が結界にと追われてからも外の情報を唯一握っている一族でもあるのだ。
まあ・・・・彼らの一族に結界・・・というものがその常識はずれの力により。
通用しない・・・という事実を無視するとしても。
「ま、大方戦いを好むやつのすることなんて決まってるんじゃないのか?
人間達や竜たちを盾にして今は動けない北の魔王をたたく。」
さらっとなごやかに微笑みつつリナにと答えているガウリイ。
「ま、大方そんなところでしょうけど。盾として使い捨てにしようとしている、
その根性は許せないのよね。私的には。
とりあえずじっくりといたぶりだしてからお灸はすえたいわね。」
そうつぶやきつつしばらく顎に手をつき考えるリナ。
考えることしばし・・・・数分もたたないうちに。
「よっし、とりあえず威力を増幅した崩魔陣(フロウ・ブレイク)それでいきましょ。」
それは本来精霊世界の力の流れを元に戻しゆがみを正常に戻す術。
魔とは本来精神世界に身をおく存在。
それがその力で物質化していようが、または何かに憑依することにより、
具現化・・・・たとえばレッサーデーモンたちのようにしているにしろ。
それはどこかで歪みを伴っている。
まあ、人間程度の魔力でその術を唱えたところで。
別に彼ら魔族がどうにかなる、という術ではないのだが。
だが・・・・このリナもまたガウリイも。
普通の人間・・・というのにはあまりにかけ離れすぎているこの二人。
「ま、その程度が無難だろうな。」
そんなことをいっているガウリイに。
「じゃ、ガウリイはとりあえずこの町に結界、お願いね?
あ、当然、門のところは省いてねv」
この町の門というか入り口にあたる城砦は。
近くに魔の本拠地があるがために、特殊な防御結界が張られている。
まあ、別にそれでどうにかなる・・・・という代物でもないのだが。
とりあえずは下級程度・・・しかも自力で具現化できないような輩などには。
一応は有効なその結界。
だが今リナが使おうとしている術はすべての力の流れを正常の状態に戻す術。
それゆえに今ある、いや、かかっている術や唱えていたりする術なども無効化する。
という欠点をもつ。
そんなリナの言葉をうけて。
「はいはい。」
かるく何でもないようにとつぶやき。
何やらリナですら聞き取れない何かをつぶやくガウリイ。
それと同時に。
ふわりと、明らかに町の中の空気が一瞬変わる。
「それじゃ、いくとしますかv崩魔陣(フロウ・ブレイク)」
リナのその言葉と同時に。
町の大地にある魔法陣が一瞬浮かび上がり、町を淡い光が覆ってゆく。
「・・・・・すごいです!」
おもわずいろいろと調べ終わり、少し休憩していたアメリアの目に飛び込んできたのは。
町を覆いつくすとある術のその力の波動。
別にそれは一瞬のことではあったのだが。
彼女とて、いくら聖都市と呼ばれているセイルーンの巫女頭である、アメリアとて。
町ひとつをすっぽりと包み込むようなそんな力はない。
何らかの魔力増幅か何かの媒体があれば別であるが。
思わず窓の外からあふれてきた一瞬の光に素直に驚くアメリア。
「あー、なるほど。確かにこの方法なら、町の中に巣くっている魔族さんを。
あぶりだすことはできますねぇ。なるほど。」
にこにことしつつまるで面白そうにいっているゼロス。
事実、彼にとってはこれは面白い展開なのであるが。
光がこの町、ガイリア・シティを埋め尽くし、人々がその光に思わず目をつむり。
そして一瞬のうちに開いたその目に映りこんだのは・・・・。
『う・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
町のあちこちで悲鳴が巻き起こる。
そして、城の中ですら。
「貴様!?何やつ!?」
今まで確かにそこにいたはずの人はいずに。
いるのは・・・形が崩れた人もどきや。
そして・・・・明らかに異形の存在たち。
城の中に勤め、そしてまた。
国王の前にて今後の報告をしていた人々の目に飛び込んできたのは。
明らかに人の姿はしているものの、その体よりあふれる気は・・・人のそれではなく。
しいていうならば・・・・瘴気。
「将軍!?」
リナたちの知らぬ場所で騒ぎは・・・・格段にと大きくなっているのであった。
しばらくは悲鳴と叫び。
それに伴い・・・町のあちこちで攻撃呪文の音が響きだす。
あまりのことに放心状態となりどうしていいのかわからなくなった人々が。
だがそれでも人間、誰しも死にたくはない。
一人が向かってきた元人間・・・・つまりはすでに人ではなくなった異形のものたち。
彼らに向けて攻撃呪文を行ったその音を皮切りに。
町のいたるところから攻撃の音が響き始めてゆく。
「まさか、この図書館にも入り込んでいるとは。」
ぱんぱんと手をたたきつつ、ブイサインをしているアメリア。
光がのいたその直後。
アメリアたちのいる図書館の中でも騒ぎは巻き起こった。
