狭間の選択     〜旅は道連れ正義の道へ?〜



「・・・・ねえ?ララ、ちょぉぉぉと、お願いがあるんだけど?」
一緒に寝ていた隣にいる栗色の髪に紅の瞳の少女が。
瞳をうるうるさせて、彼女の横にいる金髪碧眼長髪の美人にと、話しかける。
「あ・・あのね?これから私、ちょっと、あんまり、
   魔法・・使わないんで。フォーローよろしくv
   それと、約一週間ばかり、あまり大きな町とか村にはいかないから。
   その辺りも了解してね?v」
てへv
にっこりと。
しかも、寝そべったまま、その華奢な両手を組んで懇願している様子は。
(う・・・このまま、襲いたい・・・)
というララことガウリイの本能に火をつけているのであるが。
それにまったく気付いていない女性…リナ。
「ふむ・・・・あの日か?」
ぽすっ!
そんなララの言葉に。
マクラを真横から投げつけるリナ。
「し・・仕方ないじゃないのよ!あんただってあるでしょうが!」
「俺は大概、男になってる時が多いからなぁ。」
のほほんといっているララ。
いかんせん、彼は、いわゆる半精霊。
人のそれと多少仕組みが異なるのである。
大まかなところは人のそれなので。
まったく支障はないのであるが。
だから、その特性を生かして。
天地の精気だけを吸収し。
何も食べずにしばらくいることも可能。
そんな真っ赤になっているリナをにこにことみつつ。
「・・で?どうして、リナは、町にいきたくないのかなv」
意地悪そうな瞳をして、リナの目の前にと顔を持っていっているララ。
ちなみに。
リナはそういうことの危機感、まったくなし。
だから、ずっと。
旅を始めて、はや数日たった今でも、一緒の部屋で寝起きしているのであるが。
「う・・・・・・。実は、私の一族・・。
   あの日になったら・・とことん面倒なのよ・・・・。」
そういって。
ボスン!
と、そのまま、ふかふかのマクラにと顔をうずめるリナ。
「何かよくわかんないけど。
   ひきつけるフェロモン?とかいうのが分泌されて。
   どんな女性でも男性でも引き寄せるのよ・・・・・。
   面倒なのよ!あれは!」
何しろ、見知らずの人が、いきなり求婚してきたり。
というのもそのときにはざら。
まあ、そのたびに、呪文で吹き飛ばしているリナではあるが。
リナが、どんな男性でも引き寄せる。
という言葉を発したときに、ぴくり。
と、ガウリイの眉がつりあがるが。
ちなみに。
今は二人は、宿屋の寝室にいるので、二人とも女性の姿である。
それにリナはまったく気付かず。
リ・・リナに言い寄るだぁ!?
そいつ・・殺す・・ふふふ・・・。
かなり本気で思っていたりするガウリイの心情を。
リナはまったくといっていいほどに気付いていない。
「ま・・まあ、そのときでも、男にはなれるのは・・なれるんだけど・・。
    それだと、ちょっと、魔力のコントロールが不安定なのよ・・。
    だから、その一週間は、私、そのまま、美少女の姿のままで。
    いんるだけど・・。」
自分できっぱりと美少女と言い切るところは、さすがはリナといえるかもしれない。
ガウリイの心情にもまったく気付くことなく。
マクラから少し顔を上げて。
「それに、あの時って・・魔力がコントロールしにくいというか・・。
   いつもセーブしている魔力が、そのまま出されちゃうのよね・・。」

普段、いつもリナは、魔力をセーブしている。
それは。
リナの一族は、かつて、赤の竜神に仕えていたとかいう話しがあるのは。
まあ、それは事実だろうとリナは思っているが。
その関りで、かなり、一般より魔力が高いのである。
一度、リナがその魔力容量を測るために。
その辺りを飛んでいた竜を捕まえて。
幼い日に実験したこともあったりしたが。
それから得られた事実は。
かるく竜をも上回る潜在意識の奥底に眠る力と魔力容量。
それゆえに。
リナの一族は、とりあえず、始めに。
魔力というか力を抑えることから学習してゆく。

