まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
登場人物:リナ=インバース
正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
この世界の海を創造せし存在
『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
正式名称:ガウリイ=ガブリエル
(ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
参考:リナを心配した(孤独をみた)
エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
その思いの反動で、生まれでた魂。
おまけ?設定:
エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
(リナにくりそつ・・爆!)
正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
(ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
リナス:エリーとカウリイの妹
(両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
性格は・・リナそっくりです(笑)
正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
登場人物名前:ルナ=インバース
正式名称:ルナティック=スィーフィード
参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
この世界に命が誕生した際に、
金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
(とゆーか、それように、創り出した)
『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
何気に。
今回の転生話の設定です。
ガウリイ=ガブリエフ=ウル=デ=アウストリア。十八歳。
リナ=スィティル=ドナ=マクスヴェルズ。八歳。
ラウディスル=クリステ=ウル=アウストリア。
メリル=セイレーン。
・・・・・・ガウリイの両親の名前です・・・・・。
エディフィス=ディミット=ウル=マクスヴェルズ
リナの祖父の名前です。
神秘王国、マクスヴェルズ。
かつての、古代王国の血をよりよく受け継いでいるとか。
精霊の血筋であるとか言われていた国。
数十年以上昔に。
その正統なる皇太子が王国を飛び出し・・実際は、駆け落ちし。
その後、分家筋に辺る血筋が位を継いでいたが・・。
近年、アウストリア王国に滅ぼされた。
聖王国アウストリア。
以前は、聖王国として名高かったのだが。
正統なる、王家の継承者。
ラウディスル=クリステ=ウル=アウストリア
彼が死亡した、約十数年前から。
軍備王国と成り果てている。
今、王位を継いでいるのは。
その、異母妹であるライナの、夫。
その二人の子供に。
長男にラグール=パロ=ソリアテ=アウストリア。
次男にメネシス=ダーク=パロ=アウストリア。
三男に、ネヘレスト=グリュー=ラド=アウストリア。
三人とも、金色の髪です。
瞳の色はまちまち・・・・。
今は、世界制覇を目指して・・・暗躍中・・・・・・・・。
噂では、その正統なる皇太子を殺したのは。
今王位についている彼というもっぱらの噂。
彼(前国王)には、身分違いというか種族違いの恋人がいたらしいが・・・。
不確実な噂では、その恋人との間に子供がいるらしい・・・・・。
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
ようやく、恋人同士に全てなった二人ですv
しかし・・・・・・・・・・・・。
そーは問屋が卸さない?(こら!)
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エデンの園 ~第46話~
「リナ、行くぞ。」
町に入るなり、すぐに町を出るガウリイにリナは疑問に思う。
「ガウリイ?」
「早く!」
ガウリイの叫びと同じく。
「金の髪と栗色の髪・・間違いない手配の二人だ!」
わらわらと。
兵士達のざわめきが大きくなり。
一気に膨れ上がってゆく。
「な・・・何!?」
「ちっ!ラグールのやつが生きてたんだ!」
いいつつ、リナをすぐさま、馬に引き上げ。
「はぃ!」
ぱしっ!
手綱をとり、そのまま、一気に駆け出してゆく。
小さな村などにも。
兵士を配置して。
すぐにでも、リナ達を見つけたら、捕らえるように。
と、ラグールの支配下にある、全ての村や町、そして国では。
勅命が出されていた。
この辺りの、国は、殆どといっていいほどに。
アウストリア帝国の支配下にある。
少しでも逆らえば、まず死刑が執り行われるので。
人々は、従うより統べがなく。
ましてや、二人を見つけて、捕らえたものには。
金貨一万枚が進呈される。
そう御触れが出されれば・・・。
今や、リナとガウリイは。
絶対的な賞金首に他ならなくなっていた。
パサササ・・・・。
「あ、鳥さんです。」
そっと、手を伸ばすと。
ぱたぱたと腕に止まってくる白い鳥。
そして、その足には、何か紙が取り付けられている。
「伝書か?」
黒い艶やかな髪の男性が。
鳥を手に止まらせている艶やかな黒い髪の女性にと話しかける。
「あ、ゼルガディスさん。これ、リナさんとガウリイさんからですよ!」
「ほう。久しぶりだな。」
今や、夫婦となり、この国を切り盛りしているこの二人。
アメリアとゼルガディス。
この二人の元に。
大切な友人であるリナとガウリイからの手紙が、鳥によってもたらされる。
「何が書いてあるんだ?」
ゼルガディスの言葉に。
「まってください。」
がさがさ。
鳥の足にくくられている手紙を取り去り、目を通す。
「えええええええええええ!
