リナ達の干渉・第33話




じぃ・・・・。
外をじっと見ているエリー。
「エリーちゃん?どうしたの?」
そんなエリーに声をかけているラーディ。
「ん?別に。またナーガ、暴走させてるなぁって♪」
戦艦デュールから。
こっちに移動してきているエリーとユーリ。
いまだに両親は、戻ってきてもいないからして。
ま、あの二人は当分寝室から出てきそうもないからねぇ・・。
「・・・・暴走って・・・。」
ラーディのつぶやきに。
「どうやら、あの光線、コントロール、出来ないのに。実験兼ねて、発動させてるみたいだから♪」
それに代わって答えているのはユーリ。

・・・・ぴたり。

そんな会話に。
フィライトを着せ替え人形と化して、遊んでいたエリ達の手がとまる。
『な・・・なんですってぇぇぇぇ!!!!?』
宇宙線の形態をとっているルナのコックピット中で、全員の叫びが巻き起こってゆく。

外では。
無数に煌く光の光線。

「・・・グレイシア・・まぁた?(汗)」
ルナがぽつりともらしているが。
「まあ、こればっかりはどうにもならないだろう。ルナ。」
淡々と話しているレイス。
その横では。
「わーいv綺麗♡」
「花火vv花火vv」
喜んでいるエリーとユーリ。
・・そーいう問題?」
そんな二人に突っ込んでいるエリ。
窓の外では。
無数に煌く光線が、絶え間なく、様々なものを打ち落としている。
打ち落とすという表現は打倒ではないが。
光が当たった直後に。
煌くように爆発を起こし。
跡形もなく消え去っていっているのだから。
「ルナさん?またって?」
どこかおどおどしつつ、レックスがおずおずと、問いかける。
「うーん。前から、あのグレイシア、よく物体などを暴走させているのよ。」
「それが、無機質でも有機質でもな・・。」
なでなでなで。
フィライトの頭をなでつつ。
答えているのは、レイス。
にこ。
父親に頭をなでられて、笑っているフィライト。
「ずぅぅぅぅるぃぃぃぃぃぃ!!!!!フィライトばっかりぃぃぃぃぃ!!!!」
ふいに。
虚空から声がしたかと思うと。
「わぁぃvvきちゃった!!父様♪母様♪」
金色の髪の少女がルナ達の頭上から出現し。
ルナの首筋に抱きつく。
歳のころは、七歳程度か。
ふわふわのウェーブがかかっており。
黙っていれば、まるでどこかのお嬢様かお姫様。
『・・・・な゛!?エメロード!!!?』
ルナとレイスの声が重なる。
「あ、ねーさま、おひさしぶりですぅ!」
「ずるぅぃ!父様と母様はエメロードのものでもあるんだからね!」
「ちがうもん!フィライトの父様と母様でもあるもん!」
出現した少女と言い争いながら。
ぐいぐいと。
ルナとレイスの手を引っ張っている二人。
「・・・エメロード・・きくけど・・・・ちゃんといってきた?(汗)」
おそるおそる聞いているルナに対して。
「ううん!いってきてない!」
あ゛あ゛あ゛あ゛・・。
ルナとレイスは、なぜかその場にて頭を抱え込む。
『・・・・・誰?』
エリ、メイ、ラーディ、ゾムド、レックス、クルーガーの声が重なる。
「始めまして!ルナ母様とレイス父様の娘の一人のエメロードでぇす!」
・・・・どんがらがっしゃん
にっこりと。
首に抱きついたまま。
振り向いていっているエメロードの言葉に。
そのまま、床にと転げ付している六人の姿。
「エメロードちゃん、また世界抜け出してきてるのね♪」
「いいんじゃない?ま、こういうときだしvv人手は欲しいしねvv」
にこにこと話しているのは。
リナスとカウリスの子供であるエリアンヌとユリウス。
今は、少しでも、人出が欲しい状況だからして。
「それはそーと。姉様たちに連絡・・取れた?」
ユーリの言葉に。
「一応。でも、何で?」
きょとんとしているエリー。
・・・ちょっとしたところが母様譲りだよな・・。
エリーは・・・。
リナよりは鋭いが。
ある意味、似たり寄ったりのこのエリーとリナス。
結構、リナスの性格は、リナ譲りのものがあるからして。
どうして、長女であるサラディナ達に連絡を取るのか。
理解がよくできていない。
ふと、そんなエリーの様子に苦笑をもらしつつ。
「とりあえず、ルナ達は、エメロードちゃんたちの対応に、追われてるしvvこっちはこっちで、作業開始しないとねぇ・・。」
うなづくユーリ。
きょとんとしているエリー。
船の中は。
いきなり出現したエメロードが泣き出して。
大騒ぎになっていたりするのだが。
泣き出したら、なかなか止まらないから・あの子は・・。


