まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
                  正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
                 正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
                   正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
                『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
            別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
        
         


 
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こんにちわ♪
  ふふ、人様の書く小説って・・続きが楽しみですよねv
  いや・・・・ダークと分かっていても・・続きが・・。
  ああ!気になるぅぅぅ!(まてこら!)
  ま、まさか、私の小説でそんな思いに刈られる人はいないだろう(確信!)
  (だって、んな文章下手の駄文だし・・汗)
  しかし、本日、とうとう二月も終わり!
  でぇぇぇぇぇ!?
  間に合わなかったぁ!?
  そーいえば、今年・・というか、二月は28日までしかないんだったぁ!
  ・・・普通に30や31日まである算段してたよ・・あはは(汗)
  ・・・・・早おきしないと・・・やばいか?(汗)
  ま、何はともあれv(だからまて!)
  ついに、ついぃぃぃぃぃぃぃぃぃに!
  エピローグですぅぅぅぅぅぅぅぅ!
  こんな救いのない、意味の話しにお付き合いいただきました
  皆様!!
  まことにありがとうございますぅぅぅ!
  ルナティック:・・・それで?
         まさか・・リナ様をこのままにしておくんじゃないでしょうねぇぇぇ!
  薫:あああああああああああ!
    怒り狂ってるぅぅう!!(滝汗)
    大丈夫です!(何が!?)
    二部の闇の行方では・・・・・そのうちぃぃぃぃぃぃに、
    ハッピーですのでvだって、リナスがいるでしょう!?(だからまて!)
 ルナ:んふふふふふふふふ・・・。
  薫:・・あ・・あの、そのにこやかにわらいつつ、
    その手にもっているものは・・・・(汗)
 ルナ:さあ、何でしょうかねぇ?(はあと)
  薫:ま・・・まって!
    ぎ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
後には、鉄さびの匂いが充満してゆく・・・・。



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エデンの園  ~第エピローグ話~

この地、一体を守護していた、水竜王が滅んだ。
   だが、水竜王が滅びし瀬戸際に。
   復活した魔王もまた、氷の結界に閉ざされた。
   ―人々は、そう、最後の水竜王の神託によって。
   それを知りえたのである。
   その後、いづこかからか、出現した、
   とある人間により、
   魔族の動きは、沈着化した。
   その人間を、生き残った、竜達などは、こう呼ぶ。
   『赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)』と。
   伝説では、5千年の昔。
   赤瞳の魔王と眠れる竜の大陸で決戦し。 
   自らも、分身である四人の部下を残して、
   混沌に沈んだという、伝説の竜神。
   その力を受け継ぎしもの。
   残された人々は、この疲弊し、瓦礫と化したのこの地の中で。
   新たな道を歩み、復興の道を歩み始める。
 この戦いで一度は滅ぼされたとある国は。
   生き残った王女の手により、新たに国が最高され。
   ようやく、このたびの戦いが。
   魔の介入によるものだと気付いた人々は。
   すでに取り返しのつかない過ちをしていたことを悟り。
   何しろ、魔に踊らされて、戦いを勃発したのは・・。
   他でもない人間達。
   この地は、砂漠、海、カタート、島。
   この四点の結界拠点により、完全に閉ざされた。
   かつては、ミュイ砂漠と呼ばれていたその地は。
   瘴気渦巻く、滅びの砂漠とナリハテ。
   海の幸などが多々と取れ、恵みの海とまで言われていた、
   その場所は。
   瘴気や闇の生き物が勃発する、魔の海とナリハテ・・。
   緑の楽園と呼ばれていた、とある島は。
   群狼の島と呼ばれ。
   そして、カタート山脈の北、万年雪に覆われて、
   白い地と呼ばれていた場所は。
   すでに、人や生き物が入れる場所ではなくなり。
   北の拠点。
   と呼ばれ。
   それぞれに、冥王、海王、獣王、覇王。
   魔王の腹心の部下達がこの地に、結界を張った結果は。
   水竜王が滅んだことにより、
   この地に、他の竜王達の力を受け付けさせなくなっていた。

