間に合わないかなぁ?
  16日までに完成は・・・・。
  とりあえず、できるところまでいってみよう。うんv
  それでは!


 
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        狭間の選択     ~さすがというか…~
   


  
  間違えようのないその匂いは。
  ぴたりとやんだ風にともない。
  まるでよどむかのように、神殿の周りを包み込んでいる。
  その瞬間、何も言わずに神殿の中にと駆け込んでゆくリナとガウリイ。
  そこにいるはずの雇われていたはずの傭兵らしき姿もどこにもなく。
  内部の構造は訪れた二つの神殿とまったく同じ。
  だが、違うのは。
  その通路にと広がる、赤い、赤いどす黒い絨毯…ではなくて。
  実際は空色の絨毯であったものが、そこに転がる物体の血をうけて。
  どすぐろく変色しているのが見て取れる。
  だがしかし。
  そこに転がっている人物の姿が、ことごとく、どうみても裏の人間。
  としか見えないような人物ばかりであると、これがまた話が違ってくる。
  そんなそれらをそのままに。
  とりあえずは、奥に、奥にと進んでゆく。
  
  奥に進むたびに目に入るのは。
  転がるようにと重なり合っている肉の塊。
  だがしかし、少し普通のものの目からみれば、その光景にちょっとした違和感を感じざるを得ないであろう。
  何しろ、そこには、男性、しか存在し得ないのだからして。
  横たわる僧侶たちと、そしてそれ以上にも倍とも数倍とも、いや、四乗、ともいえる数の、
  おそらくは雇われていた護衛らしき男性たち。
  そんな光景を目にしつつ、やがて角を曲がり、廊下にと躍り出る。

  その正面には一枚の扉が、どっかりと、たたずんでおり。
  だがしかし、その扉は無残にも切り裂かれていたりする。

  そして。
  互いに背中を預けつつ。
  「プラスト・アッシュ!」
  「はぁ!」
  ポヒュヒュ!
  ザシュシュ!
  リナとガウリイの声とともに、突如として扉の影から躍り出てきた黒いいくつもの影は。
  そのままどさどさとあるものは地にところがっていき。
  あるものは、その血の一滴すらも残さずに掻き消えてゆく。
  あたりに響くは小さな柱の痕跡。
  ガウリイは今のその一閃にて、そこにある柱ごと、
  そこにかくれて、こちらに襲い掛かってこようとする暗殺者たちを一掃し。
  そしてまた、リナはリナにて、ものの見事にたったの一撃にて。
  その一撃は無数の黒い光の帯を描きつつ、それぞれにまるで意思を持っているかのごとくに、
  そんなそれらをあっさりと消滅させてゆく。
  『-な゛!?』
  仲間がやられ、思いっきり動揺の声を上げている残っている暗殺者の仲間らしき声。
  「あ、ちょうどいい、生き証人がいるじゃない♡捕獲、捕獲ぅ~♡」
  などといいつつ、うきうきした視線をそちらにと向けているリナ。
  自分たちの実力ではかなわない。
  と悟り、彼らが撤退しようと残った四人が退却しようとするが。
  時、すでに遅し。
  「ってことでvおやすみなさーいv眠り(スリービング)!!」

  …パタッ。


  さすがに、普通の魔道士が放つ数十乗の威力をもっているリナの術により。


  グゥ…

  ものの見事に、あろうことか、
  血溜まりのなか、倒れ付してゆく黒尽くめの男たちの姿がそこに見受けられてゆく。


  
  とりあえず、絶対に逃げられないようにと、完全にと爆睡してしまっている、
  そんな全身黒尽くめの男たちの体をぐるぐる巻きにと縛りつけ。
  そして、それはとりあえず、近くの柱にとまとめてくくりつける。
  そもそも、一応、念には、念を。
  ということで、彼らの魔力も封じつつ。

  
  
