狭間の選択     ~結婚式、それでいいのか?~
   


     カラァン。
     カラァン。
     協会の音が、町全体にと鳴り響く。
     「って、何がどうなってるのよぉぉお!?」
     よぉぉぉぉ~!
     よぉぉぉぉ~!
     よぉぉ~!
     栗色の髪の女性の叫び声が、むなしくあたりにと響き渡っていたりするが。
     「おーい、リナ?どうかしたのか?」
     問いかけてくる横にいる男性は。
     リナの目からみても、きれいなほどにと整った顔立ち。
     正装しているがゆえに、いつもよりさらにりりしくみえていたりする。
     「いや、だから!?どうして、あたしとガウリイが結婚しないといけないわけ!?」
     いまだに叫ぶリナの言葉に。
     「何いってるんだ?リナ?
        前からオレ、いってたぞ?」
     「いついった!?いつ!?」
     いつのまにか、結婚。
     ということが前提で、話がさり気に摩り替わっていることに、リナはまだ気づいていない。
    「いや、散々いってたと思うんだが?」
    「しるかぁぁぁぁ!つーか!何で!
       あたしがあんたと結婚しないといけないのよぉぉぉ!?」
    叫ぶリナに。
    「…リナ、何わめいてるの?お仕置きうけたいわけ?」
    気配もまったく感じさせずに。
    いきなり二人の背後より聞こえてくるとある声。
    ピシッ。
    その声に、しばし、リナは固まり。
    そして。
    「お久しぶりです。義母さん。」
    ちゃっかりと、母呼ばわりしているガウリイ。
    「ちょっと!?母さん?どうなってるわけ!?これは!?」
    しばし固まったのちに、ふとわれにと戻り、叫びながら問いかけているリナに対し。
    「あら、どうなるも何も、あなたとガウリイさんの結婚式に決まってるじゃない。
      うれしいわ。まさか私たちの一族以外にも同じような体質の人がいるなんて。
      リナはそのあたりのこと疎いからひっぱっていく人がいい、と思ってたのよねぇ。」
    にこやかにそんなことをいっているそんな母の言葉に。
    「このあたしのどこが疎いのよ!?どこが!?」
    まったくそのことに気づいていなリナ。
    だがしかし。
    「…リナちゃん、私と親族になるの、そんなにいやなの?」
    うるうるうる。
    いつのまに!?
    リナの母の後ろにと控えていたルナが思わずその声にびしり、と固まっていたりするのは、
    仕方がない、といえば仕方のないこと。
    みれば。
    そこには、ビンク色のフリルのついた、かわいらしいドレスに身を包み、
    頭のリボンは赤のまま、とはいえ。
    いつものポニーテールを少しかえ。
    軽く後ろでリポンで結んでいる一人の少女の姿が。
    いつも上に上げていた髪をそのままにしているがゆえに。
    地面につかんばかりの長い漆黒の黒い髪。
    少しウェーブが入っているのが何ともその少女の愛らしさをさらに引き立てている。
    ピンクの服に青い瞳、それに漆黒の髪に赤いリボン。
    しかも、それがとびっきりのどうみても、申し分のない美少女、といっても過言でない、
    年のころならば、十前後の少女であるがゆえに。
    彼女の実態を知らないものなどは、そんな少女の姿に思わず見惚れていたりする。
    まあ、姿が子供であるがゆえに、恋心を抱くものは、あまりいない、というのが不幸中の幸い。
    というところであろうか。
    そこにいるのは、黒い髪のそれでいて、
    吸い込まれそうなほどの青い瞳に漆黒の瞳孔をもっている、一人の少女。
    しかも、かなりというか、まずどこにもいないであろう、というほどのかわいさに加え。
    その瞳にうるうると涙をためて、リナをすがるように見ていれば。
    リナでなくても、思わずうなってしまうのは仕方がない、とはいえるであろうが。
    「え?いやあの・・・ミリーちゃん?」
    さすがのリナも彼女に泣かれる、とは思ってなかったらしく。
    かなり狼狽していたりする。
    一方のガウリイはガウリイで。
    ミリーさんの場合、本気なのか演技なのかオレでもわかんないからなぁ。
    そんなことを思っているガウリイ。
    「くすん。私にとっては、たった一人の身内、ともいえる大切なフェアリーの、
      大切な子供なのに・・・・それなのに・・・リナちゃん、私と親族になるのイヤなの?
      くすん・・・・くすんくすん。」
    そのまま、顔に手をあてて、くすん、と泣きじゃくり始めているその少女。
    「あああ!なかないで!わかった!わかったから!
      結婚でも何でもするからぁぁぁぁぁ!」
    さすがに、この少女に泣かれては、さすがのリナもそういうしかない。
    というか、何でアレと同じ存在がこの程度でなくんだ!?
    という思いも少しあるものの。
    だがしかし、彼女がどれほどガウリイの母親である彼女のことを思っているのか。
    短い付き合いながらも、そしてガウリイの話からも。
    それは漠然とは理解しているつもりである。
    すべてを創造せし存在とはいえ。
    突き詰めるところは、一人ぼっち。
    一人っきりの寂しさは、完全ではないにしろ、寂しい、というのはわかる。
    それはきっと、そうでもないのかもしれないけど、創造主、とて同じではないか?
    そんなことを心の奥底で思っていたこのリナのこと。
    目の前で泣きじゃくられては、そう答えるしかない、というもの。
    「ほんと!?」
    そんなリナの言葉に先ほどまで確かに涙を流していたはずなのに。
    ぱっと瞳を輝かせ。
    「エルぅぅ!それにフェアリー!みんなも!リナさんが了解したわよ!
      さ、早いところ式を始めましょ!」
    なぜかそういいつつも、叫んでいるその少女。
    その言葉をうけ。
    ばさっ。
    いったい何で隠されていたのか。
    先ほどまでは、その建物の中にはあまり人はいなかったようにリナは感じていたものの。
   みれば、そこには埋め尽くさんばかりの人の姿が。
   何か布のようなものが落ちるというかはがされる音とともに。
   わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
  おめでとう!!!!