   ―曰く、この地では、もう、他の竜王の、力を借りた、
     術が使えなくなったのである。
   

   そんな魔や闇の生き物が闊歩する土地柄でも。
   スィーフィードナイトの活躍により、
   一時、成りを潜めたその時期に。
   この地は、復興を開始した。

 

 

   滅びの砂漠の近くに位置し。
   カタート山脈・・かつての、水竜王が守護する、霊山。
   その端に位置する土地では。
   とある国が再興した。

   ―ゼフィーリア。
   そこは、永遠の女王(エターナルクイーン)を軸に。
   一番早く、この地で復興を果たした国―・・・。
 

 

 

   「ルナ様。」
   一夜のうちに、王城を創りあげ。
   こんな殺伐とした世の中である。
   さして、疑問視するなど・・人々に余裕があるわけでなく。
   ドレスに身を纏い、一礼してくる女性に。
   「あ、セレーネ。とりあえず、この地。
     しばらく、もう下地は出来てるから・・。」
   そういって、すっと手をかざすと。
   土地に、翼を広げ、空にと舞い上がる、
   二匹の竜の文様が浮かび上がる。
   一筋の光にまるでしたがって昇るように。
   刹那。
   カッ!
   精神世界面において、この地は。
   光に包まれ。
   一切の魔の干渉を受け付けなくなっていた。
   聖なる・・結界。
   光の竜神による、光の結界。
   強い力を持つものならば、入ることは可能でも。
   まず、この弱体化している現状で。
   無理にこの場所に入ってくるものなどいるはずもなく。
   邪な邪念を抱く存在もまた、この地には入れなくなっていた。
   「これで、しばらくは安定するわ。
     それまでに・・・国の基礎を固めなさい。」
   淡々と命令しているのは。
   紫がかった青い髪の女性。
   「分かりました。それで・・。」
   「もちろん、あなたには、血筋を残すために。
     相手がなくても子をなし、この国を創っていってもらうわ。
      ・・まあ、相手を作ってもいいけど・・。」
   「いえ、それでいいです。」
   単性出産。
   それは、俗にいう、遺伝子がそのまま、
   子供に受け継がれ、いわゆるコピー的な存在。
   「基礎は、あなた。私のところでの呼び名は・・。
     暁の女神、セレーネ。
      ここでの、人間界での、名前は。
       代々、『永遠の女王』を冠すること。」
   「分かりました。赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード・・。
     ・・・いえ、『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
      ルナティック=スィーフィード様。」
    自分達を作り出した、目の前の存在。
    自分達を作り出したのは、ここの、暁の竜神としてではなく。
    彼女の本質である、『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
    として彼女達を作り出したのが分かっているから。
    その、銀色の髪をなびかせて。
    彼女・・この地で、初の女王。
    セレーネ=ブルムーン=シルバー=ドナ=ゼフィーリア。
    初代、ゼフィーリア女王の誕生であった。
 

 

 

 

 

   やがて、時は・・・ゆるやかに過ぎ去ってゆく。

 

 

 

 

   まず、目をつけたのは。
   彼女がこの地を作り出したときに、生み出した生命。
   その子孫である、二人の夫婦。
   この地に根付いているものの、
   その一族は、他の土地を見回ることも義務付けて作り出していたがゆえに。
   そのまま、その楔は受け継がれている。
   

   「なあ、セシル、まってくれよぉ!」
   「勝手にしてください。」
   旅の最中で出会ったこの二人。
   セシル=ドナ=インバース。
   インバース家の長女に当たる。
   対するは、マルス=ヴェルズ=ラファエル。
   セシルに一目ぼれして、そのまま、くっついて、互いに旅をしている、
   旅の仲間。
   この二人なら・・・・。
   長い旅の果てに。
   「好きだ!結婚してくれ!」
   ストレートに、約一年間、続けてプロボーズした甲斐があり。
   めでたく結婚した、この二人の新たな夫婦。
   だが、セシルは、一人娘であるがゆえに。
   マルスは、婿養子という形で、インバース一族に加わった。
 