とうとうガウリイさん、リナさんにプロポーズしたみたいですよ!」
目をきらきらさせていうアメリアに。
「・・・・とーとーやったか・・。」
というか、あのリナが、よくそれを受けたな・・・。
と、疑問も掠めるが。
あのガウリイのこと。
どうやって、リナの合意を取ったのか・・・容易に想像がつく。
「ええと・・それでですね・・・・・。
・・・・・・・・少し・・・いや、かなりまずい状況みたいですね・・。」
手紙に書かれている内容は。
リナとガウリイが、夫婦になったということと。
そして。
二人で、どこか、誰も知らない場所に行くために。
船を一隻調達してほしい。
という内容。
そして、リナのことをラグールに気付かれたということも。
うずうず、そわそわ。
「・・・行くか?アメリア?二人を迎えに?」
「はい!!」
そわそわしているアメリアの様子を見て取り。
ゼルガディスが助け舟を出し。
かくして。
オーディル王国では。
リナとガウリイを迎えに行くために。
表向きは、協定を結んでいる国々の視察を名目に。
船を用意し、自ら、旅にでる、アメリア、ゼルガディス、シルフィール。
この三名の姿が。
ガウリイが、洞窟から放った鳥がオーディルに到着した後に。
容易が出来次第、出発するそんな彼等の姿が、見受けられてゆく。
はぁはぁはぁ・・・。
「リナ!」
ザシュ!
「大丈夫か?リナ?」
「うん・・・。」
そういいつつも、顔色が悪い。
それでなくても、今リナは。
例の日の真っ只中。
その痛みもあることながら。
それゆえに、魔力が使えない。
そんな中で。
彼等にかかる追っ手の数々。
まあ、そんな追っ手の最中だというのに。
つないでもないのに、無傷でついてきている二人の馬もかなりのものだが・・。
攻撃のことごとくをかわしていたりするのだからして。
さすがは、リナとガウリイの愛馬といえるのであろう。
ザワリ。
辺りの空間が一瞬ねじれる。
「何!?」
「リナ!」
ザシュ!
戸惑うリナを抱き倒す。
その刹那。
鈍い音が鳴り響く。
「・・・・・・ガウリイ!?」
どろりとした感触が手に伝う。
「・・・・大丈夫だ。リナ、怪我はないか?」
覆いかぶさりつつ、聞いてくるガウリイに。
「・・・あんたの方が!」
蒼白になって叫ぶリナ。
背中に回したその手には。
べっとりと紅いものがこびりついていた。
「やはり・・・・貴様は、そのもののためなら・・・身を投げ出すか・・。
ガウリイ=ガブリエフ皇太子よ。」
ゆらり。
そこに、陽炎のように、金色の髪に紺色の瞳。
少しウェーブのかかっている髪の長い男性の姿が。
その後ろに地面を透けさせつつ、映し出される。
「・・・・・貴様!・・・・古の禁呪を契約したな!」
歯ぎしりするガウリイの言葉に。
「ふっ・・。やはり、侮れないな。ガウリイ。
その通り。我は、古の契約のもとに、不死となった。
もはや我にかなうものなどはない。
この我と、そのものの血筋、そして・・・ガウリイ、貴様を殺せば。
そのまま、アウストリアに伝わるその神秘の力も我のものとなる。」
にやりと、そのまるで血に濡れたような紅い唇を少し歪ませる。
ぞくり。
その紺色の瞳に見つめられ。
リナの体に全身に悪寒が走る。
魔力が低下している状況でも。
どうにか、ガウリイの背中に、回復の術をかけて。
傷を塞いでいるリナ。
「させるか!リナには、指一本触れさせん!」
リナを後ろで庇いつつ。
ガウリイが、すらりと剣を抜き放つ。
「・・・出来るかな?」
すっ。
実体の伴わない、映像の男性がすっと手を横に伸ばすと。
ザワッ!!
