エル様…登場シーン・・・・省いてるので・・・私は逃げます!それでは!!!(ダッシュ!
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狭間の選択 ~すべての決着?~
「…えっと…」
思わずそんなやり取りをしているルークとミリーナをみて思わず目を丸くする。
何か一気に緊張していた気持ちがほぐれたのは。
当然、といえば当然なのであろうが。
でも、今のはいったい?
そんなことをおもいつつ、ルークにと視線を向けているメフィ。
「まったく。あんたは。あのまま怒りにとらわれなくてよかったわよ。
いくらなんでも、あんたをエルさんのところに送るのは。私はいやだもんね。」
そういいつつ、手をひらひらとさせているリナに。
「一回、分別しないと、完全に融合してるもんなぁ。Sさん。」
さりげにそんなことをいっているガウリイ。
その言葉に、一瞬ミリーナの顔色がさっと変わるが。
ミリーナは今のガウリイの台詞にて。
ルークの中に『魔王』が封印されていることに気づいたのではあるが。
―目覚めさせない。
そう、理解したものの、ルークには気づかれないように心の奥にと決意する。
以前にも、ルークの様子がかわったことがあった。
それは-そう。
自分とであってしばらくしたそのときに。
それ以後、ミリーナはルークと共に行動しているのだから。
ルークが誰よりもやさしい心の持ち主であることを知っているがゆえに。
「?どういう意味だ?リナ殿?ガウリイ殿?」
一人、首をかしげるミルガズィア。
ある考えが脳裏を横ぎるが。
だがその可能性をどうにか振り払いつつ。
「それより、覇王(ダイナスト)グラウシェラー。彼ととっとと決着、つけましょ?」
そう言い放ち。
そして。
ルークとミリーナをみつつ、内心残念がりながら。
じっとリナたちの方にと視線を向けている覇王をみて。
そんなことを言い放っているリナ。
「だな。」
そういい、ミルガズィアもまた。
―勝てるかもしれない。
そんな可能性をふと思いつつ。
…ま、まあ、目の前で金色の王が降臨している様を目の当たりにしているミルガズィアであるがゆえに。
その可能性もすぐに思いついているのだが。
普通なら、魔族。
しかも、赤瞳の魔王(ルビーアイ)シャプラニグドゥの腹心の一人。
覇王(ダイナスト)グラウシェラーにかなうとは。
到底思えるはずもないが。
「ルーク、とりあえず、ミリーナを傷つけた代償。
あんたに取らせてあげる。で、メフィ。動けられる?」
にっこりと。
メフィに向かって微笑みかけているリナ。
「もう、こうなったらヤケよ。
何でもやってあげるわよ。おほほほほ!」
…何か本当にナーガが乗り移ってないかい?
そんなことをふとリナは思うが。
そんな彼らの様子をみつつ。
「―何度われに立ち向かってきても同じこと…」
やはり。
あの人間をどうにかしたほうが。
魔王様の復活は、たやすいな。
などと思いつつも、だがしかし、それを表の表情にだすことはなく。
あくまでも完全にと遊んでいるような口調にて、そこにいるリナたちにと言い放つ覇王。
というか、だがしかし。
相手がリナとガウリイでは、自分の力ではかなわない。
というのもわかってはいるが。
だが、もはや後にはひけない。