 

   この二人の血と、力ならば。
   自分が誕生しても、さして問題はない。
   この一族の別な特製として、数代に一度。
   赤の竜神の力を宿しているという、女性を授かる。
   そういった特製をも持っている。
   それゆえに、この一族は、他の人とはかけ離れた、
   力などを持っているのだが。

   この地、ゼフィーリア。
   ここ、千年・・いや、性格には、5千年。
   ずっと、強大な力に保護されてるせいか。
   やたらと、屈強な存在が誕生している。
   そんな土地だから。
   まず安心できる。

 

 

 

   同じく、別の場所で誕生した、とある魂。
   ・・・だから。
   『―汝たちの血の中に・・我、復活せん。―』
 

 

   『・・・・・え?』

 

   セシルとマルス。
   その二人を両親に選び・・。
   ルナは、再び、人として、この地に生を受けて行く。

 

 

   「い・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
   生まれた、妹・・・その精神の中に。
   怖れていた事態が判明するのは。
   ルナが誕生してから四年後のこと。

 

 

 

   

   人としての転生の輪の中で。
   新たな生を待っていた一つの魂。
   強く、輝くその魂に。
   ちょうど、事故により、命を落とした人間がもっていた、
   とある欠片が・・目をつけた。  
   力ある心の中に封印されているそれは。
   この5千年の間に多少の力を取り戻し。
   自らが、その封印対象者を選ぶまでにと、
   その力を取り戻していたがゆえに。
 

 

   ――これは・・このものの中には・・・譲れない、
     もろい部分があるな・・これは・・利用できるな・・。
 

 

   魂の奥深くに。
   強い輝きの中に、不安定な部分。
   何かを恐れるその感情。
   その感情を読み取り・・・その読み取った姿形を、
   形だけでも取り、その魂の中に進入すると。

 

 

   ・・・・・・・・・あっさりと、その魂の、深遠の奥底深く。
   その部分にそれは・・侵入を果たしたのである。
 

 

 

   何よりも怖れていた。
   彼を失うことを。
   弱くもろいその部分に。
   姿だけでも、『彼』と同じ姿と気配のものが、近づいて。
   ・・・どうして拒むことができるだろう。
   ・・・無意識のうちに、それを。
   自らの力の一部として。
   完全に彼女は・・・取り込んでしまったのである。

 

 

 

   ゆっくりと、時間をかけて。
   もう、彼女が誕生しても、さしてさわりのないように。
   周りはしっかりと固められている。
   だが・・。
   「どうして、Sがリナ様の中にいるのよぉぉぉぉぉぉぉ!」
   うまれてきた、最も大切な存在。
   彼女にとっては、ずっと見守っていた、大切な存在。
   『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
   リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア。
   その、転生体―。
   その中に、かつて、自分が人の心に封印したはずの。
   この地の魔王、赤の瞳の魔王がいるとなれば。
   話しは違ってくる。
    

 

 

   『どきなさい!!!!ルナ!!!』
   誕生する直前のことであった。
   それが、彼女―リナの中に侵入を果たし、リナが受け入れてしまったのは。
   それほどまでに無意識の領域で。
   リナは・・彼、ガウリイを求めていたのだ。
   だから・・・受け入れてしまった。
   ・・・・違うと分かっていながらでも。
   ルナの悲鳴とともに。
   その場に、いきなり、すざましい金色の光が満ち溢れ。
   神々しいまでの金の光に包まれた、一人の絶世の美女が出現する。
   いきなりのことで戸惑う、ルナの両親、
   セシルとマルス。
 

 

   『・・・駄目だわ・・・・・無理に・・・・。
     取り去ろうとすると・・リナの精神が・・。』
 

 

   まがい物だとわかっていても。
   ―失うことを怖れている。
   このまま、無理やり取り去ると・・。
   完全にもろくなったリナの精神は・・・・崩壊するのが見てとれた。
 

 

 

 

