・・・・何か、いように長くなってしまった・・・サイラーグ偏・・・・。
   そろそろ区切りをつけないとなぁ・・・ふっ。
   んではでは・・・・。



 #####################################

        狭間の選択     〜サイラーグ消滅?!〜

 
     「よう、見つけたぜ?ガウリイ=ガブリエフ?」
     夜の闇にまぎれて。
     サイラーグの町にと入り込んだリナ達一行。
     「・・・・・誰だっけ?」
     のほほんというガウリイに。
     「そーいや、氷付けになったどっかの賞金稼ぎじゃない?」
     そんな彼をみてのんびりといっていたりするリナ。
     「服装のセンスがいまいちですわね・・・。」
     そんな彼をみて、ぽつりとつぶやいているのはシルフィール。
     「ほっとけぃ!」
     顔を真っ赤にして、怒鳴る彼に。
     「ああ!?もしかして、さすらいの賞金稼ぎの、ザングルスさんですか!?
       俺、ファンなんです!サインください!
        何でも、すでに振られた女性の数が二桁に昇ったとか!」
     ・・・・・ずるっ。
     そんなランツの言葉に思わずこけそうになるリナに。
     「リナ、大丈夫か?」
     そんなリナをすかさず支えていたりするガウリイ。
     「う・・・うるさいぃ!そんなどうでもいいことをいうんじゃないぃ!」
     そんなランツの言葉に。
     さらに顔を真っ赤にして怒鳴っているのは。
     ガウリイと勝負をしたがっている。
     旅の剣士。
     流れの賞金稼ぎのザングルス。
     カウボーイ風の服装に身を包み。
     目深にかぶった三角の帽子。
     「と・・・ともかく!ここであったが百年目!ガウリイ=ガブリエフ!
      勝負だ!」
     いいつつ、剣を構える彼に。
     「別に相手してもいいが・・。」
     そういいつつ、別の場所を見据えているガウリイに。
     「みたいね。」
     リナもまた、別の場所を見据えていたりする。
     「―え?」
     何かにはじかれたように、シルフィールが視線を向けると。
     新月の闇に隠れた、暗い町なみの一角の空間が。
     一瞬、赤く染まったかと錯覚を起こす。
     その刹那。
     「ようこそ、サイラーグへ。」
     シャラン・・。
     その手にもった、金属の飾りのついた杖を片手に。
     ゆっくりと、全身を赤いマントとローブで覆った人物が一人。
     建物の影から・・いや、夜の闇から出現してゆく。
     「・・・くっ!レゾ!お父さまたちを元に戻してください!」
     シルフィールがいいつつ、杖を構える。
     この杖、シルフィールの父親が、シルフィールに与えたもの。
     「ちっちっちっ。ミス・シルフィール?私は何もしてませんよ?
      彼らは自分の意思で私に協力してくださっているのですから(はあと)」
     そうにこにこと。
     しっかりとその両目を閉じたまま、いっているのは。
     今回、リナ達に手配をかけたその本人。
     本人曰く、『赤法師レゾ』。
     その当人。
     「ちっ。人々を傀儡の術で操っていて、何が自らの意思だ・・。」
     町の入り口で合流したゼルガディスの吐き捨てるようなつぶやきが。
     その場に響く。
     「そうです!さあ、今すぐに町の人々を解放してください!
      今なら、まだ天にも慈悲の心はあります!」
     そんな彼にぴしっと手を突きつけて、ポーズを決めて言い切っているのは。
     白い服に身を包んでいるアメリア。
     そんな彼らをちらりとみて。
     「うーん、そんなに嫌わなくてもいいじゃないですか・・。
      そうですね。では、ご要望どおりに、開放してあげましょう(はあと)」
     そういって、にっこりと微笑む。
     「・・・・え?」
     あまりにあっさりとしたその返事に。
     思わず、アメリアが、間の抜けた声を出すのと同時に。
     「・・・・・・。」
     何やら、目の前にいる男性が。
     小さく何かを唱え始める。
     「・・・・・なっ!?ガウリイ!?」
     そんな彼をみて、思わず身構えるリナに。
     「分かってる!?リナは何処まで出来る!?」
     リナの肩を抱き寄せたまま、リナに聞いているガウリイ。
     「私はせいぜい半径数キロていどよ!」
     「じゃ、俺がやるから。」
     そういって、ガウリイもまた何かを唱え始める。
     その言葉は、アメリアや、ゼルガディス、そしてランツとシルフィールには。
     理解不能のようなその言葉を。
     「ЮбШ」
     ガウリイが、聞き取れない言葉を紡ぎ出すのとほぼ同時に。
     ごうっ。
     何かの風が。
     レゾと名乗っている男性の周りに、凝縮してゆく。
     「な゛!?まずい!アメリア!結界を張れ!
       何の種類か分からんが!とてつもなくでかいのがくるぞ!?」
     レゾの周りに、魔力が収縮してゆくのを感じ取り。
     身構えつつ、すでに、風の呪文を唱え。
     自分達の周りに、風の結界をかけているゼルガディス。
     「えええええ!?どうしてですかぁ!?
       彼、改心したんじゃないんですかぁ!?」
     そんな言葉に、泣き言をいいつつも。
     あわてて、そんな結界を強化して、重ねてかけているアメリアに。
     「シルフィールはレビテーションを!急げ!」
     顔を真っ青にして叫ぶゼルに。
     「は・・・・はい!」
     「い・・一体、何だっていうんだよ!?」
     「何だ!?何だ!?」
     巻き込まれて、思わず叫んでいるランツとザングルス。
     「―来るわよ!ガウリイ?!」
     リナがそう叫ぶと同時に。
     「おう!こっちは大丈夫だぞ!?」
     そうにっこりとリナに微笑みかけるガウリイ。

