まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
登場人物:リナ=インバース
正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
この世界の海を創造せし存在
『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
正式名称:ガウリイ=ガブリエル
(ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
参考:リナを心配した(孤独をみた)
エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
その思いの反動で、生まれでた魂。
おまけ?設定:
エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
(リナにくりそつ・・爆!)
正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
(ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
リナス:エリーとカウリイの妹
(両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
性格は・・リナそっくりです(笑)
正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
登場人物名前:ルナ=インバース
正式名称:ルナティック=スィーフィード
参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
この世界に命が誕生した際に、
金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
(とゆーか、それように、創り出した)
『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
何気に。
今回の転生話の設定です。
ガウリイ=ガブリエフ=ウル=デ=アウストリア。十八歳。
リナ=スィティル=ドナ=マクスヴェルズ。八歳。
ラウディスル=クリステ=ウル=アウストリア。
メリル=セイレーン。
・・・・・・ガウリイの両親の名前です・・・・・。
エディフィス=ディミット=ウル=マクスヴェルズ
リナの祖父の名前です。
神秘王国、マクスヴェルズ。
かつての、古代王国の血をよりよく受け継いでいるとか。
精霊の血筋であるとか言われていた国。
数十年以上昔に。
その正統なる皇太子が王国を飛び出し・・実際は、駆け落ちし。
その後、分家筋に辺る血筋が位を継いでいたが・・。
近年、アウストリア王国に滅ぼされた。
聖王国アウストリア。
以前は、聖王国として名高かったのだが。
正統なる、王家の継承者。
ラウディスル=クリステ=ウル=アウストリア
彼が死亡した、約十数年前から。
軍備王国と成り果てている。
今、王位を継いでいるのは。
その、異母妹であるライナの、夫。
その二人の子供に。
長男にラグール=パロ=ソリアテ=アウストリア。
次男にメネシス=ダーク=パロ=アウストリア。
三男に、ネヘレスト=グリュー=ラド=アウストリア。
三人とも、金色の髪です。
瞳の色はまちまち・・・・。
今は、世界制覇を目指して・・・暗躍中・・・・・・・・。
噂では、その正統なる皇太子を殺したのは。
今王位についている彼というもっぱらの噂。
彼には、身分違いというか種族違いの恋人がいたらしいが・・・。
不確実な噂では、その恋人との間に子供がいるらしい・・・・・。
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
こんにちわ♪
というわけで(だからまて!)
一気に年代突破なのです!
・・・・・・だって・・・収集がつかなひ・・(涙)あうあうあう・・(涙)
とりあえず、本編を中心的にv
・・・・・たまぁぁぁに、きっととあるページに合間の話しが?(まてぃ!)(笑)
というわけで!今回は想いが通じ合う二人v
・・・・・表現は直接にしてないので安心してねv(こらまてまてまて!)
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エデンの園 ~第34話~
「・・・・・ん・・・。」
そっと、額に手を当てる。
「・・・・まだ少し熱いな・・・・。」
心配そうに覗きこむ、その碧い瞳は。
その色が心配の色一色に染まっている。
「・・・・ガウ・・。」
ベットに横になるのは、栗色の髪をしている女性。
その左の手の薬指には。
男性とおそろいの、鈍く銀色に輝く小さなリングが。
リナが十六のときに、ガウリイがプレゼントしたものである。
・・・・・・が。
リナは、その意味すら・・まったく理解してないという事実があるが・・。
リナが、十六のときに。
ちょっとした依頼をガウリイは受けた。
そして、その依頼者が。
何と、こともあろうに。
俗にいう売春宿で。
依頼を話すといわれ。
いつもなら、断るガウリイなのだが。
その依頼が、アウストリアの情勢に関るものだったからして。
断ることができずに。
リナを宿に待たせておいて。
話しを聞きにいったのだが。
そこに、リナが尋ねてきたものだから。
もう少しで、危険な目に会いそうになったという事実がかつてある。
そのときに。
妊娠していたそこの従業員に、金貨一万枚を手渡して。
リナのことを依頼の話しが終わるまで頼むと依頼して。
どうにか依頼を聞き終えたのだが。
そのときに。
何も知らないリナのことを知って。
そのリナの面倒を頼まれた相手―ローズは。
爆笑して。
―なるほど。あの金髪碧眼のいい男も苦労するわけだ!