   その光景に思わず目を点にする。
   それもそのはず。
   そこには、式を挙げる予定の教会の中の礼拝堂に埋め尽くさんばかり人々の姿が。
   しかも、それはリナの知っている顔ぶればかり。
   それだけでなく。
   思わずリナが固まったのは、
   その先、つまりは礼拝堂の本来ならば神父がいるであろうその場所に。
   なぜか、絶世の美女、ともいえる人物が一人たたずんでいる、ということ。
   こけっ!
   思わずその姿を認め、こけそうになるリナではあるが。
   「リナ?大丈夫か?」
   そんなリナを寸前にと支えているガウリイ。
   ぱくぱくぱくぱく!?
   何で金色の王があんな場所にいるのよ!?
   リナが思わず口をぱくばくさせるのもしかたのないこと。
   そう、その祭壇にいるのは、紛れもなく・・・・。
   この世界、すべてを創造せし存在。
   すべての存在、というか命あるもの、すべてを生み出せしモノ。
   ・・・・・・逃げられない。
   それをみて、瞬時に、今回の結婚式が逃れられないものだとようやく悟るリナ。
   そして、そんなリナの頭の中には。
   『・・・・リナ?わかってるわよね?エル様たちの顔にドロを塗るようなまねは・・・・』
   リナの脳に直接に話しかけられてくるひとつの言葉が。
   『・・・・・・・・・はひ・・・・』
   逃れられない、というか、何でいったいことなるのぉぉおお!?
   そんなリナの心の叫びとは裏腹に。
   その声に絶対に逃れられないことを悟り。
   一人涙しているリナの姿がそこにあったりするのだが。
   そんなリナの様子とは打って変わり。
   「それでは、これより。
     ガウリイ=ガブリエフ、リナ=インバースこと。
     ルシフェル=ララァ=ガウリイ=ガブリエフと。
     リルナ=インバースの結婚式を執り行います。
     リナ、ガウリイ、前へ。」
   凛とした、それでいて澄み切った声が礼拝堂の中にと響き渡る。
   「さvリナv」
   にっこりと微笑まれガウリイに手を差し出され。
   「ううっ・・・・何でこうなるのよぉ・・・・」
   涙しつつもそんなガウリイの手をとるリナ。
   断れるわけはないのである。
   それでなくても、姉であるルナの言葉だけではなく。
   よもやまさか【かの御方】までこの結婚にかかわっているとは。
   もしかして・・・・あたし・・・・はめられた!?
   今さらながらに気づいても、後の祭り。
   リナはそのまま、なし崩し的に、
   ガウリイとこの場で結婚式を執り行うしかない状況にと追い込まれていたりするのだからして。
   しかし、このような状況になってもいまだに。
   でも何でこいつ、いくら回りにいわれたからってあたしとの結婚に異議を唱えないのかなぁ?
   といまだにガウリイの気持ちを理解してないリナがそこにいたりするのだが・・・
   「それでは、結婚式を開始したいます。」
   凛、とした声ととともに。
   二人の結婚式は厳かに執り行われはじめてゆく。



