希望の行方    ~運命という名・・・~


くぅ・・・・・・。
すやすやすや・・・・。
髪をしっかりと握って離さない、幼い子供。
「・・くす。」
かわいいよなぁ・・・。
いや、本当に。
金の髪に碧い瞳の男性。
ベットで、しっかりと自分の髪の毛をつかんで離そうとしない、幼子を暖かな目でみている。
「・・・ははさま・・・。」
何か夢を見ているのだろう。
すこし、瞳から涙がでている。
「・・確かに。エル様は忙しいからなぁ・・・・・。」
この幼子は、自分達の絶対者。
金色の王の娘として、創り出された存在。
その寂しさは計り知れないであろう。
自分達のときは、まだ、仲間がいた。
同期として、創り出された神々や魔王達がいた。
「側にいるから。安心して、お休み。リナ様・・・。」
ちゅ。
かるく、額にキスをする。
眠ったのままの、幼女の顔がほころぶ。
不安から開放されたような表情に。
幼女の容姿は、はっきりいって、金色の母と瓜二つ。
さすがに、このリナ様に対する、エル様の態度には・・・。
・・・・絶対に慣れるわけもないが・・。
いつか、滅ぶかも・・(汗)
などと思っているスティルバイト。



どれくらい、時間が過ぎたのか。
すっかり、幼女に見とれていたスティルバイト。
「ん・・んん・・・。ふぁ・・・・。」
きょろきょろ・・・。
「ははちゃま?・・。」
起きてすぐに、母親の姿を探すリナ。
「お早うございます。リナ様。」
横をみると、お気に入りの金髪。
「あ!!すぃてぃるばいとだ!!ははさまは?」
涙を浮かべて、母親のことを聞いている。
「・・・いないの?」
しゅん・・。
くぅぅ!!かわいすぎる!!
確かに。
エル様が、この姿で、人前に出るな!!
というのが、よぉぉく分かる。
・・・・絶対に誘拐されるな・・・・(汗)
このリナ様は・・・・。
「エル様なら、今、会議中ですから。・・すぐに来ますよ。」
まず、確実であろう。
何しろ、会議をほってでも、このリナ様のことになると、
どうやら・・・あのエル様は行動するようだし・・(汗)
スティルバイトは、よっと、立ち上がる。
「ふぇ・・・。また、りな・・ひとり?・・・くすん・・・。」
だから、そういう表情は・・・。
はっきりいって、保護欲をくすぐるには十分すぎる。
ぽんぽん。
「俺が側にいますよ。リナ様。」
「ん~と。りちぇうすぃ。」
「・・・は?」
リナの頭をかるくなでていると、スティルバイトにリナが何かいう。
「あのね。ははさまは、りなと二人のときは、そうよぶの!!りなのほんみょう!りなはかしらもじなんだよ?」
よいしょ。
ん~・・・ん~・・・。
じたばたとベットの端につかまりもがくリナ。
まだ、ベットからよう降りられないリナ。
この姿では、身長がたりないのだ。
「はいはい。」 
ひょい。
リナを抱きかかえて、ベットからおろす。
「ありがと。すてぃるばいと♡」
にっこり。
天使の微笑み。
・・・・かわいすぎる!!
「・・・リナ様の本名?」
本名など、気にしたこともなかったが・・。
というか、エル様の本名など・・
はじめの何文字か聞きかけただけで、死にそうになったことがあったが・・。
だから、自分達は、エル様。
と、名前の頭文字で呼んでいる。
名前には、力が含まれる。
それが、万物の王なればなおさらのこと。
では、リナ様というのも、エル様と同じく、頭文字なのか?
「本名ですか・・・・。じゃあ、俺の本名もいいましょうね。スティルバイトは、一般名。
   カウチェリィ=キルティッシュ=スティルバイト。これが俺の正式な名前ですよ。」
この名前を名乗ることは、まずとないが。
「・・そういえば、ははさまからのちしきにそんなことが?」
首をかしげているリナ。
知識はあるが、あまり気にしてない。
というか、応用が利かないのだ。
「かう・・かう・・・。」
一生懸命に、言おうとしているリナ。
しかし、舌が回らない。
それが、無償にかわいらしい。
「んじゃ!!りながよびな、つけだける!かうりい!ね!!いいでしょ!!」
何度言おうとしても、正式な名前がすらすらと言えないリナは。
愛称をつけることにしたらしい。
――ぱちくり。
「・・・だめ?」
「いえいえ。くす・・いいですよ。」
まさか、愛称をつけられるとは、思わなかった。
というか、今まで、こんなに自分を純粋に慕った存在はいたか?
―いや。
いなかったように感じる。
恋愛の対象として、見ていた輩は多々といたようだが。
それも、自分の力を見てのこと。
力と容姿に惹かれてのこと。
「んじゃ、ははさまとおなじように、ふたりのときは、かうりいでよぶね!わぁぁぃvvりながはじめてなまえをつけたの!」
そこで喜びますか!?
くす。
本当に、無邪気でかわいいなぁ~♡
ぴょんぴょんと飛び跳ねているリナ。
よっぽどうれしいらしい。
母がいろいろな存在に名前をつけているのをみて。
自分も何かにつけたかったようである。
生きている存在に・・。
・・子供は、何でも真似をしたがるがゆえに・・・。