そもそも、目の前に、目的の魔王がいるのだから。
言い放ち、再び。
かなりはっきりいってダメージを受けている。
というのにもかかわらず。
とにかく。
何が何でも目の前の魔王を目覚めさせよう。
などと思っている覇王。
ここまで頑固なのは、彼の性格であるがゆえに仕方がない。
といえばそれまでなのだが…
彼ももう少し、融通。
という言葉を、同僚たる、獣王とか海王よろしく持てばいいのだが。
そんな彼を横目に。
それぞれに作戦を伝え合っているリナたち一行。
「つーか、あんたも無茶、考えるな。」
関心した声をあげるルークに。
「でも、確かにそれならば。」
そうつぶやくミルガズィア。
「何?それとも、ルークは私たちがあいつにとどめさしてもいいわけ?」
そんなリナの言葉に。
「いや!あいつには俺が一発いれないと気がすまねぇ!」
などといっているルークではあるが。
「なら、作戦は…」
そんな会話をしつつ。
やがて、リナたちは覇王にと向き合ってゆく。
リナがつぶやく。
金色の王であり、すべての母であり、そしてまた。
ガウリイの育ての親、ともいえるその存在よりもらった魔力増幅器が。
リナの言葉によって反応し淡く輝きを増してゆく。
それをみて。
当然のことながら身構える覇王。
リナが、いや、インバース一族のその本家でもあるその血筋の彼女が攻撃をしてきたら。
まず、今の自分の力では間違いなくかなうはずがない。
とわかっているがゆえに。
そして。
リナがその言葉を唱えている間にメフィが覇王の横にと走り、回りこむ。
「ちっ!」
リナをどうにかすることなど。
自分には不可能。
だがしかし、このまま、攻撃を仕掛けられるというのも。
ただ、やられるのをまっているだけ。
などというのは、彼のブライドが許さない。
「―連続攻撃など…させるか!」
いいつつ。
そのまま、自らのもつ、瘴気、というか気配を半分ほど開放する覇王。
すべて開放したら、そもそも、すでに結界が弱まっている今のこと。
ほかの竜王たちに気づきかれないがゆえに。
だがしかし。
覇王の意識はリナとガウリイにと集中している。
彼にとって、ほかの存在ははっきりいって眼中にはない。
そもそも、彼らの力は彼そのものに及ばないがゆえに。
覇王からすれば、脅威なのは。
間違いなく、リナとガウリイ。
この二人の存在のみ。
後は別にどうってことのない存在。
…そう、彼は認識している。
ゆえに。
覇王は気づいていない。
今、メンフィスがいったい何を仕掛けようとしているのか。
という事実に。
ふいに。
リナとガウリイに意識を集中している覇王の視界に。
白い影がうつりこむ。
『鎧(ゼナファ)』をそのまま、覇王の目前にてはずしたエルフのメンフィスことメフィ。
そのまま彼女は鎧をはずし、着地と同時に大きく後ろにと飛び下がる。
白い影が映りこんだのを見て取り。
とりあえず余裕の表情でその影にとむかって剣をなぎ払う覇王ではあるが。
その覇王の剣はただただ、床の表面を掠める程度にとどまっていたりする。
そして。
メフィの言葉をうけ。
そのまま。
ギュルイッ!
覇王の足元にと転がっているそれが、突如として変形し。
それはそのまま覇王の全身にとまとわりついてゆく。
「何!?」
いったい!?
