リナ達の干渉・第八話


「誰?」
少女が、自分の前に現れた男性に向かっていう。
少女は黒い髪に赤い瞳。
はっきりいって、髪の色を除けば。
ルナのよく使っている人間形態の姿とまったく一緒である少女。
・・まあ、当然なのだが・・・・。
少女は、生まれてまだ千年。
ルナとSの意見で。
この星―キュナリシスで、人間として今回は転生しているのだが。
「ふむ・・。どうやら、魔力波動からして、間違いがないようですね・・。」
「え?」
少女が聞き返すと同じに。
男が、懐から、とある銃のような装置を取り出して。

ばしゅぅぅぅぅ!!!!!

一瞬の出来事。

少女・・・フィライトは、姿が掻き消える。
成功だな。
まあ、この私が開発したのに、狂いはない・・・・。
これで・・・ふふふ・・・・・。
そんなことを思いながら。
男―オブシディアンは、切り札を手に入れて。
そして、目的地の星へと進んでゆく。

オブシディアンが開発した、この装置は、『精神体捕獲装置』である。
どんな生命にも、魂といえる精神身体はある。
そこに目をつけたオブシディアン。
そして、それを使い。
ネットワークと自力の研究結果を用い。
可能性がある存在を片っ端から、捉えている彼。
その中には、なぜか覚醒してないとはいえ、
他の世界の監視者が休暇で転生してたやつもいるのだが・・・・。
・・たかが、あいつごときにすんなり捕まるとは・・・・・。
お灸が必要ね♡

そして、捉えた精神から様々な情報を特殊な機械に読み取ってゆく。
こいつが開発した装置は、捕らえた存在の力を自在に扱えるというもの。
始めは、精霊なんかを実験で捉えてたりしたよーだが。

そして、オブシディアンは、手首の装置をカチャカチャといじってあることを確かめる。
とあるボタンを押すと―。
ヴヴン!!
今、捉えた少女―フィライトの気絶している姿が立体映像がよろしく浮かび上がる。

「・・よし・・。これで、『あれ』も私には逆らえないはずだ・・・。ふふふ・・・・。」
不気味なほどに笑いながら。

彼の研究の中で、一つ興味を引くものがあった。
すなわち―。
惑星ヴァルハラで見つけた一つの文書。
そこから、オブシディアンは、一つの結論を導き出した。

すなわち―・・・・・・・・。

光の存在を統べている『赤の竜神(フレアドラゴン)』
闇の存在を統べている『赤瞳の魔王(ルビーアイ)』
この二つの属性をもつ、子供がいるのでは、ないかという事実を―。

そして、オブシディアンは、切り札ともいえる、一番下、最近生まれたばかりの、Sとルナの子供―
フィライトを捕獲するのに成功したのだ。


「くぅ!!!!!」
男の悲痛ともいえるうめきが巻き起こる。
「おやおや?この私に協力しないと、彼女がどうなっても知りませんよ?」
目的の場所にて、それを見つけたオブシディアン。
・・なんでか、Sは、まだ完全に力がふるえてないよーだけど・・・・。
別に、ユニットが、無理やり、あっちの世界に連れてって、あっちの歪みを直さしてみただけのことで・・・・・。
ユニットの、
「Sにやらせたら面白いかも♪」
という意見で、ちょっと、あたしとユニットで、無理やりにSを引きずってユニットの世界に行ったのだが・・・・・。
・・そりゃ、Sには何にも対策練らなかったから、すんなり消滅しかけてたりしたけど♪
根性で、なんとか消滅はかつがつ逃れていたS。
それでも、何回かは、ほんとーに、完全消滅してたけど・・・・。
・・・・情けない・・・・。
そんな理由で、Sの部下は、必死に負の感情を集める為に人間の組織の中に入り込んだり。
またまた宇宙船形態になり、どこかのどーでもいいやつの精神を吸収していたりと。
いろいろとやっているのだが。
生命の細胞の中のようなその場所で。
オブシディアンが、Sを目ざめさせ。
そして、見せ付ける立体映像。

「――っっっ!!!!!フィライト!!!!!」
あせりの感情がSからあふれ出ている。
んー♪
けっこういい味だしてるじゃない♪
Sにしては♡
Sの目前にて、人質にとられているのは、紛れもなく、Sとルナの末娘であるフィライトの姿。


