さって。前回の問題はいまだに正解者はいません(まてや)
うーん、わかりやすいと思うんだがなぁ・・・・・。
とりあえず。
もう少し募集(笑)してみよう。うん(だからまて←本気にするってば・・・爆!
何はともあれ、いっきますv
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狭間の選択 ~ガイリア騒動の真実?~
覇王将軍(ジェネラル)シェーラ。
まずその名前は人間たちの間では知られていない何ともマイナーな名前であろう。
ま、まあ、そもそも。
高位魔族の名前で知られているのは五人の腹心と。
あとは降魔戦争どきの竜を滅する者(ドラゴンスレイヤー)くらいであろうが。
もっとも、後者は人間にはただの伝説、とされているが。
竜族、エルフ族などにはその名前は知れ渡っていたりするが。
そこはそれ。
「あいつが何をたくらんでやがるのかは誰もしらねぇ。」
そういいつつ、ジェイドを目でさし、面白くないような口調で。
-そもそも、俺とミリーナの二人っきりのラブラブな旅にほかのやつが加わる、
ということ自体俺は好きではないんだよな…
などとその言葉に本音がちらほらと見え隠れしていたりする。
「ともかく…だ。こいつにきいた人相からすると、間違いねぇ。
あの『シェーラ』だ。名前がたまたま同じってことはなさそうだ。
と、すると。だ。
たんに『出世がしたい』んてのが目的なわけはなねーわな。
ジェイドの親父さん-将軍やってるらしいんだが。
国王に『あの女は危ない』とか何度も諫言したらしいけど…国王さんは全然聞く耳もたず。
おまけに反シェーラ派だった重臣連中が次々に姿を消して-
で、親父さんは各地のロードにこのことを伝えようっていうんで…」
そこまでいって言葉を区切る。
先ほどのリナとガウリイの会話が頭をよぎり。
「それで、彼らを使いに出したってわけね。」
そんなリナの言葉にこくりとうなづくジェイド。
「何人かの領主の下を訪れ、取り次いでいただいたのですが…
いずれも書状を着き返され『私が口を挟むべき問題ではない』と…
確かにそうなのです。言葉で説明した限りではことは王宮内部の問題。
王宮内で解決するのが筋。けど-事態はもっと異常なんです…」
先ほど会話していたリナとガウリイの台詞が頭から離れない。
まさか。
という不安もあるが、どこかでうそだ、と思っている部分もある。
それゆえに取り乱していないジェイドなのだが。
そこまでいいつつ言葉を区切り。
やがて決意したように。
「…具体的に何がどういうふうに異常なのか、と聞かれれば…
…口では説明するのは難しいのですが。
ただの権力がらみの陰謀と、何というか、においが違うんです…
そ、それで…あ、あの?」
さきほどから魔という言葉がでてきているのにかなり不安が募る。
恐る恐る問いかけるそんなジェイドの言葉に。
「ま、確かにな。においが違うっていうのは…
あんた結構いいカンしている、と俺は思ったがな。」
そういいつつにがにがしく苦笑しているルーク。
「私のほかにも兄も父上の書状をもってどこかに向かったはずですが…
この分ではそっちの方も相手にしてもらえてないのでは…」
そういいつつも先ほどのリナの話が脳裏にとよみがえる。
「うーん。いわないとあんたが気の毒、かもしれないから。
落ち着いて聞きなさいよ?さっきどこかの馬鹿が、あっさりといったけど。
ともかく、まあ、ここから一日ちょっと南にいったところにあるとある村。
そこで殺されたの、あなたに雰囲気とかがよく似てたわ。
というか纏っているオーラというか気配は肉親のそれ。
―映像、見せるわ。」
そういいつつもつい、と手を前にだすリナ。
その手の平に、倒れている一人の男性の姿が映し出される。
それはジェイドによく似た面影を映す男性。
その周りの地面はどす黒く…そして服にこびりついている赤い何か。
いや、赤い服、と見えんばかりのそれは、一目しただけで、それが。
大量の血でよって染まった服だと一目でわかる。
「―な゛!兄さん!」
思わずその映像をみて椅子から立ち上がり、その体がわなわなと震えるジェイド。
「…つーか、だからあんたら…本当に人間か?