リナとガウリイの周りに。
無数の気配が出現してゆく。
「―そのものたちは、わが手足、普通の攻撃では、通用せんぞ?
・・・・もっとも、ガウリイ、貴様の場合は、通常の攻撃ではないがな。」
昔から、無意識のうちに、その剣での攻撃に。
血のなせる力を上乗せして使っていたガウリイ。
今では、リナの協力もあり。
完全に使いこなせるようになっている。
「リナ!お前は俺から離れるな!」
「いやよ!あたしだって、戦うわよ!」
「無理するな!」
「ああもう!ぐたぐたいってないで!くるわよ!」
ドォォォン!!!!
辺りに飛び交う、攻撃の渦。
見えないところでも、拮抗が起こっているらしく。
空気ごとが振動し。
大地が震撼する。
「ふっ!」
すらり。
魔力が使えないけれど。
リナには剣がある。
ガウリイに鍛えられているので。
リナの剣の腕もかなりのもの。
リナとガウリイの連係によって。
ものの数時間もたたないうちに。
だんだんと刺客達の数は減ってゆく。
状況は。
二人にかなり優位に見てとれた。
「ふん。このあたしに喧嘩を売るなんて、百万年早いのよ!」
最後の一つを倒したところで。
リナが剣をしまいつつ、宣言する。
その刹那。
ザワ。
リナのすぐ真後ろから、すざましい殺気の気配が。
「・・・・な゛!?」
リナが振リ向くより早く。
「リナ!!!!」
ブン!
走っては間に合わない。
そのまま、そのリナの後ろに出現したそれに。
剣を投げつけ、突き刺すガウリイ。
リナが振り向くと。
そこには、首が三つある人間が。
ガウリイの剣にと貫かれて。
倒れてゆく様子かその瞳に映り込む。
そして。
「ふっ。かかったな!」
ザシュ・・・・・・・・・・・・・・。
鈍く、まるでスローモーションのように。
何かが貫かれる音が。
リナの耳にと届いていた。
ゆっくりと振り向くと。
「・・・・・・ぐっ・・・・。」
横から、上から、そして・・・・正面から。
剣で貫かれているガウリイの姿。
「ガ・・・・・・・・ガウリイ!!」
リナが悲鳴を上げる。
「くそっ!」
その剣を一つ取り去り。
一気に、自分を今傷つけた刺客達を。
すべて返り討ちにしてゆく。
すべて倒しきったその直後。
・・・・・・ドサ。
ガウリイは、その場に崩れ落ちてゆく。
「ガウリイ・・ガウリイ・・いや・・いやぃやいやいやぃやぁぁぁぁ!
嘘よぉ!」
泣き叫びつつ、ガウリイの元に駆け寄るリナ。
自分を助けるために、ガウリイは、その自らの剣を手放した。
その隙をついて、ガウリイに攻撃が繰り出され。
駆け寄るリナのその瞳には。
無常に地面に広がってゆく紅い染み・・・。
「リナ・・・・無事だったか?」
「無事だけど!ガウリイが!」
差し出すその手も、だんだんと色がなくなってきている。
必死で回復の術を唱えるが。
無情に流れ出る大量の血。
いや・・・いやいやいやいやいや!