  壊れた扉をくぐる。
  そこには、何人のも傭兵たちにと混じり、神官のロープをその身とまとっている男性が一人。
  だがしかし。
  確かに肉体的には死亡はしているものの。
  それはまだ完全なる死。
  ではない。
  何が起こったのか理解できていないがゆえに、その魂はまだ、その体にととどまりおいている。
  それをみてとり。
  「…とりあえず、このあたりに浮遊してた、今殺された人たちの魂と。
    あと怪我、治してから事情説明、きかない?ガウリイ?」
  にっこりと、横にいるガウリイに向かって問いかけるそんなリナの言葉に。
  「はいはい、つまりはリナは俺にやれ。と…」
  はっきりいって、ガウリイとしては、リナがいる今ここで。
  この彼らを復活させたくない。
  それが本音である。
  まあ理由は…わからなくもないが。
  リナはまったくそのことにすらも気づいていないが。
  ここ、天竜王の神殿。
  実は、ある意味、別の意味でかなり曲者の地なのである。
  そんなガウリイの思いは当然わかるはずもなく。
  「それじゃ、ガウリイちゃん、おねがいねーv」
  にこやかな、リナの笑顔が、ガウリイを貫いてゆく。


  フゥ…

  リナの笑顔と、そして頼まれたことには逆らえない。
  というか、ガウリイははっきりいってリナには嫌われたくない。
  その思いがまず一番にと何にも優先させて表にでる。
  ゆえに。
  「とりあえず、全員の怪我を治すのでいーのか?」
  いとも、まったく何でもないようにとリナにと問い返すそんなガウリイの言葉に。
  「そよ。」
  あっさりきっぱり言い切るリナ。

  そんなリナの言葉をうけ。

  ガウリイが、人には聞き取れない言葉を何やら発する。

  それと同時に。

  ここ、天竜王の神殿そのものが、一瞬、輝くばかりの虹色の光にと包まれる。
  それは、人の目には捉えられることはないものの。
  少しでも、勘のするどいものや、第六感、第七巻が発達しているものならば。
  それはあまりにも強烈であるがゆえに感じることができるであろう。
  そして-当然のことながら、魔力が高い存在においても、また……


   やがて、その一瞬の光の中。
  神殿のいたるところに横たわっていた人の肉塊が見る間に元通りの姿にともどりゆき。
  そして、その傷が完全にふさがると同時に、
  今度は虹色の光の後に淡い金色の光がそんな彼らの体を包み込む。
  
  

  『う…うう…ん…』
  目覚めるうなりをあげたのはいったいはじめは誰だったのか。
  確か、自分は暗殺者らしき黒い男に襲われ…そして…
  そんなことが脳裏を横切るが。
  だがしかし。
  「ガウリイ、ご苦労様♡」
  この場に似使わないようなすこし高い声。
  リナはその身を男性にしているときも少し声の質が高いのである。
  …ゆえに、この姿をしていてもまず、男性。と思われることはめったとないのだが…
  故にこそ、ともいえるであろう…

  まず、目覚めた彼らが目にしたものは。
  自分たちを覗き込むようにしているリナの姿と…

  人間というもの、自分の都合のいいように何ごとも物事を捉える傾向がある。

  『女だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
  いいつつも、彼らは。
  自分が死んだことにより、女性が彼らを出迎えに来てくれた。
  または、今までのご褒美に女性が自分たちを慰めてくれるべきに現れた。
  ―そう、ことごとく解釈してしまい。
  そして、ことごとく。
  がばっと起き上がり、リナめがけて勢いよく飛びついてゆく。

  が。

  ゲシッ!


  そんな彼らは当然のことごとく、リナの足蹴りと。
  「…おまえら…生き返らせてやったのにまた死にたいのか?」
  すごく低い声で言い放ち、抜き身の剣をそんな彼らにと突きつけているガウリイの姿が。


  ここ、天の神殿。
  ここは、男性しかいない神殿でもあり、そしてまた。
  故にか、女性に対して、このような露骨な表現をとるものが多いことは。
  …ガイドブックにすら表示されているほどの始末なのである……



  まあ、表には公表はされてはいないものの。
  ここに観光にきた女性客などが、彼らの餌食になったりしている…ということもまた事実。
  彼らはその力をつかって、行為をなした後には、女性たちの記憶を封じてその事実を封じ込める。
  という、何とも女性にとっては、許しがたい寺院ではある。
  そして、それを黙認するどころか自分もまた率先して行っているのが、
  ほかならぬ、この神殿の責任者。