リナのそんな説明も、ガウリイの耳には、届いてはいるが。
もはや、頭の中では、リナに言い寄る存在が出てくる。
というので埋め尽くされていたりする。
「ま、そーいうわけで。下手にファイアーボール程度でも。
   バースト・フレア並の威力になるのよ。
   だから、下手に町中とかで呪文をほいほいと使うわけにもねぇ・・。」
そういいつつ、布団にもぐりこむリナに。
「・・だったら、夜の盗賊いじめは止めろよな・・。
    毎日いってるだろ?危ないって?」
「この私がそんなヘマするわけないじゃないのよ!
    ま、そーいうことでv明日からは、あまり人通りのない道を。
    選んで進むからね、その辺りの了解よろしくv」
ガウリイの言葉をさらりと交わして。
そのまま。
「それじゃ、ララ、おやすみなさい。」
にこっ。
笑って、そのまま、
「・・・・・・・・・ぐう・・。」
あっという間にと寝付いてゆくリナ。
「・・・・・・まったく。お休み、リナ。」
ちゅ。
リナに気付かれないように、そっと、軽く唇に触れ。
そのまま、リナの温もりを確かめるように。
リナの寝顔をしばらくみつつ。
やがて。
ガウリイもまた、いつもの通りに。
リナが完全に熟睡したのを見計らい。
またまた男性の姿にと変化させているララことガウリイ。
ガウリイは、女性の姿のときにはララ。
リナは、女性のときはリナ。男性のときはリルナ。
互いに呼び分けて自分の名前を区切っているのだが。
この二人。
ガウリイは、母親が性別のない精霊であったがゆえに。
その、どちらの性、つまりは、男性でも女性にもなれ。
リナは、リナで。
一族の特性。
両方の性質をもつ、力を赤の竜神より授かり、
直属に支えていた一族らしく。
その一族の特性をそのまま受け継ぎ。
リナの一族は、誰でも。
男にも女にもなれたりする。
リナは、自分の家族以外。
親族以外、同じ体質の人間を見たことがなく。
まあ、当然ではあろうが・・・・。
数日前にあったばかりのガウリイが。
自分と同じ体質だというので、いともあっさりと。
警戒心などまったく持たずに。
仲間意識が芽生え。
そのまま、ガウリイの提案のままに。
一緒に旅をしていたりするのである。
赤の竜神とは、この世界の至高神。
赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。
のことを指し示す。
この世界は、赤の竜神と、赤瞳の魔王が。
互いに光と闇を司り治めている世界。
だが、その事実は。
世間一般、特に人の世の中では。
ほとんどが眉唾として、たんなる御伽噺。
とした程度しか認識されていない。
まあ、事実。
馴染みがあるのが、野良デーモンとかいう。
小動物に取り付いて具現化している下級魔族を。
ほんの一握りの者達が知っている程度で。
魔王とか神というのは、伝説の中に過ぎない。
と思っている輩もすくなくない。
だが、人とは面白いことに、
伝説と思っていても、進行する対照となるらしく。
それぞれに、竜神をあがめたり。
その竜神の四人の配下―つまりは、竜王をあがめたりと。
いろいろと宗派が異なっているのがこの現実。
リナは、隣で眠っているはずのララが。
ガウリイの姿・・つまりは、男性にと戻っていることなど。
まったく気付かずに。
そのまま。
寒がりなリナは、無意識に抱きついて眠っていたりするのだが・・。
ようやく、暖かくなってきたとはいえ。
まだ夜などは冷え込む。
まして、リナは、人一倍寒がりなのである。
「・・・・・・う…」
こ・・・こんなので寝られるかぁぁ!!!
が・・頑張れ!俺の理性!
リナが離れるそのときまで。
ガウリイの辛抱強い戦いは、今幕を開けたばかり。


「・・・・?何ララ疲れたような顔をしてるの?」
目がさめたリナが、ララの顔をみて。
第一声にそう言ってくる。
「・・・いや、夢のせいだよ。うん。」
まさか、リナがねぼけて。
自分に抱きついていたために。
理性と戦うべくずっとおきていたなどとは。
いえるはずもなく。
言葉をごまかすララ。
「ま、いっけど。睡眠はしっかりとらないと駄目よ?
   それでなくても、ララ、綺麗なんだから。
   睡眠不足はお肌の大敵ってねv」
いいつつ。
ウィンク一つ。
とりあえずは。
互いに桶に水を汲み。
備え付けの鏡の前で、顔を洗い。
そのまま、髪を梳き。
「それじゃ、着がえて食事にいきましょv」
にっこりいって。
そのまま、着がえだす。
相手が女性だから。
というのでこれまた警戒心がまったくないリナ。
ガウリイとしては、はらはらものなのだが。
それでも。
まさか、自分からいって、部屋から追い出されるのは、もったいないので。
何もいわずに、そのまま。
自分も女性の姿のままで。
旅をいつもするときの格好。
つまりは、服をリナと同じく着替えてゆく。
リナって・・・すごい綺麗な肌をしてるよな・・・。
そう思い、凝視しているガウリイの視線は。
リナは、まったくこれっぽっちも。
気付いてはいなかった。
こんなに危機感なくて、よくまあ、今まで。
無事に一人旅をしていた。
というまでの危機感のなさである。
リナも、ガウリイが相手だから危機感を持っていないだけなのだが。
始めに仲間という意識が強く。
しかも、別に友達というか仲間意識のほうが強く。
リナ的には、同じ性別の信頼できるお友達。
感覚なのである・・・・。
ガウリイが、その本質が男というのも。
全て聞かされて、分かっているにもかからず・・。
まったく、その手のことには、疎いリナであった。
    