「・・・それで・・いい加減に俺の髪・・放してくれませんか?リナ様?」
困ったようにいいながら、目はしっかりと笑っているスティルバイト。
「え~。りな、これ・・きにいってるのにぃ~・・。」 
まだ、実は、髪の毛をしっかりと持っているリナ。
「はいはい。」
ざく。
「・・・?」
スティルバイトが自分の髪の毛を少し切る。
リナが不思議におもいつつ、じっと、その様子を見ている。
ちくちくちく・・・。
かろやかなまでの手つきで、何かを作っているスティルバイト。
彼は・・実は、結構器用なのである。
ふわ。
瞬時に、必要な、布などを自分の宮殿から取り寄せて、ちくちくと、針を動かしている。
よっし。できた!!
「はい。リナ様。これあげますから・・ね?」
「え!!わぁぁぁぃ!!!!ありがと!!!」
しっかりと、それを握り締めるリナ。
彼の髪を使った、小さな人形。
というか、マスコット。
金色の髪が人形の頭で揺れている。
小さな、リナをかたどった人形。
「ねね!すてぃるばいとのもつくって!るなとははさまのも!」
「はいはい。」
ちくちくちく・・・。
くすり。
かなり気に入ったようで。
他にもせがんでくるリナ。
しかし・・・。
ルナは、まだいいとしても・・・。
・・・問題は・・・。
エル様の髪の毛だよなぁ・・・。
ルナの髪は、何かで、それらしく、代用もきくが。
何しろ、あのエル様の人形である。
・・・下手なことはできない。
「エル様のは、ちゃんと、許可とってからにしましょぅね。」
ちくちくちく・・。 
「はい。これでいいですか?」
ちょこん。
そこには、小さな、マスコットのルナの人形。
それと、自分の髪の毛を使っている自分の姿をした人形。
その二点をリナに渡すスティバイト。
「ありがと!すてぃるばいと!じゃあ、おれいといえないけど。
  ははさまがあんまり人にいっちゃだめだって、いってる、りなのほんみょう、おしえたげる!」
・・・・はい?
思わず、目を丸くする。
・・・・確か、そう簡単に、本名は・・名載っては・・・・(汗)
何しろ、本名をつかい、それの召喚。
もしくは、悪用ができるのは、周知の事実。
まあ、リナ様の存在が・・存在だけに・・・。
そういうことは、滅多としても出来ないだろうが・・。
自分達クラスや二つか三つ上のクラスの存在なれば。
相手に、完全に本名を知られる。
ということは、逆にいえば、弱点を握られている。
というのに他ならない。
だから、一般の名前だけで、大概通す。
まあ、それを気にせずに、ファーストネームで名乗る存在もいるが・・。
それだけ、自分に自身を持っている。
または、別に悪用されても、問題ないから。
というのが多々とある。
自分に関しては、力の能力的に、すこし、やばいために。
あまり、軽々しく公開してないが。
何しろ、彼は、エル様に口止めされているから、言ってないが。
はっきりいって、神々や魔王達の中で、実力がトップクラスだけでなく。
・・・・かなりの上級の存在より、力が上らしいのである。
エル様が、そんな自分に何かの封印をかけているようだが・・。
彼は知る由もないが。
その理由に。
魔王や神々をいちいち創るのが面倒だった金色の王が、自分が創り出している、別の混沌の世界。
そこの、混沌たる存在の一つ、自分の息子としてある存在の魂を、
ちぎって、創った・・ということは。
「あのね!!りなのほんみょう!!
  りちぇうすぃ=なふぁれす=ねお=ろーど!!っていうのよ!!かしらもじをとって・・だからりな!!」
へぇ・・・。
すこし、痛い程度に感じたが。
その本名を聞いても、別に、何ともないスティルバイト。
普通なら、この本名を聞いただけで、滅ぶか死ぬかするはずなのに。
真実の名前には、力が含まれるがゆえに。
・・・リチェウスィ=ナファレス=ネオ=ロード・・・。
スティルバイトは、その名前をしっかりと、頭に叩き込んだ。
つまり、名前からして・・。
このリナ様は・・。
後々、この世界を・・エル様から完全に引き継がせるつもりらしいな。
エル様は・・・・。
ネオがついているのが何よりの証拠。
「・・なるほど。時期・・金色の王・・ということですか・・エル様・・。」
きょとん?
スティルバイトが小さく、苦笑する。
そんなスティルバイトを不思議そうな目でみているリナ。
「リナ様?でも、俺だったから、大丈夫ですけど?軽々しく、名前・・いっては駄目ですよ?」
リナの目線にもっていき、リナを諭す。
「・・ははさまもいってたけど・・?どうして?」
「くす。リナ様のもつ名前の力は、強大なんですよ。―下手したら、いいえ。使いようによっては、
  簡単に一つの世界ごと、消滅できる力・・。リナ様の名前には力が含まれてますよ?」
自分がすこし、痛く感じたのが、何よりの証拠。 
大概。
自分は、到底のことでは、動じない。
「いいですか?約束ですよ?」
じっと、リナの目をみつめる。
くりっとしたリナの目が、おおきくスティルバイトを見つめている。
「・・りな、わかった!!!」
うん!
大きく、うなづくリナ。


