ふふふv
  ただいま、狭間27話。
  あのアンケートもどき。正解者は。
  『MEER』の副管理人の星野さん、ただいま一名ですv
  さって、何人が正解するかなぁ(こらこらこら)
  とりあえず次回のこれアップするまでに期限をしてみましょう。
  で、次で答え発表をば(こらまてや)

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        狭間の選択     ~登場、黄金竜?~
   

  「あ、この人たちなら心配いりません。
    というか、私たち、今からディルス王室に入り込んでる覇王将軍シェーラ。
    ぶちのめしにいくところですから。」
  にこやかに、さらりと言い放つリナの言葉に。
  「「な゛!?」」
  「何を人間風情が馬鹿なことを。冗談もほどほどになさってくださいな。
    ミルガズィアおじ様。説明は不要ですわ。」
  声は、リナでもガウリイでも、ルークでもミリーナでも当然ジェイドでもなく。
  別の方向から、リナたちの方にむかって語りかけられてゆく。
  よく通る女性の声。
  当然、リナの声でもミリーナの声でも。
  ましてやルークやガウリイの声ではなく。
  その声に振り向くとそこには一人の女性が、
  木々の間からひょっこりと姿を現してゆく。
  そこには。
  見た目、年のころならば二十歳前後くらいであろうか。
  金色の髪を長く伸ばした美人がひとり。
  ゆったりとした白い服にかなり変わった形の白い軽装鎧を身に着けている。
  そんな女性がそこに立っていたりする。
  だがしかし、見た目どおりの年齢でないことは。
  その特徴ともいえる耳にて一目でわかる。
  そのとがった耳に透けるような白い肌。
  リナとかなりためが張れるのではなかろうか、という程度か、
  またはリナと同じくらいの白さというべきか。
  リナもまた、こうして旅をしている割にかなり肌の色は白いのである。
  リナたちの目の前にと現れたその女性は。
  その特徴から彼女がエルフ族である、ということを明確にと指し示している。
  人間に数倍する魔力と五・六倍の寿命をもつ、とされている種族。
  普通はめったに人前にと姿など現さないのであるが。
  それも以前にあった人間による虐待とサベツなどにより。
  彼らは隠れ住むようにとなっているがゆえに。
  「へぇ。」
  「あら。」
  小さくつぶやいているルークとミリーナの言葉などまったく耳にと入らないように。
  「おじ様。人間などに話したところで役に立つわけもなし。
    逆に混乱を招くのが関の山。というところですわ。」
  ちらりとリナたちをみただけでまったく視線すら合わさずに。
  ミルガズィアにいっているその女性。
  びくっ。
  「人間なんか?」
  そんな彼女の言葉にルークが青筋を立てていたりするが、
  それにもまったく気にせずに。
  「…でも、リナさんとガウリイさん、普通の人間、といえるのでしょうか?」
  「あら?どういう意味?ミリーナ?」
  ぽつりとつぶやくミリーナに思わず突っ込みをいれているリナ。
  その言葉に
  -確かに。
  などと心で思っていたりするルークではあるが。
  「そういうな。メフィ。同じこの大地に生きるものとして、
   彼らにも知る権利はある。それにあながち役にたたん、と限ったわけではない。」
  「…けれども。」
  「というか、あまり神経を逆なですることをいうものではない。
    得にそこの栗色の髪の人間と金色の髪の人間にはな。」
  そういいつつ、目でリナとガウリイを指し示すそんなミルガズィアの言葉に。
  「ちょっと!ミルガズィアさん!どういう意味ですか!?」
  思わず突っ込みをいれているリナ。
  「…もしかして、この男性もまた、こいつらとかかわったときに何かがあったのか?」
  などとつぶやいているルークに。
  「うーん?別にそんなことはないんだけどなぁ?
   ただ、ヘルなんとかってやつとかが出てきたときに。
    エルさんがこっちにきた、ということくらいで。」
  「……まて(汗)」
  「……まってください(汗)」
  さらりとのほほんと言い切るガウリイの言葉に。
  思わず二人して同時に冷や汗流しつつそんなガウリイの言葉に突っ込みをいれている、
  ルークとミリーナ。
  「ともかく、だ。私が決めたことなのだ。彼らに話す。と。」
  きっぱり言い切るミルガズィアの言葉に。
  しぶしぶ不満ながらも。
  「…はい…」
  しぶしぶ、不承不承ながらうなづいているメフィ、と呼ばれたエルフの女性。
  「話の腰をおって済まぬな。あの子は人間があまり好きではないのでな。」
  そういうミルガズィアのその言葉に。
  「まあ、一時期人間がエルフを虐待したのは事実だからねぇ。」
  たとえそれが人間にとっては昔のことでも。
  エルフたちにとってはそれはついこの前のことでしかありえない。
  「とりあえず。先ほどの栗色の髪の人間…リナ殿の質問に答えよう。
   そうだな…どこから話せばいいものか。
   ―いうまでもなく最近各地にレッサー・デーモンやブラス・デーモンなどの、
   低級間族が大量に出現する、という事件が頻発している。
   そしてこれはどうやら覇王(ダイナスト)グラウシェラーの一軍を中心とする動きらしいのだ。
   ―私はかつてこれとそっくりの状況を目にしたことがある。」
  そう淡々とつぶやくミルガズィアの言葉に。
  「?そっくり?」
  鸚鵡返しに問いかけているミリーナ。
  そんなミリーナの言葉にうなづき。
  「うむ。デーモンの群発。人間の間に広まる不安。
    不安はそれに乗じた戦いを生み、ますますの混乱を生んだ。
    そのとき、すべてを画策したのは覇王ではなかったが…
    起こっている状況が同じ、ということは、覇王の狙いもまた同じ-。」
  そこまでいって少しばかり言葉を区切り。
  「?あの?」
  問いかけるミリーナの言葉に。
  しばらく沈黙したあとに。
  重苦しい口調で。
  「すなわち-降魔戦争の再現…」
  