何をしようとしているのか、理解できずに戸惑いの声をあげる覇王。
それはそうであろう。
どうして自らの身を守っていた鎧を。
敵である自分の全身にまとわりつかせるのか。
まったく、命あるもののやることはわからぬ。
そんなことを彼は思うが。
だが、そんな思いを覇王がめぐらせているそんな最中。
「封印(シールド)!!!」
メフィの声が当たりにとこだまする。
メフィが身に着けていた鎧は。
エルフであるメフィ専用にと作られている。
ゆえに。
メフィの命令にしか従わない、という性質をもつ。
そして、一応は生体鎧であるがゆえに、ある程度は勝手にと行動をもしたりする。
ゆえにこそ-。
「これ…は!?」
思わず驚愕の声をあげる覇王。
それはそうであろう。
何しろ、メフィは、覇王の体にと纏わりつけさせた、鎧を使って。
今具現化している覇王の物質体とそして精神世界の覇王の本体とをゼナファの機能。
すなわち、精神世界面(アストラル・サイド)と装備者の切り離し。
を行ったのである。
つまりは、覇王の本体そのものである精神体と。
今この場にと具現化しているこの精神体とをゼナファをつかって切り離したのだ。
いつもの、冷静なる彼であれば。
この程度の切り離し、というか干渉は何なく跳ね除けられていたであろう。
だがしかし。
今の彼にはそのような力はない。
そもそも、さきほどのガウリイの攻撃によって、彼はその三文の一以下にと。
そもそもの本来の力を失っているがゆえに。
そのことには、リナとガウリイ以外、誰一人とて気づいているものなどはいないにしろ。
「今よ!ルーク!」
リナの言葉と同時に。
「魔王剣(ルビーアイ・ブレード)!!」
ルークの声がこだまする。
「くっ!」
ルークを傷つけることはできない。
ましてや、殺すなどはもってのほか。
ゆえにこそ。
覇王の攻撃に隙が生じる。
その隙を逃さずに、切りかかるルーク。
「こっちよ!」
すかさずに声を覇王にかけているリナに。
「よいしょっっと。」
軽く剣を一閃させて、ものの見事に。
離れた場所から覇王の腕一本を切り取っているガウリイ。
何のことはない。
ガウリイは今剣を振り下ろした衝撃派を。
覇王の真後ろにと移動させて、そのまま右腕を切り落としたのである。
…はっきりいって、普通の人間には絶対にできるはずもない芸当ではあるが…
さすがは、金色の王たちにと特訓…もとい、指南を受けていただけのことはある。
そして、もうひとつ。
ガウリイが手にしているのは自らの精神力を具現化させている件。
ちなみに、彼がもっていた斬妖剣は。
そのまましっかりと腰にとすえられていたりする。
ガウリイいわく。
せっかくリナが見つけてくれた剣だから、こういったやつらに使うのはもったいない。
ということらしいのだが。
「ぐわぁぁぁぁぁ!?」
響き渡る覇王の絶叫。
「てめぇだけは、ゆるせねぇ!」
いいつつ。
その手にしているはずの赫い魔力剣が。
ルークのまるで言葉に呼応するかのごとくに。
そのまま、その刀身を伸ばしゆく。
「くっ!」
このままでは。
とにかく、あの刃をうけたら、今の自分は。
間違いなく、物質実現能力を失うまでになってしまうがゆえに。
そうなったら計画が!
などと思いつつ。
どうにかその刃から逃れようと。
かるく力を放つ覇王。
―そう、覇王(ダイナスト)グラウシェラーは、力を放ったはずであった。
だがしかし。
残ったはずの左腕はそのまま何も生み出すことなく、ただただ、前にと突き出されるのみ。
今の彼の力では、ゼナファの干渉力。
すなわち、精神世界面封印(アストラル・シール)されている状態から、
力を振るうことはできないのだ。
そこまでに、彼は今は力を落としていたりする。
ゆえに、ゼナファを装備し、それをうけている覇王には。
接触以外の魔力攻撃を一切うけつなくなる。
という代償と同時に自分自身もまた、魔力発動が不可能になるのだ。
そう、それがたとえ、自らの力の術であっても。
「いまだ!人間の男よ!」
いいつつ、ミルガズィアが叫ぶ。
それと同時に覇王の周りにと出現する、光の螺旋。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
ルークの叫びごえとともに。
赫い、赫剣がさらに赤みを帯び。
そのまま。
ザ…ンッ!