   『・・・ルナ、これは、あの者が、側で・。
     リナが本人を受け入れて、自らSを排除するしか・・手がないわよ?』
   顔をしかめ、悲しそうにいうその言葉に。
   「・・・・・・・・・・・・・わかり・・・ました・・。」
   まさか、こんなことになろうとは。
   だからといって、下手に手を出せば・・。
   リナが崩壊・・消滅してしまう。
   

 

   「ルナ?どういうことなの?
     いえ、スィーフィード様?」
   ルナの正体を知っている、セシルが。
   そんな二人のやり取りをみて、質問をベットの上から、
   浴びせかけてゆく・・・。

 

 

 

 

  

 

 

   気がついたときには。
   いつも、命が狙われていた。
   漠然と生まれたばかりだとわかるというのに。
   そんな自分に向かってくる刃。
   それが毎日続いていけば・・。
   「・・・メリル、母の元にガウリイを連れて・・。」
   「・・あなた・・・・。」
   産まれたばかりの我が子。
   それが、男児だったことから。
   一族の視線が冷たい。
   大恋愛の末の結婚。
   だが、それが・・相手が異種族・・エルフだからという理由で。
   一族の中では、認められていなかった。
   エルフの血が入っている子供など、この、一族の長には向かない。
   そんな親族たちが、産まれたばかりの彼の命を。
   狙っているのである。
   そして・・・その母親であるエルフのメリルにも。
   いや、一番の理由は、他にあった。
   過去、この一族の基礎を気付いた先祖が言い残した家訓の一つに。
   『―いずれ、また、エルフと儂の血縁の中から結びつく者達が、
     現われる、その息子が金色の髪に碧い瞳をしている場合。
      たとえ、誰が何といおうと、我が一族に伝わる、
       光の剣の伝承者とさせること―』
   そう、古から、言い伝えられているのである。
   いくら、先祖の遺言とはいえ。
   こんな異なる血が混じった子供に、家宝は渡せない。
   そう考えた大人たちが、その母と子供に刺客を送り向けるのは。
   富と名誉、そして、羨望眼差しに捕らわれている一族達。
   「・・・あなたも・・気をつけて・・。」
   「ああ。」
   幼い我が子を連れ。
   そっと、ダミーの剣を用意して。
   本物をその我が子に託す。
   

 

 

   いつも、刺客に襲われていた。
   殺伐としてゆく心の慰めもなく。
   「・・・・・ガウリイ、いいものみせたげようか?」
   そんな孫を見かねて、連れてゆく、とある場所。
  

   エルフの聖域となっているその神殿の手前に

 

   「―これが、私達の先祖、ラウリィ=ガブリエフと。
     この島と私達の先祖の救世主。  
      ・・・リナ=インバースの像よ。」
   そうみせられたその像は。
   まだ子供である先祖の姿と、小柄な少女の姿を模した像。
   「ご先祖様の言い伝え。
     やがてうまれる金色の髪に碧い瞳の子孫は。
      このものと出会うであろう、運命の絆によって。」
   そういって、隣にいる、まだ五歳にも満たない少年を見る。
   「・・・運命の出会い?」
   「―そう、きっと、ガウリイ、この人が。
     あなたの心の闇を晴らしてくれるわ。」
   「・・・・・・・・・・この人物に・・・会えるかな?」
   「ええ、きっと・・・。」
 

 

 

   彼―ガウリイ=ガブリエフが、七歳になる当時。
   ・・・・父親が、暗殺者の手によって死亡した。
   古からの言葉どおり、彼が、名実上、
   この一族に伝わる伝説の剣の継承者に選ばれたのは。
   その当時。
   だが、光の剣を巡り、争いが絶えず。
   それでも、刺客や一族に命を狙われつつも、
   どうにか、精神を保っていたのは、
   祖母の存在。
   その祖母が・・・よもや、ガウリイを庇って、
   毒殺されるなどとは。

 

 

   ガウリイ=ガブリエフ。
   十の春。
   彼は、光の剣をもって、家を飛び出した。

 

 

 

 