とりあえず、服を着がえて。
そのまま。
宿を引き払い。
二人はいつものようにと出発してゆく。
リナは女性の姿のまま。
ガウリイは、いつものように町を出た刹那。
男の姿にその姿を戻しつつ。
 
     


チュドドォォォォン!!!!
「んっふふふ!大量!!大量v」
人気のない山道で。
攻撃呪文が炸裂する音が響いてゆく。
「・・・・リナ、生き生きしてるなぁ・・・。」
そんなリナを熱い瞳でみているガウリイ。
何しろ、リナが言ったとおりに。
人気のない道でも。
リナのその体から発せられている、とある物質に。
引き寄せられてくるごろつきや、夜盗や、追いはぎたち。
リナは、結構。
これらがあるので、『あの日』が嫌いではない。
何しろ、自分から倒しにいかなくても。
相手から、どんどんとやってくるのである。
しかも、このときのリナの魔力は、はっきりいって、無尽蔵。
ガウリイはといえば。
何もしていないわけではない。
リナにいやらしい視線を送る奴等などには。
徹底して、手足の一本か、指の一つくらいははっきりいって。
リナに気付かれないようにと詰めている・・・・。
そんなこんなで、リナとガウリイが進む道筋に。
絶え間なく、呪文の音が響いてゆく。