信じられなくて、そのまま、回復の術を唱え続ける。
「泣くなよ。リナ、お前が無事でよかった。」
泣いているリナの涙をその血に濡れた手で拭い取る。
だんだん意識がかすれてくる。
「だ・・・め!ガウリイ!一緒にいるって・・・約束したじゃない!」
泣き叫ぶリナの前で。
だんだんと色がなくなってきているガウリイの体。
体もだんだんと冷たくなってゆく。
「ああ。俺はずっとリナの側にいるさ。
―たとえ、この肉体がなくなろうとな・・。
・・・・リナ、オーディルに行け。アメリア達なら・・きっと・・・。」
だんだんその声に力がなくなってくる。
「いやよ!ガウリイも一緒に!」
「リナ・・・・泣くな・・。」
「ガウ・・・・・っ!」
泣きじゃくるリナの顔を。
血で濡れた両腕で抱き寄せて。
そのまま、リナの口に口付けを送る。
リナの口の中に広がる、鉄のような味。
それが、ガウリイの血だと理解するには、十分すぎた。
「・・・・・リナ・・・・いつも側に・・・・・・。」
パタリ。
リナの涙をぬぐっていたその手から。
力がなくなり、そのまま、抱きかかえているリナの膝の上に。
無情にも落ちてゆく。
「・・・・・ガウ・・・・り・・・・イ?」
・・・・・・・・息をもうすでに・・・・していなかった。
「嘘・・・・嘘よ!そんなの・・・嘘よ!
ずっと側にいてくれるって・・・ガウリイ、約束したじゃない!
嘘つくき?!ねえ!!」
必死に、ガウリイの口から息を吹き込む。
何度も、何度も。
「―ふふ。作戦は成功のようだな。
女を狙えば、ガウリイは、まず獲物を手放すはずだ・・とな。」
ユラ・・。
陽炎のように、再び出現する金色の髪の男性。
リナをガウリイが走っても間に合わない距離までガウリイから離させておいて。
そこで、すべて倒したと安心させたところで。
剣をしまったところで、リナを襲う。
すべて計算のうち。
ガウリイが剣を投げたところで。
空間に隠していたほかの者達に。
一気にガウリイを襲わせる。
という計画。
「・・・・・ふははははは!
感じる・・感じるぞ!これで・・・・我はもはや、無敵だ!」
ガウリイが死亡した。
それを示すかのように。
彼―ラグールの中に。
次なる継承者に記憶と力を受け継がせるべく。
アウストリアの血によって、その聖なる知識と力が。
ラグールにとそのまま、受け継がれ始めるのを感じて。
高らかに笑うラグール。
「ガウリイ・・目を・・・目を開けてよぉぉ!」
泣き叫ぶリナに。
「・・・・さて。では、残った女は、この我が・・。」
その手をリナにと伸ばす。
だが、そんな声はまったくリナには届いてない。
「ガウリイ・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」
ドン!!!!!!
「ナ゛!?」
どぉぉぉぉぉぉ!!!!
振り仰ぎ絶叫するリナから。
リナを中心に伸びる、主金色の黒い光の柱。
その光が空を一気に突き抜けてゆき。
そのまま。
ドォォォォォォォォォン!!!!
リナを中心に。
その朱金色の黒い闇は。
瞬く間に、すべてを飲み込んでゆく。
「クッ!」
ザァ・・・。
パラパラパラ・・・・・。
ズザァ・・・・。
その身を庇うようにしてガードしたラグールの姿が。
その光に貫かれて、そのまま、まるで何かに蝕まれるようにと消え去ってゆき。
ドォォォォォォォンンンン・・・・。
その刹那。
この惑星そのものが。
一瞬のうちに、振動していた。
「・・・・・ねえ?嘘でしょ?ねえ?ガウリイ?」
殺伐とした風景の中で。
ガウリイを抱きかかえるリナの姿。
リナとガウリイの周りには。
何も存在してなどはいない。
むき出しの地面が見渡す限りにと続いて。
巨大なクレーターのその中心に。
リナとガウリイは座り込んでいる。
いや、リナがガウリイを抱きかかえているというほうが正しいか。
いくら問いかけても返事は・・ない。
―私は・・・ガウリイを守りたかったのに・・・。
「・・・・・・馬鹿ガウリイ・・・あたしに一人でいきていけっていうの?