普通術も何も唱えず、というか道具使わずそんな映像、見せられるなんて…」
ため息まじりにつぶやくルークのその言葉に。
「ちっちっちっ。ルーク、わかってないわねぇ。
これくらいできないと…いや、何でもない。」
これくらいできないと、ゼフィーリアでは暮らしていけない。
というのをかろうじてのどの奥にとしまいこむ。
もっとも、それで、よく子供が両親とかのお風呂に入っている光景などを。
近所の男性とかに見せて、怒られているほほえましい光景が。
よくゼフィーリアでは見受けられていたりするのだが。
そんなことを説明しても意味ないし。
などとおもいつつ。
「とりあえず、その体に穴をあけてたこの人の怪我、治してきれいな体にしてから、
そのままそこに横たえておいたんだけど…
厄介ごとに巻き込まれるのもゴメンだったし。
あのヤツが人を巻き込む可能性すらあったしね。
ともかく、身元がわからないうちは、恒例にしたがって、
彼の体、冷凍保存しているはずよ。いってみる?」
そう問いかけるリナの言葉に。
「…それより、リナさん、ガウリイさん、さきほどあれが何かジェイドさんの…」
とりあえず一通りジェイドの説明が終わったのをみてとり。
不安に思っていたことを問いかけてくるミリーナ。
その言葉に。
「ああ。あれ?間違いないわよ。というか、絶対に。」
こちらもまたあっさりさらりと言い切るリナに。
「というか、いくらオレでも、その精神を魔にと組み替えられ、
しかも完全に人でなくなっているヤツを元の人間に戻すのは…
ちょっと無理だからなぁ。やったことないし。」
実はできるのであるが、それをガウリイは知らない。
ま、まあ世の中、知らないほうがいい、ということもあるのである。
「それはそうと、なあ?リナ?いったいこの会話…何がいいたいんだ?」
ずがしゃぁぁぁ!!
いきなりといえばいきなりの的を外れまくったガウリイの台詞に。
思わず不意をつかれてものの見事に椅子から転げ落ちるリナとルークに。
テーブルに突っ伏しているジェイド。
それと頭を抱え込んでしまっているミリーナ。
「あ…あんたわぁぁぁあ!もしかしてわからないままに会話にくわわってたんかいぃい!
ガイリア・シティで何か起こってるからいこうかどうしようか。
そういう意味合いを込めた話に決まってるでしょうがぁぁ!」
スパパァン!
叫びつつ、スリッパでガウリイの頭を一撃する。
ぽん。
「あ、なるほど。いやぁ、そうならそうといってくれないと。」
「普通考えればわかるわぁぁ!」
にこやかに完全に漫才、としかいいようのないそんな会話を繰り広げているリナたちをみつつ。
「…あの…」
いぶかしげにルークたちをちらりとみているジェイド。
「…気にするな。この兄ちゃんはこういうやつなんだ。」
「そうですわ。これくらいで驚いてたら先がもちませんわ。」
ため息まじりにつぶやくルークに。
冷静に言い放つミリーナ。
だがその額からは一筋の汗が流れ出ていたりするのだが。
「―で?リナ?いくのか?ガイリア・シティに?」
そう問いかけてくるガウリイに。
「まね。ほっておくわけにもいかないでしょ。
というか話を聞いてほっておいたら、うちの姉ちゃんに何されるかわかったもんじゃないし。
それに…どうやらジェイドさん、とかいったっけ?
