希望の行方 第6話
「まじですかぁぁぁぁぁ!!!!!?」
「で・・・・・でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
きょとん?
どうしてこの二人・・・・そんなに驚いているの?
自分が爆弾発言をしたなどと、夢にも思わずに。
そんな二人をそのきょとんとした大きな瞳で見上げているリナ。
二人の・・・・獣神官ゼロスと、獣王ゼラス=メタリオムの中で。
先ほど浮かんだ考えが・・。
恐ろしいまでの現実として。
突きつけられた瞬間でもあった・・・・。
「??????どーかしたの?」
まったく。
意味を理解してないリナを前に。
しばらく混乱してゆくゼロスとゼラスの姿が。
その場にて見受けられてゆく・・・・。
その容姿から連想されるのは。
間違いなくかの御方。
それ以外の何者でもない・・・・ない・・・が。
「どどどどどうしましょぅ・・・・ゼラス様・・。」
「・・・・・私に聞くな・・・・。」
聞いてしまった以上。
放っておくことなどできはしない。
かといって。
何かこれ以上。
深入りすると・・・・逃れられなくなるような気がひしひしとする。
そんなぽそぽそと会話をしているゼラスとゼロスに。
「ねえねえ?ここどこ?ははさまたちどこぉ?リナ、どこにいるの?ねぇ?ねぇ?」
つんつんと。
よたよたとたちあがりつつ、二人の服のすそをその小さなもみじの手で。
にぎって質問しているリナ。
まだ数ヶ月程度の普通の人間の赤ん坊の大きさではあるが。
さすがというか、何というか。
一応もう立ち上がることはできるようになっているリナ。
くりっとしたその大きな、金色の瞳で見据えられては。
どう対応していいものか。
「・・・・・とりあえず、ゼロス。危なっかしいから。このお子、お前が抱け。」
「えええええ!?僕がですかぁ!?そんな、ゼラス様のほうが!」
よたよたと。
今にも転びそうなリナをみて。
冷や汗を丁寧に具現化させてつぶやくように言うゼラスのその言葉に。
僕なんかでは恐れ多いです!
という意味合いを含めて抗議の声を上げているゼロス。
「お前の持っている荷物は私がもってやるから。」
というか。
これ・・・・・。
全部ゼラス様の荷物なんですが・・。
などと思うが。
相手は上司。
いえるはずなどあるはずもなく。
「・・・・・・わ・・・分かりました・・・。あ・・あの?出来れば何処にお連れいたしたらいいのか?教えていただけないでしょうか?(汗)」
とりあえず。
ゼロスがもっていた荷物のその全てを、空間転移させて。
自分の宮殿にと移動させているゼラス。
・・・・あ、ずるい・・・。
ふと。
そんなことを思うゼロスであるが。
いえるはずなどあるはずもなく。
腰を下げてリナと目線を同じくして。
膝をつきつつリナにと聞いているゼロス。
そんなゼロスのその言葉に。
「どこって・・・・?リナのいえのこと?あのねぇ。まじっくしょっぷえるとかいうばしょに。
いま、えるおかあさまとゆにっとおねいちゃんといっしょに。すんでるの!りなは!」
にっこりと微笑んでそういうその言葉に。
思わず。
・・・・・・・・・・かわいい!
ふとそんなことを思ってしまい。
はっとなっているこの二人。
まあ、それが当然の反応であろうが・・。
そして。
ふと。
「・・・・・マジックショップ・・・・・エル・・・・・?(汗)」
ふと。
今。
まことしやかに人間界で流れている噂を思い出す。
・・・・どんな品物でもそろう店・・・
まあ、よくある人間のでっち上げの話だと。
思っていたのであるが・・・・・。
つぅ・・・。
そのリナの説明に。
再び顔を見合わせて。
『・・・・あ・・・・あははは・・・・・・・・・・・(汗)』
何となく、いや、かなり。
おそらく間違いがないであろう。
その事実に思い当たり。
ただただ。
カラ笑いを挙げる二人の姿が。
きょとんとしているリナの前で。
しばし。
みうけられてゆく・・・・・・・・・・・・・・・
「んとねぇ!こっち!」
とりあえず。
いくらなんでも。
ゼロスが抱いてゆくのでは。
それに関して、機嫌を損ねるのでは?