・・・・そんなの・・・・無理よ・・・あんたがいない・・世界なんて・・・。
・・・・ねえ?一緒に暮らそうっていったよね?あの言葉は・・嘘?
・・・・・あたしは・・・・そんなに・・強くない・・・・・。」
その真紅の瞳は、すでに涙で濡れ果てて、虚ろと化して。
そのまま。
リナの腰にとさしてある短剣に手をかける。
「・・・・ねえ。何やってるんだ!ってしかってよ?ねえ?
・・・・おねがい・・・・側にいさせて・・・・。」
すらり。
キラッ。
リナにしか抜けないその剣は。
この惑星の主要たる大陸の一つ、マクスヴェルズ大陸に伝わる、
聖剣。
その正統なる王家の血筋のものにしか扱えずに。
大陸の守護を守るべき役割を担うその証とも言われている伝説の剣。
その銀色に輝く刃が、リナの涙に反射して一瞬煌く。
「・・・・・・・・ガウリイ・・・・・・。」
ドシュ・・・・・・・・・・・・・・。
から・・・・・ン・・・・・・・・。
とさり・・・・・・。
剣を自らの胸にと突き当てて。
そのまま、ガウリイの上にと覆いかぶさる。
・・・・ねえ?
あたしは、側にいたらいけないの?
・・・・側にいさせて?
・・・・・・お願い、あなたを・・・・守らせて・・・・。
・・・・・・・・・あたしは・・・あなたを守るために・・・・存在してたのよ?
・・・・・あたしひとり・・のこっても・・・いみ・・・・ない・・・・・。
ゴォォ・・。
先刻の、いきなりの大地震に。
それに伴い、巨大な爆風。
ようやくそれらが収まったその直後。
空の一点が、音を立てて、荒れ狂いだす。
「・・・・・何があったんですか!?」
いきなりの大地震。
それに伴い、巨大な津波が発生した。
だが。
以前リナからプレゼントされていた星の護符の力によって。
アメリア達の船は、その護符の力にて守られて。
津波の被害は免れた。
それに続く、かなりの衝撃波と。
空に伸びる一筋の朱金色の光。
それと、大爆発の音と、光。
「・・・・わからん。それより、アメリア怪我はないか!?」
爆風からアメリアを守るために、アメリアを抱きかかえていたゼルガディス。
がくがく意味もなく振るえがくる。
以前にも、似たような感じを経験したことがあるようなきがするのは・・。
気のせいであろうか。
リナとガウリイを迎えにいくために同上していたシルフィールが。
自らの身を抱きかかえつつ、小刻みに震えている。
ドン!
「・・・・・・何だ!?」
いきなり、感じる、巨大な力。
それに戸惑う、紅の瞳に黒い髪のまだ歳若い少年一人。
・・・・これは!?
・・・・・・・・・まさか!?