  ブラン=コンニール。

  その当人……
   
 

  せっかく助かった人々ではあったものの。
  ものの見事にガウリイに振りまかれる殺気を無防備なまでの状態にてうけ。
  彼らは再び今度は失神してゆくのであった。


  「…こーいうやつらはすんなりと殺すより、ねちねちと現世の苦しみを与えてから苦しませないと…うふふふふ…」
  どこか、リナの目がそう据わっていたことは。
  彼らと少し触れたときに彼らが何をしていたのかすべて感じ取り。
  ゆえにこそ、目が笑っていなかったのは、至極当然の理。




  しばし、断末魔。
  ともいえる叫びが、しっかりと結界を声が外にもれない結界を張ったが故に。
  誰に気づかれることもなく、神殿内部にと響き渡ってゆくのであった……


  

  町は騒然と成り果てていたりする。
  まあ、それも当然であろう。
  昨夜、いきなり、『魔』が出現した、というのだからして。
  信じないものも多数。
  だがしかし、それに携わった兵士や傭兵、ことごとくの証言が。
  それが事実だと告げている。
  しかも。
  彼らは…魔を完全に滅ぼすことができずに。
  しかも、それが力がなぜか使えない。
  ということを見破り、それを生け捕りにして、役場にと連衡したのは。
  今朝方のこと。
  そして、今度はまた。
  どうみても、全身黒尽くめ、どうみても、暗殺者以外の何ものでもない。
  というやつらが連衡されてゆくさまを目の当たりにすれば。
  町が騒然となるのはわからなくもない。
  しかも、それらが白状したことによると。
  …どうやって白状させたのかは、リナが持っていたとある物を聞かせたところ。
  何とも素直に白状したらしいのは、それは一般には知られてない事実。
  もっとも、ンな物が一般に知られたら、それこそ、この町は終わりであろうが。
  …というか、間違いなく、街そのものの機能どころか人までが軽く一日は凍りつく。
  まあ、一般に公開できるものではないであろう。
  何にしろ、『竜族の笑い大全集』なるものの存在などは……
  まあ、それはそれ。
  街が騒然となるのは当然のこと。
  何しろ、大神官の一人が暗殺者にと狙われた。
  というのである。
  しかも、その大神官の名前を捕らえた魔は答えているのだ。
  実は、その魔を召喚したのは、ほかでもない、ブラン大神官。その当人にほかならず。
  当然、そういった噂はあっという間にと広がってゆく、というのもまた人間世界のお約束。
  何しろ、暗殺者が答えた名前が、もう一人の大神官の名前であったがゆえに。
  あるものは、陰謀だ。といい、そのかかわりを否定し。
  そしてまた、あるものは。
  権力をかさにきた悪魔!とののしるものもあり。
  そして。
  それをうけ、今まで泣き寝入りをしていた女性たちがまた。
  一斉に、被害者連合を裏にて作り上げていたのであるが、
  それをうけ、突如として表舞台にと立ち上がったのである。
  ―ああいった人物を神官長になどしては、全人類の女性が危険だ。―
  と。
  まあ、それは当然の反応。
  当然、その場に、というか、暗殺者たちを一緒につきだしたリナとガウリイも役人たちから質問をうけたりもしたが。
  それはそれ。
  魔道士協会が彼らの身元を証明したことと、そして、リナがゼフィーリアの出身で、
  しかも、どうしてそこでその名前がでるのか皆目不明ではあるが。
  赤の竜神の妹、というのを聞き。
  役人たちの態度ががらりと変わったのもまた事実。