「リナ!!!!おきたかなぁ♡」
ばたん!!
リナの部屋のドアがおおきく開かれる。
「あ!!!ははさまぁぁ!!!」
「くぅぅぅぅ!!!いい子にしてた!?リナ♡」
がしぃ・・。
・・・・・こちん。
やっぱり・・慣れないよなぁ・・・・・。
ドアを開けて、入ってきた、自分達の創造主。
金色の王の姿をまともにスティルバイトは、見てしまい。
まるで、悪夢をみているかのごとくに、しばらくそのまま、硬直してしまった。
滅びないのは、彼のもつ力があってこそ・・・。
はっきりいって、他の存在ならば、体制がどうにかできかけている、ルナやレイス以外では、はっきりいって、滅んでいる。
下手すると、滅ぶどころか、完全消滅である。
「うん!!あのね!!あのね!!ははさま!!すてぃるばいとがこれ!!つくってくれたの!!」
リナが、貰った、三つの人形を母たるエルに見せる。
「あら。よかったわねぇ・・・・♡リナ♡」
にっこり。
・・・かちん。
・・・・・・・・・・・・なれない・・・・。
分かってはいる・・・・。分かっては・・いる・・が(汗)
流れ出る、冷や汗をスティルバイトは、どうしようもなかった・・・・。
「ははさま?あのね!!りなね!!ははさまの人形もほしいの!!
  すてぃるばいとにははさまのもつくって!っていったら、ははさまのきょかがいるとかいうし・・。・・駄目?」
上目遣いに、母親をみるリナ。
「くぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!リナ!!なんてかわいいの!!!!」
それに、たまらない、エル。
そのまま、膝をついて、しっかりとリナを抱きしめる。
なるほど。
この人形、彼の髪を使ってるのねぇ。
「いいわよ♡りな、それなら、あたしがつくったげる♡あたしの人形はね♡」
なでなで。
「わぁぁぃ!ははさま!!だからすき!!」
・・・・・・・・・・・・・。
「・・・あ・・あのぉ・・・エル様・・・・。俺・・そろそろいってもいいでしょうか・・・・。その・・・会議の資料の・・まとめが・・・・・(汗)」
どうにか、こうにか、かすれる声を絞り出す。
これ以上、ここにいたら・・絶対に死んでしまう(汗)
あまりにも、信じられない光景が繰り広げられているがゆえに。
「あ、ああいいわよ。部下ST。資料は、ちゃんと、作ってね♡」
・・・・ほっ。
たすかった・・。
「それでは。」
「あ!!またね!!すてぃるばいと!!ついててくれて、ありがと!!」
リナがぶんぶんと手をふる。
くすり。
「どういてしまして。では・・。」
部屋を出て行こうとするスティルバイト。
「あ、スティルバイト!」
―え゛(汗)
名前で、エル様が呼ぶときは・・何かある(汗)
ドアに手をかけたまま、固まるスティルバイト。
「リナに、人形、ありがとね♡」
・・・・こっきぃぃぃぃぃんん!!!
そのまま、彼は、完全に、凍り付いてしまった。
「ど・・どういたしましてなのです!し・・しつれいします!!」
支離滅裂なことを言い放ち、あわてて、リナの部屋より立ち去る。


