狭間の選択

 
   ・・・・・・ようやくこの白鐘の魔獣もおわるのですv
   ・・・・・ながかったなぁ・・。
    ・・・・・でもまだ一部終了よりは・・・ほどどおい(笑)

   白石さんのリクエスト!男なリナ、リクにあってない、短編小説のつもりが、
   やはり長編になってしまったという・・(爆!)続きです!


 #####################################

        狭間の選択     〜〜
   


    リナとガウリイのどうみても夫婦漫才にしか見えない
    そんな言い争いを目を点にしつつ眺めていた゛テュクリス。
    だがやがてはっとわれに戻り。
    「・・・・・しかし・・・・元の体にもどっても・・・何だな・・・」
    どこにいくというあてもない。
    そんなことを思っていると。
    「だったら?デュクリスさん?私の国に来ませんか?
     腕の立つ人なら父さんも大歓迎しますし!」
    そういって勧誘しているアメリア。
    確かに、表立っては軍備などをあまり強く持たない。
    とはいえ国の守りは必要。
    こういった腕の立つ剣士などは多いに越したことはない。
    そんなアメリアのその言葉に。
    「?お嬢ちゃんの国?」
    そんなアメリアの言葉に首をかしげるデュクリス。
    さきほどのリナが放った術により、彼が身につけていた甲冑は。
    どろりと銀色にととけ大地にとしみこんでいたりする。
    簡単にいえば死んだということなのだが、彼が身につけていたそれは。
    「ええ、きっと父さんも喜びます。
      最近一応守りを固めようという話になっているんです。」
    そんなアメリアの言葉に。
    「・・・・そりゃそうだろうな・・・・」
    おもわず突っ込みをいれているゼルガディス。
    まあ、確かに王宮内部に魔続が入り込んでいた事実は。
    紛れもない事実。
    それゆえに二度とそんなことがないように城の守りが固められている今現在。
    その内情をゼルガディスは知っているがゆえにそんなアメリアの言葉に同意を示す。
    「???よくわからんが、だが悪いな。
     いくら人の姿にもどったとはいえ、俺はクロツさんを裏切るわけにはいかない。
      ・・・・だが、一応礼はいっておく、アジトはマインの南。
      湖の向こう側だ。近道がある、案内しよう。」
    そういってすくっと立ち上がり道を歩き始めるデュクリス。
    「だが?いいのか?俺たちなんかを案内して?」
    そんな彼に問いかけているゼルガディス。
    「・・・・まあな。あんたたちなら・・・・どうにかできるかもしれない。
      あのクロウヅのザナッファーを・・・」
    それだけいってすたすたと歩き始め。
    「あんたら、アジトにいくのか?いかないのか?
      夫婦漫才はほどほどにあとにしないか?」
    そういう彼のその言葉に。
    「誰が夫婦漫才じゃ!」
    突っ込みをいれているリナ。
    どこをどうみてもそうとしかみえないが。
    「ほら、リナ?どうやらこいつがアジトに案内してくれるらしいぞ?」
    そんなリナの頭をくしゃりとしているガウリイ。
    「でぇぇぇぇぃ!だから!髪が乱れるからそれはやめぃ!」
    そんなガウリイの手を払いのけているリナ。
    そんな会話をしつつ。
    とりあえずデュクリスの案内に従い。
    マインの村の南にあるという、クロツたちのアジトにと進んでゆくリナたち一行。