  何はともあれ、騒然とする街並の中。
  役人などの依頼をもうけ、そして今。


  リナとガウリイはそこにたたずんでいたりする。

  「貴様らか!?昨日、事件を目撃した、というのは!?」
  出会ってから自己紹介を済ませるいなや。
  二人に食って掛かっているのは、ここ、地竜王を祀っている神殿の責任者でもある、
  ライアン=セインフォート。その当人。
  やたらと高飛車な口調でいってくるそんな彼の言葉に。
  むかっ。
  リナの額に浮かぶ一筋の青い筋。
  年のころならば四十前後。
  ブラウンの髪にはあからさまに白いものがかなり混じっていたりする。
  体格はがっしりしており、深くよく通っている声。
  これで、もう少し落ち着いた低い声で静かに物事をひとつ、ひとつ言葉にするならば。
  間違いなく、彼は周りから威厳あふれる大神官としてあがめられたであろうが。
  取り巻きの傭兵を椅子の周りに二十人ばかり配置し、そして大きめの椅子にどっかりと、
  その腰をおろしてそりかえりつつ、リナたちにと言い放つその様は。
  あからさまに権力を傘にかけているばか者、以外の何ものでもない。
  「まさか、魔道士協会からの仲裁役、というのを隠れ蓑にした、どこかの暗殺者なんじゃないだろうな!?え!?」
  いいつつ、そう、リナたちにと食って掛かってくるその男性。
  「というか、あなたのその性格じゃ、
   どこの誰にうらみを買って暗殺者を差し向けられても不思議ではないですけどね。」
  「何ぃぃい!?」
  リナのそんな言葉にあからさまに顔を真っ赤にしてさらに怒鳴るその大神官-ライアン。
  「とりあえずは安心してください。私たちはそういうんじゃありませんし。
    あなたなんかをどうこうする気はさらっさらないですから。」
  いいつつ、周りの傭兵たちにも視線を向け。
  そんな彼らもまた、リナの言葉に同意したような表情を示しているのは。
  あきらかに、彼らもまた、彼のこの高飛車な態度に日々困らさせている証拠以外の何ものでもない。
  誰一人とて、傭兵たちの間から、そんなリナの言葉をとがめる声など起こることもなく。
  「…な゛っ!あなた『なんか』だと!?何と無礼な!!」
  いいつつ、いまだにわめき散らしてくるそのライアンに。
  「あ、気にしないでくださいね。初対面の人間をいきなり暗殺者(アサシン)呼ばわりするような無礼さに比べれば、
   『なんか』呼ばわりすることなんて、ぜんぜん無礼でも何でもないですから。」
  にこにこしつつ、ライアンにむかって言い放つリナ。
  くくくくくっ。
  そんなライアンの周り、というかその部屋にいた彼を護衛している人物たちから、
  思わずしのび笑いの声が聞こえてくるが。
  「…ぐっ。」
  さすがのライアンもまた、そんなリナの言葉に言葉を失っていたりするが。
  「そんなだから、世間では、『ライアン大神官が実はすべての黒幕だ。』なーんて。
    噂も飛び交っていたりするんですよ?
    もっとも、そんな調子じゃ、街の人たちがそれを真実と捕らえても不思議じゃないですけどねぇ♡」
  ニコニコがおでそう言い放つそんなリナの言葉に。
  さらに耐えられなくなったのか。
  数名の雇われている者たちが、その場にうづくまり、おなかを抱えていたりする。
  どうにか声を抑えつつ。
  中には、こらえきれなくなってそっと部屋をでていき、
  外で思いっきり笑っているものの姿も見受けられているのだが。
  「お、おのれぇぇぇ!いわせておけば、無礼者めらがぁぁぁぁ!」
  いいつつ、ガタンと立ち上がり、剣の柄にと手をかけ、
  ひとつほえると同時にリナたちにと切りかかっりゆくそんなライアンの姿をみつつ。
  「あ、ちなみに、この映像、役人に頼まれて、筒抜けになってますから。
    これで、ライアン大神官が黒幕かもしれない、という疑念が彼らに深まるでしょうねー♡」
  そんなライアンをあわててとめている周りにいる傭兵たち。

  そう。
  役人たちもどこまで、捕らえた生き証人の言葉を信じるかなど判断できるはずもなく。
  リナとガウリイにと残りの大神官にと会ってもらい。  
  その反応で調べを進めていこう、ということに話がまとまっていたりする。
  そして、ライアン大神官は、それを知らずに、
  初対面のリナたちを暗殺者よばわりしたげてくに。
  抜き身の剣を振りかざし、彼らに切りかかろうとしていたりする。

  その光景は。

  ぱっちりと。

  魔道士協会にと送られていることを、ライアン大神官は知らない…
  
  