     ふわり。
     彼ら、リナ、ガウリイ、アメリア、ゼルガディス、シルフィール、
     ランツ、ザングルスを包み込んだ、風の結界を纏った、
     球体は。
     ゆっくりと、それでいて。
     光速で、上空にと浮かんでゆく。


     「メガ・ブランド!」
     コッ!


     レゾの呪文が完成し。
     その手にしている杖を地面にコツンと当てる。


     次の瞬間には。



    
 ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォンン!!!!!!



     ゴォ!



     すざましいまでの爆音と。
     そして、衝撃波。
     風の結界に覆われているリナ達の元にも。
     その衝撃は多少伝わり。
     まず、結界を纏っていなければ。
     鼓膜などが完全に壊れているであろうほどの爆音。
     そして。
     首をふりつつ、ゆっくりと、立ち上がると。

     「い・・・・いゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
        お父さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
     もうもうと煙が立ち込める最中。
     視線の先に。
     完全に・・・そこにあったはずの町並みが。
     クレーターと化して。
     後形もなくなくなっている。
     その様子をみて、叫んでいるシルフィール。
     「な゛!?今の呪文は・・メガブランドか!?」
     「そんな!?かなりの大きさですよ!?」
     ゼルガディスの言葉に。
     驚愕の声を上げているアメリア。
     「あーらら・・。やってくれるわねぇ・・。」
     そういうリナの声には。
     あまりあせりは感じられない。
     ちらりとガウリイに視線を向けると。
     こくんと無言でうなづくガウリイ。
     それだけで、リナには通じるものがあり。
     「・・・・な゛!?町が!?」
     その光景をみて、思わず絶句の声を上げているランツに。
     「・・・・・・やってくれるな・・・・あのだんなも・・・。」
     まさか、町一つ。
     丸ごと破壊するとは思ってなかったので。
     そういいつつ、額に汗を一筋流しているザングルス。
     
     大地の熱が冷めるのをまち。
     ゆっくりと降りてゆくと。
     地下から、地下水が湧き出て。
     そこは、すでに湖と成り果てている。
     一瞬前までは、そこに、町並みがあり、
     人々が生活していたその場所に。
     ゆっくりと、リナ達を包み込んでいる風の球体は。
     舞い降りる。
     「どうですか?全員、解放してさしあげましたよ?
       アメリアさん?(はあと)」
     そういいつつ、何でもないようににこにこと笑っているその言葉に。
     「・・・・あなたは何を考えているんですか!?
       こ・・・こんな!?罪のない人達を!?」
     そう叫ぶ声が震えているのも仕方のないこと。

     彼が行ったのは。
     開放する=殺す。
     という方程式の元に。
     サイラーグの町並みから全て。
     壊滅させたのであるからして。

     「関係のない人々を巻き込もうとするその魂胆は許せないわねぇ。
      まったく・・・すねるんだったら、こんな回りくどいことはしないのよ!」
     そういいつつ、ぴっと。
     レゾにとある剣を突きつけるリナ。

     フラグーンの洞の中にいたときに。
     出るときにその洞窟の中にある湖から、持ち出した。
     とある剣。
     祝福の剣と呼ばれるそれは、神聖樹、フラグーンの分身でもあるそれを構え。
     
     「おやおや、開放してあげたこの私にそんな口を聞くのですか?
       それに・・・私には、あなたたちを倒す以外。
        目的は何もないですから。」
     そういって、にっこり微笑む彼に。
     「つっ!やりすぎだぞ!?」
     そんな彼の横に。
     同じく風の結界を身にまとい。
     避難していた女性が。
     彼に詰め寄る。