  かつて、この世界には戦いがあった。
  神と魔と、生きとし生きるものたちとすべてを巻き込んだ戦いが。
  世界の存続と破滅をかけ、神と魔王は戦って。
  神は四つの分身を残し力尽き、魔王は五つの僕を残して、
  体を七つに分かたれ封じられた。
  そして今から千年前。
  魔王のひとつが復活し。
  僕たちとともに神の分身のひとつに戦いを挑んだ。
  人はそれを降魔戦争と呼ぶ。

  
  振り出した雨は見る見る勢いを増し、今しがたまで乾いていた大地に、
  いくつもの水溜りを生み出し。
  そして。
  例外にもれずに。
  「うっひゃぁ。いきなり振り出したわねぇ。」
  などといいつつつも、まったく水にぬれていないリナが。
  そんなことをいいつつ、ついてもいない水をとりあえずはたいていたりする。
  雨が降るわね。
  というリナとガウリイの言葉と。
  そしてメフィと名乗ったエルフの言葉により。
  とりあえず、落ち着いて話ができる場所を。
  という理由で近くにあるこの村にと彼らはやってきているのであるが。
  そして、そんな村の中にある小さな食堂。
  どうせなせば腹ごしらえを。
  という理由からそこに入り、それぞれにテーブルについて。
  メニューをざっと見渡しているリナとガウリイ。
  そして。
  今だに先ほどの混乱が抜けないらしくにいまだに呆然と半ばしているジェイド。
  まあ、いきなり、降魔戦争の再現。
  など、突如として出てきた男性にそんなことを言われれば。
  呆然としないほうがおかしいであろうが。
  だがそれを冗談、で済ませられない何かが、彼の中のどこかで感じられ。
  笑うに笑えられない状況となっていたりする。
  もっとも、今、自分の国で何が起こっているのか。
  というのとそれとが結びついている、など夢にもジェイドは思ってないのだが。
  昼を取るには遅すぎ、それでいて夕食にもまだ早い時間帯。
  そんな理由から店の中にいるのは今入ってきた、
  リナ、ガウリイ、ルーク、ミリーナ、ジェイド。
  そしてミルガズィアとメフィ。
  この七人のみ。
  もっとも、人がたくさんいるところで魔がどうのこうの。
  という話をするのは世間の常識上、どうかともおもうのであるが。
  まあそれは、リナとガウリイのこと。
  いつものことなのであまり気にしてはないのだが。
  もっとも、いつもはリナとガウリイの容姿に見とれる男性陣などの視線が多いが。
  今この状況では、それにブラス、何とも変わったデザインの真っ白い鎧をまとった、
  エルフのメフィがかなりの確立で目立つことは明らか。
  とりあえず。
  そのまま、入り口より少し離れたテーブルに。
  それぞれにつくリナたち一行。