「へっへっへっ。ようよう、姉ちゃんよう、俺達といいことしようぜ(はあと)」
わらっ。
狭い道にと、たむろする。
前に十数名、後ろに十数名の男達。
全員、視線はリナにと向いている。
「うーんv本当にこの日、さまさまよねv」
嬉々としていうリナの言葉に。
「おいおい・・・・そんなに楽しいか?」
「楽しい!」
きっぱり。
言い切るリナ。
「・・・・・・ま、リナがいいんだったら・・いいけど・・・。」
そういいつつ。
さて。
また、リナに近づく前に制裁だなv
と内心思い、剣を抜くガウリイ。
と。
『ん?』
リナとガウリイが、ふと。
ここにいる盗賊の気配以外の。
一般の人間の気配を感じる。
そして。
二人が、空を振り仰いだその刹那。
それと同時に。
「お待ちなさい!平和ないくら、人気のない道とはいえ!
   か弱き女性を襲う悪党ども!たとえ天が許しても、
   この私が許さないわ!大人しく、引き下がるのならよし!
   そうでなくば、正義の鉄槌が下るとおもいなさい!」
高々と。
リナ達の上空から声が振ってくる。
『何やつ!?』
いきなりの乱入してくる声に。
声の主を捜し始める盗賊達。
「ここです!」
「あ!おかしら!あそこに・・あんなところに人が!」
リナとガウリイがいる、少しはなれたところにある一番高い木。
その頂上に。
太陽を背に、佇んでいる一人の人影。
そして。
「とう!!!」
ばっ!
そのまま、その木の頂上から。
両手を広げて。
その人影は飛び降りて・・・・・
――――――ベチっ!
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
思わず、リナとガウリイ。
そして、盗賊達の目が点となる。
その、さながらどこかのヒーロー小説さながらに。
言い放ち、飛び降りてきたのは。
歳のころならば、十三、四。
白い巫女風の動きやすいコスチュームに身を包んでいる。
― 女の子であった。
しかも。
ものの見事に。
着地に失敗して。
顔から地面にのめりこんでいたりするのである。
さすがのリナも目が点と成り果てる。
ぴくぴくと手足を痙攣させている。
その少女に。
「・・・・・おおい・・生きてるぅ?」
おそる、おそる、声をかけているリナ。
と。
がばっ!
パンバンバン!
何事も無かったかのようにと起き上がり。
「さあ!盗賊さんたち!どうするの!?
    大人しく引き下がるならば、今ならまだ間に合います!
    さあ!どうするの!?」
服をぱんばんとはたいて。
びしっ!
たむろしている盗賊達にと指を突きつけるのは。
今、なぜか木の頂上から飛び降りてきた。
艶やかな黒い髪を肩の少し上で切りそろえ。
ぱっちりした大きく青い瞳をしている少女。
「へ・・・・へん!わけのわからない台詞をいうから。
   どんな頓珍漢が出てくるかとおもいきや!
   まあいい、獲物が一人増えただけだ!やろうども!
   怪我を負わしてもいいが、殺すなよ!
   楽しめなくなるからな!」
『へい!がってんだ!』
下卑た笑いをしつつ。
手下にと号令をかけている盗賊の頭。
「やはり、ここまでいっても、改心しないのですね!
  それでは、このアメリア、正義の名前の元に!正義の裁きを下すのみ!」
いって。
いきなり。
「ファイアー・ボール!」
チュドドドド゛ト!!
いきなり、炎の球を唱えて、盗賊達の中心にと投げ込んでいる。
「ああ!それは、私の獲物なのよ!ってことでフレア・アロー!!!」
チュドドドドドドドドドドドドドォォン!!
リナが放った、光の槍は。
はっきりイって土砂降りの雨のごとくに。
盗賊達の上から、炎の雨の代わりに槍を降り注がせてゆく。
「・・・・やれやれ・・・。」
キィィィィン・・・・・。
パラ・・・・・。
『ひ・・・・ひえぇぇぇぇ!!?』
「逃がすか!ってことでドラグスレイブ!」
かなり、力をセーブしてるけどね。
ガウリイに着ている服を一閃されただけで。
全て剥ぎ取られた盗賊や。
リナの魔術をみて、恐れをなした盗賊達は。
一目散にくるりと向きを変えて、逃げ出そうとする。
が。
ドッガァァァァァァァァァァァンんんんんんん!!!!
逃げるまもなく。
大爆発と大音響と共に。
全員、ぴくりとも動かなくなっていた。
「さってと、では、頂くものを(はあと)」
嬉々として。
完全にこげて動かなくなている盗賊達にと近づいて。
器用にも、それには、炎を生かせないようにと攻撃を仕掛けていたリナ。
完全に無傷の皮袋の中から。
彼等がもっていた全財産を奪いと・・もとい、没収してゆく。
リナがごそごそと、資金を回収していると。
「ふっ!正義は必ず勝つのです!」
高々と、太陽に手を向けて何やらポーズをとっている先ほどの女の子。
そして。
「ガウリイvここの修正やっといてね(はあと)」
「リナぁ!人使いあらいぞぉ!?」
完全に森が消失したその場所を示して。
ガウリイに言っているリナ。
そんなリナに抗議しているガウリイ。
「いいじゃない(はあと)どうせあんたはできるんだしv」
いいつつ、今だに資金集めにいそしんでいるリナ。
「はいはいっと・・・・。」
いって。
手をぱぱぱっと、手早組みつつ、印を結び。
「再生!」
ガウリイの言葉と共に。
今、リナが壊滅させたその場所が。
原子レベルから、修正、再生されて。
何ごともなかったかのようにと。
巨大なクレーターは、埋まってゆく。
ガウリイが今やったのは。
分子レベルの再構成ではなく。
その本質からなる、原子配列からの変更。
物心つく前から。
     こーいうことも、出来たほうがいい。
と、母親の知り合いだというとある二人に叩き込まれている成果である。
「す・・すばらしいです!お二人とも、いつもこんなことをしているんですか?
   悪を倒して、そのあとの自然も再生させる!
   あなたたちは、まさしく天が使わした正義の使者ですね!」
・・・・・・・・・・・・ずべっ。
その言葉に。
まともにひっくり返っているリナとガウリイ。
「そ・・・・そーじゃなくてって・・・・。
    あ・・あんた・・・・何者?」
どうにか、体性を整えて。
目をきらきらとさせてリナ達に視線を向けている少女に。
疲れたように言っているリナ。
「あ、自己紹介しないなんて、正義じゃないですね!
   私は、アメリア。アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
   アメリアと呼んで下さい!」
いって、自己紹介をしてくる少女―アメリア。
「俺は、ガウリイ。ルシフェル=ララァ=ガウリイ=ガブリエフ。
  ガウリイ=ガブリエフでいい。」
疲れたようにいっているガウリイ。
「私は・・リナよ。リルナ=インバース。」
同じく疲れたようにいうリナに。
「えええ!?二人とも、夫婦じゃないんですか!?」
ごげっ!
「おvそうみえるか?」
「だだだだだ!//何で、そーいう風な解釈になるのよぉ///」
にこにことしているガウリイに。
真っ赤になって抗議の声を上げているリナ。
「え?だって、おそろいの指輪してますし。」
「これは、あくまでおそろいにしているだけ!
    そういうんじゃないの!アメリアさん・・だったっけ!?
    冗談にしても笑えないわよ!?それは!」
「・・・・リナァァ・・・・。」
やっぱり、本気で気づいてないのか・・・・。
ま、まだ時間はあるし・・・。
そんなリナに、なさけない視線を送っているガウリイ。
「アメリアでいいです!私もリナと呼びますから!
   そーいうわけでよろしくお願いしますv」
『何が!?』
いきなり、よろしくお願いします。
といわれて。
頭をぺこりと下げられて。
手を差し出されれば・・・。
思わず、リナとガウリイの二人の声が一致する。
「ですから!こんなすばらしいことを行っているお二人に!
   私もついていくんです!これこそ、天の啓示です!
   お二人と協力して、この世から悪を根絶するその日まで!さあ!」
・・・・こくん。
一人、自分の世界に入っているアメリアを。
思わず目を点にさせつつ、しばしと見つめ。
「・・・・・逃げるわよ!ガウリイ!」
「・・おう!」
こんなのに関ってられるかぁ!
リナと折角の二人の旅に介入されてたまるか!
リナとガウリイ、思っていることは、まったく異なるが。
顔を見合わせて、一気にと駆け出してゆく。
「ああ!待ってくださいぃ!
    私と一緒に正義を広めましょう!リナ!ガウリイさん!」
『だ・・・・だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?』