きょんとするリナをみて。
大爆笑して。
男女のことを何も知らないリナに。
その目でみせて、教えたという・・事実もあるが。
そのときになって。
・・・・リナは、かつて、自分が何をされそうになったのか。
あのとき、自分を逃がそうとしてくれた女の人達が、何をされていたのか。
そして、盗賊いじめなどにいったときに、ねちりとした視線を向けられる意味を。
・・・・十六になって初めて知ったのである。
・・・・・ガウリイも?
そう思うと、心がちくりと痛んだが。
―あの兄ちゃんは、あんた以外は眼中にないよ。
そういわれて、事実。
ガウリイに言い寄ろうとした娼婦たちは。
ガウリイに殺気を飛ばされて。
失神していたりしたのだが・・。
男女の仲を知ったリナは。
自分が他の男性と違い。
ガウリイを特別に見ていることに。
ようやく気付いたが。
その感情が何であるのか・・まだリナは知らない。
それから、二年。
かつては、額にされていたお休みのキスが。
いつのまにか、唇にされるようになっていたりもするが。
それが、くすぐったくて、暖かい。
よくリナは意味をわかってないが。
胸元に印v
といって、ガウリイが夜、何かキスをして。
紅い花びらを一つだけ。
つけていたりもするが。
今だに純真無垢なリナ。
ガウリイも、リナの心の準備が出来るまで。
ゆっくりと待っている現状。
・・・まあ、今まで散々待っているのだから。
今さらといえば今さらである。
「・・・・本当は、ここに長居は・・・したくないんだがな・・。」
そういって顔をしかめる。
この町は、とっとと通り抜ける予定だった。
だが。
リナが少し熱を出したために。
急遽。
宿を取り、大事をガウリイは取っているのである。
リナ、只今十八歳。
ガウリイ、二十八歳。
「・・・・・ゴメンね・・・。」
熱のある少し紅い顔で、しかも潤んでいる瞳でそう見つめられては・・。
「気にするな。」
「んっ・・・んんっっ・・・・。」
謝るリナの唇をそっと塞ぐ。
「・・・はっ・・・んっ・・ふっ・・。」
すがるものが欲しくて、ガウリイの服を掴むリナ。
名残惜しそうにガウリイがリナから離れると。
そっと筋を引く透明な糸。
「果物でもかってきてやる。だから、リナは寝てろ?・・な?」
「・・・・うん・・。」
息を大きくついているリナの髪の毛をなでる。
その手の温もりに安心し。
リナは、訪れる睡魔に、安心して身を任せてゆく。
自分の感情は今だにリナは判らない。
分かってないが。
そのまま、ガウリイの行動のままに受け入れているリナがそこにはある。
パタン。
ガウリイが部屋から出てゆくと。
残されるのはリナだけ。
そっと、唇に手を当てると。
何か、とてもくすぐったくて。
一人で少し笑みを浮かべて。
「・・・・早くよくならなくちゃ・・・・。」
バッ!