  「…そちらのお客さんは?」
  それぞれにメニューを頼み。
  そしていまだに注文していないメフィとミルガズィアにと問いかけている、
  この店のウェイトレス。
  「キャベツの千切りを。」
  「水だけ。」
  「…ヤな客か…あんたらは…」
  思わずそんな突っ込みを間髪いれずに入れているルークではあるが。
  そんなミルガズィアとメフィの注文ともいえない注文をきき。
  憮然とした表情で店の奥にと引っ込んでゆく姿が見て取れるが。
  そんなルークの言葉に。
  いとも気にもとめないように。
  「私は人間なんかと違って、ほかの動物を殺して食べる。
    という野蛮な趣味は持ち合わせていませんから。」
  しれっというそんなメフィのその言葉に。
  「ふぅん。でも野菜も生き物よねぇ?それは食べるんだ。
   ふぅん。」
  などとそんなメフィに向かっていっていたりするリナ。
  そんなリナの言葉に思わず何かを言いかけようとするメフイの表情をみてとり。
  ため息ひとつ。
  「お前のはだたの偏食だろうが。お父絵も困ってらっしゃったぞ。」
  ため息つきつつつぶやくミルガズィアに。
  「ああ!ミルガズィアおじ様!バラしちゃだめです!」
  ミルガズィアの指摘に小声で抗議の声を上げているメフィ。
  「…やっぱりいるんですね…エルフにも、自分の好き嫌いを理想武装でごまかす人って…」
  どこか悟ったような表情で天井をみつつつぶやいていたりするミリーナ。
  そんなミルガズィアの言葉に。
  「…って、そういうあんたも水だけかよ?」
  とりあえず無難な突っ込みをいれているルーク。
  何かこのエルフの女といい、この男性といい。
  何か絶対にあるんだろうけどな。こいつらの知り合いのようだし。
  などとそんなことを心で思いつつ。
  そんなルークの心情はまったく気づかずに。
  「われら竜族(ドラゴン)は、一定以上の年齢に達すれば、
    もはやそれほどの食料を必要としなくなる。
    転地の間にある気を吸収し、それを糧として生きてゆく。」
  そんなルークの問いに答えるミルガズィアの言葉に。
  思わず顔をしかめ。
  「…竜(ドラゴン)・・・って!?あんたまさか…!?」
  「…な゛!?」
  さらっというミルガズィアの言葉にようやく気づき。
  驚きの声をあげるルークに。
  そして。
  目の前のこの男性がいきなり自分は竜。
  とか言い出したことに思わず短い悲鳴を上げているジェイド。
  「そういえば、互いに自己紹介がまだだったわね。」
  そんなリナがいっている間にも。
  リナとガウリイが注文したメニューをすべて二十人前づつ。
  という料理の数々がテーブルにと運ばれてきていたりする。
  「うきゃぁvきたきた。」
  そういいつつも、こちらはこちらで。
  料理を前にしてフォークとナイフを構えているリナに。
  「そーいや、俺昔、残したら、それ動くように母さんとか、
    あとはエルさんとかがして。
    無理やりに食材が手足が生えて追いかけてきたこともがあったなぁ。」
  ふと思い出してそんなことをいっているガウリイに。
  「ふーん。私のところはまだ動く。まではあまりなかったけど。
    でも、出された食材がいきなりしゃべりだす。なんてよくあったけどね。
    ルナ姉ちゃんが植物の声を聞くいい機会だから、
    とかいって。いやもう、泣き叫ぶ生野菜とか食べるときの、あの悲鳴ったら…」
  「それくらいならまだいいさ。
    オレなんか、それプラス、手足とかが生えて動いている野菜とか。
     食べないとお仕置き、とかいわれるんだぜ?
     ミリーさんとエルさんと母さんに。
     よくオレ、生きてたよなぁ。」
  そんな会話をほのぼのとしつつも。
  出された食事を勢いよく食べ始めているリナとガウリイ。
  「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
  そんな二人の会話を耳にとはさみ。
  思わず沈黙しているほかのメンバー。
  