結局。
あまりのしつこさに。
リナとガウリイが観念したのは。
ついつい、リナが町にと入ってしまい。
たむろしてくる男達に呪文を唱え。
怪我を負わせ、その処理を。
アメリアが率先して行い。
アメリアがセイルーンの王女である。
というのを知ったリナが。
しぶしぶながら、承諾したのである。


「こ・・・このしつこさ・・・・某金魚のうんちを思い出させるわ・・・・。」
朝、昼、晩。
ずっと、二人を追いかけていたアメリア。
リナがそうつぶやいたその言葉こそ。
実は、このアメリアの姉であることは。
リナは夢にも知るはずもない・・・・・。




「さ!リナ!ガウリイさん!悪を一つでもなくすため!頑張っていきましょう!」
「・・・・も、どうにでもしてぇぇ!!!」
「・・・・・うう・・・リナと折角の二人っきりの旅がぁ・・・・・。」
かくして。
リナとガウリイ。
二人の旅に。
新たに、メンバーが加わってゆく。



アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
とあるこの世界では有名な。
聖王国セイルーンの。
その、第一王位継承者の二番目の娘。
正義おたくでヒーローマニアな、少女である―。


リナは以前。
この父親と面識があり。
父親の名前を聞いたとき。
しばし、リナはむせこんでいたという事実は。
また別の話・・・・。
   
                                       −続くー

#####################################

あとがきもどき:
  薫:何気にvこのバージョンでのv
    全てのスペシャルの話しも置き換えて想像してみたりとか(笑)
    結構楽しいですv
    リナをエル様と置き換える『漫遊記』の変換とかv
    キャラを自分の設定にと変えて置き換えて読む話というのはv
  姫:ちなみに、アメリア、リナとガウリイが両方の性別になれる。
    というのを聞いて。
    『正義の心があれば、そういうことも可能なんですね!何て素敵なんでしょう!』
    ・・・・・ですませてます(笑)
  薫:・・・・・・暴露されてしまった・・・(涙)
 エル:いい加減に、観念してこれも長編にしなさいよねv
  薫:しくしくしく・・・・。
    ま・・・まあ、それは・・・。反応・・次第・・かな?(滝汗)
    とりあえずは・・・。
  姫:そーいえば、何を考えているのか。
    漫遊記のワンダホーを打ち込んでいる最中に。
    ヴェゼンディを打ち込み始めているのよね・・・貴女はv
  薫:・・・ぎくっ!(滝汗)
 エル:ふぅぅぅぅんv
    このあたしの幼少期をまったくほっておいてねぇv
  姫:それとか、私の小説もねぇv
    アンジェ:・・・・私にいたっては、まったく手付かずなんですけどv
由香子:・・・私もよ、それはv
美知絵:あら、私もよv
  薫:だぁぁぁ!!
    なぜにここに皆さんが!?(滝汗)
    雲いきが怪しいので・・逃げます!
全員:あ!まちなさい!
 薫:それでは!
   だっしゅ!ひぇぇぇぇ!!!!




        ドッガァァァァン!!!!



       シィィィィン・・・・・・・・


2003年6月17日某日