照れて、真っ赤になったリナは。
そのまま布団にともぐりこんでいた。
「・・・・・ほう、純粋なる力を感じるな・・。」
ふと、手を止める。
「・・・・どうかなさいましたか?」
手を止めた金髪の男性に。
側に控えている別の男性が話しかける。
「いや・・・・ふふ。
これは・・・・楽しめそうだな・・と思ってな・・。」
この町に来たのは、つい先刻。
だが、いくら隠しているようでも。
その気配から、彼がいるのはすぐにつかめた。
そして、その彼の側にある・・・純粋なる力。
今まで、彼がずっと求めていた・・・古の純粋なる力の結晶。
精神を集中して、視てみると。
とある部屋にと一人寝ている女性の姿。
その栗色の髪をベットに投げ出し。
寝ているかなりの美人。
その女性から感じるのは・・間違いなく古の純粋たる力。
その女性の周りに。
守るように存在しているのは・・。
間違いなく、彼の血筋・・アウストリアの正統なる血筋のものが持つという。
守りの力。
「・・・・これは・・・・ふふ・・・・。一石二鳥だな・・ふふふふ・・・・。」
あの力も手にいれて。
そして、あいつも、絶望に叩きおとさせるチャンス。
その、紺色の瞳が、さらに黒く怪しく光っていた。
「さて、早く戻ってやらないとな。」
両手に一杯、果物を抱えて。
宿にの帰路にと着いてゆく。
―と。
ザワリ。
「・・・・・・・・・くっ!」
歩いていると、辺りの空間が、一気にと変化した。
ガウリイの顔つきが一辺する。
空間を切り離された。
というのは、瞬時に理解はできた。
あいつに気付かれないように、守りの結界を張っていたはずなのに・・。
内心舌打ちするが、もう遅い。
ザワ・・・
周りから出現する無数の気配。
やがて。
そこに。
黒い服を纏っている、同じような顔立ちの男性が。
突如として、約百人以上出現する。
「・・・・・ガブリエフ皇太子。ラグール様の命令により、
お命頂戴いたします。」
表情一つ変えずに、言い放つ。
「・・・・・貴様ら・・・人間でないな?」
すっと、ガウリイのまとう雰囲気そのものが、一辺する。
一般のものが側にいたら、まず間違いなくその雰囲気と殺気で。
まず気が狂うか狂い死にするほどに。
「我らは、ラグールさまの忠実なる僕・・・お命頂戴いたします。」
ガウリイの質問に淡々と答えて。
キィィン!
剣と共に、衝撃波。
そして。
だっ!
ガウリイが横に飛びのくと。
そこに、黒い光の攻撃。
「・・・・・ちっ。まさか、古の魔と契約したか!やはり!」
目の前にいるのは、人間ではない。
伝説にしか存在してないという。
精神、つまりは、物質世界には存在してないはずの生き物。
「・・・・なら、手加減は・・いらない・・・・な!」
すざましいまでの変化。
リナの前では絶対に見せない、その残虐性。
碧い瞳は、暗く光りゆく。
・・・・・・・・キィィィィン!
ドォォン!
隔離された空間に。
剣の重なる音と、何かの爆発の音が響いてゆく。
―――リナ!!
「・・・・・・・・・・・・・・・誰?」
ぼんやりする意識の隅に。
誰かいる。
でも・・実体ではない。
熱のあるうなされた頭では。
思考がうまく回転しない。
「・・・・・・ほう、これはこれは・・・。
ふふ。わが城に招待しましょう。古なる力を受け継ぎし者よ。」
言葉と同時に。
「・・・・・え!?ちょ・・・・何これ・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
リナの周りに、黒い霧が出現し。
リナの体を多いつくし。
そのまま、リナの体をベットから持ち上げる。
その薄いピンクのネグリジェがあらわになる。
「ふふ・・・・。これはこれは・・楽しめそうです・・・ねぇ。」
ゆらり。
次の瞬間には。
その残像ともいえる人物の姿が掻き消えると同時に。
・・・リナの姿もまた。
部屋の中から消え去っていた。
「ふっ・・・。この俺を甘くみるなよな。」
『ギャァァァァ!!!』
サラ・・・。
最後の一つが塵と化す。
そして。
空間が元にと戻る。
「・・・・・っ!!!!!!!!!」
宿屋の方向にリナの気配が・・・ない。
そして。
一番心配していた方向から。
かすかに感じるリナの気配。
「・・・・・ちっ!ラグールのやつ!!」
そのまま。
そのうちなる力を使って。
部屋に置いたままにされている、荷物と。
そして、馬を呼び寄せる。
秒速のごとくの早業で。
馬に荷物をくくりつけると。
そのまま、馬にまたがり、勢いよく掛けてゆく。
「・・・・リナ!!!!」
ガウリイがこの町に滞在したくなかった理由の一つに。
ここは、ここの領主が。
アウストリア皇太子、ラグールと深く繋がりを持っていて。
しかも、そのために。
どういう行いをしているのか、すでに調査をしていたから。
だが、その一番危険なその町に差し掛かったときに。
リナが熱を出したのである。
熱を出したまま、旅をすることなど出来るはずもなく。
厳重に、守りの結界を引いて。
リナの看病をしていたガウリイ。
城壁を駆け抜けて、ものの時間もたたずに。
ガウリイは、この町を見下ろす城にと。
侵入してゆく。
「・・・・・・んっ・・。」
目を覚ますと。
そこは、知らない部屋。
何か甘い匂いが充満している。
自分が横たわれているのが。
大きなやわらかいベットだと。
ぼんやりする思考でようやく理解ができてくる。
「・・・ほう、よくこの媚薬の充満する部屋で。
意識を取り戻せるものだな・・。」
そこに。
バスローブ一枚だけ羽織っている、男性が出現してくる。
自分を嘗め回すように見つめるその視線に。
嫌悪と鳥肌が一瞬のうちにリナに横切ってゆく。
「・・・やっ!いや!」
身をよじろうとするが、体に力が入らない。
「ほう・・・意識もしっかりしているようだな。
・・・これは、楽しめそうだな。」
動けないリナに覆いかぶさり。
そのまま、
ビリィィ!!