「・・レイス?」
ふと、ルナがSの叫びを捉えたようだ。
そして、精神を集中させ始める。

・・・・ルナ・・・・。
・・・・・・・・フィライトが・・・・捕まった・・・・・・。

ルナにその言葉が届く。
「――!!!!!!!!!!!!!!」
ルナの叫びがブリッジに響き渡る。

「ルナ?」
怪訝そうな表情のエリ。
そんなルナをどうしたのかと、ラーディたちが見ているけど。

「ああ♪そーいえば、オブシディアンが、捕獲してたみたいねぇ♡」
「・・まがりなりにも、ルナ姉ちゃんとSの力を受け継いでいるのに・・・。」
あたしとリナの声がハモル。
「・・・もしかして、また、ルナさんとレイスさんの子供がいるんですか?(汗)」
そんなリナにアメリアが聞いているが。
今、ルナの船体とドッキングして、進んでいるリナ達。
「・・お゛い゛・・・・。(滝汗)」
ゼルがなぜか汗をかいているよーだが。
「?一体?」
首をかしげているそのほかの人々。
「それはねぇ♡」

しばしの静寂の後。

ばったあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!!!!!!!!

リナとあたしが経過を説明すると、なぜか全員が気絶しているし・・・・・・・。


「くぅ・・・。分かった・・・・。分かったから、フィライトには危害を加えないでくれ・・・・。」
Sが折れる。
・・お゛い・・・・。
魔王が、あさりと敗北すな!!
「では、私のいうことを聞いていただけますか?」
「う・・・。お前は、人間のくせして、魔族よりたちが悪いようだな・・・。」
Sの皮肉にもにたその台詞に。
「おや♡これは、単なる保険にすぎませんよ♡私の目的を達成させるためのね♡」
そして、おもむろに。
「まあ、でも、仮にも彼方は、魔族の王♡どんな手を使われるかは分かりませんから♡もう一つの保険です♡」
いうなり、Sに銃をむけ撃ち放つ。
ばしゅ!!!!
Sの半分の精神身体が捕獲装置の中へとあっさりと回収されている。
・・・・・・・あんたねぇ~・・・・・・・
「ふむ・・。どうやら、監視者といった存在は、魔王よりも力が上なのですね・・・。」
二人の監視者を取り入れているその装置は、彼らの力を上乗せして。
そして、魔王や神程度では、どうにも太刀打ちができない代物へと新化しているのだ。
・・へぇ・・・・。
こいつ、人間にしては、やるわねぇ♡
そこまで、頭が回るなんてねぇ♡

そして、オブイディアンは、Sを捕獲して。
表向きは、『赤の瞳の魔王(ルビーアイ)シャブラニグ゛トゥ』の船体のマスターとして。

情けなくも、人間にいいように扱われているS・・・・。

・・あのねぇ・・・・。
いくら親ばかだからって・・・・

・・ま、あとで、しっかりとお仕置き決定ね♪
これは♪

「さて・・・・・。と。
次の目的地は、文献にあったあの場所ですね・・・・・。」
すこぶる上機嫌に。
オブシディアンは、火竜王(フレアロード)バールウィンが管理している旅行ゲートがある地点へと向かっていった。


「・・・・・・っ!!!!レイス!!!!!!!!」
ルナがSが捕らえられたことに気がつく。
「・・・な゛!?一体、何が起こったんですか!?」
むちゃくちゃ狼狽してたりするルナ。
・・こらこら♡
取り乱してどうするのよ♪
『まあ、面白いことの始まりよね♪』
あたしとリナの台詞に。
「そんな・・・・。フィライト・・レイス・・無事でいて・・・・。」
ルナの祈りが心から行われているようだし。