  「と…とりあえず。」
  そういいつつもその額から流れ出ている一筋の汗は気のせいではないであろう。
  …今の会話は聞かなかったことにしたほうが世の中のためだな。
  などと心の奥深くでそんなことを思いつつ。
  「―ミルガズィアだ。カタート山脈を望む竜達の峰(ドラゴンズ・ピーク)で。
    一応皆を束ねる任にある。
    察しているとは思うが-この姿は変身魔法を使ってのかりそめの姿に過ぎん。」
  食事に夢中になっているリナとガウリイを横目にしつつ。
  とりあえず、今の会話は聞かなかったことにして。
  自己紹介を始めているミルガズィア。
  「ナ゛!?」
  その言葉に目を見開き絶句しているジェイド。
  話には聞いたことがある。
  年を重ねた、高位の術を操る竜はその姿を人に変えることができる。
  ということくらいは。
  だがしかし、そんな当人を目の当たりにすることなど。
  はっきりいって人生の中にあるかないか、そんな確立である。
  ある意味、ジェイドのこの反応が普通なのであろうが。
  「…なるほど。な。」
  そういいつつリナと食事に夢中になっている、というか、
  リナに食事を譲っている、というのが注意深くみればすぐにわかるのであるが。
  そんな二人をちらりとみつつ。
  「…それで『デッカイトカゲ』…ねぇ。」
  そういいつつガウリイをみていたりするルーク。
  ずいっ。
  そんなルークの台詞に。
  「くどいようだが、その『でっかいトカゲ』というのはやめてくれるか?」
  ずずいっとルークの目の前にその顔を持っていき。
  表情ひとつ変えることなく言い放つミルガズィア。
  「うわぁぁぁあ!悪かった、悪かった!」
  いきなり目の前にずいっと突き出された顔に驚き。
  あわてて謝っているルークではあるが。
  「それで?そちらのかたは?」
  いかにも淡々としたミリーナの言葉が。
  横でキャベツの千切りをつついているメフィにと問いかけられる。
  「メンフィスよ。メンフィス=ラインソード。」
  それだけいって沈黙していたりするメフィ。
  「それで?」
  問いかけるルークの言葉に。
  「それでとは?」
  「いやだから、自分のことについての説明とか。」
  「見てのとおりエルフよ。説明するまでもありませんでしょ?」
  むかっ。
  そんな会話を繰り広げているルークとメフィ。
  「ルーク、それより私たちの自己紹介を。」
  「あ、それもそうだな。」
  とりあえずこのエルフ…後で覚えてろ。
  などと思いつつ。
  ミリーナに促されるままに自己紹介を始めるルークと。
  それに続き自己紹介を終えるミリーナ。
  そして。
  「あ、ジェイドです。ジェィド=コードヴェル。
    今、このルークさんたちにお願いして。ディルスの首都。
    ガイリア・シティに向かっているところなんです…」
  ジェイドが今のディルスの状況を説明し。
  自分の名前を披露する。
  「…シェーラ…とは、まさか本当にあの『シェーラ』なのか?」
  どこかミルガズィアの声が震えているのはおそらくは。
  気のせいではないであろう。
  「だからオレたちもそれを確かめるためにと向かってるんだよ。
    ディルスに。もっとも-どうやらそれだけではないらしいけどな。」
  そういいつつ、ちらりとリナたちにと視線を向けるルークのその言葉に。
  「ん?あ。ああ。あそこに覇王が入り込んでいることか?」
  さらり。

  『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

  ガウリイの一言による沈黙は。
  かなりの時間がたつように感じられてゆく……
    
  
  「って、だからあんたはさらっというなってばぁぁ!」

   スババァァン!!

  その沈黙を破ったのは。
  とりあえず出されていた鳥のから揚げをすべて平らげ終わったリナが放つ。
  懐から取り出したスリッパの音。
  こぎみよいスリッパの音が。
  食堂の中にと響き渡ってゆくのであった。


  ギギィ…
  やがて、ゆっくりとまるで人形のようにと顔を動かし。
  リナとガウリイの方にと視線をむけ。
  「…人間達?よ?今のその言葉…真実か?」
  その声がどこか震えているのは気のせいであろうか。
  「ちょっと!ミルガズィアさん!何なのよ!その人間「?」はぁ!」
  「…いや、気持ちはわかる。」
  「ですわよね。」
  そんなリナの叫びに同意しているルークとミリーナ。
  「あのねぇ!あんたらぁ!私は普通の人間よ!
    ガウリイはともかく!」
  そういいつつびしっとガウリイを指差すリナに。
  「おーい。リナ。オレも人間だぞ?」  
  「あんたは金色の王の関係者でしょうが!
   それで十分に人間でない、で通用する!」

  ピシシシシシッ。


  その言葉に石化したのは。


  エルフのメフィと…そして以前のことをフラッシュバックのごときに思い出した。
  ミルガズィア、この二人であった…

  しばらく静かな時が彼らの中にと流れゆく……

  
   
                             -続くー

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    あとがきもどき:
     薫:・・・・・・ミルガズィアさん。
       以前エル様に出会ったときのことを思い出し・・・。
       ただいま石化中です・・・・。
       いやまあ…気持ちはわかります(いや、切実に・・・・
       ちなみに。
       メフィは真実は知らないまでも、さすがにその言葉は知ってますので。
       リナの爆弾発言に固まっております(汗
       どっちもどっちと思うんですけどね・・・・リナもガウリイも・・・・。
       何はともあれ。
       次回で共同作戦?というか同時行動。ですかね?
       ではまた・・・・次回で・・・・
       とゆーか今日はつかれてます・・・
        これの仕上げだけに四時間・・・・・もしもし?(汗

      2003年11月24日某日