あんたのお父さんがあーいう存在に変えられている、ということは…」
「あ、あの?そこがどうしても納得できないんですけど…」
まあ、いきなり、あの黒い生物もどきが自分の父である。
などと聞かされて、いったい誰が信じることができようか。
「…ま、すぐにわかるわよ…」
そのとき。彼がダメージ受けるの目に見えてるけど…
などと小さくつぶやくリナに。
「ま、確かになぁ。というか覇王のおっさんのことだから。
邪魔ものはとりあえず、駒にすべく全部支配下に置いたんだじゃないのか?
何か最近、あいつら、必死に人身御供のための欠片、さがしまくってるようだし。」
さらりとそんなことを言い放つガウリイに。
「ま、まあ、確かにねぇ。今魔族。不景気だもんねぇ。面白いことに。
はじめに覚醒しかけたレゾの中にいたシャブラニグドゥは。
エルさんたちにつれてかれて、でもって。
あたしを利用しようとしていたフィブリゾのやつはエルさんたちが、
串焼きにしてからどっかにつれていってたし…」
「「…まて(あの)」」
さらりと何でもないようにいうリナの言葉に思わず突っ込みをいれているルークとミリーナ。
「まああのなんか女性として転生してたガーヴとかいうやつは。
あいつが滅ぼしたしなぁ。」
いやあの、女性って…(汗)
そんなのほほんといっているガウリイの言葉に思わず心で突っ込みをいれているミリーナたち。
「うぐっ!…ガウリイ、それいわないで、思い出しただけで・・・ぷくくっ。」
あのときのガーヴの姿を思い出し。
精神的な心構え、というよりはむしろ笑いに近く。
思わず思い出し笑いをしているリナ。
―ま、まあわからなくもないが。
魔竜王ガーヴ。
リナが彼と初めて相対したときに出会った姿は。
何でも人に転生したときに、偶然なのかはたまた誰かのいたずらか故意なのか。
ともかく、彼がかつてよく形をとっていた容姿のままの女性として。
転生したときに・・・覚醒したらしいガーヴ。
それゆえにごつい体格のままに女性として転生、そして覚醒し。
しかも男性の姿になることは不可能で。
しかたなく女性形態のままで魔竜王としてすごしていたガーヴ。
それもまた笑える原因のひとつではあるのだが。
だがしかし、ドラゴンズ・ピークに出現したときの彼の姿が、これがまた。
普段は分厚い服などを着て胸などを隠しているらしいのだが。
くつろいでいたこともあり・・・そのかなり大きめな胸を隠すことなく。
腰にエブロン、服はなぜかピンク。を着こなしてやってきているガーヴの姿であれば。
話はかなり違ってくる、というか笑える以外の何ものでもない……
「と、とにかく、いきましょ。ガイリア・シティに。」
「いえあの…私としては今の説明…してほしいんですけど…」
「同感だな。」
にこやかにきっぱりいいきるリナの言葉に。
むなしく目を点にしてつぶやくルークと。
思わず突っ込みをいれているミリーナの姿が、そこの食堂の一角にて。
しばし見受けられてゆく-。
ガイリア・シティまでの道のりはいたってリナたちいわく順調そのもの。
―そう。今までは。
とりあえず行く先々でデーモン発生についての話をききつつ。
やはりといえばやはりらしく、その先々で出てくるのは白い巨人。
その話。
「―けど、そういえばあいつ、あれから襲ってこないよな。」
ぽつりとそんなことをガウリイがもらしたのは。
ガイリア・シティまではあと五日。というとある町での酒場兼食堂でのこと。
夕飯の時間にはやや遅いが、酒を飲みにくる客もいる。
店内はそこそこにごった返しておおむねにぎわっているそんな店のテーブルの一つでのこと。
「あいつ?って誰だ?」
そんなガウリイの言葉にまゆをひそめて問いかけるルーク。
「ほら、前にオレとリナを襲った黒尽くめの元人間のあの魔族。」
あっさりいうそんなガウリイの言葉に。
あれが父、というのは絶対に間違いだ。
などといまだにそう思っていたりするジェイド。
ま、まあ魔とあったことがない人間であればその反応が普通であろうが。
というか、普通に暮らしていて、魔などと出会う確立など・・・あるほうがおかしいのだが。
「あ、あのねぇ!そーいう話をしないのよ!