・・なぜか、他の全員は、まだ気絶してままだったりするのだが・・・・・・・。


○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●  ○●


惑星―トリフュル。
そこに彼女達はやってきている。
「おーほっほっほっ!!」
聞こえてくる笑い声に二人は、顔をしかめているが。

数日前。
「まったく・・・・。なんで、うちの会社は、まだ無料キャンペーンなんてやってるのよ・・・・。」
ぶつくさと見た目には、十八・九歳。
あざやかな金髪(ブロンド)の髪をかきむしりながら。
ぶつぶつぶつぶつと文句を言っている彼女。
「しかたないだろう?サミィ?会社は、会社名を広めるためにと下した決定なんだから・・」
無表情ともいえる表情だが、
最近は、すこしだけ、表情の変化をサミィは見て取っている。
サミィに語りかけた男性は、銀の髪を腰まで伸ばし。
両目の色が金と青と異なっている。
「わかってるわよ!!イーザー!!どーせ、あの社長のことだから!!
  クロフト社にいわれるままの使いっぱしりなんだし!!!!」
・・普通なら、自分達の社長をこんなに言ってもいいのか・・?
と突っ込むのだろうが・・・・。
かなり、感情がサミィの方が発達してきてるわね♪
「しかし、決定は、決定だ。サミィ・・。」
はぅ・・・・。
小さくため息をついて。
「はいはい・・・。じゃあ、面白くもない、依頼をさっさと終わらせましょう。」
半ばあきらめたその表情。
彼女達は、いくらいやでもクロフト社に協力しないと、生きていかれない。
そう思いこんでいる。いや、思わされている。
まあ、他の生体兵器(バイオウェポン)なら、そうなのだが。
たとえばイージス達とかがいい例である。
サミィ達、三人―メニィ・サミィ・イーザーは、すこし異なっている。
始めに実験として創れた彼らだが、
その実験の材料として、組織や原子&分子を提供したのは、他でもないクラフトとエミーリア。
実験に携わっていた研究員たちも知らない事実。
そして、それを実行し、統括し成功へと導いたナーガにしか、その事実は知らされていない。
つまり、この三人に関しては、使われている体の組織が―クラフトとエミーリアの一部なのである。
要約すると―混沌の力をもつクラフトと神魔の王の力をもつエミーリア。
あの二人が、自分達の手助けをさせるために実験と称して、孫であるランドルフに命令して、誕生させた生命体―。
それが、彼ら三人である。
そして、それにレティシアのもっているここでの魂の創造という力も加わり。
自我が発生して完全体へとなっているサミィ達。
そして、会社から定期的に与えられている薬物は。
そんな力を制御するためのものなのである。
実のところ。
だが、彼ら三人は、そうとは知らない。
いや、事実を知っているのは、シェリフスターズ社長であるティモシーと、そしてナーガのみ。
ティモシーの父親は、その事実を知らない。
だから、サミィ達は、自分達が作られた命と自覚しているので。
命をつなげるにはクロフトから投与される薬がないと生きていかれない。
そう頭に叩き込まれているからには、彼女達は、クロフト社に協力するよりに術がなかった。
「まったく・・・・。なんで、こんな依頼を受けたのかしら・・・・。」
ぶつくさとサミィはいいながら。
「はぅ・・・。シェリフスターカンパニーキャンペーン二課!!モーニングスター!!発進します!!」
恒星間宇宙船(スターシップ)を発進させる。
サミィ=マリオン。
イーザー=マリオン。
これがこの船の乗員兼乗組員である。

そして、依頼は・・・。
サミィの予想したとおりの、ろくでもないものだったことは述べておきましょう(はあと)

「あ゛~・・・。子供の喧嘩は疲れた・・・・。」
ブリッジでサミィが愚痴をこぼしている。
「サミィ、子供というが、我々も似たよーなものだ。実質年齢からすると。」
的をつきまくっているイーザーの台詞。
サミィとイーザーが向かったその先では、星同士のいざこざが耐えない。
というので、それの原因究明だったのだが(笑)
まあ、その原因というのが、まるで子供の喧嘩(はあと)
『あっちが気に入らないから。』
『あっちが喧嘩を仕掛けてきているから。』
「そんな理由で喧嘩なんかすなぁぁぁぁぁ!!!!!!」
サミィの絶叫が宇宙に響き渡ったが。
らちがあかないその二つの星。
でも、国民は、そんな理由も分かっている。
というか、すでに決まった時間になると攻撃がくりかえされるその現状。
慣れきっているというのが実情であった。
とりあえず、解決はした。
いや、したといえるのか。
星の間を結んでいた直結の通路をサミィ達が発見し、その封印を解いたのである。
それにより、誰でも、自由に星間を自在に行き来ができることになったのだ。
その星は、二つの連係星。
かつての科学者が、星を移動する装置を開発していたらしいが。
それが封印されていた理由というのもくだらない理由。
『アルトのわからずや!!』『バリトーネのとうへんぼく!!』
『よってこの場所は封印する。』
その言葉を装置に見つけたサミィは思わずよろけてしまっていたが(笑)
「まあ、これで、星の間を自由に行き来ができるようになったのだ。いざこざも少しはなくなるかもしれない。」
・・そーだろうか?
サミィの頭をそんな疑問が巻き起こる。