「あ・・・・あのエル様が・・お礼ぃぃぃぃい!!!!!!????」


しばらく・・・。
行動不能に、陥ってしまった、スティルバイトであった・・。
その場で、そういうふうにならなかったのは。
さすがとしかいいようがないが・・・・。


「ははさま?」
「さあ♡リナ、お着替えしましょうね♡」
「うん!!」
「今日は、どれにしましょうかね♡」
ずらり。
すべて、エルの手作りの服が。
―ぱちん。
エルが手を鳴らすと、クローゼットが出現し。
ところせましと、並んでいる。
「じゃあ、リナ、姿・・代えなさいね?いつ、誰に見られるともわからないから。」
エルがいうと。
「ははさま?十代の姿でもいい?」
「別にいーわよ。」
「うん!!このまえ、ゆにっとねえさまが、あのすがたがらくだっていってたの!!」
・・・・ユニットが?
「まあ、ユニットは、大概、十代前半の姿してるからねぇ。」 
ユニットというのは、エルの親友でもあり、
そして、まったく別次元・・というか、次空の、自分と同じ存在。
すべての混沌を抱擁せし存在であるのだが。
ときどき、遊びに来ている彼女。
リナを作り出してからは、ときどき、一緒に、店をやって、二人して、遊んでいるが。
「うん!!こつ・・おしえてもらったの!!」
こつを教えてもらったというのに。
まだまだ、力が不安定なまでのリナ。
それほどまでに、強大で・・そして、あやうい、その力。
「じゃあ、それでいーわ。」
はっきりいって、年頃の姿になられると・・・。
・・この子。
今の精神だと・・・やばいからねぇ・・・。
はっきりいって。
リナには分からないであろう。
何をされようとしても。
それならば、この幼子の姿だと、完全に、誘拐の危険もあるが。
まあ、十代くらいの姿なれば。
あんまり、問題もないでしょ。
今、リナは、一歳程度の姿であるが。
普通に姿を変えると、三歳程度の姿となる・・・。
「うん!!」
リナが、一生懸命、力を集中する。
まだ、簡単には、できないのだ。
慣れば、ほんの一瞬で、できることでも。
ぽう・・・・。
やがて、リナの姿が、人でいうと、十代前半・・十代にとどくか、届かないか?
という姿に変わる。
「母様?これでいい?」
「くぅぅぅ!!よくできました!!」
がしぃ!!!
「わぁぁぁぁぁいvvv」
かわいいのは・・よくわかる・・・・。
わかるが・・・・。