いともあっけなく、覇王の体を真っ二つにと断ち割ってゆく。
「…って、うわっ!?」
カラン…
軽く乾いた音を立て、白いよろいが床にと落ちてゆく。
それと同時に。
自分の手にした剣であったそれをみて。
思わず叫んでいるルークではあるが。
ルークが発動させていた魔王剣が。
まるで、赫い…骸骨のようにと刀身が変形していたりするがゆえに。
「うわっ!きみわりぃ!」
いいつつ、その剣を霧散させているルーク。
目の前には、ただただ、白い鎧が存在するのみ。
それを今まで身に着けていた覇王(ダイナスト)グラウシェラー。
その消滅により。
「…やった…のか?」
思わず呆然とつぶやくミルガズィア。
リナかもしくはガウリイならいざ知らず。
人間の男性であるルークが覇王にとどめをさしたがゆえに。
もっとも、先ほど感じたルークに対するプレッシャーは。
今は微塵も感じないが。
「って、あれで覇王のやつは滅んだのか?」
いまだにまじまじと自分の手をみつつ、そうつぶやくルークに。
「ルーク。そんなことはないですわ。
おそらく、先ほどのメンフィスさんのゼナファの鎧にて。分断された具現化していた覇王。
それのみを倒しただけだとおもいますわ。
覇王本体はまだ滅んでいないはずです。―そうですわよね?リナさん?ガウリイさん?」
いいつつ。
どうにかルークが無事であったことに内心ほっとし。
それでも、それを表情には表すことなくそうリナたちにと問いかけているミリーナ。
「…まさか、本当に倒せるとは…」
まだ信じられないように。
呆然としているメンフィス。
カタカタカタ。
そんな彼女の元に、床にところがった白い鎧が、音をたてつつ、飛んでいき。
そして、そのまま、彼女の装備品として、そのまま彼女の体を覆いつくしていっていたりするのだが。
「とゆーか。さっきエルさんから精神連絡あったけど?」
「とりあえず、馬鹿やった覇王のにーさんは。
冥王と一緒に庭掃除と廊下磨きをやらすとかいってたけど…」
先ほど。
二人の脳裏にと伝えられたその言葉。
そして。
しみじみと。
「エルさんとこの廊下磨きって…あれ、きついんだよなー・・・・。
何しろ牛乳つかって、廊下が完全に透明になるまで道具をまったく使わずに。
全部手でやらないといけないし…」
「…それ、私もよく姉ちゃんに特訓としてやらされてたわよ…家の廊下とかに…」
しみじみと、そんなことをいいつつ、意気投合しているガウリイとリナ。
「それより、すべて終わったのはいいですけど。
何となくもうどうやら話聞いていたら出てこれないような気がしますし。
覇王(ダイナスト)グラウシェラーも。
後は、事後処理、というか報告がのこってますわよ?」
一人冷静に。
その場にいる、リナ・ガウリイ・ルーク・ミルガズィア・メンフィスにといっているミリーナ。
覇王は、ルークが出現させた、魔王剣…実は、覇王を消滅させたときには。
それ以上の力-その剣は【餓骨杖】にとその刀身が変わっていたことは。
当然、ルーク本人ですら気づいてはいない。
そして、そんなルークをちらりとみつつ。
「…というか、ミリーナへの愛情で魔王の意識完全に封じ込めてるルークって…」
はっきりいって、実は魔王の力はさきほどの覇王との戦いのときにと目覚めている。
にもかかわらず、ルークは、無意識のうちに、その魔王の意識を封じ込め。
そして、魔王の力のみを自在に扱っていたりするのである。
―それは、まだ、本人ですら気づいていない事実。
「…エルさんが情けなすぎる!とわめいているのは当然だよな…」
そんなルークをみて、ぽそりと会話をしているリナとガウリイではあるが。
だが、そんな二人の会話は。
二人以外には届くことはなく。
「とりあえず。…肉塊になってる国王二人。
それつれてきて説明するほうがてっとりばやくない?」
「一度すでにその肉体滅ぼされてるから、ついでに精神も蝕まれてるだろうし。
復活させてもいいけど、絶対に廃人同様になるぞ?リナ?」
国王にと化けていた覇王は倒れた。
後は、国の人々に説明を促すのみ…
そんな状況のなか。