いっきに、リナの寝巻であるネグリジェを引き裂いてゆく。
「い・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
やぷけた服から覗く白い肌。
すでに、クスリの影響で少し赤みが差してきている。
こんなやつに!
抵抗しようにも、体に力が入らない。
「そんな顔をしなくてもいい。
―すぐに気持ちよくなるから。何も考えられなくなるほどに・・な。
ふふ。我とその方のもつ、古の純粋なる血・・。
あなたには、この我の子供を産んでもらおう・・。
なぁに、そのために、じっくりとかわいがってあげますよ。
ねぇ?ガブリエフ皇太子の想い人?ふふふふふ・・。」
リナを取り巻く、ガウリイの想い。
それは、すぐにこの彼―ラグールには見てとれる。
リナのその真紅の瞳から。
涙が零れ落ちる。
・・・こんなやつに・・・されるくらいなら!
きっと睨みつけ。
行動に移そうとすると。
「・・・・くん!」
そんなリナの口に。
布が押し込められる。
「おっと。舌を噛み切るなんてまねは、させませんよ。
あなたは、この私の子供を産むのですから・・。
まあ、声が聞こえないのが残念ですけど・・ねぇ。」
そういいつつ、リナの体を嘗め回すようにじろじろと見つめ。
「そろそろ、こちらの布も・・・。」
ビリッ!
・・・・イヤァァァァ!!!
抵抗するにも、力が入らずに。
リナが身に着けていた布全てが。
破かれてゆく。
「さて・・・・。ガウリイが悔しがる様子が見えるようですよ・・・。」
パサリ。
そのまま、バスローブを脱ぎ捨てる。
その下は・・・・全裸。
・・・・・深遠なる虚無たる闇の理よ我が全ての・・・。
こんなやつに体を好きにされるくらいなら・・。
リナは、心でとある呪文を唱え始める。
自らの命を閉じるための呪文を。
ぽたりと。
リナの瞳に涙が伝わる。
他の男性に穢された体でガウリイの側にはいられない。
それより、穢される前に・・・自らの命を絶つ。
リナの脳裏に、ガウリイのことが横切ってゆく。
「さて・・・味の方は・・・・。」
リナがそんな術を唱えているなどまったく気付かずに。
あらわになっているリナの肌に。
顔をうずめてゆくその男性。
リナの術が完成しようとしたその刹那。
バタン!!
廊下のざわめく音と、
激しく扉が開く音。
そして。
次の瞬間には。
リナに覆いかぶさるその力が。
全て取り覗かれていた。
「――リナ!!!!」
軽くなった体に、聞こえてくるもっともうれしいその声。
涙で霞むその視線に。
金色の髪が映り込む。
・・・・・あたし、幻をみているの?