数名の職員たちが・・・人あらざる姿にと変化を遂げたのである。
とはいえ、所詮はしがない下級魔族。
「うーん、この人たち、ラーシャートさんの力で人の形を成していただけの人たちですしねぇ♡」
そんな光景をまったく他人ごとのように眺めてお茶なんかを飲んでいるゼロス。
職員やそして閲覧者、すべての人々がそんな彼ら・・・魔族にと向かっていき。
「ゼロスさん!そこでお茶なんか飲んでないで手伝ってください!」
魔族と対峙しつつアメリアが叫ぶが。
「でも僕のお仕事ではないですから。」
しれっと何でもないように答えているゼロス。
「わかりました、じゃ、次にあのエルさんたちがこられたら。
ゼロスさんをこき使ってくださいと頼んでおきます。」
「でぇぇぇぇ!それはまってくださいよぉ!アメリアさん!
わ・・・わかりました、わかりましたってばぁぁ!」
いきなりといえばいきなりのアメリアのその言葉に。
本気で驚きつつその紫の眼を見開くゼロス。
「・・・・アメリア、だんだんリナ達に感化されてきたな・・・・」
ほとんど脅しというか脅迫のその言葉をいっているアメリアをみて。
つぶやくゼルガディスの姿がそこに見受けられていたりするが。
ぶつぶつぶつ。
「まったく・・・・僕のお仕事ではないですのに・・・・・」
などといいつつ、それでも。
そのいつもは閉じているにこ目のその紫の瞳を一瞬見開く。
それと同時に手にもっている錫杖を一振り。
・・・・それだけで十分であった。
『ぎゃ!?』
いったい何が起こったのか理解できなかったであろう。
苦戦していた魔族たちが目の前でいきなり、消滅していったのだから。
彼の得意とする精神世界からの攻撃。
それゆえに人の目には映るはずもない。
ゼロスのその杖の一振りだけでこの図書館にいた数十以上の魔族たちが。
一斉にと滅び行く。
「こんなものでどうですか?♡」
いつものようににこやかに・・・そこには何でもないようにたたずむゼロスの姿が。
「・・・・・これは・・・・いったい・・・・」
思わずつぶやく。
人に・・・ここまでの力があるものなのか。
別に彼には当然のことごとくに何のダメージもない。
もともと精神の一部を切り離しているこの実体化しているこの体。
見た目も気配もどうみても、ただの人間の子供にしかみえない。
そんな彼に向かってくるデーモンの数々。
知らないというか気づかない、というのは恐ろしい。
「まったく・・・・邪魔だよ。君たち。」
少年がそんな輩をちらりと一瞥するだけで・・・あっさりと無に戻り行くそれら。
「・・・・・とりあえず少し計画を変えないといけないみたいだね・・・」
本来なら、あの人間たちに・・・まあ、そのきっかけは。
どこにでもある些細なことを利用しようとしていたのだが。
この町の人々・・・・というか上の者たちが軍備を増幅させている。
という話を彼女たちの耳にいれ、それから町を火の海にして。
ついでにガーヴの計画を叩き潰し、それから彼女たちをドラゴンズ・ビークに、
向かわせるのが本来の計画だったのだが。
すでに町に魔が入り込んでいるのは先ほどどうやったのか。
町全体を覆いつくす精霊魔法のひとつ、崩魔陣(フロウ・ブレイク)により。
この地に入り込んでいた多少の力を持たない輩たちの正体は。
今や完全に露見し・・・この町、ガイリア・シティ、そして、その中心にある、
ディルス王宮。
それらは今や混乱の気に満ち溢れている。
彼にとってはそれは結構おやつ程度ではあるもののおいしい状態ではあるものの。
「うーん、とりあえずゼロスに何があったのか確認とって。
どうやらあのリナとかいう人間たちと今は別行動しているみたいだけど。
よっし、あのお姉ちゃんにつながりを持つとしよう。」
今の騒ぎでアメリアたちがいる図書館も。
かなりの攻防にて、そこにあった多少の資料・・つまりは本なども燃えて
すでに閲覧する状態ではなくなっているその現状。
頭の切り替えをすばやく行い。
一部の計画を変えてそして。
「んじゃ、いこっと。」
そこに転がっている異形の存在を踏み潰し無と化してから。
少しウェーブの入ったかなりかわいらしい男の子は。
アメリアたちがいる国立図書館の方にと足を進めてゆく。
「こうしてはいられません!」
どうにかこの図書館の中はすべていたであろう魔は。
ゼロスの活躍・・・といえるのか、とにかくゼロスの撃退で。
すべてはいなくなっている。
そして目に入るのは窓からのぞく町の景色。
あまたの箇所から立ち上っている煙がいやでも目に映りこむ。
「・・・・ふぅ。いったいこの町・・・何があったんだ・・・」
国立図書館にすら、魔がこれほど入り込んでいたのである。
・・・・一応は聖なる結界が施されているこの場所にすら。
それを考えると町にはいったいどれだけの魔が潜んでいることか。
そうかるくため息つきつつつぶやいて。
「とにかく!ゼルガディスさん!町の人々を助けにいきましょう!