  
   ざわざわざわ。
   「しっかし、ララァお兄ちゃんが結婚とは・・・・」
   などと話しているのは、見たこともない女の子。
   くすり。
   見た目の年齢は十四かそこら。
   金の髪のとても愛らしい女の子。
   一言でいえば、そう、まるでどこかのお人形のように顔が整っており。
   このまま成長すればもてること間違いなし。
   といえる容姿の持ち主。
   彼女の名前はルビス=ウル=セレーネ=ガブリエフ。
   ガウリイと少し年の離れた妹ではある。
   ちなみにその容姿は母親譲り。
   つまりは、どこかしら、雰囲気がミリー、と呼ばれていた少女に似ていなくもない。
   通称ルビー。
   ただいま十四歳。
   金の髪に碧い瞳。
   かなりの美少女、ではある。
   性格は、彼女の母親であるフェアリーことファーナが容姿が彼女がもっとも大切とする、
   『彼女』と似ていることもあり、それなりに育て・・・もとい。
   育てたのは、母親だけではなく、二人の絶対主もいた、というべきであろうが。
   とにかく、その力は図れるものではない。
   見た目で判断して泣きをみる、とはまさにこのこと。
   かなりいい性格をしていたりするのである。彼女は。
   まあ、育てる段階において、もっとも尊敬し、大切である【かの存在】と同じように。
   性格とかしぐさとか、それにもっていくように育てた母親の影響もあるにしろ。
   彼女としては、ガウリイのように性別を簡単に転換させる、ということはあまりしない。
   それは、肉体的な特徴は父親のそれを濃く受け継いでいるために。
   魂の霊的構造においては、母親のそれをほとんど受け継いでいるがゆえに。
   少々のことでは動じない、というのがあるのであるが。
   「これから楽しくなりそv」
   くすり。
   くすりと笑い、そして。
   「あ、そだ。確かユニット様とエル様から頼まれてたのがあったんだった。
     用意しないと。」
   などといいつつもガウリイとリナの結婚式の誓いの儀式を見終わった後。
   瞬時にその場から掻き消え、インバース家の中の一室にとおいてあるとある品物をとりにいくルビー。
   金色の母の進行のもと、つつがなく結婚式は執り行われていき。
   つつがなく式そのものは無事に円満を迎えてゆくのであるが。
   