一応、怒ったのはいいものの。
泣き出した娘におろおろとしているルナとレイス。
横では、ラーディが。
「涙が宝石になるとは・・面白い原理ですね。」
といって。
目をきらきらとさせて、研究材料にしていたり。
「きゃー♪宝石vv宝石vv」
といいながら。
かき集めているメイ。
これはかなり質がいいから、うったら、結構な額になるじゃないv
と、ホクホクしているのはエリ。
ルナとレイスの子供の一人。
エメロード。
彼女のお目付け役兼、補佐官のムュスランも大変よねぇ。

ルナの内部で。
ちょっとしたことが起こっている最中。



 「・・・それで?その方法っていうのは?」
イーザーが、かまわずに話しを進めようとする。
『ふっ。ウランの損失は、こちらにもどうやら困ったことになるからって。
  クラフトルイスの方から、ちょっとした装備開発の依頼があってね!おーほっほっほっ!
  二つの機体に取り付けてあるわ!ちなみに、鍵は、サミィ、イーザー、メニィ。
  あんた達の体の中にあるからね!おーほっほっほっほっ!!』
「・・・・ちょっとまてぃ!」
サミィが憤慨し。
レティシアがその台詞に驚く。
「ちょっとまってよ!クイーン!また何かこの子達に何かしたんじゃないでしょうね!」
モニターに食って掛かるレティシア。
『あら、本来持つべき機能にしているだけよ!おーほっほっほっ!』
「あたし達は道具じゃなぁぁぁぃぃぃぃい!!」
クイーンの言葉に。
サミィが絶叫を上げていた
レティシア達からは見えないが。
この通信を送っている間にも。
光の光線は、面白いことに制御不能に陥って、ランダムに継続的に乱射されていたりする。
それはそれとして細かいことなので。
「クイーン?私達の体の中にあるって?ウランさん、助けられるの?」
のめりっ。
モニターにのめり出ているメニィ。
しっかりとその手には。
未だに豆腐プリンを握っているが。
『ちっちっちっ。このクイーンさまに不可能はないのよ!おーほっほっほっ!』
「・・・あんたへの文句はあとにするとするわ。それで?その方法っていうのは?」
問いかけるサミィ。
『ふ。その後でっていうのが気に入らないけど。簡単よ。
  まず、互いの、コックピット中にある、緑のスイッチを押して御覧なさい。
  そして、そこにいつもパスワードを入れるでしょう?
  そのパスワードに。『SERVECC』と入れればいいのよ!
  そうしたら、いろいろな事項がランダムに引き出されるから。その中から必要なものを取り入れなさいな!』
モニターから流れてくるクイーンの言葉。
「・・ランダムって、その情報量・・どれくらいなのよ・・。」
じと目で。
クイーンに言っているレティシア。
『おーほっほっほっ!大丈夫よ!約六個分の銀河系に収まる程度のデータ量しかないから!』
・・・・・・・。
『まてぃぃぃぃい!!!!』
聞こえてきたクイーンの言葉に。
すかさず突っ込んでいるレティシアとサミィ。
「それじゃ、ええと。簡単に全速力で、読破して。それで、一年くらい?」
ひい、ふぅ、みぃ。
指を数え、必要な年月を数えていたりするメニィ。
「・・あんた、あとで、リナさんに頼んで。ギガスレイブとかいうのをお見舞いしてあげるわ・。」
言い放つレティシアの目は据わっている。
『あら、根性があれば大丈夫よ!』
「そういう問題じゃないでしょうが!」
突っ込んでいるのはサミィ。
『まったく・・・。わがままねぇ。それじゃ、その後に、『PUTOUT』と入れなさいな。
   そうしたら、直接に脳に信号がとどいて。理解できるから。サミィ、イーザー、メニィの三人にだけね。』
・・始めからそういえ。
かなり突っ込んでいるレティシアとサミィ。
「それでは、やってみるとしよう。」
「ええと、ぽたん、ボタンvvあ、これだぁ♪」
頭を抱えているサミィとレティシアの横で。
ドラグゥーン中で、イーザーが。
ワイバーンの中で、メニィが。
操縦席の中にある緑のボタンを押して。
そして今、クイーンのいったキーワードを入力してゆく。
『それじゃ、がんばってねぇ!おーほっほっほっ!』
ぶっ。
いきなり通信を断念される。
ヴァルキュリーの通信手段の箇所に、光球があたったからであるのだが。
むろん。
ヴァルキュリーから発射されている無数の光線が。



ピ・・。
暗号、確認。
遺伝子確認。
コード・・確認・・
ピピピピ゜ピ・・・

ヴヴン・・・・・

メニィ、サミィ、イーザーの座っている席に。
その席の取っ手に。
小さな水晶の珠が出現する。
それに何となく触れる三人。

ピピ・・・
ロックシステム・・アウト。
解除します・・ピピピピ・・・・

ヴン!!!