そんな会話をしているリナとガウリイの姿がそこには見受けられてゆく。
-……数時間後……-
「で?どうします?」
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
無言になる以外、何だというのだろう。
とりあえず、すべて終わった。
という報告をうけ。
そして、目が覚めたジェイドもまた。
ここ、謁見の間にと全員がそろっている。
すでに、この城にと入り込んでいた、魔は。
主である覇王が撃退されたのをみて。
そのまま、精神世界にと逃げ戻っていたりする。
謁見の間にとあるのは、二つの肉の塊。
そして、それらが。
まだ、見たこともない兵士などもいたのはまた事実。
ただの噂だ、と思っていたものもまた然り。
だが、事実。
目の前で、うごめくどす黒いような肉の塊と化し、その全身から蛇やヒルのようなものを、
無数にと生み出しては、それがその肉の塊を食い漁り。
それと同時に湧き出る赤い液体。
それらを肉と一緒にごっそりとすいつつ食べているちょっとした大きさのヒルらしきもの。
そんなものを目の前で見せられては。
言葉を失わない。
というのがどうかしている。
中には立ったまま、気を失っている兵士なども存在するが。
「見てわかるとおり。ヴェルズ国王は、ルォン国王と同じく、こうなってますけど?」
そんなリナの言葉に。
「…リナさん、どうにかすることはできないんですか?」
声をかすれさせつつも、顔色もわるくそんなリナにといってくるジェイド。
「できないことはないけど。でもそもそも。
シェーラを採用したそもそもはこの国王なんだし?
まあ、シェーラがその魔力で少しばかり操ったにしろ。
それに、この人、自分から、この姿に変化させられる薬飲んでるし?」
―そう。
普通の変化ではない。
この、ヴェルズ国王の変化は。
…もっとも。
その薬の開発者というのが。
そもそも、魔族内部でもかなりかわっている存在なのではあるが…
「まあ、元にもどしても、精神的にうけてるダメージはそのままだろーけどな。」
こんな状況、というか、目の前にそんな物体が二つある。
というのにまったく動じずにそんなことをいっている、リナとガウリイ。
この二人。
ちなみに、ルークとミリーナは。
まだ、町の中にと存在している、雑魚魔族を撃退するために。
そのまま、ミルガズィアたちとともに外にでていたりするのだが。
「…すこし、話し合う時間をくれないか?」
そう。
顔色もわるく、アルス将軍が、周りの生き残った重臣たちの顔をみつつ。
そう、言葉をつむぎだしたのは。
しばらくの、静寂の後-……
結局のところ。
数日のち。
いろいろな事後処理などを終え。
そのまま、町を後にしてゆくリナ・ガウリイ・ルーク・ミリーナ。
そして、ミルガズィアとメンフィス。
この六人。
結局のところ、国王病死。
という公式発表がなされ。
そのまま、国王は、精神的な苦痛を強いるくらいなら。
ということで、リナたちにと頼んで混沌にと還っていっている。
ジェイドの追放命令もとかれ。
彼らはこれから力をあわせて国の復興に力を尽くす所存であるらしい。
ちなみに、ルォン国王はというと。
そのまましばらくは百年間ほど。
その姿のままで、何があっても滞在するように。
金色の母の力の干渉があるがゆえに。
リナとてそれには干渉できるはずもなく。
ゆえに。
そのまま、ルォン国王はしばらくそのままの肉の塊のまま。
あと数十年以上はそのままでいないと、混沌にと還りゆくことすらも許されない。
…ま、まあ、かつて。
彼は金色の王、と知ってから、攻撃を無謀にも仕掛けた…という事実があるがゆえに。
もはや、救いはないのであろうが…
「では、これでお別れだな。」
いいつつ、そばにたたずむメフィとともに。
リナたちにと手を伸ばしてくるミルガズィア。
「でも、さすがに、ミルガズィアさん、エルさんがあの場にきたときに。
いなくてもよかったわねー。」
くすくすと笑っているリナに。
「…つーか、いったい金色の王って…」
どこか顔色の悪いルーク。
何しろ、残った重臣たちが会議をしているさなか。