   「ねーちぁぁぁぁゃん!こんなのしぬぅぅぅ!」
   泣き叫んでいる栗色の髪の幼い少女。
   「これも、リナのためよvさ、頑張って、昇ってきなさいねv
     あ、そうね、制限時間は、約十分v」
   「んなぁぁぁぁ!」
   どごっ!
   「ひぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
   ヒュルル・・・・。
   高い、断崖絶壁の頂上から、その下に向かって突き落とされる。
   「大丈夫。しっかり鍛えてさえおけば!
     Sになんか負けずにそのうちにガウリイに出会うはず!」
   一人、そんな大切な妹を眼下にみつつ、ガッツポーズをとっているのは、
   紫がかった青い髪に紅の瞳の少女。
   歳のころは、八歳程度。
   対して、今、少女が崖下に突き落とした少女は、
   まだどうみても四歳程度の女の子。
   魂の奥底にすでに安定して、この世界の魔王の欠片が。
   いるのは分かっている。
   覚醒しないように、一応、彼女と、そして、彼女の創造主の力で。
   封印を二重に施したものの。
   やはり、保険は大切なわけで。
   結果として、たどり着いた答えが―。
   少女―リナを鍛える。
   というものであった。
   死の極限に追い込まれればその潜在意識が覚醒する可能性もある。
   魂を形勢している自我に影響がない『死』であれば。
   それを死なせないようにすればいいだけのこと。
   影響がない死であれば、いくらでも蘇生は可能であるがゆえに。
   

 

 

 

    ヒュルルル・・・・。
    「ん?」
    ヒュウウウ・・・・。
    どでっ!!!!
    「うわっ!?」
    何かが落ちてくる音。
    ふと、見上げれば、崖の上から何かが落ちてくる。
    太陽の光が逆光となり、あまりよく見えない。
    目を細めたその刹那。
    ・・・・ベシャ!
    直に、下を通っていた少年の上に。
    崖の上から落ちてきた、何か柔らかな小さな物体がぶつかってくる。
 

    「いててて・・・。」
    いきなりのことで思わず地面に倒れ付す。
    「・・・・あれ?いたくない?
      ああああ!はやくのぼらないと、ねーちゃんのおしおきがぁ!」
    ひょこりと。
    そんな自分の胸の上で、悲鳴を上げている、小さな女の子。
    「・・あのなぁ。人の上にいきなり落ちてきて、
      謝るのもなしか?」
    「え?あれ?あ、ごめんなさい!
     って!!!ああああ!じゅっぷんいないなんてむりよぉ!
      ああ、ねーちゃんにころされるぅぅぅ!」
    そのまま、胸の上で泣きじゃくる。
    「・・・・・・・・おい?」
    「えぐえぐ、ああ!こんながけ、どーやって、
     じゅっぶんいないでのぼれっていうのよぉ!
      とゆーか、だめだったら、また、
       でーもんぐんせいちにおくられるぅぅぅ!」
     そんな、下になっている金色の髪に碧い瞳の少年の言葉が。
     聞こえているのかいないのか。
     絶叫を上げつつ、泣き叫んでいる栗色の髪に紅の髪の少女。
    「・・・ここの上にいくのか?
      ・・・近道しってるぞ?」
    さすがに、泣き叫ぶ少女に、それ以上突っ込むのも、
    何か気の毒のような気がして、思わず親切にも教えている少年。
    「ええええ!?ほんと!?おしえて!?
      おしえて!おねがいぃぃぃぃぃぃ!
       でないとほんとーにころされるぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
    「・・ま、いっか。どうせ暇だしな。」
    ひょいと、そんな少女を抱え上げ。
    「ま、子供の足よりは、早いだろ。」
    そういって、親切にも、頂上にと続く、洞窟に足を踏み入れる。
 
 