正義が私たちを呼んでいるわ!」
「・・・・その言い方はいい加減にやめてくれ・・・・・」
そんな会話をしつつ、いまだに混乱している図書館から町にと繰り出してゆくアメリアとゼルガディス。
「君たち、今死にたい?それとも、僕に協力する?」
にっこりとそう微笑まれ・・・。
たかが子供と思って襲い掛かった。
子供が抱くその負の感情は彼ら魔族にとってはかなりおいしいもの。
遊び感覚で少しおやつでも・・・と思い。
目に入った子供にちょっかいをかけようとした。
それまではまあ彼らにとっては普通のこと。
だがしかし。
その子供が・・・・まさか人ではないなどと。
彼らのような下級の者は気づくはずもなく。
確かにそこにいるのはたんなる人間の子供。
なのに感じるこの威圧感は・・・どういうわけか。
「協力するんだったら、今は助けてあげる。
いくらガーヴ配下の魔族といっても、
別に君たちは上の命令でやっているに過ぎないしね。
今からでも遅くはないよ?魔王様に絶対の忠誠を誓ってね♡」
そうにっこりと微笑みかけているその少年。
「き・・きさ・・・・ま・・・は・・・・」
一人がそう言葉を発しようとするとその瞬間。
その魔の体は一瞬のうちにと掻き消える。
「だめだよ。君たち程度の下級魔族がそんな口きいちゃ。
僕の名前はフィブリゾ。あ、ヘルマスターっていったほうがわかりやすい?
で、協力するの?しないの?しないんだったら・・・・このまま滅んじゃってね♡」
にっこりと天使の微笑みを向けるその少年。
その言葉に・・・・残ったそこにいた魔のすべては・・・・戦慄するよりすべはなく。
彼のいうがままになってゆくのであった。
「うわぁぁぁぁ!」
道をあるくアメリアたちの耳にと飛び込んできたのは。
子供の悲鳴。
「はっ!こうしてはいられません!いきましょう!ゼルガディスさん!」
「やれやれ。ここまで町に本気で魔が入り込んでいるとは・・・な。」
道を歩きつつも数歩あるけば魔に行き当たる。
よくまあここまで入り込んでいて誰も気づかなかったと思うところもあるにしろ。
そんな状態で町にいる兵士も魔道士も、魔族と対決することにほとんど手一杯のその状態。
まあ、知らないものなどは魔に対して普通の武器で挑み。
いともあっさりと返り討ちにあっていたりする輩も多々といたりするのだが。
そんな走ってゆくアメリアたちの後ろから相変わらずにこにことしたまま、
歩いているゼロス。
やがて、アメリアたちの目に。
数匹のデーモンに襲われている子供の姿が目に入る。
「何て卑怯な!子供に数人がかりで!」
そういいつつ、・・・・そのまま近くの家の屋根にと上っているアメリア。
「おい、アメリア、そんなことをしている場合か!エルメキア・ランス!」
ゼルガディスの放った術が、今にも子供に襲い掛かろうとしていたデーモンのつめを無と貸してゆく。
「多数に無勢でか弱き子供を襲う闇に生きるものたちよ!
今ここにこのアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが天にと代わり、
成敗いたします!」
びしっと屋根の上から・・・・襲われている子供の方とそして襲っているデーモンたちの群れを指差して。
そのまま。
「とうっ!」
屋根の上から少年の目の前にと飛び降りる。
―べしゃ。
・・・・・鈍い音が辺りにと響き渡る。
「・・・・あ・・・・ありがと、お兄ちゃん・・・・ところで・・・このお姉ちゃん・・・・何?」
さすがにいきなりのことで当然の反応なのであろう。
目を点にしていってくる襲われてきた少年のその言葉に。
「気にするな。いつものことだ。」
「・・・・・・・・・・・・いつもって・・・・・」
そこに頭を地面に突っ込んで少しばかり痙攣している
今屋根の上から飛び降りてきた少女・・・・アメリアをみて。
どこか気の抜けたような声を出している少年。
「・・・・・人間って・・・変わってるよね・・・・」
そう小さくつぶやく少年の声は当然アメリアの耳にも、ゼルガディスの耳にも。
届いてはいない。
やがて、少年の目の前で彼に向かってきていた魔は。
アメリアとゼルガディスの活躍により無とかしてゆく。
「え・・・・えっと、助けてくれてありがと。お姉ちゃんたち。」
ぺこりと何とも無害そうな笑顔をむけてお礼を言っているその少年。
「気にしないでください。当然のことをしたまでです。」
きっぱりと言い切るアメリアに。
「しかし、どうしてこんな場所に子供がいるんだ?」
そう問いかけているゼルガディス。
服装からこの町の子供ではないのは明らか。
「え?あのね、んっとね。僕この町からさらに北にある場所に住んでいるんだけど。
何か最近ここの兵士さんたちが近くにある峰にとやってきているから。
好奇心が手伝って何がおこっているのか見に来たの。
もし戦争でも始まるんだったら村から逃げないと村、ドラゴンズ・ビークに近いから。」
にっこりと微笑みつつ戸惑ったように説明しているその少年。
「何!?すると、お前、竜達の峰の近くにある村の子供なのか!?」
「よくわかんないけど、村の近くにそう呼ばれている場所ならあるよ?」
すでにかつて滅んだ村ではあるが。
「そうすると・・・・ドラゴンズ・ビークまでの道、僕知ってますか?」
少年の目線に合わせて聞いているアメリア。
「うん、知ってるよ?お姉ちゃんたち、そこにいきたいの?
だったら、助けてくれたお礼に近くまで案内するよ?僕?」
そういって、にっこりと微笑むそんな少年の言葉に。
「・・・・ふっ。いいようにことは運ぶもんだな。」
・・・・・・・・げっ!?
ヘルマスター様!?
アメリア達の目の前にいる少年をみて思わず表情には表さないものの驚いているゼロスと。
彼が魔族・・・・つまりは冥王その人だと気づくはずもなく。
関心しているゼルガディス。
「ですね。やっぱり正義は必ず道がひらけるんですよ!
あ、リナさんたちにも連絡とりませんと。
道案内してくれる人が見つかったって。」
「だな。」
そんな会話をしているアメリアとゼルガディス。
「・・・・・ゼロス、後で何がどうなってるのか教えてもらうよ?」
ゼロスの耳元でそうささやく少年のその言葉に。
「は・・・・はひ・・・・」
いったいどのように説明しましょう・・・・。
ああ・・・・下手に説明したら・・・・それこそあの御方たちに・・・・あぅ・・・。
などと一人内心頭を抱えているゼロスがいるなどとは。
当然のことごとくアメリアもゼルガディスも・・・そして、そこにいる十歳程度の少年。
否、冥王フィブリゾですらその心情はわかるはずもない。
-続くvー
#####################################
あとがきもどき:
薫:ふふふ。フィブ君登場。
とりあえずフィブは道案内役ですね。はい(笑)
哀れゼロス、本当のことをいえば
エル様たちのお仕置きフルコースが漏れなくついてくるv
ついでにいえば冥王はどうなってもいいから、
とにかく死ぬな、滅びるな、と彼の直属の上司であるゼラスより。
ゼロスは命令受けてたりして(笑)
お役所仕事の中間管理職魔族のつらいところですねぇ(こらまて)
ではでは、次回、リナたちと合流&ドラゴンズ・ビーク!
2003年8月5日某日