という、ゼロスの的確な言葉にしたがって。
結局はゼラスが抱きかかえるように。
腕一本で左側にと小さなリナを抱きかかえ。
リナが指示するとおりに。
指し示す方向へと足を運んでゆくことしばし・・・
「あらvほら、エル♡」
しばらく近くの人気のない場所に転移して。
そのまま。
眠れる竜の大陸の中に位置している主要王国ジール。
そこにやってきているゼラスとゼロス。
とりあえず。
予想通りというか何というか。
噂に聞いたとおり。
リナが示した場所は。
そのジールシティの中にあるという。
とりあえず。
リナを連れて町の中に一歩踏み出したその刹那。
どことなく、ゼラスには。
聞き覚えのあるような声が聞こえてくる。
とりあえず。
召喚・・・・というか。
呼び出したルナとレイスに店番を頼み。
・・・まあ、押し付けたという表現もあるかもしれないが・・・・・。
リナを捜しに外にでている、絶世の美女というより表現のしようがない、金色の髪に金色の瞳。
なぜか周りに金色のオーラのようなものをまとっていような気がするのは。
気のせい・・・ではない。
そして。
漆黒の長い髪を紅いレース状のリポンでポニーテールにと結んでいる、青い瞳の女の子。
そんな二人が。
ふと。
町の入り口近くに出現した気配に気付くのは。
彼女達にとって、とてもたやすいこと。
「あ!えるかあさま!ゆにっとおねいちゃん!」
ふと。
その気配にいち早く気付く抱きかかえられている格好のリナは。
そちらの方向に向かって。
ぶんぶんと手を振っている。
その反動で揺れ動き。
「ああああ!危ないですよ!?」
必死に落ちないようにと力を入れるゼラス。
そんな彼女の視線の先に。
・・・・・どこかで見覚えのあるような気配が二つ。
近づいてくるのが嫌でも分かる。
そして。
「あら。ゼラス♡それにゼロスも。ご苦労様♡リナをつれてきてくれたのね♡」
・・・・・・・・・・・・・・・。
信じられない声をきき。
しばしその場で石化。
普通は出会ったことがないのが通常であるのだが。
幸か不幸か。
彼ら・・ゼラスとゼロスは。
よく、彼らの上司でもある、赤瞳の魔王の元にお仕置き・・もとい。
状況確認とその報告などで。
かなりの頻度で出会ったことがある存在。
特に。
ゼロスなどは、よく。
動けない上司たちの代わりにいく度報告書をもっていかされたことか・・。
まあ、その後。
代理をよこすなど何事!?
といってよく制裁を喰らっていたりする魔王がいたりするのは・・・
殆ど一般には知られていない事実・・・・・・・・
ひょいと。
未だに石化しているそんな二人を横目に。
「まったく。こら、リナ。めっ!まだ一人でうろうろしたら・・・めっ!でしょ?」
こつん。
そういいつつ。
リナの額を軽くこづいて。
ひょいと抱き上げている金色の髪に金色の瞳をしている女性。
「はぁぃ!わぁぃ!ははさま!ははさま!」
そんな女性・・エルにきゃっきゃといいつつ。
抱きついているリナをみて。
・・・・・・・ピシリ。
完全にその場にて。
二人の姿は。
一体全体。
今、自分達は何をみたのか。
そのことすら理解できないまま。
しばし。
ダメージをかなりうけ。
その互いに色がなくなりかけていたりする。
・・・まあ、女性・・・・エルの正体を知っていながら。
これだけの反応。
というのは。
ゼラスとゼロスが、一応は上位魔族であるからに他ならない。
・・・・普通ならば完全に滅んでいる・・・・。
まあ、信じられないであろう。
彼らの・・・いや、魔族の・・そして、全ての混沌の王たる、金色の王が。
そんな行動をしている・・・ということすらが。
「ほらほら、エル?二人とも、下手したら、滅びかけてるわよ?」
くすくすと。
そんな二人の横から。
聞こえてくる鈴を転がしたようなかわいらしいそれでいて、澄み切った声が一つ。
「あら。この程度で滅びたら。それなりのお仕置きは確実よ♡」
その言葉にはっとなり、持ち直す
さすがに。
伊達に上司の・・・魔王が成されている仕打ちを見ていることはある。
そして。
とりあえず。
リナを抱っこして、キスをしているエルには視線をあまり向けずに。
・・・どうやらまだ抵抗・・というか。
状況を把握するのに。
思考がついていかないらしく。
とりあえず。
二人は、懸命な判断。
つまり。
現実逃避に走り。
みなかなったことにする。
という方法にたどりついていたりする。
「・・・ュ・・・・ユニット様、お久しぶりでございます・・。」
我に戻ったのは。
聞き覚えがある声がしたがために。
その正体は・・・詳しくは知らないが。
何でも、【この御方】の親友であるらしい。
そんな御方がただの人でないということくらい。
いくらなんでも彼らですら分かる。
まあ、事実。
彼らが創り出される前から。
たまぁに顔を覗かせているらしいのであるから。
普通の存在でないことは明白。
しかも、かなりの実力を持っており。
金色の王曰く。
自分と同じ。
といつか爆弾発言をした。
というのをどこかで聞いたことがあるような気もしなくもない。