    「俺は、ガウリイ。君は?」
    「あたし?あたし、リナ!!!」
    「ふぅん。」
    背中が温かい。
    ふと、この子は、信じられるような気がした。
    というか、ずっとこの子を求めていたような。
    「・・・・がうりーのせなか・・あったかい・・。」
    背負われていると、安心する。
    たわいのない話をしつつ。
    やがて、洞窟が開けてゆく。
    「ほら、ついたぞ。」
    「ありがと!がうりー!おれい!」
    チュ!
    「・・・・え?」
    「ありがとねー!じゃぁね!」
    ぱたぱたぱた!
    背中から降ろした少女は、お礼といって、
    ぐいとガウリイの髪の毛を引っ張って。
    その唇に口つげし。
    「ねーちゃぁぁぁぁん!
      まにあったよね・・ねっねっねぇぇぇ!?(涙)」
    叫んで走っている少女の姿をその目に捉え。
    「・・・・・あ。」
    思わず硬直する。
    唇がまだ温かい。
    「・・・・・リナ・・・・か。」
    そういえば、あの子。
    あの石像のあの人に・・似ているかな?
    そして・・・あの瞳。
    物心つく前から、よくみる・・・霧の向こうにいる、
    紅の瞳の人物に・・。
    「・・・・また、会いたいな・・・。」

 

 

    出会いは、必然。
    幼いときに出会っていたリナとガウリイ。
    だが
    リナはあまりに幼くて。
    そして、ガウリイは・・・。

 

 

 

 

 

    「おめえなぁ、そんな辛気臭い顔をするなよな?」
    とある店で知り合った、この男性。
    火のない葉巻をくわえて、その腰には、一振りの釣竿。
    「別に。」
    カラン・。
    氷が割れる。
    常に死と隣り合わせの職業である。
    ・・・・別に命が大切とも思わない。
    「・・でな。これがまた、下の娘がかわいいんだよなぁ。」
    ・・・またか。
    「あのな、あんた。
      いつも下の娘のことばかりいってるが・・上の娘はどうしたんだ?」
    ちょっとした事件で行動を一緒にしている。
    彼がいった言葉で。
    少しはすくわれたような気もしなくもない。
    いやで、いやでたまらない、自分がもっている光の剣。
    だが、持っていればいいこともあるはず。
    そして、捨てるくらいなら自分にくれ!
    と、開口一番、それを目にしていったその台詞に。
    思わず、数年ぶりであろうか、笑みが出た。
    「・・・・・・・う(汗)
     い・・いわないでくれ・・・ルナは・・・特別なんだよ・・。
      ・・・とゆーか・・・話題してたら・・いきなり出てくるぞ・・。」
    「・・・・どーいう娘だよ・・。」
    本気で周りを見渡しているその男性の姿に。
    思わず突っ込んでしまう。
    「まあ、気にするな。上の娘は、ちょこっと、空間移動が、
     簡単に出来るだけだから。」
    「おい!」
    「それより・・・まぁた、お客さんのようだぜ?
      天然?」
    「だから、その呼び方はやめろ!」
    刹那。
    周りの景色が・・一辺した。
    今回の事件。
    俗にいう、魔族が絡んでいるらしく。
    よくこういった襲撃にあう。
    まあ、腐れ縁というべきか。
    とある酒場で知り合ったこの男性と戦うこととなったのは。
    そんなことを思いつつ。
    それでも。
    忘れかけていた、人としての感情を思い出させてくれた、
    この男性に多少感謝もしつつ。
    「いくぞ!」
    「へん、ヘマするなよ!天然!」
    「あんたもな!」
    いいつつ、二人、獲物を構える。
 

 

    ―惚れた女には弱みを見せるな。
    ―惚れたなら、とことん、命を投げ出す覚悟で守りぬけ!
     だが、決して惚れた女を一人のこして先に死ぬな!
   

    自分の経験からか、そう、ガウリイに力説した、
    黒い髪に、火のない葉巻をくわえている、その男性。

 

 

    その言葉は。
    彼―ガウリイ=ガブリエフの心の中に。
    深く、深くしみこんでいっていた。

 

 

 

 

    「やれやれ、さて・・・一仕事終わったあとくらい・・。」
    うきうきと、火のついてない葉巻に火を近づけようとし・・・。

 

    シュ!

