まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

さてさて。プロローグはエル様サイドにしようか、Sサイドにしようかと悩んだ挙句。
ひとまず一巻の裏の主人公、ともいえるレゾに視点をおいてみましたv
彼がじっくりと闇に飲み込まれている模様をすこしばかりをば。
では、いっきますv

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リトル・スレイヤーズ ~プロローグ~

どうして……
「なぜっ!!!!」
叫びは血の叫びにしかならない。
先日、この村の人々は長きにわたるはやり病で苦しんでいたところ、その苦しみから解放された。
ここはかつて自分が作り出した病を流行らせた場所ではない。
あのときは、とある目的のために実験としてあの国を選んだ。
人の欲望に嫌気がさしたのも事実ではあるが、ここまでそのことを突き付けられるとは。
『ありがとうございます。赤法師様』
苦しみから解放された人々達の感謝の声が耳について離れない。
かの国も病を発現させたのち、近隣の国が各国の援助物資を横領した。
あののち、賢者の石のことをしり、できうれば他人の体ではなくて自分の体。
生まれたこの自分自身の体の目で世界をみたい。
そうおもい、賢者の石を探しているこの毎日。
たしかに先日までは人々の歓喜の声が村中に響いていたのに。
今ではそれも聞こえない。
自分が立ち去った翌日。
村は盗賊に襲われ壊滅。
生き残ったものは一人とていない。
その現実。
その前は、よかれとおもって手助けしたところ、そこの領主が効率がよくなったのならば。
と税をものすごくはねあげ、結果として人々は苦しみ、そして…餓死せざるを得なかった。
しかも、その領主が税を…というのは、その町を管理していた人物のでっちあげ。
つまりはこれまた横領。
力あるものは力なきものをねじふせてわが身の糧とする。
そんな人々を助けることにより、その感謝の気持ちがここちよかった。
自分の存在意義が認められたようで。
それなのに…この現状は何なのか。
「…私のしていることは、何なのでしょう……」
自分の目が開くことによりより多くの人々を救えるはず。
その思いにかわりはない。
ないが…こう立て続けに自分の助けた人々が不幸になるのを目の当たりにするとわからなくなってくる。
――世界はくるっている。とおもわんか?
「?誰です?…気のせい、ですか?」
ふと、声が聞こえたような気がした。
しかしこのあたりには他の生物の気配はまったくもって感じられない。
声が聞こえるはずもないのである。
最近、よくこんな幻聴がときどきある。
こんな現状に直面したときに、たびたびに。
おそらく心の中で悲鳴をあげているからに他ならないのだろう。
それでも、立ち止まってはいられない。
少しでもこのような悲劇が二度とおこらないためにも、やはり自分の目を開く必要が絶対にあるのだから。


                   -続くー

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あとがきもどき:
薫:すべてのネタバレ、ともいえるレゾの回想をばv
  ちなみに、病気を蔓延させた国、というのはいうまでもなくスレの四期のスレエボの国v
  タホーラシアの国のことですv(少しいれてみましたv
  Sの干渉でどんどんと闇に染まっているレゾの心情とひととしての正しき心のせめぎ合い。
  そんな日々の一幕です(まて
  何はともあれ、次回から本編です♪
  ではまた次回にて♪

2009年4月10日(金)某日

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