なんとも、ほのぼのとした、情景が。
エルの部下達がみたら、まず、消滅であろう。
リナの子供部屋で、繰り広げられていた。


「わぁぃvv人形vv人形vv」
リナの腰に、四つの小さな人形が揺れている。
母に創ってもらった、母の人形と。
スティルバイトに創ってもらった、自分と、彼とルナの人形が・・。
てくてくてく。
リナは、宮殿の中をうろうろする。
初めてみる人達が一杯。
それだけで、リナは、とっても、面白いがゆえに・・・。
今、この宮殿には、すべてのこの世界・・つまり、
リナ自身が核となっている、この世界の。
すべての世界の代表者が、会議のために、集まってきているのである。
リナは、それが、楽しくてしかたがない。
リナの姿は、金色の髪に、金色の瞳。
そして、姿は、十代そこそこ。の姿。
金色の母のミニチュア版。
はっきりいって・・。
まだ、リナは、この容姿からは、姿を変えられない。
というのも、まだ、力の応用が分かってないから・・・・


リナが、それを覚えるのは・・もうすこし、先の日のこと・・・。




いろんな人がいるな♡
てくてくてく・・。
この宮殿に、いるはずのない子供。
思わず、全員が石化する。
なぜならば・・。 
その姿は、まぎれもなく、彼らにとって、絶対主の姿のミニチュア版なのだから。
よく、この姿で、もう一人の存在と、なぜか。
お仕置きに来ている彼女のことを思い、そのまま、リナをみて固まっている。 
だが、リナから発せられる気配は、少し違うもの。
「あ・・あの?」
一人が、リナに声をかける。
「こんな所に、どうして、子供が?」
んーと・・。
「えと・・。確か・・。」
リナは、知識をめぐらせる。
リナは創られたときに、全ての知識は、込められているゆえに。
「そだ!!ユークレースだ!!」
ぽんと手をうつ、リナ。
とある世界の、竜神ユークレース。
たしか、ルナ達よりも、後期の存在。
薄い、緑色の髪に、薄い青色の瞳。
見た目には、もろくも壊れそうなその風貌。
「え!?」
いきなり、名前を呼ばれて、固まる竜神ユークレース。
この子供?
一体?
「リナ様!!」
リナにとって、聞き覚えのある声がする。
「あ!!スティルバイト!!」
みれば、リナのお気に入りの金髪がかけて来る。
「何やってるんですか!!今は、いろいろな場所から、代表がきてるんですから!!一人で歩いてはだめですよ!リナ様!!」
リナが、一人で、宮殿の中をうろうろとしている気配を感じ取り。
とにもかくにも、書類を投げ出して、やってきているスティルバイト。
「あ・・スティルバイトさま?」
いきなり現れたのは、彼らにとっては、あこがれの存在。
並いる神々や、魔王達の中で、ずばぬけた、実力を持っている、碧玉の王(スティファランス)スティルバイト。
一部では、彼の実力は、上層部にひけをとらない。
とまで、噂されている人物である。
それゆえに、スティルバイトは、どんな存在にも人気がある。
彼のその容姿と、その力に惹かれてだが。
彼自身を見ているものは・・まずいない。
まず、彼の力を前提に全員がみている。
まあ、同期でもある魔王達や神々は、同期のよしみで、他とは違う見方をしているが。
その彼が、自分を無視して、今、自分の眼下にいる子供に話しかけている。
まるで、自分は目に入ってないように。 
ユークレースは、一瞬、理解不能となる。
・・・リナ様?
「ええ・・・でも・・。母様・・忙しそうだし・・。」
リナが、スティルバイトの言葉に、返事をしている。
「はいはい。俺がついてますから。・・ですから、一人で、危ないですから、うろうろしないでください・・。」
ぽん・・。
リナの肩に手をかくスティルバイト。
まったく・・・。
何かあってからでは・・・・。
何しろ、このリナ様。
今だに、力の勝手具合がわかってないようだし。
それに、リナ様のことを知らない存在も、まだほとんどだ。
・・・・何かあってからでは・・・。
まず、遅い。
というか、そんなことがあったら、全員、問答無用で、エル様に、お仕置きされてしまうであろう。
スティルバイトは、確信していた。