     「・・・・・な゛!?エリス!?」
     その人物に心当たりのあったゼルガディスが。
     思わず叫ぶが。
     彼女、エリスは。
     しつこく、ゼルガディスを狙っていた、まだ駆け出しの賞金稼ぎ。
     殆ど素人。
     その彼女が、目の前で。
     レゾの横に立ち、彼に言い募っているのである。
     「ま・・・まあいい。それより、こいつ達を!」
     そういうその瞳は、憎悪で満ち溢れ。
     「ふふ・・・。リナ=インバース・・ガウリイ=ガブリエフ・・。
       それに・・・ゼルガディス=グレイワーズ、
       アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン・・。
       レゾ様の仇・・とらせてもらうわよ?」
     いつも着ていた服ではない。
     まるで魔道士のような姿をしているその女性、エリス。
     「どういうことだ!?」
     警戒を解かずに、問いただすランツの言葉に。
     「ふっ。知れたこと・・・私の目的は!レゾ様を殺したお前たちを倒すこと!
       そのために、このでくの棒を目覚めさせて、
       レゾ様の振りをさせて、お前たちをここに、招き寄せたんだからな!」
     そういいつつ、冷めた目で隣にいるレゾを見るエリス。
     「こいつは、私の操り人形・・。
       私が操らないと、何もできないただの飾り・・。
       レゾ様がかつて、自分の目の実験のために生み出した、ホルムンクス・・。
       自我を持たない、ただの操り人形さ。」
     そういいつつ、軽く鼻で笑い。
     「レゾ様を殺した貴様たちを!レゾ様が作った、
       このホルムンクスで倒す!覚悟!やれ!でくの棒!」
     そういいつつ、びしっと、リナ達に指を突きつけるエリスに。
     「そうですね。」
     にっこりと微笑み。
     手をかざす。


     その刹那。


    ・・・・・・・ドシュ。


     鈍い音とともに。
     胸を貫かれて。
     その場に、紅い湖を作り出しながら。
     ゆっくりと倒れてゆく、エリスと呼ばれていた女性。
     「ふふ。あなたはいいように動いてくれましたよ。エリス?
      でも、この私の怒りは、あなたと・・・レゾに向けられているのに。
      気付いてなかったんですか?」
     ごふっ。
     「・・・・な・・・・ナゼ・・・・。」
     なぜ、操り人形にしか過ぎない彼が。
     自ら動けるのか。
     その疑問を口にだす彼女の息も絶え絶えの言葉に。
     「簡単ですよ。あなたとレゾが、かつてこの私に行った実験。
      あれで、この私に自我が芽生えたんですよ。
       ・・・もっとも、それが、この私の自我なのか。
       合成されたあの者たちの自我なのか・・わかりませんがね?
       私は・・・・オリジナルを・・レゾを超えます。
       そのために・・・エリス、あなたは邪魔なんですよ?
       愛する人の手にかかり・・死なしてあげるんです。
       感謝してくださいね(はあと)」
     それだけいって、にっこりと微笑み。
     すっと、倒れているエリスに手をかざす。
     「あ・・・あ・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・。」
     ゴウ・・・。
     そのとたん。
     倒れているエリスの体を。
     黒い炎が包み込む。
     