 

    シュパ!

 

    その葉巻の先端が。
    どこからともなく飛んできた、ナイフに、切り取られたのは、
    まさに、一瞬の出来事。

    「んふふふ(はあと)父さん(はあと)
     禁煙だって、いったわよねぇ(はあと)」
    「そうよ?あなた?」
    「うどわ!?ルナ!?セシル!?」
    ガウリイが、少し席を外したその刹那。
    いきなり、酒場に出現する、二人の女性。
    一人は、歳のころならば、十八、九。
    そして、もう一人は、どうみてもまだ二十代前半かその半ば。
    「わわわわわるかったぁ!」
    「・・・・ま、今回は大目にみるけど。
     ・・・次は、わかってるわよねv父さん?」
    「そうよ?あなた?」
    「・・・・・はい。」
    ふい。
    釘をさし、そのまま、再び姿を消してゆく二人をみつつ。
    「・・・・ん?誰か今いたのか?」
    何か、違う匂いがするが?
    席に戻ってきたガウリイが問いかけると。
    「・・・うちのかーちゃんと上の娘が・・
      まあ、すぐ空間移動して戻ってったがな。」
    「・・・どーいう家族なんだよ・・あんたんとこは・・。」
    あっさりと言い切るその言葉に。
    思わず唖然とする。
    「ま、気にするな。」
    「きにするわ!」
    ほのぼのとした会話をしつつ。
 
    やがて、事件も終わり。
    二人は別れてゆく。
 

 

 

    「・・・・そーいや、ばあちゃんの遺言に・・。
     女子供には優しくしろっていうのがあったな・・。」
    男性と別れ、今更ながらにその言葉を思い出す。
 

 

    と。

 

 

    とりあえず・・次はどうしようか?
    道をしばし、進んでいると。
    ザザザザ゛・・。
    数名の人影が、一気に、森の奥にと進んでゆく。
    「・・これは、何か事件かな?」
    一つの依頼が終わったあとである。
    次なる仕事を見つけるのも、また一興。

 

 

    道を進んでゆくと。
    その耳に、何やら、男達がわめく声。
    内容的には、何やら、相手は、女性らしい。
    「・・・・ま、気分転勤にでも助けてみるか。」
    そういえば、最近。
    夜も遊んでないな・・あの男性に出会ってからというもの。
    夜もほとんど剣の手入れなどですませている。
    というか、そもそも、寝るのがイヤなので。
    ・・・いつも、夢の中で、霧の向こうで。
    名前を呼ぼうとして、倒れ、輝き失う紅の瞳。
    顔も霧が深くて見えないが。
    いつも、虚無感にとさいなまされる。
    そして、一箇所に留まっていると。
    未だに一族から・・そして、今では。
    彼の別名が有名になったことから、送られてくる刺客の数々。
    さきほど、祖母の遺言を思い出したばかり。
    ま、こんなのもいいだろう。
 

 

   「そこまでにしておくんだな。」
    荒くれたちに囲まれているのは、栗色の髪の少女。
    その小柄な姿は。
    男達に囲まれていても、まったく動じてない。
    ・・・・こんな子、初めてだな。
    普通は、こんな男達に囲まれたら。
    普通の女ならば、泣き叫んでいる。
    だが、ふてぶてしくも、鼻で笑っていたりする。
    「なにやつだ!?」
    「名乗る必要はない!」
    「しゃらくせい!やっちまえ!」
    ふっ。
    敵うわけがないだろう?
    お前らごときの腕で、この俺に。
    そう、ガウリイは思いつつ。   

    決着は・・あっという間についていた。
 

    「あ・・あの、ありがとうございました。」
    そういってくる少女の顔をみたとき。
    ・・・・・・・・・・・・・・・この子は!?
    忘れていた、過去の出来事を思い出す。
    栗色の髪に紅の瞳。
    そして・・・・その成長したその姿は。
    紛れも泣く・・・幼いころからずっとみていた。
    石像の少女、そのものの姿であった。

 