   そして・・・・・・


   「リナ、おめでとう!」
   式も終わり、披露宴。
   いつのまにか、ゼフィール・シティの広場に二人の披露宴会場が設置されており。
   式がおわりそのまま、披露宴会場にと移動している彼らたち。
   そんなリナとガウリイにお祝いの言葉を向けているアメリア。
   「…つうか、アメリア、不思議に思わないわけ?いきなりの結婚式なんて。
     それにガウリイが否定しない、というのもおかしいのよねぇ・・・・」
   いまだにドレス姿のまま、ぼやくようにいいつつも。
   だがしかし、出されている食事にはしっかりと手をつけて。
   ぱくぱくと新婦、であるというのにしっかりと食事に手をつけているリナ。
   そんなリナにと声をかけているアメリアに思わずつぶやいているリナ。
   「…リナ、ここまできてまだ気づいてないの?ガウリイさん、いつもリナにアプローチしてたじゃない。
     否定するどころかガウリイさん、すっごくうれしそうじゃない。」
   そんなリナの言葉にやっぱりリナ、気づいてないみたい・・・・
   内心頭をかかえ、それでもあきれつつもリナにと話しかけているアメリア。
   「どこが?いつもあいつ子供扱いしてたじゃない?
     あ、これもおいしそv」
   ぱくぱくぱく。
   まったく気づくこともなく、ただひたすらに食事に専念しているリナであるが。
   一方ガウリイの方はといえば、何やら金色の王とそしてまた、何でも通称、
   宇宙の姫、と呼ばれているらしき存在につかまり、何やら話していたりするのだが。
   そんなことには気にもとめずにただひたすらに食事を楽しんでいるリナ。
   普通、結婚式の主役、ともいえる新婦はそんなに食べないとおもうのであるが・・・
   新婦、という自覚がまるでなし、のリナのこと。
   出された食事は全部食べないと損よね!
   という概念のもと、ただひたすらに食事を楽しんでいたりする。
   何かが違う・・・・
   そんなリナをみて、頭を抱えているゼルガディスなどもいるにしろ。
   「それでは、新たな夫婦となります二人の記念撮影をいたします!」
   「・・・・・ほへ?」
   片手にフォークを握り締めて食事を堪能しているリナに聞こえてくるとある声。
   今回の件で初めてあった確かガウリイの妹のルビーちゃん、とかいったっけ。
   そんなことを思っているリナにたいし。
   「さっ。リナ、撮影にいこうなv」
   「どわっ!?いきなり横にたつな!?つうかいつのまに!?」
   いつのまにか食事に専念しているリナの横にとたってにこやかにリナを促しているガウリイ。
   さすが、このあたしに気配を悟らせないとは、恐るべし!ガウリイ!
   などとリナはそんなことを思っているのだが。
   何かが違う、新婦、の感情としては、普通はもっとしおらしくなるのであろうに。
   リナはいまだにいきなりのことであったがゆえに、自分の結婚式、という自覚があまりないのである。
   「うー。まだ食事食べてないのに・・・・」
   恨めしそうにガウリイに手をひかれ。
   何やら撮影をするであろう、祭壇のようなステージが作られている場所にと。
   料理に後ろ髪をひかれつつもガウリイに手をひかれ、そちらにと向かってゆくリナ。
   「とりあえず撮影会が終わったら、何でもそれぞれのお祝いの催し物などがされるらしいから。
     そのときにしっかりと食べれるさ。」
   「ほんと!?」
   ガウリイの言葉に目を輝かせ。
   「それじゃ、ガウリイ、とっとと撮影すませて、食事を堪能しましょ!」
   「・・・・リナぁ・・・・一応今日はオレたちの結婚式・・・・」
   「んっふっふっ。まっててねぇ。私のミートポワレちゃんにすてーきちゃんv」
   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、いっか。行事がおわったら二人っきりになるし・・・
     そのときにしっかりと満喫すれば・・・・」
   横でつぶやくガウリイの言葉とその少しばかり怪しい笑みにまったく気づくこともなく。
   撮影場所にと向かってゆくリナ。
   リナは知らない、すでに二人の新居すらも立てられている、ということを・・・・・


   「つうか!?何であたしが新郎であんたが新婦の姿が!
     あんたのほうが美人なわけ!?」
   撮影のさなか。
   なぜか気づけば、二人のギャクバージョンの撮影もする。
   というので、とりあえず断ったリナなのではあるが。
   気づけば瞬時のうちに、性別が入れかわされており、しかも。
   ルビーが用意していたそれぞれの服。
   それを一瞬のうちに着替えさせられたのであるからたまったものではない。
   それだけならまだしも。
   リナの花嫁姿とガウリイ・・・つまり、ララァの花嫁姿は。
   はっきりいって、少しばかりガウリイの方が美人、といこともあり。
   リナが何やら叫んでいるのだが。
   まあ、ガウリイの女性バージョンの姿のほうは、
   母親であるフェアリー、すなわちファーナに似ていることもあり。
   かなりの美人。
   フェアリーは基本的にその容姿を宇宙の姫と同じようにしているがゆえに。
   まあ、完全に同じ、というわけではないが。
   雰囲気などそのあたりを似通わせ具現化しているのである。
   少しでも宇宙の姫ことユニットの心が寂しくないように。
   「そういってもなぁ。それより、リナ、これ、おいしいぜ?」
   「え?ほんと!?」
   あっさりと食べ物でごまかされ、機嫌を瞬時に治しているリナ。
   そんな主賓席の二人をそのままに。