    マインの南に広がる湖のそばに見え隠れしている埋まった遺跡らしきものの姿。
    おそらくこれもまた古のレティディウス時代のものであるらしいが。
    そんなことをおもいつつ、そこに向かって進んでいるリナたち。
    入り口をくぐったとたんに転がってる死体の山。
    「うーん、どうやらゼロスの仕業みたいねぇ。」
    のんびりといっているリナのその言葉に。
    「こんなの正義じゃありません!いくら悪人でも!頭だけ吹き飛ばすなんて!」
    などといっているアメリア。
    まあ、確かに。
    多少ストレスがあったのかはいざしらず。
    とりあえず、マゼンダが残していた知識がここにあったがゆえに。
    それを消滅させるためにここにも訪れたゼロスの仕業。
    そんなことをいっているアメリアに。
    「・・・とにかく、急ぐぞ。いやな予感がする・・・」
    そういいつつ奥にと急ぐゼルガディス。
    リナたちが入ったところは小さな小部屋になっており。
    奥にと続く扉はひとつ。
    通路には魔法の明かりがともりちょっとした本程度なら読める程度の明かりはある。
    奥に進むたびにしたいの数が多くなっていたりするが。
    それにはまったく気にもとめずに。
    どんどんと奥にと進んでいるリナたち一行。
    
    デュクリスと一緒に行動しているせいか。
    はたまた何かをしているせいか。
    いまだにこのアジトの中は騒がしい。
    ばたばたとどうやら組織のメンバーたちが走り回っていたりするが。
    リナたちには目もくれずにいろいろとしていたりする。
    まあ、ゼロスが戻り際に。
    お土産と称してちょっとした魔獣をここに呼び出して放ったこともあり。
    それがいまだにこの遺跡の中で暴れており、それの対応に彼らは追われているのだが。
    しばらくすすんでゆくとどうやら礼拝堂のような場所にリナたちはたどり着く。
    奥には小さな祭壇と、そして、まったく実物に似ていないが、
    おそらくはそれが赤瞳の魔王社ブラにぐどぅの銅像。
    「・・・・どうでもいいけど・・これ、にてないぞ?」
    それをみて突っ込んでいるガウリイに。
    「・・・・ま、空想なんだからしかたないんじゃない?」
    それですませているリナ。
    まあ、こういうことは何も知らない人間などに姿が違う。
    とかいっても効果はない、というか魔族そのものがどんな姿にでもなれることから。
    一概に違う・・とも言い切れないのもまた事実。
    


    リナたちがそこの礼拝堂にとたどり着いているちょうど、そのころ。
    「・・・・・ちっ。あれにはどんな手もきかない!
      こうなったら!ヴァイレウス!ルーディア!」
    そういいつつ傍らにいる獣人二人にと話しかけているクロツ。
    にやりとわらい。
    「―クロウヅを目覚めさせろ!」
    そういって二人にと命令をだしているクロツ。
    そんなクロツのその言葉に。
    「い・・・・いけません!クロツ様!」
    「あれはもうクロウヅなどではありません!下手をすれば!」
    などとクロツに抗議の声をかけていたりする光景が見受けられていたりする。
    「ちっ!ならば貴様らがこいつらをどうにかしろ!
     この私の手でクロウヅは目覚めさせる!」
    そういうなり駆け出してゆく。
    彼らの目の前には・・・・半透明な球体の目をいくつももっている、
    でっかい昆虫のような何かの魔獣の姿が数匹みえていたりするが。
    クロツ配下の獣人たちは・・・その魔獣に一人、また一人・・と、
    やられてゆく様子が。しばらく見受けられてゆくのであった。



     ぱたぱたぱた!
     何か騒がしい。
     ふと、道を進むリナたちにばたばたと走り回っている獣人たちの姿が移りこむ。
     「うん?おい、どうした?ヴァイレウス?ルーディア?」
     どうにか魔獣を何とか撃退し。
     まあそれに伴って被害はかなり出たものの。
     少なくともクロツをとめなければ、とおもい奥にとかけてゆく二人にきづき。
     声をかけているデュクリス。
     その声に気づき。
     「うん?その声・・デュクリスか!?というか・・・どうして人間にもどってる!?」
     声で彼が仲間であるデュクリスというのはわかるが。
     その姿が・・・・完全に人のそれであるのはどういうわけか。
     そんなことを彼らは思うが。
     「と・・・ともかく!今は詳しく話している場合ではない!
       クロツさまが!クロツさまが!グロウヅを目覚めさせるとかいって、
         奥にいかれてしまった!何とでも止めなければ!クロツさまが危険だ!」
     「何!?」
     その言葉に瞬くまに顔色を悪くしているデュクリス。
     「・・・・あ・・・・あの?デュクリスさん?いったい?」
     そんなデュクリスに聞いているアメリア。
     「ちっ!いそがないと!」
     あせる彼に。
     「・・・・ところで後ろのその人間たちは・・・何だ?デュクリス?」
     そういって先ほどルーディアと呼ばれた獣人がデュクリスにと問いかけるが。
     「この人たちなら・・・・クロツ様を助けて、グロウズを倒せるかもしれん!
      お前たちついてくるがいい!奥に・・・・グロウヅがいる!」
     そういうなり駆け出すデュクリス。