「とりあえず、今回は、ここまでよ!シャブラニグドゥ!」
「あ!まて!スィーフィード!」
互いに互いを高めあう戦いの最中。
いきなり感じた巨大な力。
そして、感じるのは。
間違いなく、今の力で。
かなりの数の生まれたばかりの世界が。
星星の海が耐え切れずに消失したということ。
「・・・・・一体?」
意味が分からない彼は。
ただ首をかしげるのみ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エル様・・・。」
パレスに戻り。
やはりといった感じで、それを受け取る。
「かなり、ダメージ受けたみたいね・・。
目の前でガウリイが死んだことが。」
リナが自害したことにより。
閉じていたはずの力そのものにも影響し。
まだ弱き世界などは、その歪みに飲み込まれて。
瞬く間に消失した。
いくら、力を閉じているとはいえ。
目の前でガウリイを失ったリナの動揺は。
そんなものなどは物ともせずに。
リナの精神・・・つまりは、リナそのものである、この世界そのものを。
壊すのには十分すぎる結果となっていたのである。
「ガウリイは、とりあえず、前回の傷も治りきってないから・・。
しばらく魂の安定をまって、また転生の輪に乗せるわ。
・・・・リナもね。」
リナの魂もかなり傷ついている。
その魂と交信が互いにできないほどに。
それほどまでに・・・・失った悲しみは・・・大きい。
「とりあえず、後始末はするから・・。
・・・・ルナ、無理したらだめよ?」
無言で立ち去ろうとするルナが何をしようとしているのか。
金色の王たるエルには理解ができた。
いや、出来るから、なおさらに。
「・・・・・・・・あいつだけは許せません。」
ふい。
そのまま、姿をかき消してゆく。
横には、ガウリイに覆いかぶさるようにして。
安らかな顔でまるで眠っているまでのリナの顔に。
そんなリナの下で、眠るように死んでいるガウリイ。
そんな二人の死体をみて。
やるせなく思う。
・・・・・自分が側にいればよかった?
・・・・・・・成り行きに任せずに?
だがそれは、金色の王より、してはならない。
と、お達しを受けていた。
あくまで自然に、リナがその自らの魂からの気持ちに気付かなければ。
無意味だからと。
今回、初めての人としての転生とはいえ。
いや、初めてだからこそ。
素直に、ガウリイに惹かれて。
ようやく結ばれていた二人だというのに。
「キュウ・・。」
そんな二人の横で。
リナとガウリイが、この八年間。
ずっと、一緒に旅を共にしていた二人の愛馬が。
主が死亡したというのにも気付かずに。
そっと鼻で二人を軽くつつきつつ。
寝ている主二人を起こそうと試みている。
鼻でつついてもだめなら。
足で軽く叩いて。
寝ている二人を起こそうとしている馬の様子に。
胸が熱くなってゆく。
「・・・・・・この二人は・・もう、魂はここにはいないのよ?」
そう、語りかけるが。
それでも、その行為をやめない。
馬の彼女とて分かっているのだ。
二人が死んでしまったというのは。
パールと名前をつけて、かわいがってくれていた二人。
そして、異種族というのにも関らずに。
その言葉を理解して、友人ともいえた、リナとガウリイ。
パールの言葉は、普通、人間には理解できない。
だが、リナとガウリイは。
そんなバールの言葉を理解していた。
主たちがこの二人でよかったと思う。
パールは、リナとガウリイが出会ったその当時から。
リナとガウリイをずっと見守ってきたのである。
ガウリイが、パールを購入したあの日から。
ふと。
ルナの視界に、海上で騒いでいる一つの船が目に止まる。
「何かいやな予感がします!
リナさん!ガウリイさん!あああああもう!
もっと早くに進んでください!」
必死に、声がかれるまで。
風の術を唱えて、船を早く進めようとするアメリアに。
「深遠なる母よ、どうか、リナさんとガウリイ様が無事でありますように・・・。」
祈りを捧げているシルフィール。
二人を心配して。
はるばる二人を出迎えにきた、リナとガウリイの友人たち。
ふい。
ルナが上空に手を向けると。
ふわり。
まるで、船が何か、シャボン玉に包まれるような感覚に陥り。
次の瞬間には。
完全に、地面がクレーターのむき出しの地面と成り果てている、
その中心。
そこから少し離れたところに。
今だに海上にと漂っていたはずのアメアリたちが乗っている船は。
船ごと、大地にと移動されていた。
-続くー
#####################################
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガウリイ、リナ、死亡。
とりあえず、残された者達のその後をやって。
・・・・次は、次なる転生です・・・。
・・・・・・・・・・・・くらいよぉ・・(こらこらこら!)