  ここ、セレンティア・シティ。
  四つの寺院を任されている、という、四人の大神官たち。
  …かなり、曲者ぞろいの連中であることは。
  いうまでもない…



  いまだに雇いいれている者たちに押さえつけられているライアンをその場にと残し。
  
  リナとガウリイはそのまま。
  用は済んだとばかりに、その建物を後にしてゆく。





  「あれ?」
  まず、その姿に気づいたのは、リナとガウリイ、ほぼ同時。
  とおりの向こうから見知った顔が二つ。
  彼らの方にとやってきているのである。
  「あら、ルークにミリーナ。」
  いいつつ、軽く手を上げて挨拶をするリナに。
  「何だ?どうしたんだ?」
  などといいつつさりげにリナの肩にと手おき、そんな見知った影二つに向かっていっているガウリイ。
  
  そこには。

  彼らの知り合いでもある、黒と銀の髪を互いにもつ人物が二人。
  とおりの向こうから、二人の方にとむかって歩いている様子が。
  彼らの視界の先にと捉えられてゆく。


  「どうしたの?ケレス大神官はいないみたいだけど。
   あ、もしかして、ミリーナに色目を使った彼をルークがどつき倒して警備の仕事を首になったとか?」
  周りをみても、ケレスの姿はなく。
  ありえそうなことをいいつつ、問いかけるそんなリナの言葉に。
  「以前にそういうことはあったけど。でも、今回はありそうな話だけど違うわ。」
  そんなリナの問いかけに静かな口調で語りかけてくるミリーナ。
  「…とゆーか、本当にあったんかい…」
  半分冗談でいったのだが、以前、本当にあったとは…
  などと、リナはあきれた視線をルークに向ける。
  「そのケレス大神官の依頼できたのよ。」
  淡々と続けるミリーナの言葉に続き。
  「そういうこった。昨日、あんな事件…まあ、いくらなんでも、
    ケレス大神官も目の前でんなもの見せられた日にゃなぁ。
    で。だ。
    『今回の事件はどうやら自分たちではわからないことが起こっているのかもしれない。』
    とかいって、それで、暗殺者と魔族は捕まったものの。
    肝心なヤツがつかまっていない。というわけで。
    何が真実なのか、あんたたちとともに真相を解明して事件を解決してくれ。
    ってさ。
    そもそも、暗殺というか、魔の存在すら気づけなかった役人たちじゃ頼りならない。
    だけど、あんたら二人だけじゃ、手がたりないだろ。だから気心の知れた俺たちが手伝ってやれ。ってさ。」
  そんな彼の言葉に。
  「…いや、それはいいんだけど…護衛はいいの?」
  思わず問いかけるそんなリナの言葉に。
  「それなら心配ないですわ。リナさん。
    何でもルークが常に身に着けているものならば、それに意識を移すことができる、
    とか『アレ』がいってましたから。『アレ』に彼をきっちりと守るようにと言ってきましたから。」
  「・・・・・・・・・・なるほど。」
  その言葉だけで理解しているリナに。
  「だから、ルークが身に着けているバンダナ、いつもと違うのか。
    しっかし、Sさんも律儀だよなー。あはははは。」
  などと、その場に似合わない笑いを振りまいているガウリイ。


  そう。
  【アレ】。
  というのは、ほかでもない。
  ルークの中にいる、赤瞳の魔王の意識の欠片、その七分の一…その当人…


  リナとガウリイにかかわったものは。
  こうして、一般からかけ離れてゆくのが宿命なのかもしれない…


                             -続くー

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    あとがきもどき:
       薫:おーい。魔王(笑)
         すんなりとルークたちの命令を聞くなよな(笑
         ま、とりあえず、ただいま魔王の意識は。
         完全にルークたちのいい、便利なアイテムと成り果ててます(笑
         (ルークが長く身に着けているものに限りその意識の一部を移し変えることも可能)
         ああ、だんだんとルクミリも常識人からかけはなれてるぅ(まて!
         そろそろ、クライマックス近し・・・かな?
         んではでは。
         残りの暗殺者もださないとなー・・・・んではではv

      2004年1月15日某日