     あまりの一瞬のことで。
     言葉を失っている、アメリアにゼルガディス。
     そして、ランツにザングルス。

     「・・あんた・・・外道ね・・・産みの親まで殺すのね・・。」
     同情はしても。
     勘違いしていた彼女がどう考えても悪い。
     それに。
     おそらく。
     彼女、エリスは今、体を失い死亡したのは事実だが。
     おおかた、まず間違いなく。
     『彼女』に呼ばれて『レゾ』と共に。
     何となくだが、何かをやらされそうな気がするから。
     リナはあまり同情の視線を投げかけていない。
     「あ、エルさんが、今の人・・連れてった。」
     ぽつりとつぶやくガウリイに。
     「・・・・やっぱり。」
     そういって。
     軽く溜息一つつくリナ。
     「な゛!?何を言っているんですか!?
       私達は、赤法師レゾを殺してなんかいませんよ!?」
     叫ぶアメリアに。
     「・・・なあ、何でこいつはあいつが死んだ・・と思ってるんだ?」
     声を多少かすれさせてつぶやいているゼルガディス。
     「うーん、多分、エルさん達が、気配・・あそこで隠してたから。
       俺達が殺したと思われてるんじゃないか?」
     のほほんと緊張感など感じさせないようにつぶやくガウリイに。
     今だに顔色の悪いシルフィール。
     それも当然であろう。
     彼女の目には。
     目の前にいるレゾが。
     サイラーグの町を壊し・・父を・・・そして、町の人々を。
     一瞬で殺したその本人なのだから。
     そんなシルフィールの肩をぽんと叩き。
     「シルフィール、安心して。
       あんたの父親や、町の人達、無事だから。」
     「・・・・・・・・・・・は?」
     リナの言葉の意味を理解するより早く。
     ずいっと前に一歩でるリナ。
     そして。
     剣をぴたりと突きつけるように構えて。
     「あんたの理由なんてどうでもいいのよ!
      それより!この私に!手配をかけた、その落とし前は!
        きっちりとつけてもらうからね!」
     そういうリナの言葉に。
     「ふっ。勝てますか?この私に?」
     そういって、閉じられていた瞳を見開く。
     その両目が、左右。
     銀と金に色が異なり。
     それが、彼が別の何かと合成されているということを暗に指し示している。
     「勝てるわよ。あんた・・・・知らないのが不幸だったわね。
       いっとくけど。あんた程度じゃ、この私の相手じゃないわよ?」
     そういって、言い切るリナに。
     「ほう・・すると?レゾを倒した術はこの私には必用がない・・と?」
     その言葉に顔をしかめ。
     「それは困りますよ。本物のレゾを倒した術を防いで。
      そして、この私があなたたちを倒すことで。
       私はオリジナルであるレゾを超えることができるんですから。」
     まるで、子供が駄々をこねるように。
     それでいて、何でもないように、にっこりと言い切るレゾ。
     その言葉に。
     「・・・うう・・・俺は関係ないのにぃ・・。」
     なぜか、その場にうづくまり。
     泣き言をいっているランツに。
     「・・どうやら、貴様を倒さないと。
       ガウリイと勝負ができないようだな?勝負!」
     いって。
     何も考えずにレゾに突っ込んでゆくザングルス。
     「・・・・・邪魔ですよ?(はあと)」
     そういって。
     すっと片手を突き出すと。


     ドォン!!!


     「・・・・ぐわっ!?」
     それだけで、風の術と、炎に撒かれて。
     吹き飛んでゆくザングルス。

     「・・・さて、そろそろお遊びはこれまでにしましょうか?
        この私がオリジナルを超えるために・・。
        あなたたちには死んでもらいます(はあと)」
     にっこりと。
     まるで何でもないように言い切るその言葉に。
     「ふっ。あんたなんかに、殺されるわけないでしょ?」
     不適に微笑むリナ。
     「そうよ!罪もない人々を意味もなく巻き込むような悪人に!
      負ける正義の仲良し四人組じゃあないわ!」
     「・・・・誰が正義の四人組だ・・・。」
     この場に及んで。
     緊迫している状況・・といっても過言でないのに。
     そんなことを言っているアメリアに。
     思わず突っ込みを入れているゼルガディス。
     「・・シルフィール。死んでないから・仇・・とまではいかないけど?
      壊された町並みの仇・・取ってみる?」
     そう隣にいるシルフィールにつぶやくリナに。
     「え・・あの?リナ・・・さん?」
     一体どういうことなのか。
     先ほど、リナは、町の人達は死亡してない。
     確かにそういった。
     だがしかし。
     ここまで壊滅させられて。
     人々が生きているとは、到底に思えない。
     ・・・一体?
     シルフィールが心で首をかしげるより早く。
     先に決断が迫られる。
     少し考えて。
     「・・・・リナさん、わたくし・・やります。」
     そういって。
     きっと、レゾを睨むシルフィール。
     「よっしゃぁ!じゃ、アメリア、ゼル!
       とっとと、こいつを倒すわよ!」
     「リナ、無理するなよ?何なら俺が一瞬で・・。」
     そうつぶやくガウリイに。
     「それだと、お仕置きにならないじゃないのよ!」
     スパパァン!
     リナの懐から取り出されたスリッパが。
     ガウリイの頭を捕らえていたのであった。
     
                                       −続く♪ー

#####################################

    あとがきもどき:

         薫:・・・・・どうも、打ち込んでいると・・。
            アメリアの口調が・・・アニメよりになってゆくぅ(爆!)
            とりあえず、あくまで。
            このアメリアは原作の設定のはず・・なんですけどねぇ(まて!)
            とりあえず、無意味に続いたv
            サイラーグ偏v
            次回でよーやく終わりですv
            ・・・・え?町の人達?

            それは・・・・・・・・・・・・ふふv
            フォーエバーや漫遊記。
            それ読んでいる人は・・・多分落ちは分かるはず(かなりまて!)
            ではではvvv