世の中ってものがわかってないんだから!まったく!
普通こういう場合、『あいつが襲撃してこない』なんて会話をしていると、
ちょうど相手が襲ってくるっていうのが大自然の摂理ってもんでしょうが!」
叫ぶリナに。
「はっ。笑わせんなよ。いくら何でもそんな…」
などと笑いかけているルークの言葉をさえぎり。
「いや、一応心構えが必要かな、とか思って…」
「「心構え?」」
のほほんとぽりぽりとにこやかに頬をかきつついうガウリイの台詞に。
思わず同じテーブルについていた、リナ、ルーク、ミリーナ、そしてジェイドの台詞が。
同時にと発せられる。
と、同時に。
ドォォン!
間違えのうのない爆発の音は。
店の外から聞こえてくるのであった。
「―お、おい!?うそだろう!?」
つぶやきつつ、ルークが腰を浮かすのと同時に店の扉がバタン。と開き。
そして転がるように店に入り込んできたのは一人の男性。
「た-大変だ!デーモンたちが!この町に向かって!」
そう叫ぶ男性の言葉に。
ざわっ。
店内が一気にざわめきを増してゆく。
まあそう聞かされてパニックになない人間がいたらそれはそれですごいものがあるであろうが。
―リナたちは除くとして。
「…ついでにいえば、デーモンだけでなくて魔がふたつ…っか。」
気配を感じ取り、外をみつつつぶやいていたりするリナ。
だがその意味はルークにもミリーナにもそして当然ジェイドにはわかるはずもなく。
「と、ともかくっ!いきましょ!」
そういいつつ、ミリーナがあわてて椅子から立ち上がり。
そしてそのまま店の外にと走り出す。
そして。
リナたちが目したものは。
雲ひとつない真っ暗な空…ではなくて。
右往左往している町の人々。
そして。
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
しばしその場に沈黙が訪れる。
そう。雲がない夜空、と思っていたものは空ではなくて。
空を埋め尽くす無数の何か、である。
というのに人々が気づいたのである。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
空を埋め尽くす無数のデーモンの姿を目にし。
町はバニックに陥ってゆく……
「ど・どうするんだよ!?あんなの!?数が多すぎるぜ!」
などと叫ぶルークに。
すでにバニックになっている町の人々の動きで身動きがとれない。
そんな会話をしていると。
「あ、あれ!」
ふと。
町の外から何かが光り。
そしてそちらに視線を向ければ。
そこにたたずむ白い何か。
そして。
キュドドドド゛ッ!!!
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』
-違う意味で町はさらなるバニックに襲われてゆく。
「…つーか…これって…」
「…ま、まあデーモンは…駆逐されてますけど…」
思わず呆然としたつぶやきをもらしているルークとミリーナ。
今何ものからか発せられたとある光線で。
空を埋め尽くされていたデーモンたちはいともあっさりと撃退される。
されているのであるが。
だが、問題は。
その光のレーザーブレスらしきものが。
町並みを一緒くたに破壊している、ということである。
さらに町は今までにないパニックにと見舞われてゆくのであった……
「…しっかし、先ほどのあれは、何だったんでしょうか?」
いまだにバニックになっている人々を何とか避難させつつ。
ある裏路地を進んでいるリナたち全員。
そうつぶやくミリーナの言葉に。
「…今はそれより。」
そういいつつため息一つついているリナに。
「な?だから心構えが必要だっていったろ?」
にこやかにそんなことをいっていたりするガウリイ。
スパパァン!