三人の脳の中に。
直接。
知識の渦が巻き起こってゆく。

スッ・・・・。
何か、すべてがわかっている。
・・そう。
「ブラック、アウト、オープン!ロック!」
「次元補佐、隔離確認!」
ピピピピピ・・・・
「ターゲット、ロックオン!」
レティシアもまた。
自分の席の取っ手に出現した水晶を触り。
何かすべてがわかっている。

一 時のすべての封印解除の呪が込められているその水晶を。

レティシア、メニィ。それぞれの声とともに。
そしてまた、サミィ、イーザーの声とともに。
薔薇水晶の周りに、光の華が出現する。
「光は闇に、闇は光に、無は有に還し、根源は根源にあらず、生は死に、命は命に。歪みは訂正にあらず、理を正すべし!」
無意識に、
レティシアの口からその韻響率が紡ぎだされてゆく。
「我、静寂を担当せし。」
「我、情熱を担当せし。」
「汝、天真を担当せし。」
無意識に、イーザー、サミィ、メニィから。
次なる言葉がレティシアの声の後に紡げられてゆく。
ぱぱっ。
三人が、同じ順番で。
手を動かし、韻を斬る。
そして、その直後。

『リリース!!』

同時に。
サミィ、イーザー、メニィ、レティシアが。
手をクロスさせた状態で叫ぶ。

ふっ。

ふと、束縛が解除されるその一瞬。

「保護!」
レティシアの声と同時に。
ワイバーンから腕が伸び。
一瞬切り離された薔薇水晶を。
その腕の中にと捕獲していた。

ガク。

「・・・何だ?・・こ・・これは!?」
束縛がなくなった。
「ふ・・・ふははは!!これで自由だ!」
動きを制限されていた本来の意思。
それが、自分の中から切り離された。
「・・ちっ。イブそのものももっていかれたか・・。だが・・・」
これで私は自由だ!
すでに、イブの力は、我が吸収した!
我がすべてを操り、すべてを牛耳るのだ!
「はははははははははははは!!!!!!!」
自分を自由にしなかった、自身の核。
それが紛失したのに気づき。
高笑いをあげているウラノフェン。
「これで、私を邪魔するものは。何一つない!!」
ぷわっ!!!
その闇が、一気に広がってゆく。


「よっし!捕獲終了!」
『アストル・フェイス!』
ぎゅわっ!
薔薇水晶をもぎ取ると同時に。
その瞬間。
機体の周りに闇が押し寄せてくる。
無意識に叫ぶレティシア達。
――――カッ!
闇が押し寄せるその刹那。
光につつまれて、二つの機体はその場から掻き消えていた。

ドォォォォン!!!

・・・どだん!

「い・・・いたたたたたた!!!!」
「いったぁぁぁぁぃ!!!!?」
次に空間に現れた二つの機体は。
おおきくはじけ跳び。
そのコックピット中で。
盛大に叩きつれられているレティシア達。
思わず、思いっきり、今の衝撃でこけてしまったので、腰をさすっているけども。
「ああ!!レティ、回避、回避ぃ!」
「軌道修正無限。」
『・・・え?』
『きゃぁぁぁぁぁぁをををわわぇげぇ!?』
ふと。
表をみると。
無数に向かってくる光の光線。
「回避vv回避vv」
メニィが楽しみながら、その光線のことごとくを回避してゆく。
「んきゃぁ!?」
ヴァルキュリーの放つ、無差別攻撃に。
きっしと巻き込まれているドラグゥーンとワイバーン。

イブの中からでて。
そして。
この、光の渦が巻き起こっているその中に、彼らは戻ってきたのである。

『うどわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?』
とにかく、光線を交すのに必死で。
今まで、一瞬とはいえ覚えていたことを。
一瞬解かれた封印と知識を。
ものの見事に四人が四人とも、忘れているけども。


「う・・・ううん・・。」
ワイバーンの貨物倉庫の中で。
薔薇水晶が小さな身動きを起こしていた。




「ふはははははははは!!!!!!もう、この私を止めるものはいない!!」
ぷわっ!
力に飲まれている。
ということも気づかずに。
果てしなく暴走しているウラノフェンの歪んだ人格。
もう、彼を止めていた、ウランの意識は、彼の中にはない。

このまま、星ごと、包み込んで、
すべてを自分の意のままに!!
ぷわっ!!