  
   
     「・・・・?あの?ザナッファーというのは魔力を封じる鎧なんじゃないんですか?」
     奥にはしっていきつつ前を走る獣人に質問しているアメリア。
     「詳しいことは俺はしらん。
       しかしグロウヅがあれを身に着けてからおかしくなりはじめたのだけは確かだ。」
     淡々と話す一人の獣人。
     「・・・・・まあ、あんな不完全な代物じゃあねぇ。」
     しみじみといっているリナの言葉に首をかしげつつ。
     「??不完全・・かどうかはわからんが。
       ともかく、クロツ様はあの鎧は身に着けたものと同化し成長する。
        その過程でやや精神が不安定になっているだけだ、そう説明したが・・・」
     そういって言葉を切る。
     「・・・・・うーん、だからあの写本の知識って・・・・あてにならないのよね・・・。
      姉ちゃんもよくいってるけど・・・」
     そんなことをぶつぶつとつぶやいているリナ。
     「・・・・・・そういえば以前ザナッファーというのは生きた鎧だって・・いってたわね。
       ・・・・・リナとガウリイ・・・」
     ふと二人が会話をしていた内容を思い出してそんなことをつぶやくアメリア。
     「まあ、本来はあれは違うんだけどねぇ。」
     そういうリナの言葉に。
     「ま、あそこまで不完全に作り出したら装着したやつの魂と精神を食べて、
      生きるだろうな、一応あーいった生き物は生きる力、というのが根底にあるから。」
     さらっと何事もなかったかのようにいっているガウリイ。
     「・・・・・・いや、そこまでわかってるのか?
       ・・・・た・・確かにクロツ様はザナッファーは完成した。とおっしゃったが・・・。
        ザナッファーが生きて成長している、そう聞かされた時点で。
         俺はあれが何を食べて成長しているのかがずっと気になっていた・・・」
     そういって遠い目をしているヴァイレウスと呼ばれた獣人。
     「そんな!そんなものを部下に手渡すなんて!?」
     そういって叫ぶアメリアに。
     「所詮われらはクロツさんにとっては道具にすぎないから・・・な。
      ・・・・・・って、どうやら遅かったようだな・・・・」
     そういいつつ奥を見据えて軽くしたうちをしているデュクリス。

     ・・・・・・ォォォォン・・・・・。

     声と同時にかすかに揺れる大地。

     「・・・・すこしきくが・・・・そいつに魔法は通じるんだろうな?」
     ゼルガディスのその問いかけに。
     「・・・・・いや、まったく何をしても通用しない。
      あいつが以前ばれたとき・・・抑えるたけで十名以上の死者がでた。」
     さらっと言い切る獣人。
     「・・・・そんな!?」
     アメリアがそういいつつ口に手をあてておもわず絶句したその直後。