そんなガウリイに再び炸裂するスリッパ攻撃。
「あのねぇ!もっと早くにいいなさいよ!こーなる前に!」
そんなことをいいつつガウリイに食って掛かっているリナ。
「あ?あの?―どうして…ここ、大通り…ですよね?」
裏路地からでたそのとおりには。
人っ子いない閑散とした光景が広がっているのみ。
思わずつぶやくジェイドに。
先ほどから聞こえていたはずの町の人々のざわめきが一切聞こえなくなっていたりする。
「ただ事ではないみたいですわね。―ざわめきが聞こえなくなってますわ。」
冷静に分析しそうつぶやくミリーナの声に。
「あ。」
ようやくそれに気づき小さく声をあげているジェイド。
そしてそのままあたりをきょろきょろと見回し。
「な、何なんですか!?これは!?」
あからさまに同様している様子が見て取れる。
「あら?よくあることじゃない。結界よ。」
さらりと何でもないように言い放つそんなリナの言葉に。
「そういうことだな。」
こちらもまた慣れたものであっさりと言っていたりするガウリイ。
…まあこの二人にこの程度で驚け、といほうが土台無理、というものである。
そんな二人の声に。
「そういうことだな。」
声は、二人のものでもなく。
そしてまた。
ルークとミリーナ、そして当然ジェイドのものでもなく。
まったく別の方向からリナたちの方にとむかって突如として投げかけられてゆく。
「…何だ?あれは?」
ぽつりとそれを目にして半ば声を震わせているジェイド。
その視線は通りをはさんでやや離れた細い路地の方を指している。
そしてその先にいるのは。
ほとんどぼろ不の同然の黒い万とを身に纏った人の姿をしたもの。
一目しただけでそれが人でないのはあっさりと見て取れる。
やせている、というよりははっきりいってただ細い、といか言いようのない全身に。
そしてそんな全身を覆っている肌は古い死体のように黒ずみも
顔には耳も鼻も当然口も髪もなく、ただ大きな二つの目だけが。
大きく見開きにごった視線をリナたちにと向けているのだからして。
「うーん。純魔族ってやつよ。ついでにかなり下っ端。」
別にどうってことない、というような口調でいうリナの言葉に。
「純魔族…って。やっぱあんたらとかかわってたら…何かどんどん
向こうの方から厄介ごとがやってくるような気が……」
などとぽつりとしたつぶやきをもらしているルーク。
純魔族。
こう呼ばれているのもは、動物などの憑依によって具現化するレッサー・デーモンや、
ブラス・デーモンなどとはまったく異なり。
自らの『力』を使い、この物質世界に具現化したものたちのことを人々はそう呼んで区別する。
ちなみに、定番でよく言われているレッサー・デーモンなどといった代物とは。
桁違いにその実力の差が歴然としている事実があったりするのだが。
「いやあの…リナさん、下っ端って…」
思わずそこに突っ込みをいれているミリーナ。
「そうでなくてぇ!これはいったい何なんですかぁ!?」
あからさまに異形それを目にして半ばパニックになりかけのジェイド。
まあこの反応が普通の反応であろう…
「うーん、簡単に説明したら、空間をちょっと変な風にいじくって、
私たちだけをここに閉じ込めたのよ。」
さらりというリナの言葉に。
「ほぉぅ。よく知っているな。」
リナのそんな言葉に完全に小ばかにしたような口調で言っていたりする、『それ』。
人間風情がたかが小耳に挟んだ程度でわれらのことを理解できるものか。
などと思っているそれではあるが。
世の中、知らない、というのが一番に恐ろしい、とはこういうことをいうのであろう。
相手がただ、知識を聞きかじっているだけの人間風情、そう思い込んでいるこの魔族。
ある意味-一番世界で無謀な魔族なのかもしれない……
「まあね。というか見ただけでそれくらいわかるって。
で?まさか世間話がしたくて出てきたってわけ?」