そんな、少女の姿を認めて。
思わず震える声で挨拶をするゼラス。
・・・未だにゼロスは石化していたりするのであるが・・・
「ま、こんなところで立ち話は何だし。店にもどりましょ?あ、ほら、リナ?お手手が熱くなってるわよ?ねんねの時間ね♡」
・・・びしり。
そんな会話をしているエルの言葉を聞きつつ。
・・・・・スイマセン・・魔王様・・・・
わたしたち・・・・滅びるかもしれません・・・・。
などと。
気が遠くなりつつ。
どこかで聞いているゼラスとゼロスの主従であった・・・・・
その言葉と同時に。
「じゃ、いきますかv」
にっこりと微笑み。
ユニットと呼ばれた少女が。
すっと片手を横にと伸ばす。
次の瞬間には。
ユラリ。
そのまま。
ジールシティのその入り口付近の表街道のそのど真ん中。
そこで話していた四人と赤ん坊一人の姿は。
まるで陽炎のように。
周りにかなりの人だかりがいるというのに。
一瞬のうちにと掻き消えてゆく。
だがしかし。
それに多少驚いた人達はいれどもすれ。
別に。
それを気に留めるわけでもなく。
そのまま。
何事もなかったかのように過ごしている人々の姿。
ここ、ジール・シティには。
様々な人種や生き物が共存しいるがゆえに。
・・・・あまり。
こういったことは珍しくないという現実があるがゆえに・・・・・。
この地、魔道都市ジール・シティ。
エルフや竜、などといった者達以外。
精霊などといった生き物たちも、普通に生活している場所。
ぼうぜんとする視界に映ったのは。
なぜか。
幼い赤ん坊を抱きかかえて。
奥にと進んでいるかの御方の姿と。
そして・・・・。
「・・・・・・って、魔王様ぁぁぁ!?」
「・・・・・・って、スィーフィードさん!?」
思わず驚愕の声を挙げているゼラスとゼロス。
まあ、驚くのも道理であろうが。
ふと。
なぜか、どこに移動したのかはわからないが。
視線を移動させたその先に。
どうやらここはどこかのお店の中らしい。
そのカウンターの中に。
見覚えのある姿を二つ。
視界に捉えれば。
叫びたくなるのは当然であろう。
「って!?ゼラスにゼロス!?」
「・・・・・・・・あら、丁度いいじゃない。 レイ、彼らにも協力してもらいましょうよ・・。」
「・・・・・・ルナ・・・う・・・・確かに・・・。」
驚愕する魔王のその言葉とは裏腹に。
少し驚きつつも。
何となく状況を理解し。
そして、今エル達に連れてこられた二人をみつめ。
「あんた達、言っておくけど・・。このこと、下手に公言したら・・・。この世界、どうなるか・・・わかっているわよね?」
その紅い瞳の奥に恐怖の色がこびりついているのは、気のせいではないであろう。
その言葉にはっとなり。
こくこくこくこく!
素早く首を何回も立てにふるより他にすべがないゼラスとゼロス。
「あ!ユニット、ミルクもってきて!」
「エルぅ、それくらいそこで作りなさいよぉ。」
苦笑交じりにそういうユニットのその台詞に。
「あら、あそこのミルクがおいしいのよvそれに、ミルクあげるのは。窓の外にきている猫よv猫v
そりゃ、リナには私が今創り出してのませているわよv」
にゃぁぁぁ~・・・・。
ごろごろごろ・・・。
リナのお気に入りでもある近所の飼い猫が。
リナに挨拶に来ているのをみて。
そんなことを部屋の奥・・つまりは、リナのへ部屋でもある子供部屋から言っているエルに。
「あ、そういえば、みうちゃん、きてるのね。まってねv」
そういってミルクを片手に奥にと引っ込んでゆくユニットをみつつ。
「・・・・いい?ここで見聞きしたことは。漏らさないほうが身のためよ・・。」
「・・・・とゆーか、気をしっかりもたねぱ・・・・消滅するぞ・・ここでは・・・・。」
あまりのことといえばあまりのことの光景に。
呆然としている二人の肩をぽんたととたたき。
・・・・忠告しているスィーフィードとシャブラニグドゥであった・・・・・・。
-続くー
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まえがき:
こんにちわ。
ふう。欝になる気分の中の心のオアシスv
やっぱり子供のリナはいいv(こらまて!)
なのでいくのですv(だからまて!)
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あとがきもどき:
薫:うーん。なぜか打ち込みが乗りませんねぇ・・。なぜ?(こらまて!)
とりあえずv今回でゼロスとゼラスも共謀に(こらまて!)
ふふふ・・・・。これより後に。
・・・・・・魔王・・つまりはSとともに。魔法道具屋(マジックショップ)エルの。店番をするハメになるのです(笑)
この二人もまた(かなりまて!)
・・・・・エル様・・・活躍しておられない?(汗)
・・・・あ・・・あはは・・。
ま、何はともあれ・・ではまた・・・v
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