「ほんと!!ほんとにりなといっしょにいてくれるの!!」
わーいvv
スティルバイトに抱きついてるリナ。
まあ、姿が、十歳前半なので、戯れている子供なのだが・・・。
というか、リナは、まだ、創り出されて・・・。
誕生してから、まだ二ヶ月と少ししかたってない。
「あ・・あの?ひょっとして、スティルバイト様のお子様ですか?」
「・・まて、俺は、まだ結婚もしてないし、子供もいないぞ・・。」
側にいるユークレースをじと目でみるスティルバイト。
「それに、そんなこといったら・・・。お前・・・。・・・知らないぞ?」
「何が?」
そういいかける。
「あら♪部下U♪リナは、あたしの娘よ♪」
びしぃ・・。
聞き覚えのある声がした。
「あ!!母さま!!」
とててて!!
「リナってば・・駄目じゃない!!一人で、家のなか、うろうろしちゃ!!めっ!!」
こつん。
リナのおでこをかるくはたく、金色の彼らにとっては・・絶対主の姿・・。
・・・・・・・・ぱしぃ・。
石化。
そのまま、フリーズしてしまう、ユークレース。
ぽんぽん。
「まあ、そういうことだ。
  エル様が、この世界・・つまり、ここの混沌そのものとして、産みだしたエル様に代わる・・俺らの主みたいなものだから。」
駄目押ししているスティルバイト。
「あら♪スティルバイト、よくわかったわね。」
エルが、スティルバイトにいう。
「そりゃ・・分かりますよ。」
ふぅん。
この辺りは、ルーといっしょで、勘がいいのね。
そんなことをふと、エルは思いつつも。
「ほら、リナ、あとで、ちゃんと、皆に紹介するから。」
「はぁぁぃ!!」
とててて。
ぽすっ。
ステイィルバイトに、すがりつくリナ。
「じゃ、それまで、リナ、スティルバイトと遊んでる!いいでしょ?母様?♡」
くぅぅ!!かわいい!!
がしぃぃ!!
「いいわよ♡リナ♪部下ST!!リナのこと、頼んだわよ!!ちょっとでも、危ない目にあわせたら、お仕置きね♪」
・・・・・・(汗)
「わ・・わかってます・・・エル様・・。」
伝わる汗をどうしようもないスティルバイト。 
あ・・・
うぅん・・・・。
やっぱり・・・死んだか・・・・。
傍らでは、今の風景が信じられずに。
物質化する力を失っているユークレース。
といっても、ここは、精神世界の濃密な空間・・というか、この世界の混沌の中心地帯でもある空間だから、
完全にまでは、物質化がなくなっているわけではないが。
つまり、形はあるが、完全に、実体化できなくなっているのだ。

ひゅるる・・・・。
エルとスティルバイトたちがその場をあとにしても。
しばらく、ユークレースと、その場を遠巻きにみていた存在達は。
一日以上、その場から動けなかった・・・・。


「今度、ここのあたしの後任として、創ったあたしの娘よ♪リナ、入ってらっしゃいvv」
「はい♪始めまして!!リナといーます!!」 

どんがらがっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!!!!

やってきていた、全ての存在は。
そのまま、盛大に、ずっこけて・・そのまま、死んでしまう存在が多数。
みれば、金色の母に瓜二つ。
姿は、今は、子供の姿だが。 
何しろ、姿はどうにでもなる。
それは、彼らは、よく知っていた。
「あ♪それと、この子、まだ力うまく、コントロールできないから♪
   お茶目にも、どこかの世界消滅させるかもしれないから♪別に気にしないでね♪」
・・いや。
それは・・・・(汗)
気にするって・・・(汗)
全員が同じことを思ったのは・・いうまでもないが。
「あのね、エルお母様と、ユニットお姉様が、いろいろと、教えてくれるから、ときどき、あたしもどこかにいくから♪」
しゅたっ!!
手を掲げていうリナに。
さぁぁぁぁぁ!!!
全ての存在から血の毛・・血といっていいのか。
つまり、力がそがれていく感覚・・いや、実際にそがれているのだが。
精神的なダメージで。
それにとらわれて。
その場にいた、今、リナを初めてしった存在達は。
哀れにも、その場にて、全員、気絶していた。 