あからさまに余裕のその言葉に少しばかり、少しばかり実力があるから、
といって、完全にこちらを馬鹿にしてるな、この人間風情は。
などととことん勘違いしまくっているその魔族。
「まあな。ちょっと死んでもらおうと思ってな。」
そういいつつもするりと大通りにと滑り出てくるそれ。
「というかできないことはいわないことよ。あ、ジェィドは下がってて。
普通の剣じゃ、こいつ切れないから、ま、根性いれたら切れるけど。
それと、もう一匹いるから、気をつけてねv」
にこやかにさらりと、まったく軽い小物を相手にするようにさわやかに言い放つ、
そんなリナの言葉に。
「よく気がつく女だな。―お前たち!」
いいつつも、そのままあたりに殺気を撒き散らし。
それと同時に上空より降りかかる殺気の数が多少。
それと周りからも少々。
屋根の上から飛び降りてくるのは先日、リナたちを襲っていた、
ついでにいえば元人間であり、ここにいるジェィドの父親でもある、グランシス=コードヴェル。
そのなれの果て。
そしてもうひとつの気配は目だまだけの魔族とは反対側から大通りにと歩み出てくる。
そして。
決定的なのは、それとともに。
リナたちを取り囲むようにして出現する、レッサー・デーモンやブラス・デーモンの数々の姿。
そして。
最後にでてきたその魔族の風貌がその、何というか…
三匹目、として出てきたそれには、そもそも顔そのものがなく。
それの首の部分には子供の手首ほどの太さをした蛇のような頭のものが、
五・六本、生えているだけ。
ちょっと見た目にはその首から小さなヒドラの首を移植したようにも見て取れる。
「…三匹!?」
さすがにこんなにも大勢、まあリナとガウリイにとってはそうではないのだが。
緊張した様子で珍しく声を高めているミリーナ。
「…まあ、たかが人間五匹程度にこちらが三人。というのは、
いささか大げさだとは私も思うのだがな…一応命令だからな。」
そういうそんなそれの言葉に。
「…つーか、少なすぎると思うぞ?」
「同感。」
そんな会話をしていたりするリナとガウリイ。
「命令ってシェーラからのか?」
とりあえず疑問に思いつつ口を開くルークのその言葉に。
すっと目を細め。
「……貴様ら?何者だ?いったい?」
いきなりシェーラの名前を出されて戸惑うそれら。
もっとも、彼らにとってはシェーラは上司。
というか身分そのものが異なるが。
いくらなんでも覇王の軍下にいるのに、覇王将軍、その名前を知らない輩はいるはずもなく。
「あんたらに『何者』呼ばわりされるいわれはないなぁ。」
なごやかにのほほんというガウリイのその言葉に。
「…何をどこまで知っているのかは知らんが。
…やはり、始末しておいたほうがよさそうだな!」
その言葉と同時に。
薙いだ右手が虚空に瘴気の槍をうみ、リナたちにむかって解き放つ。
―バシュ。
だがしかし。
その槍はいともあっさりと完全にと霧散されてゆく。
「ちょーどいいわvこの前、エルさんから教わった術の実験vv」
「って!リナ、それはちょっとまてぃ!」
にこやかにうきうきと何やら唱え始めるリナの言葉に。
あわてて防御結界を張り巡らせて行くガウリイの姿が。
魔の張った結界内部で見受けられてゆく-……
-続くー
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あとがきもどき:
薫:問題は、まあ覇軍と降魔がミックスされている。
というのが問題かな?ま、いっか(よくないです)
しかし・・・・・世の中、知らない、というのが一番怖いですねぇ・・・。
まあ、とあるあの世界…エル様=リナ。
という世界よりはましなのかもしれないけど・・・・・。
何はともあれ、次回、登場、白い巨人?(まて)
までいっけるかなv
何はともあれ、ではまた、次回でv
教訓:喧嘩は相手をみてから仕掛けましょう(笑
2003年11月19日某日