 

    ・・・・どうしたら、側にいられる?
     ・・・どうしたら?
    「お嬢ちゃん、一人かい?おうちの人は?」


    その言葉に、顔が引くつくのがわかる。
    もっと。
    この子のことが・・知りたい。

    「あ・・あのですねぇ。あたしは、一人旅なんてしてましてぇ。」
    「よし!お兄さんが保護者になってやろう!」

    一人旅なんて・・・危なすぎる。
    まだ、歳のころは、十五に届くか否か。
    そういったところだろう。
    もっと・・・・彼女のことを・・知りたい。
    あのときの、感情が・・何であったのか。
    出会ったときに、この熱く、懐かしく・・愛しく思うのが。
    どうしてなのか。

    

 

 

    「・・・そっか・・・それで、どうするんだ?」
    出会ってから、関った事件は、魔王復活という、とんでもないもの。
    ・・・・気付けば。
    完全に心惹かれていた。
    魔王にも負けないその輝きに。
    命の輝き
    ・・・自分がなくしていた、生きる意思。
    この少女は・・全てその身に持っていた。
    「んふふ。きまってるじゃない!あなたのいくところよ!
      光の剣をゆずってくれる気になるまで!
        ずっと、あなたのおっかけをやらしてもらいますからね!」
    目をきらきらとさせて言ってくるその台詞に。
 

 

 

   ―持っていたら、いいこともあるかもしれないだろ?

 

 

    ガウリイの脳裏に。
    かつて出会ったあの男性の声がよぎってゆく。

 

 

    ああ、確かにな。
    ・・・これをもっていたから。
    ・・・・・リナに出会えたよ。
    ・・・ありがとな・・おっさん・・・・。

 

 

 

    何か、初めてあったような気がしない。
    ・・・・こいつの側にいると・・安心する。
    全て、任せられるから。
    初対面なのに、こいつは安心できる。
    そう確信がもてるから。
    だから・・・・こいつとだったら、一緒に・・旅をしてもいいよね?
 

 

 

    ガウリイの想い。
    リナの想い。

 

 

    時を越えて・・・・ようやく、二人の想いは・・・
    ・・・・・・邂逅を果たしてゆく・・・。

 

 

                 -二部、闇の行方に続くー

 

 

##############################

 

   

  あとがきもどき:
     薫:・・・・・おわったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
       ちなみに、マルスとガウリイの会話v
        とーぜん、外伝の中にはない台詞です!(まて!)
       あのときの戦いの後に、少し、魔族の襲撃がある、
       流れ的にその依頼に巻き込まれた。そー解釈してくださいv
       (ガウリイ、外伝、刃の先に見えるもの・・参考のこと)
        ↑早く、単行本になってぇぇ!(切実・・・)←本もってない人・・。
 
       ちなみに。
       最後の方は、ガウリイの思いというか、ガウリイ視点と。
       最後の一文は、リナ視点ですv
       んでは!
       ここまでお付き合いいただきまして!
       ありがとうございました!!!!!!!!!

 

 

    姫:・・・・・・・・・・・・で?
    薫:・・・・・ああああああ!
      すいません!ごめんなさい!
      これには、出ません!菫ちゃん!!?
    姫:そーでなくてv
      この、転生話その、外伝はv
    薫:・・・・・・・ぎくっ!(滝汗)
    姫:確か、あるわよねぇ・・。
      二人がようやく想いを遂げて、結ばれるシーンとか。
      または、すれ違って死別する話とかもv
    薫:・・・・・・・・・・・・・・・(だらだらだら・・汗)
      ・・・・・・・・・・・・・さあ?
      ・・・・気が向けば・・(かなりまて!)
    姫:・・・・・・・・あのね。
    薫:・・と、とにもかくにも!
    姫:そーね。こんな意味のない、話しにお付き合いいただきましてv
    薫:ありがとうございましたのです!
    姫:それではvまったねv
    薫:それでは、また違う小説・・というか二部の闇の行方でお会いしましょう!
    姫:じゃあねv

 

   


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