     「!リナ!」

     がばっとリナを横に抱きかかえて自分の方にと引き寄せているガウリイ。
     それと同時に。
     リナが今までいたそこを掠めるようにして・・・・一条の光が当たりを切り裂いてゆく。
     そしてそれと同時に。
     ジャ!
     閃光の吐息。
     先日のそれより少し威力が高い程度の。
     大地の底から生まれた光は地面をえぐり湖を裂く。
     「あらぁ、けっこう威力多少はあるわねぇ。」
     「だなぁ。」
     のんきにそんなことをいっているリナとガウリイに。
     「だぁぁぁ!お前ら何をそんなのんきに!」
     などとわめいているゼルガディスと。
     「そうよ!リナ!こうのんびりとしていられないわ!
      これはあれが完成して目覚めているということじゃない!」
     同じくわめいているアメリア。
     まあ、リナにしてみれば・・・・家族から今までうけていた特訓が。
     ・・・・これ以上のものであったということもあり、少しばかり感覚が、
     普通より違う・・・ということもあるからなのだが。
     そしてまた、ガウリイにしてみればこの程度はまるで赤ん坊が遊んでいる程度。
     くらいにしか感じていない。
     それぞれの育ちゆえの反応であろう。
     そんなアメリアとゼルガディスの叫びと同時に、湖の水が蒸発し、
     あたりに霧が立ちこめる。
     それと同時に。
     ごぐぅん。
     鈍い音が響き渡る。
     少し先のアジトがあった部分の地面が丸く切り取られ、
     黒々とした穴をのぞかせ、その中央にたたずむ銀色の影がひとつ。
     「・・・・あれが・・・・ザナッファー・・・・・」
     おもわずアメリアがそんなつぶやきをもらしてゆく。
     リナたちがいたところにも衝撃波はつたわってきたものの。
     ガウリイの結界によって事なきを得ているのだが。
     リナたちの視線の前に・・・白銀色をした魔獣がそこにはいた。
     白銀の魔獣―ザナッファー。
    