「あら・・・。こんな些細なことで・・・。・・これは、お仕置きけっていね♪リナ、あんたも、やんなさい♪」
「はい♪母様♪」

うっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・。

平和な、全ての中心たるカオスパレスで。
各世界の代表者たちの悲鳴が・・こだましていた・・・・・。




〃うぎゃぁぁ・・・・・。〃
「あ・・やってますね・・(汗)」
「・・だな(汗)」
「まあ、エル様とリナさまだから・・。」
うんうんうなづいている三名。 
紫かがった、蒼い髪の女性に。
漆黒の長い髪の男性。
それに、凄烈までの金色の髪の男性。 
赤の竜神(フレアドラゴン)ルナ=スィーフィード。
赤瞳の魔王(ルビーアイ)レイス=シャブラニグドゥ。
碧玉の王(スティファランス)カウチュリィ=キルティッシュ=スティルバイト。
ルナとレイは、リナのことを自分達がいまいる惑星でできたから、知っている。 
偶然に、スティルバイトは、この宮殿で、リナにであって、リナの真実を知っている。
それゆえに。
秘密を共有しているという形で。
なぜか、硬い結束がうまれつつある三人なのだが・・。
「・・だな。」
なぜか、汗ながしているレイス。
彼らが、リナを知ったのは。
リナが、力を使い、移動を失敗して、とある大陸にいったとき。
泣き喚いて、その大陸を蒸発させた。
というあのときである。 
さすがに、自分達が、今、その身を置いている惑星に。
エル様が、人のふりして、道具屋をやっていたのには、驚いたが・・・。
それは、しかし、他には、他言無用♡
と、無言の圧力をかけられているルナとレイス。
それゆえに、直属の部下には、あまりにも、とんでもない内容がゆえに。
教えてたり、教えてなかったり・・。
下手に教えると、滅びるまでいってしまう、内容がゆえに。
「しっかし・・。レイス、ルナ、お前らも・・たいへんだな。」
スティルバイトが、二人にいう。
「そういうスティルバイトこそ。・・リナ様に気に入られて・・・。・・・後が怖くないか?」
「・・・・・あ・・・う゛(汗)」
そういえば。
リナ様の愛らしい姿にばかり見とれていたが・・。
・・・よく考えると・・・・。 
リナ様に気に入られる・・ということ・・。
それスナワチ・・・。
エル様の嫉妬も当然・・・・。
「・・・・ま・・まあ、それはそれとして・・。」
しかし、リナ様にあえないというのも・・なぁ。
リナ様は、守る、と誓ったんだし・・。 
「・・・スティルバイト・・顔がほころんでるわよ・・・。」
しれっというルナ。
「え・・あ・・そうか?いやぁ・・ははははは♡」
『ふぅ・・。ま、気持ちは・・わかるがな(けどね)。』
スティルバイトの笑と同時に、ルナとレイスが、同時にため息をついていた。


スティルバイトは気づいてない。
今は、ただ・・本当に守りたい存在なのだが。
それは・・・。
仲良くなるにつれ、
一人の存在として・・・想い始める序曲だということに・・・。
ルナも、レイスも、エルも。
そして、リナ自身ですら。
今は、誰も・・。
微塵にも思ってない真実を・・・・。



                  -続くー


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 #################################### 

まえがき:
こんにちわ♪
ふふふふ♪またまた過去話ぃぃぃ♪(だからまて!!)
ではでは♪リナとスティルバイトの過去話です♪(だからまてぃぃい!!!)


#################################### 二段目♪

次は、三段目の過去話♪
全て本編の前ぶりにある話です♪
(違うのもあり・・爆!)さて・・どこだ!?(爆!)


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