その場にはルーク・ミリーナ・リナ・ガウリイがいて。
ミルガズィアとメフィは、別のところにいたのであるが。
その場に突如として金色の光をまとったかの御方が出現すれば。
この反応も当然、といえば当然であろう。
ゆえに。
ルォン国王がそのまま。
というのも、ほかのものたちもまた、納得せざるを得なかったのだが。
「とりあえず、貴殿は気をつけてもらおう。」
そういう、ミルガズィアの顔色はどこか悪い。
まあ、それはそうであろう。
ルークの中に、魔王の欠片がいる。
と、聞かされれば…
「俺のミリーナを悲しませるようなこと、誰がするかっていうんだよ。な。ミリーナ♪」
そんなルークの言葉をあっさりと交わし。
「それで?ミルガズィアさんたちはこれからどうするのですの?」
まったく無視してミルガズィアたちにと問いかけているミリーナ。
「うむ。とりあえず。こちらはまあ、魔族も手をだしてこないであろう。
何しろリナ殿とガウリイ殿の知り合いであることだしな。
われらとしては、とりあえず野にとあふれたデーモンを駆逐しつつ。
ほかの腹心がこの計画を進めないことを、再発させないことを念頭におかないとな。」
そんなことをいっているミルガズィア。
彼らはもう、知っている。
この計画が、魔王の欠片を復活させるための計画であった。
ということを。
ま、まあ、ゼロスから聞き出してわかっていた。
ということも、事前にあるのだが。
「確かに。このまま北の魔王が弱体化したほうが、世の中は平和だしね。」
その言葉にうんうんとつぶやいているリナ。
「しかし、よもや、腹心たる高位魔族が動いているとは。
しばらく見回った後にわれらは今後の対策についての会議をするつもりだ。」
「いっとくけど。ルークを目覚めさせないためにルークを殺す。
とかいう結果でたら、問答無用で、ガウリイと殴りこむからね?」
「…わかっている(汗)」
ディルス王国首都。
ガイリア・シティを離れ、そしてそれぞれの向きにと向かう街道。
その分かれ道でそんな会話をしているリナたち一行。
「では、われわれはもういく-世話になったな。」
いいつつ、メフィを促して。
そのまま、カタート山脈のある方向にと進んでゆくミルガズィアとメンフィス。
そしてまた。
「それじゃ、俺たちは。」
言いかけるルークの言葉をさえぎり。
「ルーク。まさか、『旅から旅へのラブラブカップル水入らず』とかいうんじゃないでしょうね?」
冷たいミリーナの一言に。
そのまま黙り込んでゆくルーク。
「ま、ルーク。もし魔王の意識が上ってきたら。私たち呼びなさいよ。
そのまま、面白いからエルさんとそれとミリーさん読んで遊ぶからv」
にこやかに微笑むそんなリナの台詞に。
…我は絶対に目覚めないようにしよう…(汗)
ルークの心というか脳裏に響く声。
…なんか魔王って…苦労してるんだなぁ…
その声をうけ、そんなことを思っているルークではあるが。
何はともあれ。
それぞれに。
再び互いに道を進んでゆく彼らたち。
この先、彼らの先に待ち受けているものは…
すべての母なる金色の王のみがしる…
-続くー
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あとがきもどき:
エル:ちょっとぉぉぉぉぉぉお!あたしの出番はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!
姫:あ、エル?ここに置手紙があるわよ?
―エル様出したら絶対に収集つかない、というか表現が上手に文章で表せないので、
説明だけにおしとどめました。by薫-
エル:・・・・・・・・・・・・・・
姫:・・・・・・・・・・・・
エル:んっふっふ・・・・いい根性してんじゃない・・・・
ユニット!これから薫のやつの根性をたたきなおしにいくわよ!
ついでにSも!
姫:あ、それいいわねvこの薫さん、私の小説打ち込みしてないしv
エル:では。そういうことで。私たちはちょっとお出かけしますね♪
姫:それでは、またいつかv
エル&姫:それでは、まったね♡」
2004年1月12日某日