     
     「おー、しっかしずいぶんと成長したもんだなぁ。」
     それをみてのんきにいっているガウリイに。
     「そうね。・・・・で?どうする?」
     のんびりといっているリナ。
     リナにしてもガウリイにしてもこの程度ならさほど脅威にはあたらない。
     「・・・・・・しいていうなら鋼の狼・・・っていうところか・・・」
     そうつぶやくゼルガディスの声は多少震えていたりする。
     全体的なフォルムはさまざまなものが混じっているせいもあるのだが、
     どの動物からもかけ離れた印象をそれからはうける。
     体はあちこちから銀色のムチが生えているが。
     「―クロツ様は!?クロツ様はどうした!?」
     「クロツさんの姿がみえないぞ!?」
     どうじにそこにそれ以外の姿が見えないことに気づいて叫んでいる、
     獣人の一人とデュクリス。
     その声と同時にリナたちのほうにと視線をめぐらせ。
     じゃ!
     そのまま閃光の吐息(レーザーブレス)をはいてくる。
     そしてそのままリナたちにとつっこんできつつ、
     再びそれをくりだそうとするそれ。
     だが次の瞬間。
     ジゥン!
     鈍い音とともに、それが霧散されてゆく。
     「やれやれ、まったく、せっかちなやつだなぁ。」
     のんびりといいつつ、ガウリイがその手にしているのは光の剣。
     それを見据えた魔獣の動きが一瞬止まる。
     しばらくガウリイをにらみつけたまま魔獣の動きがぴたりと止まる。
     そんな状態の中、魔獣の右側からそれに近づいてゆくひとつの気配。
     そのまま右から剣を振り下ろす。
     ぎむっ!
     当然のことながらその剣は鉄の塊をたたいたような音をたててはじかれる。
     「ちぃ!」
     舌打ちしてそこから飛び下がる獣人ヴァイレウス。
     「あ!あぶない!」
     アメリアがそれに気づき声を上げるが。
     「・・・・な゛!?」
     ごぶっ!
     それに気づくよりはやく、ヴァイレウスの体をザナッファーの銀色の触手が、
     背中から心臓めがけて貫いてゆく。
     それとともにその口から吐かれる大量の吐血。
     やがてかつてヴァイレウスだったそれは幾度か痙攣を繰り返し。
     そのままその手からからんと剣を落としそのまま地面にと横たわる。
     「うーん、ま、だめもとでいってみるか(はあと)」
     のんびりとそんなことをいい。
     リナがとある術を唱え始める。
     「・・・・お・・・おい!?リナ、その呪文は!?」
     「リナ!?それって!?」
     その呪文の正体に気づき声を上げているゼルガディスとアメリア。
     だがしかし次の瞬間には。
     「暴爆呪(ブラストボム)!」
     リナの放った術が開放され、ザナッファーめがけて光の弾が直撃してゆく。
     がぐぉ!
     盛大な音をたててあたりが熱気にと包まれる。
     「おーい?リナ?その程度じゃなくて精神世界面にもそれやらないと。」
     のんびりと剣を構えたままそんなことをいっているガウリイ。
     「だぁぁ!わかってるわよ!」
     そんなガウリイの言葉におもわず突っ込みをいれているリナ。
     いまだにザナッファーはガウリイが手にしている光の剣以外には、
     脅威に感じているわけはなく、ガウリイ以外には目もくれていない。
     『ほう、まさか汝はこの私を獣風情とあまくみているのか?光の剣の剣士よ?』
     じぶんと向かい合っているのにまったく緊張感が見えないガウリイに、
     話しかけてくるそれ。
     『―な゛!?』
     ザナッファーが話したことにより絶句しているアメリア、ゼルガディス、
     そしてデュクリスとルーディアこの四人。
     「きさま!?人の言葉がわかるのか!?」
     生き残っている獣人の一人、ルーディアが声を張り上げる。
     『私の母体となったグロウヅ・・・その知識も経験も。私が食った。
       それに、私が人の言葉を話せるようにつくられていても不思議ではあるまい?
        もっとも獣風情とあまくみてもらったほうがやりやすいから、
         口数を抑えていたが。』
     などとたんたんと口元に笑みを浮かべていってくるザナッファー。
     「ま、それにあんた・・・どうやらあのクロツとかいうやつも食べたでしょ?
       気配がするし?」
     そんなそれをみてあっさりきっぱりと言い切るリナのその言葉に。
     『ほう、汝はそれがわかるのか。人間にしては珍しいな。
      ―そうだ、あのクロツとかいう私をつくった人間は私が食った。
       それゆえに私はこの私をつくる製法をすでに知っている。
        そいつがもつ・・・我を滅ぼすことができる唯一の剣。
          光の剣を始末した暁には私の仲間を増やすのみ。
           なぁに、この私が力をみせつければこの私に従うものは出てくる。
            何しろ魔王を信仰するような人間がいるくらいだからな。』
      淡々と話すその言葉に。
     「・・・・ま、確かに一理あるな。人間のよくにはキリがないからな。」
     などと関心しているゼルガディス。
     「ゼルガディスさん!関心なんてしないでください!
      あなた!それは正義じゃありません!
       この私たち正義の仲良し四人組の正義の鉄槌をうけてもらうわ!」
     などとびしっとザナッファーに指をさしてつきつけているアメリア。
     クロツを食べたという言葉に逆上したのか。
     「お・・・・おのれぇぇ!」
     そのまま無謀にもザナッファーに突っ込んでゆくルーディア。
     「な゛!?ルーディア!?もどれ!」
     デュクリスの静止もむなしく。
     そのまま。
     ジャウ!
     一本の触手が光を吐き出し。
     そのままルーディアの体は二つに立たれて大地に転がる。
     「・・・・うーん、こうちまちまと戦うのも・・・・面倒よねぇ。」
     などとそれをみつつそんなことをつぶやき。
     「ガウリイ!あれやるから!手加減なしにとりあえず時間稼ぎお願いね(はあと)」
     そういってひらひらとガウリイに向かって手をふるリナ。
     「うーん?リナ、無理するなよ?
       やろうとおもえばこいつ程度すぐにどうにでもなるんだし?」
     などといいつつ、にこやかに、かるくザナッファーの繰り出す攻撃をかわしつつ。
     一本、また一本と触手を切り取って塵と化しているガウリイ。
     「ま、こいつ程度なら不完全版で十分だし(はあと)」
     などといいつつ、腕をくみ。
     そして術を唱え始めるリナ。