『やぁ。調子はどうだい?いい天気だねぇ・・・。』
そんなとき、入った通信。
外は虚空である。
サミィがいるのはモーニングスターのメイングルーム。
外は深遠の宇宙空間が広がるのみなのに。
なんともピントのぶれたその台詞。
「・・なんですか?社長・・・・。」
疲れた口調でいうサミィの表情は、どこかあきらめの様子。
『いやぁ・・・・。こんど、ちょっとした事件の解決参加が、求められてねぇ・・。
  とりあえず、惑星―トリフュルに向かってくれないかい?』
内容は一切言わずに、それだけの言葉。
声の主は、彼女達の社長にあたるティモシー=マイスター。
「?依頼の内容は?」
イーザーが聞き返す。
『いってもらえば、分かるよ。あ、そうそう、これは、両チームの合同作戦になるだろーから。』
その通信にピクリとサミィの表情が動いた。

・・あ・・あの豆腐娘と冷血女と一緒ぉぉぉぉ!!!????

そして。
サミィ達は、言われるままに。
ここ、惑星トリュフルへとたどり着いているのである。

そして、サミィにとって、あまり聞きたくない声が聞こえてきたのは。
まさにそのときだった。
側で、露骨に顔をしかめているレティシアの表情もサミィは見て取っていたが。
・・・やっぱりレティシアも彼女はいやなんだ・・・・。
なんとなく親近感をもっているサミィ。

「おーほっほっほっほっほっ!!!!!!ようこそ!!この私の王国へ!!!!おーほっほっほっほっ!!」

『あう゛・・・・・・・・。』
見ごとなまでに、レティシアとサミィのため息が一致してるしv

「お豆腐♪お豆腐♪」
レティシアの横では、袋豆腐を食べているメニィの姿があるが。

シェリフスターズ、キャンペーン課。
一課・二課・そして装備課の主任・・・・。
なんとも面白いメンバーが、ここ惑星トリュフルに勢ぞろいしたのである。


んっふふふふふ♪
さーて、面白いことが始まるのね♪


                                       -続くー


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まえがき:

こんにちわ♪
リナ達の干渉、第八話なのです♪
今回は、Sがやっぱり哀れなり(笑)
でも、ルナも哀れといえるのかなぁ?だって、○供が・・・・!!?←爆!!
では♪

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あとがき:

かお:・・・・。・・ここまでしか、いかなかったか・・・・・・。
 姫:私が全然出てない・・・・・・。
かお:うぐっ!!!!まあ、次では・・・・多分・・・・・(汗)
エル:あたしも活躍してないし・・・・・・。
かお:あぅぅぅぅぅ!!!!!
エル:でも、ここ、トリュフルでのレティたちの会話に話でしょ?
    オブシディアンがDを捕まえる話でしょ?
 姫:そして、ウラノフェンと共同戦線はる話でしょ?
   そして、あろうことか、ナーガに一目ぼれしてるあいつでしょ♡
かお:・・・しくしく・・・。いったい、いつになるのやら・・・・(涙)
エル:まあ、死んだ気になって頑張りなさい♪
 姫:私も活躍してくれないと♪暴れちゃう♪
かお:うひぃぃぃぃ!!!!暴れながらいわないでぇぇぇぇ!!!!
エル:それじゃあ♪なんでか、逃げまくっているこいつはほっといて♪
 姫:じゃあ、またね♪
エル&姫:さーてと♪鬱憤晴らしにっと♡
かお:い・・・・いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
後には、ただ闇の空間が広がって行く・・・・・・・・・・。


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