   「それでは!お二人の門出を祝い!催し物を開始いたします!」
   なぜかそこにスポットライトを浴びた金ラメタキシードを着た、黒い髪に紅い髪。
   しかもなぜかその手には何かのマイクらしきもの。
   それを手にして進行役を務めている一人の二十歳前後の若い男性。
   「・・・・・・んな!?」
   あ・・・・あれって・・・・・北の魔王じゃ・・・・・・・・・
   それが誰なのか瞬時に理解し。
   思わず冷や汗を流すリナに。
   「あ、何か進行役にまたレイさん、呼ばれてるなぁ。」
   などとのほほんといっているガウリイ。
   まあ、物心つく前からこういった光景は見慣れているのでガウリイは別にどうってことはないのだが。
   「レディース&ジェントルマン!それでは!私不詳Sが進行役を勤めさせていただきます!
     今回のインバース家とガブリエフ家の挙式に当たり、
     エル様直々の命で神族、魔族のこの世界の最高幹部たちが勢ぞろい!
     以前エル様のお仕置きで串焼きになってしまったフィブやガーヴも特別参加です!
     それではいってみましょう!第一陣!まずはうちの誇る見た目はお嬢様!
      海王ダルフィンの手品です!」
    な・・・・・何か慣れてるし・・・・・
    そんな光景をみつつ、思わず頭を抱えているリナ。
    『いや、うちのって・・・・・。最近の司会さんはジョークが好きですねぇ。』
    まさかこの場に本当に魔族と神族がいるなどとは信じていない一般参加者。
    まあ、ゼフィーリア、しかもここゼフィール・シティの住人などは信じているが。
    信じている、というより、見たことがある、といったほうが正解か。
    だがしかし、それ以外の普通の観光客などで国を挙げての結婚式。
    観光気分で参加しよう、と思って参加している一般客などには・・・・
    まず心構えができていないがゆえに、どうなるかは目に見えているのだが。
    「はーい。それでは、まずは私不詳ダルフィンの手品を披露させていただきますv
       まずは手始めに人間たちを一瞬でデーモンに変化させてみます!」
    『って、まてぃぃぃぃ!!!!』
    そんなダルフィンの言葉に思わず突っ込みをいれているリナを含めた数名。
    「そんなの正義じゃないです!」
    などと叫んでいるアメリアもまたいたりもするのだが。
    「つうか!デーモンはやめなさい!デーモンは!」
    叫びつつもその手にしている骨つき肉を離さずに。
    思わず叫んでいるリナ。
    そんなリナの言葉に。
    「あら、大丈夫ですわ。デーモン、といっても鳥バージョンですので。
      ついでに期間はたかが四日程度ですし。それでは!」
    ふわっ。
    なぜかその手にしているセンスをふわり、と開き。
    軽く仰ぐ、ダルフィン、と名乗ったその女性。
    と。
    『うどわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
    一般客・・・・詳しくいえば、観光客の3/1ほどの参加者が。
    一瞬のうちに鳥と化す。
    ちなみに、鳥、といってもそこいらにいる小鳥とか野鳥とかいったかわいらしいものではなく。
    よくいる野良デーモンなどによく似た容姿。
    それのちょっとした小柄バージョンでなぜか羽毛が生えていたりする。
    「おお、さすがに芸が細かいなぁ。」
    「いやぁ、最近の手品はこってますなぁ。」
    事実を知らないほかの参加者などはそんな絶賛の言葉を上げていたりするのだが。
    「はい!それでは彼らの曲芸を開始します!」
    ・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・
    「あ、ガウリイ、これおいしいわね。」
    「お、リナ、こっちもおいしいぞ。」
    とりあえず、現実逃避として、食事のみに専念することにしているリナとガウリイ。
    そんな二人をよそに。
    披露宴会場となっている広場は、ほかの魔族、挙句は神族の出し物により。
    悲鳴とも、何ともいえない声が国中にと響き渡ってゆくのであった・・・・・

    披露宴が終わったのは、それから三日後のことである・・・・・
 
                             -続くー

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    あとがきもどき:
       薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・結婚式会場って・・・・
         つうか、それでもただの手品とか幻影とか、実際の出来事。
         と捕らえていない人々がいる、というのがものすごいかも(汗
         一番すごいのは、理解してて、それでも割り切って楽しんでいるゼフィーリアの人々かも・・・・
         何はともあれ、次回、二人の新居やって、一気に話がとぶのです。
         んではでは。
         また次回にて。

        2004年6月10日某日