     「闇よりも暗きもの 夜よりもなお深きもの 混沌のうみにたゆたいし
       金色なる闇の王 ・・・・」

     リナのその言葉に従いリナの周りに闇が生まれてゆく。
     「お・・・・おい!リナ、その呪文は!?」
     「リナ!?それって!?」
     どうじに叫んでいるゼルガディスとアメリア。
     『ふん、この私には呪文なんて通用しないということを忘れたのか!』
     などと痛みにたえつつ、リナに向かっていっているザナッファー。
     確かに、普通の・・・人間程度の魔力容量では、
     鎧によって精神世界から一応気持ち程度隔離されている、
     それに傷をつけることは不可能。
     ・・・・まあ、リナもガウリイもその人程度・・・というのに当てはまらない。
     という事実もあったりはするが。
     さきほどの術もリナが熱いのがいや、という理由で手加減したがゆえに、
     それに傷をつけられなかったのだから。
     「ふふん、ま、普通ならそうかもね?
      でも、これは・・・・誰にも防げないわよ。」
     何しろすべてなる母の力。
     その力はすべてを無に戻すとともに・・・すべてを再生・・・つまりは生み出す力をももつ。
     だがしかし、そんな知識が、ザナッファーにあるはずはなく。
     「ガウリイ!とりあえず余波いかないよーにあんたはあんたで、
       結界くらいはっといてねvそのままいくわよ!」
     ガウリイがそこにいるのに、にっこりと微笑み。
     そして・・・・。
     
     「重破斬(ギガ・スレイブ)!!!」


     ばしゅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!


     リナの術が・・・・その一瞬の後に・・・炸裂する。


     『・・・・・・な゛!?これは・・・・ぎゃぁぁぁあ!?』
     たかが人間の放つ呪文。
     いつものように封じられるはず。
     そうおもいそのままそれを身にうける。
     だが・・・・その闇は・・・・体を蝕み。
     そのままザナッファーの体を闇が侵食し・・・ゆっくりと、
     ゆっくりと体が・・・・無にと還ってゆく。
     「あら?うーん、どうしてゆっくりなのかしら?」
     それをみてつぶやくリナに。
     『あら?少しばかり面白そうだからv少し術の効果を遅らせたのよv』
     『そうそうv結構反応みてると面白いし(はあと)』
     どこかから、そんな・・・・子供の声と大人の女性の声。
     互いに凛として・・・すみきった何ともいえない不思議な声が。
     空ともいえずどこからともなくそこに聞こえてくる。

     『・・・・・・・・・・・・・・・・』
     その言葉に無言になっているアメリアとゼルガディス。
     「・・・・・ゼ・・・・ゼルガ゛ティスさん・・・これって・・・」
     「アメリア・・・・・深く考えるな・・・またくるぞ・・・・(汗)」
     「そ・・・・そうですね・・・あ・・・あははは(汗)」
     その声の主には・・・・・はっきりいって心当たりがあるこの二人。
     そんな会話をしつつ冷や汗を流していたりするが。

     「あれ?エルさん?ミリーさん?」
     のんきにそんなことをいっているガウリイ。
     リナが放った術の・・・ほとんど中心に近くにいるというのに。
     まったく無傷。
     そういいつつ、リナの方にとすたすたと歩いて戻っているガウリイの姿が。
     「・・・・・な・・・なあ?この声って・・・いったい?(汗)」
     意味が一人わかってないデュクリスの声のみが。
     むなしくそこに響いてゆく。


     やがて、数十分が経過しようか。
     というころには。
     そこにいたはずの・・・・ザナッファーは。
     完全に・・・・無と化し。 
     そしてまた、そのあたりいったいも・・・・黒い空間と貸した大地にと、
     変化を遂げていたりする。
     「うーんvすっきりv」
     やっぱ、これ使うと結構すっきりするのよねぇ。
     ドラグスレイブとかとは格段に威力違うしv
     などとそんなことをおもいつつおおきく伸びをしているリナ。
     以前ならばこれを使うと・・・・髪が白くなったりしたのだが。
     どうやら以前ガウリイからもらった指輪にはめ込まれているダイヤが。
     ・・・・なぜか魔力の手助けをしているらしく。
     以前ほどそれほど魔力の消費は激しくない。
     そういいつつ両手をあげて背伸びをするリナに。
     「・・・・・・リナ、これはやりすぎじゃないのか?(汗)」
     ゼルガディスが回りを見渡し・・・そんなことをぽつりとつぶやく。