惑星アテナを。
ウラノフェンの闇の霧が覆ってゆく。


・・・・ふぅ。
「勘違いもここまでくると。本当に楽しいわねvv」
空を見上げていっている、黒髪のポニーテールの少女。
「確かに♡」
その力をすべて自分が制御できている。
そう思いこんでいるのがわかるから。
空を覆ってゆく、黒い霧。
あたしとユニットは、多少苦笑しつつ空を見上げてゆく。
「・・え!?結界がきかない!?(汗)」
なぜか。
プラチナ達が、その霧をみて。
悲鳴を上げていたりするけども。

この惑星は。
プラチナ達の聖なる祈りによって。
邪なものは、入れないように結界が施されているからして。
しかし。
今の、ウラノフェンは、邪・・というか。
ある意味、純粋そのものだから。
そして。
イブの能力をその意識にコピーしている今の彼には、こんなことはたやすいこと。


「さってと♪いつ、崩れ始めるかしらねvv」
「そうね♪」
ふふふ♪
核がなくて、いつまで保てるかしらねvv
それに気づいたら。
それからが楽しいけどねvv


「何のんびりとはなしてるんですかぁ!?」
アーリィがなぜか悲鳴をあげてくる。
「・・・ま、どうにかなりますよ。何しろ、ここには、エル様とすみれちゃんがいますし。」
「・・・・どういう意味かしらぁ?アメリア♡」
「そうそうvv」 
「だって、お二方、無敵じゃないですか!」 
きっぱり。
言い切っているアメリア。
あたし達の言葉にひるむことなく。
きっぱりと言い放つアメリアだし。
かなりいい性格してきたわねぇ・・・。
この子も・・・・。
『・・・・ま、いっか♪』
くすくすくす。
さて、これからが本番なのよvv
楽しませてねvv

                            -続くー


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 エル:さて♪何人が、このエメロード♪
     覚えているでしょうか♪
   姫:何しろ、一部の約束、21話と22話に出てきたキャラだしねぇ。
  エル:ま、こいつの文才のなさと、時間がかかりすぎているから、
     こういう結果になるのよねvv
   薫:しくしくしくしく・・・。
 
     いじめられ・・もとい。
     くどくどと・・ととじゃない。
     誠意あるお祝いの言葉をいただきながら・・。
     あとがきにいくのです・・・。
  エル&姫:ほぉぉぉぉぅ♡
  薫:ひぎゃ!?そのロッドと、え・・エル様!?
     そのスコップはぁぁあ!?



    ぎ・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!


    シィィィン・・・・・。


 あとがき:
    エル:はい♪というわけで、あとがきよ♪
     姫:今回は、私とエルとでお送りします♪
    エル:レティシアの封印。
       それは、その根本的に、レティシアも監視者としての素質があり。
     姫:ついでにいえば、クラフトルイス達よりも、力大きいしvv
    エル:今は、人間としてまだ修行している最中なので。
       大概というか、二人がクラフトとエミーリアが、
       封印しているのよねぇ♪
     姫:あと、サミィ、イーザー、メニィに関しては。
       もともと、監視者の一族のメンバーとして。
       あの二人が創り出しているからvv
       その封印を一時的に解いただけvv
    エル:ま、本人たち。そんなこと全然しらないけどねvv
     姫:実際。
       ウランを助けたその後は。
       自分達が何をやったか。
       まったくといっていいほどに。
       覚えてもいません!
       ただ、ウランを切り離して助けた。
       という事実しか分からなくなってます♪
    エル:・・・さぁぁぁて、ようやく、ウラノフェンの暴走のさわりまで。
       こいついったし・・・。
     姫:そうねぇ。
       あと、私達にあっさりと負けた彼が。
       力をもとめて、オブジェと融合して・・と♪
    エル:そして、ようやく、メシアとオーボスの登場よねぇ♪
     姫:まったく(はあと)
       とっとと打ち込めばいいのにねvv
    エル:そうよねぇ♪
       ま、それは、とりあえず、何か逃げたのか形になってない。
       物質の形態もしていない、ミクロの物体でも捕まえて。
     姫:じっくりと説得しておきましょぅ♪
  エル&姫:それでは、また♪


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