・・・・・最後にこいつに会えるなんて・・・・。
そんなことをふと思う。
リナに指輪を持たせていてよかったと思う。
その指輪の波動が、ガウリイを迷わずに、リナの元にと導いてゆく。
リナとガウリイの左手にはめられているその指輪は。
ガウリイの祖母・・いや、本当は母親であった、妖精の一族が。
かつて、永遠の愛を誓って、交し合い、どこにいても、相手のことが、
分かるというそんな品物。
そして、それを外せるのは。
その、互いの相手以外では無理。
という優れもの。
扉の鍵を断ち切って。
リナのいる部屋に突入したガウリイが見たものは。
虚ろな瞳から絶えず涙を流しているリナと。
そして、声が出せないようにとその小さな口に押し込められている布。
そして・・。
その服は、無残に引き裂かれ。
今にも、そんなリナの肌に触れようとしている・・・・金色の髪の男性の姿。
「ラグールぅぅぅぅ!!」
そのまま、今にもリナに触れそうになっているその男性。
ラグールの体を。
リナの上から引き剥がし。
ふとその下に組み敷かれていたリナの肌に。
何も跡がついてないのに心底安心する。
部屋に充満しているクスリの匂いに。
ガウリイは顔色を変えるが。
このクスリ・・・・かなり性質の悪いものなのだと。
ガウリイは、よく知っている。
クスリの影響か、桜色にと染まっているリナのその白い肌。
「くっ!この!ガウリイ!いいところで!」
もう少しで手に入れるというときに。
いきなり、入ってきたガウリイに、殺気を飛ばす。
「貴様だけはゆるさん!!!!」
そのまま。
ドスッ!!!
まず、その両腕を切り落とし。
そのまま、胸を貫いてゆく。
・・・・ドサ・・・。
悲鳴を小さく上げて。
崩れ落ちる、その体。
それを冷酷にみつめつつも。
すぐさまに。
「リナ!」
急いで口に押し込められている布を取り除いてやるガウリイ。
「・・・・ガウ・・・リイ?」
「大丈夫か!?」
蒼白になっているガウリイの表情に。
「ガウ・・・・ガウリイ!」
そのまま、こみ上げてくるままに。
ガウリイに抱きつくリナ。
「くっ。」
パサリと。
リナの下にあった、シーツを剥ぎ取り。
肌をあらわにしているリナの体を丁寧に包む。
「ここに長居はできない。行くぞ!」
きっと。
その部屋の先にある窓をガウリイが睨むと。
その気合だけで、こなごなに崩れる窓ガラス。
リナを両腕にと抱きかかえて。
そのまま、割れた窓ガラスから飛び降りてゆく。
「曲者だぁ!」
「賊が侵入したぞぉ!!?」
「ラグールさまをお守りしろ!」
走り去る城の奥から。
ざわめきが大きくなってゆく。
ピィ!
小さくガウリイが口笛を鳴らすと。
待機していた馬が、ガウリイの横にと駆けてくる。
そのまま、馬に飛び乗り。
リナを抱きかかえたまま。
ガウリイは、脱兎のごとくに、疾走を繰り広げてゆく。
ゆら・・・・。
床にこぼれる大量の血。
その中から。
ゆらりと立ち上がる人影一つ。
「・・・・・ふっ。まだまだこれから。
・・・・一度狙った獲物は、この私は逃がさないんですよ・・・。
まあ、この私を傷つけた罪は・・・あなたの想い人の体と。
あなた自身の命で償ってもらいますよ・・。」
そういいつつ。
どうみても、心臓を貫かれているその傷にと手を当てる。
見るまに、その傷はふさがってゆき。
失われた腕も、彼が視線を向けると。
そのまま、何事も無かったかのように。
その両腕にとくっついてゆく。
「ラグールさま!?一体!?」
バタン!
バスローブを羽織りなおしたラグールの元に。
兵士が数名欠けてくる。
「なぁに、何でもない。
・・・それより、至急、手配しろ。
あの二人の・・・・な。女は必ず生かして生け捕りにしろ。
・・・いいな?」
『はっ!!』
床にある大量の血を疑問には思うが。
主の命令は絶対である。
そのまま、命令のままに。
行動を開始してゆく。
やがて、空がしらみを帯びて。
光が差し込み始めてゆくころ。
ガウリイは、とある山の中の洞窟に。
リナをつれて、入っていた。
どうにか心配していた熱も収まっているようだが。
「・・・・・ガウリイ?」
まだどこか潤んだ瞳のリナの声に。
「・・・・大丈夫か?リナ?」
どうにか理性を総動員して語りかける。
「・・・・・・・・・ガウリイ・・・・あたしを殺して・・・。」
リナの口から紡ぎだされる、信じられない言葉。
「リナ!?」
「あた・・・・あたし・・・・いやなの・・。
抵抗できなかったのが・・知らない男の人に・・・抱かれそうになった・・・。
・・・自分が・・・・。」
その輝きに満ちていた紅い瞳は。
今はもう虚無を映している。
「そんなことができるか!」
「だって・・んっ!?」
「リナは何もされてない!それに・・・・そんなことが出来るか!」
「ガ・・ウ・・・。」
自分を殺して。
そういったリナの言葉に。
ガウリイの中で、何かが切れた。
「・・・・ちょ・・・ん・・・・あっ・・・・。」
「リナは、俺だけのリナだ・・。」
「・・・・んっ・・・。」
パラリ。
そのまま、二人の姿は。
重なってゆく。
「・・・・・・んっ・・・。」
「起きたか?リナ?」
腕の中で眠っていた愛しい女性に声をかける。
「ガウ・・・って・・・やだぁ//恥ずかしいよぉ////」
じたばたともがくその姿にも。
「恥ずかしがることはないだろ?