     そこには。
     すでに森というものは存在せずに。
     一キロ四方にわたり・・・・無の空間が・・・・そこに忽然と。
     出現しているのであった。

     「あ、きにしない、気にしない(はあと)」
     そういってにっこりと微笑むリナに。
     「・・・・・・・・きにするぞ・・・・(汗)」
     「ふふふふ!これで!悪はまたひとつ滅びたのよ!」
     頭を抱えているゼルガディスに。
     悪が滅んだことに満足して空にむかってポーズを決めているアメリア。
     「・・・・いったい・・・・何がどうなったっていうんだ??」
     ただ一人・・・・理解できてないデュクリスの声がもれていたりするが。



     とりあえず簡単にデュクリスにあの術の説明をし。
     なぜか空というかどこかから、
     『説明にいきましょうか?(はあと)』
     という声がしてきて、デュクリスにさきほどリナが使った術の説明が。
     簡単になされ・・・その声の正体は・・・・まあ。
     リナが簡単にあの力の源の主の声。
     とまあ簡単に説明したところ・・・デュクリスはしばらく固まっていたりしたのだが。
     そんなこんなで数日後。

     「・・・・・とりあえず・・・・終わったな。」
     何かとてつもなく・・・疲れたような気がするのは・・・俺の気のせいだろうか?
     などとおもいつつゼルガディスがつぶやく。
     「そうですね。悪がこれでまたひとつ!滅んだのは喜ばしいことです!」
     などといっているアメリア。
     デュクリスはアメリアに一応手紙を届けてほしいと頼まれて。
     それをもってセイルーンにと向かったのは先日のこと。
     

    「さって、とりあえずこの件は片付いたし!じゃ、次にいきますか!」
    リナのその言葉に。
    再び旅を再開するリナたち一行。
    とりあえずは・・・・何事もなくたびは・・・順調に進んでゆくようである。

                                         −続くvー


    おまけvv

    『あ、これかわいいv』
    『ザナッファー、お手v』
    「・・・あうあうあう・・・・」
    とある場所で・・・・混沌にともどったザナッファーが。
    二人の少女と女性に・・・言いように扱われていることは。
    リナたちは後日、送られてきた映像にてしり、
    しばし爆笑するのは・・・・また別の話。
    
         

#####################################

    あとがきもどき:
           薫:・・・・ふっふっふっ。
             終わりましたよvザナッファー編v
             次回で・・・・たこ糸さんからリクあった。
             ヴェゼンディの闇にと突入ですね(笑)
             さって・・・・・ガウリイをどこまで暴走させるかな?(笑)
             ・・・・・ま。リナは気づかないんですけどね(笑)
             ちなみに・・・・出てきた『声』の主・・・・二人。
             それは誰か・・・秘密です(はあと)

         エル:ほぉぉぉぉう、最近、あたしをあとがきにも前書きにも呼ばない。
             それに加えてそんなことをあんたはいうき?
          姫:私なんか・・・まったく活躍の場がないじゃない!?
          薫:・・・・で・・・・でぇぇ!?
             エルさまぁぁ!?スミレちゃぁぁん!?
      エル&姫:これは問答無用でお仕置きよねv
         薫:・・・・ま・・・・まっ!
            うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

        (あたりに虚無が・・・・押し寄せ・・・・何もなくなってゆく・・・・)

       エル:それではまた次回でv
        姫:それではねv


  はらり・・・・何かがおちてくる。
  2003年7月13日、日曜日の悪夢・・・・。
 

TOP     BACK    NEXT
  
一覧1     一覧2    小説TOP

長編リスト  中編リスト  短編リスト