リナのことなんて俺は全て知ってるんだからな?」
「馬鹿ぁ!///あたしがいいっていうまで・・しないっていったくせにぃ!//」
真っ赤になって、ぽかぽかと叩いてくるその姿に。
くすり。
「元気になっただろ?もう死ぬなんて・・・馬鹿なことをいうなよ?」
「・・・・・・知らない!///」
その輝きに魅了される。
「ほう、そういうか。なら・・。」
「え・・ちょ・・ちょっ!?ガウ!?」
「クスリもどうやら完全に抜けたようだな。
ということで。」
「ちょ・・や・・・・馬鹿ぁ!////・・・・・・あっ・・・・//」
洞窟の上にある割れ目が。
リナの体を覆っていた白いシーツの上で、重なり合う二人の姿を。
まるで神秘的な光景のように照らし出してゆく。
「なあ?リナ。二人で誰も知らない場所に行って・・・・。
静かに暮らさないか?」
「・・・ガウリイと二人で?」
「ああ。どこか離れた島にでも、二人で。
そのうちに、リナとの子供と一緒にくらして・・。」
「・・・・・・うん。ガウリイとだったら・・・どこにでもあたしはついていくよ?」
抱き合いつつ、横になる新たな関係なったリナとガウリイ。
そんな会話をしつつ。
ガウリイの温もりを感じているだけで安心する自分に少し苦笑するリナに。
愛しい女性の全てを手に入れた満足感に浸りつつ。
強く優しく隣の女性―リナを抱きしめつつ言っているガウリイ。
「少し寝ろ、リナ・・・体・・・・大丈夫か?」
「・・・・馬鹿///誰のせいよ//」
「ま、そういうなって。リナだって気持ちよかったんだろ?」
「この・・・・・ぼけぇぇぇぇぇ!!!///」
じたばたばた。
完全にじゃれあっている新たな恋人たち。
外では、静かに雨が降り出していた。
3日後。
「よし!いくか!」
「・・・・何処に?」
リナを自分の前に乗せて。
馬にまたがるガウリイに。
問いかけるリナ。
「このまま、ここにいたら・・間違いなく追ってがかかるしな。
とりあえずは、オーディルに行って、そこで船を一隻貰うつもりだ。
この大陸から離れれば・・・
そうかんたんにラグールも手出しはできないはずだしな。」
死んでない。
まだ生きている気配がする。
アウストリアがまだ勢力を広げていない大陸は。
まだ少なからず存在している。
それらは、全て離れ孤島とかだが。
そこならば。
リナと二人で静かに暮らせるはずだから。
「・・・・・そーいえば?あたし、あのラグールってあんたが呼んでるやつ・・。
何も聞いてないんだけど?」
「・・・・・・・・・いってなかったっけ?」
「きーてないわよ!一体、ちゃんと説明しなさぃぃぃぃ!」
スパパァァァン!
いつものこぎみよいリナのスリッパの炸裂する音が。
馬を走らすのその背にて、見受けられてゆく。
ラグール。
今、実質的に。
アウストリア帝国の実権を握り。
その力にて、全ての大陸を制覇しようとしている、
ガウリイの従兄弟にあたる。
ラグール=パロ=ソリアテ=アウストリア。
その脅威は。
もはや、この惑星の殆どに広がりを見せていた。
-続くー
#####################################
よっし!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次回は・・・。
・・・・・・・・・お覚悟を・・・(汗)
一度めの・・・・リナ・・・自殺・・・・・(多分そこまでいけるはず・・・汗)
んではでは・・・・。